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公開番号2025069237
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-30
出願番号2025010882,2020514330
出願日2025-01-24,2018-05-15
発明の名称急性虚血性脳卒中の処置のための方法及び医薬組成物
出願人アンスティチュ ナショナル ドゥ ラ サンテ エ ドゥ ラ ルシェルシュ メディカル,ユニヴェルシテ・パリ・シテ,UNIVERSITE PARIS CITE,ユニヴェルシテ パリ 13 パリ ノール,UNIVERSITE PARIS 13 - PARIS NORD,アシスタンス ピュブリク-オピトー ドゥ パリ,ASSISTANCE PUBLIQUE - HOPITAUX DE PARIS,フォンダシオン・オプタルモロジック・アドルフ・ドゥ・ロートシルト,FONDATION OPHTALMOLOGIQUE ADOLPHE DE ROTHSCHILD
代理人弁理士法人 津国
主分類A61K 38/48 20060101AFI20250422BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】急性虚血性脳卒中(AIS)処置のための方法及び医薬組成物を提供する。
【解決手段】t-PAとDNAseとの治療的に有効な組み合わせを投与することを含む、AISを処置する方法である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
AISの処置を必要とする患者におけるその処置における使用のための、t-PA及びDNAseを含む組み合わせ。
続きを表示(約 750 文字)【請求項2】
t-PAが、組み換えt-PAである、請求項1記載の組み合わせ。
【請求項3】
t-PAが、天然型t-PAの酵素活性又は線維素溶解活性を保持する、天然型t-PAの修飾型である、請求項1又は請求項2記載の組み合わせ。
【請求項4】
t-PAが、野生型tPAのThr103がAsnに変更され(T103N)、野生型tPAのAsn117がGlnに変更され(N117Q)、野生型tPAのLys-His-Arg-Arg 296-299がAla-Ala-Ala-Alaに変更されている、天然型t-PAの修飾型である、請求項1~3のいずれか一項記載の組み合わせ。
【請求項5】
t-PAが、アルテプラーゼ又はテネクテプラーゼである、請求項1~4のいずれか一項記載の組み合わせ。
【請求項6】
DNAseが、DNAse 1である、請求項1~5のいずれか一項記載の組み合わせ。
【請求項7】
DNAseが、組み換え型である、請求項1~6のいずれか一項記載の組み合わせ。
【請求項8】
DNAseが、ヒト由来である、請求項1~7のいずれか一項記載の組み合わせ。
【請求項9】
DNAseが、ドルナーゼ又はプルモザイムである、請求項1~8のいずれか一項記載の組み合わせ。
【請求項10】
急性虚血性脳卒中(AIS)の処置を必要とする患者におけるAISを処置する方法であって、患者にt-PAとDNAseとの治療的に有効な組み合わせを投与することを含み、ここで、組み合わせの投与が、t-PA単独の投与と比べて増強された治療有効性を生じる方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、急性虚血性脳卒中の処置のための方法及び医薬組成物に関する。
続きを表示(約 3,500 文字)【背景技術】
【0002】
発明の背景
急性虚血性脳卒中(AIS)は、脳の区画への十分な血流が突然遮断されることであり、通常は脳に血液を供給している動脈の1つにつまっている又は形成している血栓又は他の塞栓により引き起こされる。遮断がすぐに取り除かれない場合、虚血は、永続的な神経障害又は死亡に至る場合がある。組み換え組織型プラスミノーゲンアクチベーター(t-PA;アルテプラーゼ、Actilyse(登録商標)、Boehringer Ingelheim)の静脈内(IV)投与は、AISにおいて有効性が確認されている唯一の薬物療法である。この処置は、早期再疎通の点で効率が低い。2015年以来、この処置は、近位頭蓋内動脈閉塞の場合の早期再疎通率における増加及び3ヶ月目の機能的転帰の有意な改善を可能にする血管内処置(EVT)の実現に関連する。AIS処置についての時間枠は、IV t-PA注入について4,5時間以内及びEVTについて6時間以内である。この時間内であっても、症状の発生と処置との間の時間が短いほど結果が良好であるという強力な証拠がある。AISのEVTは、ステントリトリーバー又は直接吸引カテーテルなどの血栓除去デバイスを用いた血栓の機械的除去にある。
【0003】
AIS管理の主な目的は、閉塞した動脈のできるだけ速やかな早期再疎通を得ることである。この早期再疎通は、実際に、神経学的臨床転帰の主な予測因子である。AIS処置のための国際ガイドラインは、6時間までの前方循環近位部閉塞の場合にEVTに関連する症状の発生から4時間30分以内にt-PAを用いたIV血栓溶解を行うことを推奨している。しかし、IV血栓溶解は、近位部閉塞の状況の再疎通に関してあまり有効でない。実際に、内頸動脈閉塞の症例の5%及び中大脳動脈近位部の閉塞の20%という率が最近報告されている。t-PAのIV注入の有効性は、強力な化合物が全血中で希釈されること、血漿輸送の間のPAI-1などの循環性阻害物質によるt-PAの阻害、血栓に結合するt-PAの初期レベルが低いこと及び遅延型の出血性変化のリスク増大が原因で、10%に限定される。さらに、t-PAの血栓溶解効果は有益であるものの、現在使用されている所要の高用量領域でのt-PAの毒性が問題である。EVTは、高い再疎通率に関連するが、過度に専門化されており、高価であり、したがって緊急での利用が困難である。IVの血栓溶解に関連する再疎通率を増大させるための容易に投与可能な薬物処置は、AISの管理における大きな進歩になるであろう。
