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公開番号
2025069095
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-30
出願番号
2024179821
出願日
2024-10-15
発明の名称
改質セルロース繊維を配合してなる樹脂組成物及び改質セルロース繊維の製造方法
出願人
花王株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
C08L
101/00 20060101AFI20250422BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】樹脂に配合した際に樹脂の耐熱性や強度を向上させることができる改質セルロース繊維を製造する方法、並びにかかる改質セルロース繊維を配合してなる樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】シラノール基以外の修飾基が結合したセルロース繊維とシラン化合物とが結合してなる改質セルロース繊維、及び樹脂を配合してなる樹脂組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
シラノール基以外の修飾基が結合したセルロース繊維とシラン化合物とが結合してなる改質セルロース繊維、及び
樹脂
を配合してなる樹脂組成物。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
前記シラン化合物が、クロロシラン化合物、アルコキシシラン化合物、アセトキシシラン化合物及びシラノール化合物からなる群より選択される1種以上のシラン化合物である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記シラン化合物の配合量が、前記シラノール基以外の修飾基が結合したセルロース繊維のセルロース繊維部分の100質量部に対して50質量部以上である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
樹脂組成物中の改質セルロースの配合量が4.0質量%以上20質量%以下である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
樹脂組成物中の樹脂の配合量が70質量%以上95質量%以下である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の樹脂組成物を含有する樹脂成形体。
【請求項7】
工程1:イオン性基を有するセルロース繊維の該イオン性基にシラノール基以外の修飾基を結合させて、該修飾基が結合したセルロース繊維を得る工程、及び
工程2:前記修飾基が結合したセルロース繊維と、クロロシラン化合物、アルコキシシラン化合物、アセトキシシラン化合物及びシラノール化合物からなる群より選択される1種以上のシラン化合物とを混合する工程
を含む改質セルロース繊維の製造方法であって、
工程2における前記シラン化合物の配合量が、前記修飾基が結合したセルロース繊維のセルロース繊維部分の100質量部に対して50質量部以上である改質セルロース繊維の製造方法。
【請求項8】
工程3:イオン性基を有するセルロース繊維と、クロロシラン化合物、アルコキシシラン化合物、アセトキシシラン化合物及びシラノール化合物からなる群より選択される1種以上のシラン化合物とを混合して、シラン化合物が結合したセルロース繊維を得る工程、及び
工程4:前記シラン化合物が結合したセルロース繊維が有するイオン性基にシラノール基以外の修飾基を結合させて改質セルロース繊維を得る工程
を含む改質セルロース繊維の製造方法であって、
工程3における前記シラン化合物の配合量が、前記イオン性基を有するセルロース繊維のセルロース繊維部分の100質量部に対して50質量部以上である改質セルロース繊維の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は改質セルロース繊維を配合してなる樹脂組成物に関する。さらに本発明は改質セルロース繊維の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,700 文字)
【背景技術】
【0002】
近年急速に普及しているデジタル家電製品のような高速大容量の情報を取り扱う電子機器の小型化・軽量化・薄型化が進展している。そのため、電子機器を構成する部材の耐熱性の向上や強度の向上が求められている。
【0003】
例えば、セルロースナノファイバー(CNF)は強度に優れていることから、少量の添加で樹脂等と複合化させた場合に補強材として作用することが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2006-241450号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現在、電子機器を構成する部材に利用されている樹脂には様々なタイプがあり、それぞれ異なった特徴や性質を有する。CNF等のセルロース繊維を樹脂と複合化させる場合、樹脂中での分散性が悪ければ凝集物が生成することがあり、強度の低下につながるおそれがある。
本発明は、樹脂に配合した際に樹脂の耐熱性や強度を向上させることができる改質セルロース繊維を製造する方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、下記〔1〕~〔18〕に関する。
〔1〕 シラノール基以外の修飾基が結合したセルロース繊維とシラン化合物とが結合してなる改質セルロース繊維、及び
樹脂
を配合してなる樹脂組成物。
〔2〕 前記シラン化合物が、クロロシラン化合物、アルコキシシラン化合物、アセトキシシラン化合物及びシラノール化合物からなる群より選択される1種以上のシラン化合物である、前記〔1〕に記載の樹脂組成物。
〔3〕 前記シラン化合物の配合量が、前記シラノール基以外の修飾基が結合したセルロース繊維のセルロース繊維部分の100質量部に対して50質量部以上である、前記〔1〕又は〔2〕に記載の樹脂組成物。
〔4〕 樹脂組成物中の改質セルロースの配合量が4.0質量%以上20質量%以下である、前記〔1〕~〔3〕のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
