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公開番号2025070283
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-02
出願番号2023180487
出願日2023-10-19
発明の名称亜鉛系めっき鋼板用表面処理液、表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板の製造方法、及び表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板
出願人JFEスチール株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C09D 1/00 20060101AFI20250424BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】長期耐汗性及び平板部耐食性等に優れた表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板を製造可能で、貯蔵安定性に優れる亜鉛系めっき鋼板用表面処理液を提供する。
【解決手段】第1表面処理液(X)と、第2表面処理液(Y)と、を有し、第1表面処理液(X)は、グリシジル基を有するシランカップリング剤(A)、テトラアルコキシシラン(B)、炭酸ジルコニウム化合物(C)、珪酸ナトリウム(D1)、バナジウム化合物(E)、モリブデン酸化合物(F)、及び水を含有し、各成分の含有量が所定の関係を満足し、第2表面処理液(Y)は、珪酸ナトリウム(D2)、アニオン性ポリウレタン樹脂(G)、及び水を含有し、各成分の含有量が所定の関係を満足することを特徴とする亜鉛系めっき鋼板用表面処理液。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
第1表面処理液(X)と、第2表面処理液(Y)と、を有し、
前記第1表面処理液(X)は、グリシジル基を有するシランカップリング剤(A)、テトラアルコキシシラン(B)、炭酸ジルコニウム化合物(C)、珪酸ナトリウム(D1)、バナジウム化合物(E)、モリブデン酸化合物(F)、及び水を含有し、各成分の含有量が以下の(1)~(6)を満足し、
前記第2表面処理液(Y)は、珪酸ナトリウム(D2)、アニオン性ポリウレタン樹脂(G)、及び水を含有し、各成分の含有量が以下の(7)及び(8)を満足することを特徴とする亜鉛系めっき鋼板用表面処理液。
(1)グリシジル基を有するシランカップリング剤(A)の固形分質量(A

)の、グリシジル基を有するシランカップリング剤(A)の固形分質量(A

)、テトラアルコキシシラン(B)の固形分質量(B

)、及び炭酸ジルコニウム化合物(C)中のZrO

換算質量(C

)の合計質量(X

)に対する質量比(A

/X

)が0.050~0.450
(2)テトラアルコキシシラン(B)の固形分質量(B

)の、前記合計質量(X

)に対する質量比(B

/X

)が0.010~0.190
(3)炭酸ジルコニウム化合物(C)中のZrO

換算質量(C

)の、前記合計質量(X

)に対する質量比(C

/X

)が0.460~0.910
(4)珪酸ナトリウム(D1)の固形分質量(D1

)の、前記合計質量(X

)に対する質量比(D1

/X

)が0.040~0.630
(5)バナジウム化合物(E)中のV換算質量(E

)の、前記合計質量(X

)と珪酸ナトリウム(D1)の固形分質量(D1

)との合計質量(X

+D1

)に対する質量比(E

/(X

+D1

))が0.006~0.094
(6)モリブデン酸化合物(F)中のMo換算質量(F

)の、前記合計質量(X

)と珪酸ナトリウム(D1)の固形分質量(D1

)との合計質量(X

+D1

)に対する質量比(F

/(X

+D1

))が0.030~0.280
(7)珪酸ナトリウム(D2)の固形分質量(D2

)の、アニオン性ポリウレタン樹脂(G)の固形分質量(G

)に対する質量比(D2

/G

続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
前記第2表面処理液(Y)において、前記アニオン性ポリウレタン樹脂(G)は、カーボネート骨格を有するアニオン性ポリウレタン樹脂を含有し、その含有量が以下の(9)を満足する、請求項1に記載の亜鉛系めっき鋼板用表面処理液。
(9)前記カーボネート骨格を有するアニオン性ポリウレタン樹脂の固形分質量の、アニオン性ポリウレタン樹脂(G)の固形分質量(G

)に対する質量比が0.20~0.80
【請求項3】
前記第2表面処理液(Y)は、さらにシリコーン樹脂(H)を含有し、その含有量が以下の(10)を満足する、請求項1に記載の亜鉛系めっき鋼板用表面処理液。
(10)シリコーン樹脂(H)の固形分質量(H