【0004】
好中球細胞外トラップ(NETs)は、近年、様々な形の血栓症の主なトリガー及び構造因子として特定された。NETsは、好中球由来のDNAから主として構成される細胞外の網である。近年、ある研究が、NETsからの細胞外DNAスレッドを、急性冠症候群においてt-PAにより誘導される血栓溶解の有効性を増大させるための潜在的治療標的として指定した(Mangold, A., Alias, S., Scherz, T., Hofbauer, T., Jakowitsch, J., Panzenboeck, A. & Mascherbauer, J. (2015). Coronary Neutrophil Extracellular Trap Burden and Deoxyribonuclease Activity in ST-Elevation Acute Coronary Syndrome Are Predictors of ST-Segment Resolution and Infarct Size. Circulation research, 116(7), 1182-1192)。近年、脳虚血再灌流のマウスモデルにおいて、DNAse 1単独は、ビヒクルと比較して梗塞体積を有意に低減することが分かった(De Meyer, S. F., Suidan, G. L., Fuchs, T. A., Monestier, M., & Wagner, D. D. (2012).Extracullular chromatin is an important mediator of ischemic stroke in mice. Arteriosclerosis, thrombosis, and vascular biology, 32(8), 1884-1891)。したがって、この研究は、DNAse 1が、虚血により誘導される下流の作用を改善するために適しているであろうと開示したが、この酵素が近位部動脈再疎通率に好都合な影響を与えるとは開示できなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、AISの処置のための方法及び医薬組成物に関する。特に、本発明は、特許請求の範囲により定義される。
【発明を実施するための形態】
【0006】
発明の詳細な説明
好中球細胞外トラップ(NETs)は、活性化好中球により生成されるヒストン及び顆粒タンパク質で装飾されたDNA細胞外ネットワークである。NETsは、血栓症の主なトリガー及び構造因子として特定されている。本発明者らの目的は、急性虚血性脳卒中(AIS)の患者における血管内療法の間に回収される血栓中のNETsの存在及びt-PA誘導血栓溶解に対するそれらの影響を評価することであった。したがって、本発明者らは、血管内療法で処置された108人のAIS患者からの血栓を分析した。血栓は、ヘマトキシリン/エオジン染色、免疫染色、及びエクスビボ酵素アッセイ法により特徴付けられた。追加的に、本発明者らは、AIS血栓の血栓溶解に対するデオキシリボヌクレアーゼ1(DNAse 1)の影響をエクスビボで評価した。組織学的分析により、NETsが全てのAIS血栓の組成に、特にそれらの外層における組成に寄与したことが明らかになった。血栓NETs含量の定量測定は、臨床転帰又はAISの病理発生と関連しなかったが、血管内療法手技の長さ及びデバイスのパス数と有意に相関した。エクスビボで、組み換えDNAse 1は、t-PA誘導血栓溶解を促進したのに対し、DNAse 1単独は無効であった。この研究は、血栓のNETs含量が、その原因にかかわらず、機械的アプローチ又は静脈内t-PAによる薬理的アプローチを含む再灌流の抵抗性の原因になり得ることを示唆している。これらの結果は、また、t-PA及びDNAse 1に関連する併用療法が、t-PAの有効性を可能にする相乗作用を有し得ることを示唆している。
【0007】
本発明の第1の目的は、急性虚血性脳卒中(AIS)の処置を必要とする患者におけるその処置の方法であって、患者にt-PA及びDNAseを投与することを含む方法に関する。一実施態様では、本発明の方法は、患者に治療的に有効なt-PAとDNAseとの組み合わせを投与することを含む。
【0008】
本明細書に使用される「治療有効量」又は「治療的に有効な組み合わせ」又は「薬学的有効量」という用語は、本発明による組み合わせ中のt-PAの量若しくは用量、DNAseの量若しくは用量、又は両方の量若しくは用量であって、対象に重大なマイナスの副作用又は有害副作用を起こさずに(1)AISの発生を遅延若しくは予防すること;(2)AISの重症度若しくは発生率を低減すること;(3)AISの1つ以上の症状の進行、悪化、若しくは増悪を減速若しくは停止すること;(4)AISの症状の改善をもたらすこと;又は(5)AISを治癒することを目標とする量又は用量を指す。治療有効な量又は組み合わせは、AISの発生前に投与され得る。代替的又は追加的に、治療有効な量又は組み合わせは、AISの開始後に投与される場合がある。
【0009】
一実施態様では、t-PAとDNAseとの組み合わせの投与は、t-PA単独の投与と比べて増強された治療有効性を生じる。
【0010】
本発明のさらなる目的は、AISを患う患者に処置レジメンの部分として投与されたt-PAの効力を増強するための方法であって、患者にDNAseと組み合わせて薬学的有効量のt-PAを投与することを含む方法に関する。
(【0011】以降は省略されています)

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