〔5〕 樹脂組成物中のセルロース繊維の配合量が0.1質量%以上20質量%以下である、前記〔1〕~〔4〕のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
〔6〕 樹脂組成物中の樹脂の配合量が70質量%以上95質量%以下である、前記〔1〕~〔5〕のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
〔7〕 樹脂組成物中の樹脂の配合量に対する改質セルロースの配合量の質量比(改質セルロース繊維の配合量/樹脂の配合量)が5/95以上20/80以下である、前記〔1〕~〔6〕のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
〔8〕 樹脂組成物中の樹脂の配合量に対するセルロース繊維の配合量の質量比(セルロース繊維の配合量/樹脂の配合量)が0.1/99.9以上20/80以下である、前記〔1〕~〔7〕のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
〔9〕 前記〔1〕~〔8〕のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含有する樹脂成形体。
〔10〕 工程1:イオン性基を有するセルロース繊維の該イオン性基にシラノール基以外の修飾基を結合させて、該修飾基が結合したセルロース繊維を得る工程、及び
工程2:前記修飾基が結合したセルロース繊維と、クロロシラン化合物、アルコキシシラン化合物、アセトキシシラン化合物及びシラノール化合物からなる群より選択される1種以上のシラン化合物とを混合する工程
を含む改質セルロース繊維の製造方法であって、
工程2における前記シラン化合物の配合量が、前記修飾基が結合したセルロース繊維のセルロース繊維部分の100質量部に対して50質量部以上である改質セルロース繊維の製造方法。
〔11〕 工程3:イオン性基を有するセルロース繊維と、クロロシラン化合物、アルコキシシラン化合物、アセトキシシラン化合物及びシラノール化合物からなる群より選択される1種以上のシラン化合物とを混合して、シラン化合物が結合したセルロース繊維を得る工程、及び
工程4:前記シラン化合物が結合したセルロース繊維が有するイオン性基にシラノール基以外の修飾基を結合させて改質セルロース繊維を得る工程
を含む改質セルロース繊維の製造方法であって、
工程3における前記シラン化合物の配合量が、前記イオン性基を有するセルロース繊維のセルロース繊維部分の100質量部に対して50質量部以上である改質セルロース繊維の製造方法。
〔12〕 前記〔10〕又は〔11〕に記載の製造方法によって製造された改質セルロース繊維。
〔13〕 前記〔12〕に記載の改質セルロース繊維を含む組成物。
〔14〕 有機溶媒及び/又は樹脂を更に含む、前記〔13〕に記載の組成物。
〔15〕 前記〔12〕に記載の改質セルロース繊維を含む樹脂用添加剤。
〔16〕 有機溶媒を更に含む、前記〔15〕に記載の樹脂用添加剤。
〔17〕 工程5:イオン性基を有するセルロース繊維の該イオン性基にシラノール基以外の修飾基を結合させて、該修飾基が結合したセルロース繊維を得る工程、及び
工程6:クロロシラン化合物、アルコキシシラン化合物、アセトキシシラン化合物及びシラノール化合物からなる群より選択される1種以上のシラン化合物、前記修飾基が結合したセルロース繊維及び樹脂を混合する工程
を含む樹脂組成物の製造方法であって、
工程6における前記シラン化合物の配合量が、前記修飾基が結合したセルロース繊維のセルロース繊維部分の100質量部に対して50質量部以上である樹脂組成物の製造方法。
〔18〕 工程7:イオン性基を有するセルロース繊維と、クロロシラン化合物、アルコキシシラン化合物、アセトキシシラン化合物及びシラノール化合物からなる群より選択される1種以上のシラン化合物とを混合して、シラン化合物が結合したセルロース繊維を得る工程、及び
工程8:前記シラン化合物が結合したセルロース繊維が有するイオン性基にシラノール基以外の修飾基を結合させて改質セルロース繊維を得る工程
を含む樹脂組成物の製造方法であって、
工程7における前記シラン化合物の配合量が、前記イオン性基を有するセルロース繊維のセルロース繊維部分の100質量部に対して50質量部以上である樹脂組成物の製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、樹脂に配合した際に樹脂の耐熱性や強度を向上させることができる改質セルロース繊維を製造する方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明者らは、樹脂、従来の改質セルロース繊維と様々な成分との配合を検討した結果、特定のシラン化合物、例えば加水分解等によりシラノール基を獲得するシラン化合物をセルロース繊維に結合させることで、樹脂の耐熱性や機械強度が意外にも向上することを見出し、本発明を完成させた。
かかる効果が発現するメカニズムは定かではないが、以下のようなものが推定される。即ち、樹脂が硬化する際に架橋を形成する樹脂中の官能基と、従来の改質セルロース繊維が有するヒドロキシ基とが反応して、結果的に架橋を阻害するのではと推定した。そこで、樹脂が硬化する際に従来の改質セルロース繊維が有するヒドロキシ基を予めかかるシラン化合物と反応させることで、前記ヒドロキシ基による架橋の阻害を減弱でき、その結果、樹脂の耐熱性や機械強度が達成できたものと推定される。
【0009】
A. 工程1及び工程2を含む改質セルロース繊維の製造方法
本発明の改質セルロース繊維の製造方法の一態様は、
工程1:イオン性基を有するセルロース繊維の該イオン性基にシラノール基以外の修飾基を結合させて、該修飾基が結合したセルロース繊維を得る工程、及び
工程2:前記修飾基が結合したセルロース繊維と、クロロシラン化合物、アルコキシシラン化合物、アセトキシシラン化合物及びシラノール化合物からなる群より選択される1種以上のシラン化合物とを混合する工程
を含む改質セルロース繊維の製造方法であって、
工程2における前記シラン化合物の配合量が、前記修飾基が結合したセルロース繊維のセルロース繊維部分の100質量部に対して50質量部以上である改質セルロース繊維の製造方法、である。
【0010】
〔イオン性基を有するセルロース繊維〕
工程1に供される「イオン性基を有するセルロース繊維」の主な性質は以下の通りである。
(【0011】以降は省略されています)
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