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公開番号
2025063029
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-15
出願番号
2024216112,2021573421
出願日
2024-12-11,2020-06-13
発明の名称
がんの治療ための新規インターロイキン-2バリアント
出願人
キュージーン インコーポレイテッド
,
CUGENE INC.
代理人
弁理士法人北青山インターナショナル
主分類
C07K
14/55 20060101AFI20250408BHJP(有機化学)
要約
【課題】単離されたインターロイキン-2バリアントポリペプチドを提供する。
【解決手段】単離されたインターロイキン-2(IL-2)バリアントポリペプチドであって、特定のアミノ酸配列の位置R38、T41、F42、F44、E62、P65、E68、Y107、またはS125の1つまたは複数が別のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列を含むIL-2バリアントポリペプチドであり、前記特定のアミノ酸配列で表されるポリペプチドと比較して、IL-2Rαに結合できず、もはやTreg細胞を優先的に活性化しないが、IL-2Rβγ複合体に結合して活性化する能力を保持する、IL-2バリアントポリペプチドが提供される。
【選択図】図18
特許請求の範囲
【請求項1】
単離されたインターロイキン-2(IL-2)バリアントポリペプチドであって、アミノ酸残基の位置R38、T41、F42、F44、E62、P65、E68、Y107、またはS125の1つまたは複数が別のアミノ酸で置換された配列番号3のアミノ酸配列を含むIL-2バリアントポリペプチドであり、配列番号3で表されるポリペプチドと比較して、IL-2Rαに結合できず、もはやTreg細胞を優先的に活性化しないが、IL-2Rβγ複合体に結合して活性化する能力を保持する、IL-2バリアントポリペプチド。
続きを表示(約 1,700 文字)
【請求項2】
単離されたIL-2バリアントポリペプチドであって、アミノ酸残基の位置R38、T41、F42、F44、E62、P65、E68、Y107、またはS125の1つまたは複数が別のアミノ酸で置換された配列番号3のアミノ酸配列を含むIL-2バリアントポリペプチドであり、配列番号3で表されるポリペプチドと比較して、より低いTreg活性を伴うIL-2Rαへの結合の減少を示すが、IL-2Rβγ複合体への結合および活性化の能力を保持する、IL-2バリアントポリペプチド。
【請求項3】
単離されたIL-2バリアントポリペプチドであって、アミノ酸残基の位置R38、T41、F42、F44、E62、P65、E68、Y107、またはS125の1つまたは複数が別のアミノ酸で置換された配列番号3のアミノ酸配列を含むIL-2バリアントポリペプチドであり、配列番号3で表されるポリペプチドと比較して、Treg活性の増加を伴うIL-2Rαへの結合の増強を示す、IL-2バリアントポリペプチド。
【請求項4】
単離されたIL-2バリアントポリペプチドであって、アミノ酸残基の位置L19、D20、S125またはQ126の1つまたは複数が別のアミノ酸で置換された配列番号3のアミノ酸配列を含むIL-2バリアントポリペプチドであり、配列番号3で表されるポリペプチドと比較して、IL-2Rβγ複合体を活性化する能力の低下を示す、IL-2バリアントポリペプチド。
【請求項5】
単離されたIL-2バリアントポリペプチドであって、1つのアミノ酸残基の位置S125が別のアミノ酸で置換された配列番号3のアミノ酸配列を含み、配列番号3で表されるポリペプチドと比較して、タンパク質の発現および純度の向上を示す、IL-2バリアントポリペプチド。
【請求項6】
前記アミノ酸置換が、配列番号3の19位におけるL19D、L19H、L19N、L19P、L19Q、L19R、L19S、L19Yの置換、38位におけるR38A、R38F、R38Gの置換、41位におけるT41A、T41G、およびT41Vの置換、42位におけるF42Aの置換、44位におけるF44GおよびF44Vの置換、62位におけるE62A、E62F、E62H、およびE62Lの置換、65位におけるP65A、P65E、P65G、P65H、P65K、P65N、P65Q、P65Rの置換、68位におけるE68E、E68F、E68H、E68L、およびE68Pの置換、107位におけるY107G、Y107H、Y107LおよびY107Vの置換、ならびに125位におけるS125Iの置換、126位におけるQ126Eの置換、ならびにN末端における5、6、7、8、9、10もしくは11個のアミノ酸の欠失変異体またはこれらの置換もしくは欠失変異体の任意の組み合わせからなる群より選択される、請求項1~5のいずれか一項に記載のIL-2バリアントポリペプチド。
【請求項7】
配列番号3のアミノ酸残基の位置P65およびS125における2つのアミノ酸置換を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のIL-2バリアントポリペプチド。
【請求項8】
