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公開番号2025119493
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-14
出願番号2024014402
出願日2024-02-01
発明の名称二軸配向ポリプロピレンフィルム
出願人東洋紡株式会社
代理人弁理士法人アスフィ国際特許事務所
主分類B32B 27/32 20060101AFI20250806BHJP(積層体)
要約【課題】本発明は、常温での損失弾性率、並びに高温および比較的低温での損失弾性率が常温での損失弾性率に対して特定の比率以上であり、包装用に使用するヒートシール性フィルムである二軸配向ポリプロピレンフィルムを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る二軸配向ポリプロピレンフィルムは、ポリプロピレン系樹脂組成物からなる基材層A、及びポリプロピレン系樹脂組成物からなるシール層Bを有し、下記(1)および下記(2)を満足することを特徴とする。
(1)シール層Bを少なくとも一方の最表面に有する。
(2)動的粘弾性測定において、-25℃から25℃での損失弾性率の最大値をE”(A)、25℃から75℃での損失弾性率の最小値をE”(B)、100℃から160℃での損失弾性率の最大値をE”(C)とすると、E”(C)/E”(A)が0.55以上であり、E”(B)/E”(C)が0.55以上である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリプロピレン系樹脂組成物からなる基材層A、及びポリプロピレン系樹脂組成物からなるシール層Bを有し、下記(1)および下記(2)を満足することを特徴とする二軸配向ポリプロピレンフィルム。
(1)シール層Bを少なくとも一方の最表面に有する。
(2)動的粘弾性測定において、-25℃から25℃での損失弾性率の最大値をE”(A)、25℃から75℃での損失弾性率の最小値をE”(B)、100℃から160℃での損失弾性率の最大値をE”(C)とすると、E”(C)/E”(A)が0.55以上であり、E”(B)/E”(C)が0.55以上である。
続きを表示(約 940 文字)【請求項2】
熱機械分析において、30℃から160℃まで昇温速度10℃/分で昇温したとき、30℃での幅方向の長さX
0
に対して幅方向の長さが0.9950×X
0
以下となる温度が129℃以上であり、23℃での長手方向の貯蔵弾性率が2.0GPa以上、23℃での幅方向の貯蔵弾性率が7.0GPa以上である請求項1に記載の二軸配向ポリプロピレンフィルム。
【請求項3】
23℃での長手方向の貯蔵弾性率と140℃での長手方向の貯蔵弾性率との和が2.8GPa以上であり、23℃での幅方向の貯蔵弾性率と140℃での幅方向の貯蔵弾性率との和が8.5GPa以上である請求項1または2に記載の二軸配向ポリプロピレンフィルム。
【請求項4】
120℃での長手方向の貯蔵弾性率が0.5GPa以上、120℃での幅方向の貯蔵弾性率が1.5GPa以上である請求項1または2に記載の二軸配向ポリプロピレンフィルム。
【請求項5】
120℃での長手方向の熱収縮率が2.5%以下、120℃での幅方向の熱収縮率が1.1%以下である請求項1または2に記載の二軸配向ポリプロピレンフィルム。
【請求項6】
23℃での幅方向の5%伸長時応力が120MPa以上である請求項1または2に記載の二軸配向ポリプロピレンフィルム。
【請求項7】
ヘイズが7.0%以下である請求項1または2に記載の二軸配向ポリプロピレンフィルム。
【請求項8】
防曇剤を0.2質量%以上2.0質量%以下含む請求項1または2に記載の二軸配向ポリプロピレンフィルム。
【請求項9】
前記基材層Aが、メソペンタッド分率が97.0%以上であるポリプロピレン樹脂を90質量%以上含む請求項1または2に記載の二軸配向ポリプロピレンフィルム。
【請求項10】
前記シール層Bがポリプロピレン共重合体を70質量%以上含み、前記ポリプロピレン共重合体がプロピレン以外のα-オレフィンを4モル%以上含む請求項1または2に記載の二軸配向ポリプロピレンフィルム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、二軸配向ポリプロピレンフィルムに関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、包装用に使用するヒートシール性フィルムとして、ポリプロピレン系樹脂フィルムが広く用いられている。ヒートシール性を有するポリプロピレン系樹脂フィルムの一例として、無延伸ポリエチレン系樹脂フィルム又は無延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムと延伸ポリプロピレン系樹脂フィルムとをラミネートした積層ポリプロピレン系樹脂フィルムが挙げられる。しかし、上記積層ポリプロピレン系樹脂フィルムは、十分なシール強度を有するものの、有機溶剤などを使用するラミネート工程が必要であり、コスト面からも地球環境に与える影響の面からも好ましくない。
【0003】
別の例として、高融点のポリプロピレン系樹脂からなる層と低融点のポリオレフィン系樹脂からなる層を共押出しで積層したシートを延伸して得られた積層ポリプロピレン系樹脂フィルムが挙げられる。例えば、特許文献1,2には、剛性や透明性に優れたヒートシール性を有する二軸配向ポリプロピレン系樹脂フィルムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2021/5893号パンフレット
