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公開番号2025157162
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-15
出願番号2025050095
出願日2025-03-25
発明の名称環境負荷の低減化を図る方法
出願人有限会社エコルネサンス・エンテック
代理人個人
主分類C02F 1/28 20230101AFI20251007BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約【課題】従前の汚染対策では、省みられることがなかった、土壌における汚染共存有機物の存在量に依存して汚染溶出量が変化する現象に対し、汚染土壌からの汚染物質の溶出濃度、或いは汚染地下水濃度を一定濃度以下で安定的とする環境負荷の低減化を図る方法の市場提供が課題であった。
【解決手段】地中構成物に対し固定化資材や必要に応じて透水性低下を図る資材を施用する。係る固定化資材の施用により、一連の操作の端緒として有機系汚濁物を係る資材表面へ吸着せしめ、続いて吸着された有機系汚濁物に対するNAやラジカル生成を介した浄化反応を促し、汚染物質の浄化による資材表面の吸着座の再生を図り、汚染土壌からの汚染物質の溶出濃度、或いは汚染地下水濃度の低減化を図る。また、上記と相まって透水性低下を図る資材を施用することにより、汚染物質の溶出濃度、或いは汚染地下水濃度の一層の低減化を図る。
【選択図】図6


特許請求の範囲【請求項1】
汚染物質及び汚染共存有機物からなる有機系汚濁物により汚染された地中構成物に対し、(A)有機系汚濁物を吸着する能力と有機物代謝細菌の付着を誘う能力を備えた疎水部位を有する固定化資材を施用、また必要に応じて透水性低下を図る資材を併せて施用し、
(B)前記固定化資材の表面にて、(i)有機物代謝細菌の原生動物による捕食抑制や凝集体形成を特徴とする有機系汚濁物の代謝による浄化、及び(ii)有機物代謝細菌にとっての電子受容体や電子受容体前駆物質の存在下で駆動されるラジカル反応による浄化の、少なくとも一方を誘導して固定化資材表面の吸着座の再生を図る賦活化を、一連で実施することを特徴とする環境負荷の低減化を図る方法。
続きを表示(約 320 文字)【請求項2】
前記地中構成物が水層であって、柱状改良法や注入法での前記固定化資材の施用に加え地下水層や宙水層に設置した透過壁に対し前記固定化資材を施用することを特徴とする請求項1に記載の環境負荷の低減化を図る方法。
【請求項3】
前記固定化資材が、廃棄物由来の炭化物であることを特徴とする請求項1または2に記載の環境負荷の低減化を図る方法。
【請求項4】
前記汚染物質がハロゲン化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の環境負荷の低減化を図る方法。
【請求項5】
前記賦活化後に、自然減衰による汚染対策に移行することを特徴とする請求項1または2に記載の環境負荷の低減化を図る方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、地中構成物に施用した資材群による有機物代謝細菌の付着や汚染物質の吸着・溶出抑制と、続く原生動物の捕食抑制を特徴とする自然減衰や電子受容体前駆物質等を介したラジカル反応による資材の吸着能の再生を図ることにより、土壌汚染の溶出濃度や地下水濃度をより安全側に移行させる、環境負荷の低減化を図る方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
有機ハロゲン化合物やベンゼン等に由来する土壌地下水汚染は、特許文献1を用いた調査等によって、専ら地表から地盤に滲入して土壌汚染を引き起こし、更に宙水や地下水等に移行して、場合によっては広範囲に広がる地下水汚染を生じる。一般に汚染物質による土壌汚染は、溶出濃度にて規制され、地下水基準もその溶出濃度と同等の濃度にて規制される。
なお、土壌汚染の溶出濃度や地下水汚染濃度は、被汚染媒体である土壌の汚染吸着能と密接に関わるところでもある。一般に土壌への汚染物質の吸着/溶出は、土壌中の炭素含有量と強い関係があるとされている(非特許文献1)。
また、係る溶出汚染濃度に対しては、環境微生物を主体とする自然減衰による濃度低下が期待されるところであるが、自然環境下における環境微生物数は原生動物の捕食によって極めて低濃度に保たれており(非特許文献2)、従って自然減衰による溶出汚染濃度低下は極めて低調に抑制されている状況にあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許7423062号公報