)の、アニオン性ポリウレタン樹脂(G)の固形分質量(G

)に対する質量比(H

/G

)が0.0030~0.0400
【請求項4】
前記第2表面処理液(Y)は、さらに架橋剤(I)を含有し、その含有量が以下の(11)を満足する、請求項1に記載の亜鉛系めっき鋼板用表面処理液。
(11)架橋剤(I)の固形分質量(I

)の、アニオン性ポリウレタン樹脂(G)の固形分質量(G

)に対する質量比(I

/G

)が0.0030~0.0400
【請求項5】
前記第2表面処理液(Y)は、さらにワックス(L)を含有し、その含有量が以下の(12)を満足する、請求項1に記載の亜鉛系めっき鋼板用表面処理液。
(12)ワックス(L)の固形分質量(L

)の、前記第2表面処理液(Y)の固形分質量(Y

)に対する質量比(L

/Y

)が0.010~0.120
【請求項6】
前記第1表面処理液(X)は、さらにリン酸化合物(J)を含有し、その含有量が以下の(13)を満足する、請求項1に記載の亜鉛系めっき鋼板用表面処理液。
(13)リン酸化合物(J)の固形分質量(J

)の、前記合計質量(X

)に対する質量比(J

/X

)が0.140~0.770
【請求項7】
前記第1表面処理液(X)は、さらにフッ素化合物(K)を含有し、その含有量が以下の(14)を満足する、請求項1に記載の亜鉛系めっき鋼板用表面処理液。
(14)フッ素化合物(K)の固形分質量(K

)の、前記合計質量(X

)に対する質量比(K

/X

)が0.040~0.610
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の亜鉛系めっき鋼板用表面処理液を用いる表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板の製造方法であって、
亜鉛系めっき鋼板の表面に、前記第1表面処理液(X)を塗布する工程と、
その後、塗布された前記第1表面処理液(X)を乾燥して第1皮膜を形成する工程と、
その後、前記第1皮膜の表面に、前記第2表面処理液(Y)を塗布する工程と、
その後、塗布された前記第2表面処理液(Y)を乾燥して第2皮膜を形成する工程と、
を有することを特徴とする表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
【請求項9】
前記第1皮膜の付着量が0.010~0.400g/m