国際公開第2019/244708号パンフレット
国際公開第2014/148547号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1,2のフィルムは、加熱すると、剛性と平面性が低下してしまい、加工性に劣るという問題があった。
なお、寸法安定性に優れ、高温での熱収縮率が低く、特に熱収縮応力が小さい二軸配向ポリプロピレンフィルムは開発されているが(特許文献3)、高電圧用コンデンサ用の離型フィルムとして用いられるものであり、包装用フィルムとは適用分野が全く異なる。
【0006】
本発明は、常温での損失弾性率、並びに高温および比較的低温での損失弾性率が常温での損失弾性率に対して特定の比率以上であり、包装用に使用するヒートシール性フィルムである二軸配向ポリプロピレンフィルムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、かかる目的を達成するために鋭意検討した結果、常温での損失弾性率、並びに高温および比較的低温での損失弾性率が常温での損失弾性率に対して特定の比率以上である二軸配向ポリプロピレンフィルムを開発し、本発明を完成した。すなわち、本発明は、以下の発明を含む。
[1] ポリプロピレン系樹脂組成物からなる基材層A、及びポリプロピレン系樹脂組成物からなるシール層Bを有し、下記(1)および下記(2)を満足することを特徴とする二軸配向ポリプロピレンフィルム。
(1)シール層Bを少なくとも一方の最表面に有する。
(2)動的粘弾性測定において、-25℃から25℃での損失弾性率の最大値をE”(A)、25℃から75℃での損失弾性率の最小値をE”(B)、100℃から160℃での損失弾性率の最大値をE”(C)とすると、E”(C)/E”(A)が0.55以上であり、E”(B)/E”(C)が0.55以上である。
[2] 熱機械分析において、30℃から160℃まで昇温速度10℃/分で昇温したとき、30℃での幅方向の長さX
0
に対して幅方向の長さが0.9950×X
0
以下となる温度が129℃以上であり、23℃での長手方向の貯蔵弾性率が2.0GPa以上、23℃での幅方向の貯蔵弾性率が7.0GPa以上である前記[1]に記載の二軸配向ポリプロピレンフィルム。
[3] 23℃での長手方向の貯蔵弾性率と140℃での長手方向の貯蔵弾性率との和が2.8GPa以上であり、23℃での幅方向の貯蔵弾性率と140℃での幅方向の貯蔵弾性率との和が8.5GPa以上である前記[1]または[2]に記載の二軸配向ポリプロピレンフィルム。
[4] 120℃での長手方向の貯蔵弾性率が0.5GPa以上、120℃での幅方向の貯蔵弾性率が1.5GPa以上である前記[1]~[3]のいずれかに記載の二軸配向ポリプロピレンフィルム。
[5] 120℃での長手方向の熱収縮率が2.5%以下、120℃での幅方向の熱収縮率が1.1%以下である前記[1]~[4]のいずれかに記載の二軸配向ポリプロピレンフィルム。
[6] 23℃での幅方向の5%伸長時応力が120MPa以上である前記[1]~[5]のいずれかに記載の二軸配向ポリプロピレンフィルム。
[7] ヘイズが7.0%以下である前記[1]~[6]のいずれかに記載の二軸配向ポリプロピレンフィルム。
[8] 防曇剤を0.2質量%以上2.0質量%以下含む前記[1]~[7]のいずれかに記載の二軸配向ポリプロピレンフィルム。
[9] 前記基材層Aが、メソペンタッド分率が97.0%以上であるポリプロピレン樹脂を90質量%以上含む前記[1]~[8]のいずれかに記載の二軸配向ポリプロピレンフィルム。
[10] 前記シール層Bがポリプロピレン共重合体を70質量%以上含み、前記ポリプロピレン共重合体がプロピレン以外のα-オレフィンを4モル%以上含む前記[1]~[9]のいずれかに記載の二軸配向ポリプロピレンフィルム。
[11] 前記基材層Aと前記シール層Bとの間にポリプロピレン系樹脂組成物からなる中間層Cを有し、前記中間層Cを構成するポリプロピレン系樹脂組成物の融点が前記シール層Bを構成するポリプロピレン系樹脂組成物の融点より高い前記[1]~[10]のいずれかに記載の二軸配向ポリプロピレンフィルム。
[12] 厚みが10μm以上100μm以下である前記[1]~[11]のいずれかに記載の二軸配向ポリプロピレンフィルム。
【発明の効果】
【0008】
本発明のポリプロピレンフィルムは、剛性および耐熱性に優れているヒートシール性を有するフィルムであるため、包装袋としたときに袋形状を保持しやすい。また、シーラントフィルムをラミネートすることなく、高い剛性が必要とされる用途にも好適に用いることができ、フィルムの厚みを薄くしても強度を維持することができる。また、耐熱性に優れているのでヒートシールしたときにシール部のシワが少なく、袋形状としたときの外観に優れている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、本発明に係る実施例1、比較例1および比較例4における温度とフィルム幅方向の長さとの関係を示す図である。
図2は、本発明に係る実施例1、及び比較例1における温度と損失弾性率との関係を示す図である。
図3は、本発明に係る実施例1、及び比較例1における温度と貯蔵弾性率との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の二軸配向ポリプロピレンフィルムについて説明する。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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