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公開番号
2025150561
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-09
出願番号
2024051499
出願日
2024-03-27
発明の名称
浄水薬品注入制御システム、浄水薬品注入制御方法、及びプログラム
出願人
株式会社日立製作所
代理人
弁理士法人信友国際特許事務所
主分類
C02F
1/00 20230101AFI20251002BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約
【課題】機械学習モデルによる薬品注入操作の薬品注入率(推奨値)を補正した場合の説明性を向上させる。
【解決手段】浄水薬品注入制御システム100は、水道施設の薬品注入操作実績データの機械学習によって薬品注入率を算出し薬品注入操作を再現する薬品注入モデルを構築する薬品注入モデル構築部200と、水道施設の計測データの現在値に基づいて薬品注入モデルにより薬品注入率を算出する薬品注入率算出部300と、明示的な形式で表現された薬品注入操作の補正情報を含む浄水ナレッジデータベース500を参照して、薬品注入モデルにより薬品注入率の補正量を算出する薬品注入率補正部400と、を備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
水道施設の薬品注入操作実績データの機械学習によって薬品注入率を算出し薬品注入操作を再現する薬品注入モデルを構築する薬品注入モデル構築部と、
前記水道施設の計測データの現在値に基づいて前記薬品注入モデルにより薬品注入率を算出する薬品注入率算出部と、
明示的な形式で表現された前記薬品注入操作の補正情報を含む浄水ナレッジデータベースを参照して、前記薬品注入モデルにより前記薬品注入率の補正量を算出する薬品注入率補正部と、を備える
浄水薬品注入制御システム。
続きを表示(約 950 文字)
【請求項2】
前記浄水ナレッジデータベースの明示的な形式で表現された前記薬品注入操作の補正情報は、前記薬品注入モデルとは別に定義されている
請求項1に記載の浄水薬品注入制御システム。
【請求項3】
前記薬品注入率算出部が前記薬品注入率の補正量を算出する際に参照した、明示的な形式で表現された前記薬品注入操作の補正情報を表示する表示部、を備える
請求項2に記載の浄水薬品注入制御システム。
【請求項4】
前記薬品注入率算出部による前記薬品注入率の演算値と、前記薬品注入率補正部による前記薬品注入率の補正値を併記して前記表示部に表示する
請求項3に記載の浄水薬品注入制御システム。
【請求項5】
前記薬品注入率補正部で用いる明示的な形式で表現された前記薬品注入操作の補正情報が、IF-THEN型のルール形式である
請求項2に記載の浄水薬品注入制御システム。
【請求項6】
前記薬品注入率補正部で用いる明示的な形式で表現された前記薬品注入操作の補正情報が、関数形式である
請求項2に記載の浄水薬品注入制御システム。
【請求項7】
前記薬品注入率補正部で用いる明示的な形式で表現された前記薬品注入操作の補正情報が、自然言語形式である
請求項2に記載の浄水薬品注入制御システム。
【請求項8】
前記薬品注入操作の補正情報の中に、少なくとも前記水道施設が処理対象とする原水の濁度に関する情報が含まれている
請求項2に記載の浄水薬品注入制御システム。
【請求項9】
前記薬品注入モデル構築部の機械学習に用いるモデルが、階層型ニューラルネットワークモデルである
請求項2に記載の浄水薬品注入制御システム。
【請求項10】
前記薬品注入モデル構築部に用いる前記階層型ニューラルネットワークモデルの学習アルゴリズムが、機械学習させる教師データ値と前記階層型ニューラルネットワークモデルの演算値の誤差に基づいて、モデルパラメータを調整する
請求項9に記載の浄水薬品注入制御システム。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、水道施設における浄水プロセスでの薬品注入操作を行うための浄水薬品注入制御システム、浄水薬品注入制御方法、及びプログラムに関する。
続きを表示(約 1,600 文字)
【背景技術】
【0002】
水道施設は、清澄な水道水を安定供給することが求められる重要な都市インフラである。水道施設の中でも浄水プロセスは、水道水質の良否に直結する最も重要なプロセスの一つである。
【0003】
多くの水道施設では、浄水プロセスとして凝集沈殿、砂ろ過、消毒処理が採用されている。この処理においては、原水中の濁り成分などを凝集させるための凝集剤、及び病原性微生物などを不活化するための消毒剤の注入操作が行われる。これらの薬品注入操作を適切に行うことが、水道法での水質基準、あるいは各水道施設での自主的な水質目標を達成するために重要である。
【0004】
適切な薬品注入操作を実現するために、過去から現在に至るまで様々な制御技術の開発が進められてきた。浄水プロセスでの凝集沈殿や消毒に関わる物理、化学、生物学的な知見に基づく衛生工学的なアプローチはもとより、近年では機械学習を利用した人工知能(Artificial Intelligence:AI)によるアプローチも多数見られるようになっている。
【0005】
都市インフラ施設の現場での労務構成の変化による熟練職員の減少と、これに伴う現場ノウハウの消失は、水道施設においても例外ではない。そのため、過去の優良な運転操作実績データを活用し、熟練職員の操作を再現させることができる機械学習へのニーズは、今後ますます高まっていくものと考えられる。
【0006】
上述した機械学習でのAIによるアプローチは、運転操作実績データを学習させたモデル(機械学習モデル)を構築することで、過去に職員が実施した操作をある程度再現できることが特徴である。これによって、様々な操作条件下での注入操作の推奨値を提示することができ、制御や運転ガイダンスに活用することが期待できる。
【0007】
しかし、機械学習モデル単独での適用にはいくつかの課題が指摘されており、それらが導入障壁となっているケースも存在する。課題の一つは、機械学習モデルのロバスト性に関するものである。機械学習モデルの適用範囲は、一般的には学習した実績データの範囲内に留まり、範囲外の条件(いわゆる外挿条件)では、モデル演算値の妥当性が十分に担保できないという課題が存在する。
【0008】
もう一つの課題は、機械学習モデルのブラックボックス性である。機械学習モデルでは、学習結果が多数のモデル係数(一般に「重み係数」と呼称)で表現されるために、物理化学モデルなどと比較して可読性が低い。そのため、機械学習モデルの注入操作推奨値の説明性や納得感が低いものとなっている。従前より注入操作推奨値を決定する過程のブラックボックス性を緩和するための試み(例えば、圓佛ほか「ニューラルネットを用いたプラント運転ルールの抽出に関する研究」電気学会論文誌D、Vol.111, No.1)が行われてきたものの、いまだ十分には解消されていないのが現状である。
【0009】
これらの課題に対して、例えば特許文献1では、機械学習によって構築した薬品注入モデルでの注入率推奨値に対して、処理水質試験(ジャーテストなど)の結果に基づいて注入率を補正する制御方式が開示されている。この方式はジャーテストなどによる推奨値補正であるため、納得感も妥当性も向上し、ブラックボックス性とロバスト性についての課題を緩和することが期待できる。
【0010】
また、特許文献2では、施設のプロセスデータなどを用いた統計分析や機械学習などによって、運転操作の制御目標値などの設定に関するナレッジを抽出し、そのナレッジを活用する制御方式が開示されている。この方式においても、ナレッジによる説明性向上により、ブラックボックス性の緩和が期待できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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