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公開番号2025106525
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-15
出願番号2025066100,2021558315
出願日2025-04-14,2020-11-10
発明の名称積層フィルム
出願人東洋紡株式会社
代理人
主分類B32B 27/36 20060101AFI20250708BHJP(積層体)
要約【課題】ペットボトルからリサイクルされたポリエステル樹脂を用いた基材フィルム層の上に、無機薄膜層及び保護層をこの順に有してなる環境対応型の積層フィルムであって、レトルト殺菌のような過酷な湿熱処理後もバリア性および接着性に優れ、かつ、レトルト処理後もフィルムの外観悪化が少ない積層フィルムを提供することを課題として掲げた。
【解決手段】基材フィルムの少なくとも片面に無機薄膜層を有すると共に、該無機薄膜層上にウレタン樹脂を有する保護層を有する積層フィルムであって、前記積層フィルムが下記(a)~(c)の要件を満足することを特徴とする積層フィルム。
(a) 前記基材フィルムが、ペットボトルからリサイクルされたポリエステル樹脂を50重量%以上含有する。
(b) 前記積層フィルムを130℃×30分レトルト処理後のヘイズの標準偏差が0.5%以下であることを特徴とする積層フィルム。
(c)前記保護層の付着量が0.5g/m2以下であること。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
基材フィルムの少なくとも片面に無機薄膜層を有すると共に、該無機薄膜層上に芳香族成分または芳香脂肪族成分を構成成分として含むウレタン樹脂を含有する保護層を有する積層フィルムであって、前記積層フィルムが下記(a)~(c)の要件を満足することを特徴とする積層フィルム。
(a) 前記基材フィルムが、ペットボトルからリサイクルされたポリエステル樹脂を50重量%以上含有する。
(b) 前記積層フィルムを130℃×30分レトルト処理後のヘイズの標準偏差が0.5%以下である。
(c)前記保護層の付着量が0.5g/m

以下である。
続きを表示(約 320 文字)【請求項2】
前記保護層がメタキシリレンジイソシアネート成分を構成成分として含有することを特徴とする、請求項1に記載の積層フィルム。
【請求項3】
前記基材フィルム層と無機薄膜層の間に被覆層を有し、前記被覆層はオキサゾリン基またはカルボジイミド基を有する樹脂を構成成分として含有する請求項1または2に記載の積層フィルム。
【請求項4】
前記無機薄膜層が、酸化アルミニウム層または、酸化ケイ素と酸化アルミニウムの複合酸化物の層である請求項1~3のいずれかに記載の積層フィルム。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載の積層フィルムの片面にシーラント層を積層してなる包装材料。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、食品、医薬品、工業製品等の包装分野に用いられる積層フィルムに関する。更に詳しくは、ペットボトルからリサイクルされたポリエステル樹脂を用いた基材フィルム層の上に、無機薄膜層及び保護層をこの順に有してなる積層フィルムであって、バリア性および接着性に優れ、かつ、レトルト殺菌のような過酷な湿熱処理後が施される用途に使用しても優れたガスバリア性を有する積層フィルムに関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年、欧州はじめ世界各国において、使い捨てプラスチック使用削減に向けた規制が強化されている。その背景には、資源循環への国際的な意識の高まりや新興国におけるごみ問題の深刻化がある。そのため、食品、医薬品等に求められるプラスチック製包装材料についても、3R(recycle, reuse, reduce)の観点から環境対応型の製品が求められている。
【0003】
前述の環境に優しい包装材料に求められる性能として、リサイクル材料から成ること、各種ガスを遮断し賞味期限を延長できるガスバリア性能を有すること、環境負荷が少ない材料(例えば有機溶剤を使用しないことや材料の使用量自体が少ないこと)を用いること等が挙げられる。
【0004】
代表的なリサイクル材料として、ペットボトルからリサイクルされたポリエステル樹脂が知られており、オリゴマー含有量の少ないペットボトル由来のポリエステル樹脂から、生産性、品位を損なうことなく静電気によるトラブルが少ない胴巻ラベル用ポリエステルフィルムにするという技術が知られている(例えば特許文献1参照)。今後の環境規制の高まりにより、こういったフィルム用途としての需要拡大が見込まれている。
【0005】
一方、水蒸気や酸素等の各種ガスの遮断を必要とする食品用途においては、プラスチックからなる基材フィルムの表面に、アルミニウム等からなる金属薄膜、酸化ケイ素や酸化アルミニウム等の無機酸化物からなる無機薄膜を形成したガスバリア性積層体が、一般的に用いられている。中でも、酸化ケイ素や酸化アルミニウム、これらの混合物等の無機酸化物の薄膜(無機薄膜層)を形成したものは、アルミ箔を用いる必要がないこと、さらに透明であり内容物の確認が可能であることから、広く使用されている。
【0006】
前述のリサイクル材料と無機薄膜から成るガスバリアフィルムについて、ペットボトルからリサイクルされたポリエステル樹脂を用い、低熱収縮性、厚みムラが小さいことにより無機薄膜層およびシーラント層を備えたガスバリア性積層フィルムとした際、良好なガスバリア性を発現する積層フィルムが提案されている(例えば特許文献2)。しかし、かかる従来技術では、賞味期限を延長できるレトルト処理等の殺菌処理後の界面接着性に関する検討がなされていないことや、レトルト処理後のバリア性能については未検討であった。
【0007】
レトルト処理後もバリア性や接着性を維持する手段として、基材フィルムと例えば蒸着法により形成した無機薄膜層との間に、オキサゾリン基含有水溶性ポリマーからなる被覆層を設けることが報告されている(例えば特許文献3参照)。基材フィルムと無機薄膜の間に被覆層を設けることは、基材の製膜中に連続して行うことも可能であり、無機薄膜上に保護層を形成するよりも大きなコストダウンが見込める。しかし、上記構成の場合、被覆層自体にガスバリア性は無く、ガスバリア性に対する寄与は無機薄膜層のみによるところが大きいため、ガスバリア性が充分でない問題があった。
【0008】
上記問題に対して、無機薄膜の上にさらにガスバリア性を有する保護層を設ける試みがなされている。例えば、無機薄膜上に水溶性高分子と無機層状化合物および金属アルコキシドあるいはその加水分解物をコートして、ゾルゲル法により無機薄膜上に無機層状化合物を含有する無機物と水溶性高分子との複合体を形成させる方法や、無機薄膜上にメタキシリレン基含有ポリウレタンをコートした積層体(たとえば特許文献4参照)が挙げられる。
【0009】
被覆層、無機薄膜層、保護層を設けることでレトルト処理後のバリア性能やラミネート積層体にした際の各層界面における接着性を維持することはできるが、基材やコート材料について、環境負荷の少ないものを意識して使用しておらず、環境への負荷は大きい懸念があった。さらに、高温でのレトルト処理時のフィルム白化については未検討であった。すなわち、フィルムが高温に晒されると、基材中のオリゴマー析出や被覆・保護層の凹凸変形によりフィルムが白化し、外観や印刷性に悪影響を与える虞があった。特にペットボトル由来の樹脂を用いてフィルムとした場合、元々のヘイズが高い場合もあり、レトルト後はさらにヘイズ値が上昇してしまうことを本発明者らは見出した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開2012-91862号公報
特許第6500629号公報
特許第5560708号公報
特許第4524463号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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