【非特許文献】
【0004】
有機ハロゲン物質の土壌との吸脱着について,水質汚濁研究,Vol.8,No.5,p.282-288(1985)
単離および土着の原生動物に捕食される細菌の残存性に関する評価, 土木学会論文集G(環境)2019 年 75 巻 7 号 p. III_395-III_402
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
実汚染現場において、土壌中の炭素含有量に少なからず影響を及ぼすものは、有機系汚染と混交状態で存在する汚染と共存する有機物(以下、汚染共存有機物という。)である。
例えば、テトラクロロエチレン等の有機塩素化合物は、金属加工やクリーニング等にて脱脂用途に用いられるため、専ら油脂/グリース成分の汚染共存有機物を伴う。また、泡消火剤等に含まれる有機フッ素化合物:PFAS類は、難燃性泡沫を形成させる目的で用いられ、専ら界面活性剤成分の汚染共存有機物を伴う。更に、ベンゼンは、ガソリン等の燃料の一部に含まれ、専らベンゼン以外の燃料成分たる汚染共存有機物を伴う。
この様に、多くの汚染物質は、汚染共存有機物を伴い、その存在量に依存して土壌から溶出する状況にあった。
【0006】
ところで、汚染物質は、ゼノバイオティクス(Xenobiotics)と呼ばれる自然界にそもそも存在しない人工合成物であるものも多く、自然環境では、生物分解を主とした自然減衰(NA:Natural Attenuation;NAには後述する様にENAとMNAの2種類が存在する)により極めて緩やかに低濃度化が進行する難分解性物質を多く含む。
一方、汚染共存有機物は、汎用化成品等にて構成され、一般により速やかなNAが図られる易分解性物質である場合が多い。
【0007】
この様に、汚染共存有機物が専ら易分解性であり、その一方で汚染物質が専ら難分解性であるが故に、両物質間におけるNA等による浄化速度等の差が、土壌からの汚染溶出挙動を少なからず不安定としている。
即ち、汚染物質の存在量が変わらずとも、汚染共存有機物の存在量が減ってしまうと、汚染物質の溶出濃度が増加してしまう現象が起きる。
実現場においては、有機ハロゲン化合物やベンゼン等による土壌汚染が溶出濃度によって規制される状況下、汚染共存有機物の存在量如何により汚染溶出量が変化してしまう状況は、汚染浄化対策事業における浄化終点予測や施工後に実施する2年間に亘る浄化確認モニタリング等を不安定なものにしてしまう虞を有する。
【0008】
総じて、汚染共存有機物の存在量に依存して汚染溶出量が変化する問題に対し、汚染土壌からの汚染溶出を一定濃度以下で安定的に保つ方法の市場提供を具体的な課題として挙げる。
なお、係る課題を克服する新たな発明が、持続可能な社会の実現に資する方法論に立脚した技術であることは、言うまでもない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述の課題を解決するための本発明の要旨とするところは、次の発明に存する。
汚染物質及び汚染共存有機物からなる有機系汚濁物により汚染された地中構成物に対し、(A)有機系汚濁物を吸着する能力と有機物代謝細菌の付着を誘う能力を備えた疎水部位を有する固定化資材を施用、また必要に応じて透水性低下を図る資材を併せて施用し、
(B)前記固定化資材の表面にて、(i)有機物代謝細菌の原生動物による捕食抑制や凝集体形成を特徴とする有機系汚濁物の代謝による浄化、及び(ii)有機物代謝細菌にとっての電子受容体や電子受容体前駆物質の存在下で駆動されるラジカル反応による浄化の、少なくとも一方を誘導して固定化資材表面の吸着座の再生を図る賦活化を、一連で実施することを特徴とする環境負荷の低減化を図る方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明であるところの環境負荷の低減化を図る方法によれば、従前の汚染共存有機物の存在量の変動に由来する土壌汚染の溶出挙動が不安定であった課題に対し、地中構成物へ固定化資材や透水性低下を図る資材を施用することにより、汚染溶出濃度や地下水濃度を一定濃度以下(例えば環境基準値以下)に抑制/維持するばかりでなく、更に、固定化資材の吸着能力の再生を図る目的で、原生動物の捕食抑制や凝集体形成を特徴とする有機物代謝細菌群の増殖や菌叢構成の適切な遷移を促すNAや、電子受容体前駆物質等を介したラジカル反応を図ることにより、土壌汚染の溶出濃度や地下水濃度をより安全側に移行させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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