配列番号3のアミノ酸残基の位置L19、P65およびS125における3つのアミノ酸置換を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のIL-2バリアントポリペプチド。
【請求項9】
配列番号31~66および配列番号111~120に記載のアミノ酸配列からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のIL-2バリアントポリペプチド。
【請求項10】
配列番号3と少なくとも約70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるアミノ酸配列を含む単離されたIL-2バリアントポリペプチドであって、配列番号3で表されるポリペプチドと比較して、もはやTreg細胞を優先的に活性化しないが、IL-2受容体複合体を活性化する能力を保持する、IL-2バリアントポリペプチド。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【背景技術】
【0001】
本出願は、2019年12月13日に出願された米国仮特許出願第62/947,806号および2019年6月14日に出願された米国仮特許出願第62/861,651号の利益を主張するものであり、該仮特許出願はそれぞれ、参照によりその全体が本明細書に援用される。
続きを表示(約 4,100 文字)
【0002】
インターロイキン2(IL-2)はT細胞に関連して記述がなされた最初の増殖因子である。その発見以後、IL-2は、インビトロにおいてはT細胞の増殖および生存を促進することが示され(Smith、KA.(1988年)、Science.、240巻、頁1169-76)、T細胞とウイルス感染(T viral infection)(Blattman、JNら(2003年)、Nat Med、9巻、頁540-7)やワクチン(Fishman、M.ら(2008年)、J Immunother.、31巻、頁72-80、Kudo-Saito、C.ら(2007年)、Cancer Immunol Immunother.、56巻、頁1897-910;Lin、CT.ら(2007年)、Immunol Lett.、114巻、頁86-93)との関連においては免疫応答をブーストする能力が示されている。
【0003】
IL-2はがん治療で用いられている。組換えヒトIL-2は転移性黒色腫および腎がんに対する効果の高い免疫療法であり、およそ10%の患者で持続的な反応が見られる。しかし、半減期が短く、毒性が強いことで、IL-2の最適用量は制限を受けている。さらに、IL-2は、そのヘテロ三量体型受容体のIL-2Rαβγに対して、より大きな親和性で結合するため、高レベルのIL-2Rαを恒常的に発現している免疫抑制的な制御性T細胞(Treg)の優先的な増殖が起こる。Tregの増殖はがん免疫療法にとってのIL-2の望ましくない効果となる。その結果、IL-2を使用したがんの免疫療法の成功には、1)どうように副作用を抑えつつ、必要な場所で活性化させるか、および2)どのようにTregの刺激を抑える一方で、エフェクターT細胞を優先的に活性化させるかという2つの基本的な重要課題に取り組まなければならない。
【0004】
さらに最近になって、細胞傷害性のエフェクターT細胞を選択的に刺激するようにIL-2を改変できることが分かった。様々なアプローチから、改善された選択的な免疫刺激能を有するIL-2バリアントが生成されるに至った。これらのIL-2バリアントのなかには、主に高親和性の受容体(α鎖、β鎖、およびγ鎖)によりシグナル伝達する能力を増強し、中間親和性の受容体(β鎖およびγ鎖)によりシグナル伝達する能力は増強しないように設計されたものもある。基本的な考え方としては、確認された毒性作用の原因であると考えられたNK細胞におけるシグナル伝達は促進せずに、T細胞におけるシグナル伝達を促進することとした。この分野の発明としては以下のものがある:米国特許第7,186,804号、米国特許第7,105,653号、米国特許第6,955,807号、米国特許第5,229,109号、米国特許出願公開第20050142106号。これらの発明はいずれも、生体内で天然のIL-2よりも高い治療有効性を有するIL-2のバリアントに関するものではないことに留意することが重要である。
【0005】
要約すると、IL-2は、様々な細胞集団の生物活性に非常に関りがある、高度に多面的なサイトカインである。この特性は、IL-2を、免疫応答の制御における重要な交点とし、各治療法および複雑な免疫調節の魅力的な標的としている。さらに、受容体サブユニットに偏ったIL-2バリアントを、IL-2によって媒介される選択的免疫調節を達成するように作製して、がん細胞を攻撃するTeff細胞を優先的に増殖および活性化し、一方ではTreg細胞の増殖および活性化を減少させることができる。
【発明の概要】
【0006】