であり、前記第2皮膜の付着量が0.20~3.00g/m

である、請求項8に記載の表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
【請求項10】
請求項8に記載の表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板の製造方法で製造された、表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、亜鉛系めっき鋼板用表面処理液、表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板の製造方法、及び表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
下地鋼板の表面に亜鉛系めっき層を備えた亜鉛系めっき鋼板は耐食性に優れることから、自動車、家電製品、OA機器、建築部材等の種々の用途で用いられている。また、亜鉛系めっき層が、亜鉛以外の成分としてアルミニウム及び/又はマグネシウムを含む場合には、亜鉛からなる亜鉛めっき層よりも優れた耐食性を示すことが知られている。
【0003】
しかし、亜鉛系めっき層の表面に人の手が直接触れた場合に、人の手の触れた部分が時間と共に黒く変色する現象(黒変色化現象)が確認されている。これは、汗成分の付着によって亜鉛系めっき層の表面が酸化されたためと考えられており、アルミニウム及び/又はマグネシウムが含まれる亜鉛系めっき層の場合において特に発生しやすい現象であることが分かっている。したがって、汗が付着したとしても黒変色化現象が生じない、すなわち、耐汗性に優れる亜鉛系めっき鋼板が求められている。
【0004】
特許文献1には、グリシジル基を有するシランカップリング剤、テトラアルコキシシラン、珪酸ナトリウム、炭酸ジルコニウム化合物、ガラス転移点(Tg)が80~130℃であるアニオン性ポリウレタン樹脂、バナジウム化合物、モリブデン酸化合物、及び水を含有し、pHが8.0~10.0で、かつ、各成分の含有量が所定の関係を満足する亜鉛系めっき鋼板用表面処理液を用いて、亜鉛系めっき鋼板の表面に表面処理皮膜を形成する、表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板の製造方法が記載されている。この製造方法によれば、耐熱変色性、耐熱割れ性、平板部耐食性、アルカリ脱脂後耐食性、耐黒変性、耐水しみ性、耐溶剤性、耐汗性、塗装密着性のいずれにも優れる表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板を製造可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2018-62710号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、本発明者らが特許文献1で提案されている表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板について検討したところ、長期間にわたる耐汗性(長期耐汗性)は不十分であり、長期耐汗性に改善の余地があることが明らかとなった。
【0007】
上記課題を鑑みて、本発明は、耐熱変色性、耐熱割れ性、平板部耐食性、加工部耐食性、アルカリ脱脂後耐食性、耐黒変性、耐水しみ性、耐溶剤性、長期耐汗性、及び塗装密着性のいずれにも優れた表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板を製造可能で、貯蔵安定性に優れる亜鉛系めっき鋼板用表面処理液を提供することを目的とする。また、本発明は、当該亜鉛系めっき鋼板用表面処理液を用いた表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板の製造方法と、当該製造方法により製造された表面処理皮膜付き亜鉛系めっき鋼板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、以下の知見を得た。表面処理皮膜を積層構造にすることで、汗成分の浸透を大幅に抑制できる。具体的には、亜鉛系めっき鋼板の表面には、少なくとも長期耐汗性以外の従来の特性を満足させる皮膜成分を有する第1皮膜を形成する。第1皮膜は、グリシジル基を有するシランカップリング剤、テトラアルコキシシラン、炭酸ジルコニウム化合物に加えて、珪酸ナトリウムを有することで、表層にSi濃化層の形成が促進され、長期耐汗性が向上する。そして、第1皮膜上に、汗成分のバリア性に特化した皮膜成分を有する第2皮膜を形成する。第2皮膜は、アニオン性ポリウレタン樹脂を含有することで汗成分に対する高いバリア性を有するとともに、珪酸ナトリウムを含有することでSi濃化層を有する第1皮膜と強く密着し、長期耐汗性を著しく向上させることが可能となる。
【0009】
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
【0010】
[1]第1表面処理液(X)と、第2表面処理液(Y)と、を有し、
前記第1表面処理液(X)は、グリシジル基を有するシランカップリング剤(A)、テトラアルコキシシラン(B)、炭酸ジルコニウム化合物(C)、珪酸ナトリウム(D1)、バナジウム化合物(E)、モリブデン酸化合物(F)、及び水を含有し、各成分の含有量が以下の(1)~(6)を満足し、
前記第2表面処理液(Y)は、珪酸ナトリウム(D2)、アニオン性ポリウレタン樹脂(G)、及び水を含有し、各成分の含有量が以下の(7)及び(8)を満足することを特徴とする亜鉛系めっき鋼板用表面処理液。
(1)グリシジル基を有するシランカップリング剤(A)の固形分質量(A

)の、グリシジル基を有するシランカップリング剤(A)の固形分質量(A

)、テトラアルコキシシラン(B)の固形分質量(B

)、及び炭酸ジルコニウム化合物(C)中のZrO

換算質量(C

)の合計質量(X

)に対する質量比(A

/X

)が0.050~0.450
(2)テトラアルコキシシラン(B)の固形分質量(B

)の、前記合計質量(X

)に対する質量比(B

/X

)が0.010~0.190
(3)炭酸ジルコニウム化合物(C)中のZrO

換算質量(C

)の、前記合計質量(X

)に対する質量比(C

/X

)が0.460~0.910
(4)珪酸ナトリウム(D1)の固形分質量(D1

)の、前記合計質量(X

)に対する質量比(D1

/X

)が0.040~0.630
(5)バナジウム化合物(E)中のV換算質量(E

)の、前記合計質量(X

)と珪酸ナトリウム(D1)の固形分質量(D1

)との合計質量(X

+D1

)に対する質量比(E

/(X

+D1

))が0.006~0.094
(6)モリブデン酸化合物(F)中のMo換算質量(F

)の、前記合計質量(X

)と珪酸ナトリウム(D1)の固形分質量(D1

)との合計質量(X

+D1

)に対する質量比(F

/(X

+D1

))が0.030~0.280
(7)珪酸ナトリウム(D2)の固形分質量(D2

)の、アニオン性ポリウレタン樹脂(G)の固形分質量(G

)に対する質量比(D2

/G

(【0011】以降は省略されています)

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