1つの態様において、本発明は、IL-2Rαへの結合能力が減少または消失したIL-2活性の選択的アゴニストであることを特徴とするIL-2の変異バリアントの作製に関する。具体的には、これらのバリアントは、生体内でネイティブな制御性T細胞を増殖させる証明済みの能力に由来するネイティブなIL-2による治で観察される制限を克服する方法をもたらすことになる。本発明は、変異している数個のアミノ酸を除いて、ヒトIL-2とその一次配列を共有するポリペプチドに関する。導入された変異は、これらのポリペプチドのTreg細胞を刺激する能力を実質的に低下させ、IL-2により高い有効性を与える。さらに、導入された変異は、CD25によって媒介されるVLSおよびCD25によって媒介されるシンク効果を減少させると予想される。本発明は、変異している1~数個のアミノ酸を除いて、ヒトIL-2とその一次配列を共有するポリペプチドに関する。本発明はまた、制御性T細胞(Treg)の活性が望ましくないがんまたは感染症などの疾患の治療のために、単独で、またはワクチン、もしくは免疫チェックポイント阻害剤、もしくは腫瘍関連抗原(TAA)標的生物製剤と組み合わせて、または二機能性分子構築物の一部として、これらの変異バリアントを治療に使用することを含む。
【0007】
1つの態様において、本発明は、IL-2Rαへの結合能力の減少または消失にくわえて、IL-2Rβγ相互作用を減少させることによって全体的な効力を最適に調節したIL-2活性の選択的アゴニストであることを特徴とするIL-2の変異バリアントの作製に関する。導入された変異は、経路の過剰活性化を防ぎ、望ましくない「オンターゲット」であるが「標的組織外に対する」毒性を低減し、潜在的なシンクを減少させ、リンパ球の過剰刺激に伴う活性化誘導細胞疲弊を下げ、受容体媒介のIL-2インターナリゼーションを軽減し、したがって、生体内での半減期を延長し、ゆっくりと持続する薬力学をもたらして、生体内分布、生体利用能、機能および抗腫瘍有効性を向上させる。また、本発明の発明者らは、IL-2Rαへの結合が減少/消失し、IL-2Rβγ活性が減弱したIL-2バリアントの使用が、サイトカインと、著しく異なる効力および分子量を呈する抗体アームとの間の化学両論的バランスの確立を容易にして、最適な投薬およびを可能にし、各アームの機能を維持することを提案する。本発明は、変異している1~数個のアミノ酸を除いて、ヒトIL-2とその一次配列を共有するポリペプチドに関する。本発明はまた、がんまたは感染症などの疾患の治療のために、単独で、またはワクチン、もしくは免疫チェックポイント阻害剤、もしくは腫瘍関連抗原(TAA)標的生物製剤と組み合わせて、または二機能性分子構築物の一部として、これらの変異バリアントを治療に使用することを含む。
【0008】
1つの態様において、本発明は、IL-2Rαへの結合能力の減少または消失にくわえて、IL-2Rβγ相互作用が減少したIL-2活性の選択的アゴニストであることを特徴とするIL-2の変異バリアントの作製に関する。導入された変異は、延長され、耐久性のある薬力学および潜在的に薬物動態をもたらす。さらに、導入された変異は、細胞疲弊および活性化によって誘導される細胞死を減少させ、耐久性のあるリンパ球応答性を増強する。結果として、導入された変異は、より少ない頻度の投与レジメンが可能にし、診療所での投与の利便性を提供する。また、物品コストの削減も予想される。本発明は、変異している1~数個のアミノ酸を除いて、ヒトIL-2とその一次配列を共有するポリペプチドに関する。本発明はまた、がんまたは感染症などの疾患の治療のために、単独で、またはワクチン、もしくは免疫チェックポイント阻害剤、もしくは腫瘍関連抗原(TAA)標的生物製剤と組み合わせて、または二機能性分子構築物の一部として、これらの変異バリアントを治療に使用することを含む。
【0009】
1つの態様において、本発明は、IL-2Rαへの結合が消失し、野生型対応物とは比較にならない予想外の大きい程度でエフェクターTおよびNK細胞応答が強化されたIL-2活性の選択的アゴニストであることを特徴とするIL-2の変異バリアントの作製に関する。CD25結合を消失させる変異は、CD25またはCD25+細胞へのシンクを減少させ、結果としてIL-2Rβγへの利用可能性を増加させると予想される。受容体占有が高まることにより、活発な細胞傷害性細胞応答および強い腫瘍殺傷有効性が引き出される。本発明は、変異している1~数個のアミノ酸を除いて、ヒトIL-2とその一次配列を共有するポリペプチドに関する。本発明はまた、がんまたは感染症などの疾患の治療のために、単独で、またはワクチン、もしくは免疫チェックポイント阻害剤、もしくは腫瘍関連抗原(TAA)標的生物製剤と組み合わせて、または二機能性分子構築物の一部として、これらの変異バリアントを治療に使用することを含む。
【0010】
本発明の1つの態様において、導入された変異は、IL-2Rα(CD25)への結合能力は低下させたが、低レベルのTreg応答を保持した。残存する免疫制御性Tregは、免疫カウンターバランスを可能にし、全身的な忍容性を向上させ、細胞毒性エフェクター細胞に対して過剰に傾斜しない免疫バランスを確保する。微調整されたTreg応答は、腫瘍殺傷有効性を損なわない状態にあるが、末梢性寛容を維持するのに十分な強さである。本発明は、変異している1~数個のアミノ酸を除いて、ヒトIL-2とその一次配列を共有するポリペプチドに関する。本発明はまた、がんまたは感染症などの疾患の治療のために、単独で、またはワクチン、もしくは免疫チェックポイント阻害剤、もしくは腫瘍関連抗原(TAA)標的生物製剤と組み合わせて、または二機能性分子構築物の一部として、これらの変異バリアントを治療に使用することを含む。
(【0011】以降は省略されています)
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