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公開番号
2025130677
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-09-08
出願番号
2024208075
出願日
2024-11-29
発明の名称
電気配線部材およびその製造方法
出願人
株式会社豊田中央研究所
,
株式会社アイシン
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C25D
11/12 20060101AFI20250901BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約
【課題】高い絶縁性が安定して確保される電気配線部材を提供する。
【解決手段】本発明は、Al基材からなる導体と、この導体の少なくとも一部を被覆する絶縁膜とを備える電気配線部材である。絶縁膜は、表面側にある第1層と、第1層よりAl基材側にある第2層とを有する。第1層は、Al基材側から表面側へ延びた主孔と主孔の側壁の一部に開口する副孔とを有する。第2層は、第1層よりも厚い。例えば、第1層の厚さは0.1~20μmであり、第2層の厚さは20~200μmである。例えば、第1層はリン酸溶液中で電解して得られる陽極酸化層であり、第2層はシュウ酸または硫酸の溶液中で電解して得られる陽極酸化層である。
【選択図】図2C
特許請求の範囲
【請求項1】
アルミニウム基材(「Al基材」という。)からなる導体と、該導体の少なくとも一部を被覆する絶縁膜とを備える電気配線部材であって、
該絶縁膜は、表面側にある前記第1層と、該第1層より該Al基材側にある該第2層とを有し、
該第1層は、該絶縁膜の表面側へ延びた主孔と該主孔の側壁の一部に開口する副孔とを有し、
該第2層は、該第1層よりも厚く形成されている電気配線部材。
続きを表示(約 580 文字)
【請求項2】
前記第1層の厚さは0.1~20μmであり、前記第2層の厚さは20~200μmである請求項1に記載の電気配線部材。
【請求項3】
前記副孔の少なくとも一部は、前記主孔の側壁を貫通している請求項1に記載の電気配線部材。
【請求項4】
前記第2層は、前記Al基材側から略直管状に延びたポアを有し、
前記第1層の主孔の少なくとも一部は、該ポアと連通している請求項1に記載の電気配線部材。
【請求項5】
前記ポアの少なくとも一部は、前記主孔から連続して伸長している請求項4に記載の電気配線部材。
【請求項6】
前記絶縁膜は、さらに第3層を有する請求項1に記載の電気配線部材。
【請求項7】
コイル部材である請求項1に記載の電気配線部材。
【請求項8】
前記コイル部材は、コアのスロットに嵌挿されるセグメントコンダクタである請求項7に記載の電気配線部材。
【請求項9】
前記Al基材は、その全体に対してAlを98質量%以上含む純アルミニウムである請求項1に記載の電気配線部材。
【請求項10】
前記第1層と前記第2層は、陽極酸化層である請求項1~9に記載の電気配線部材。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、絶縁被覆されたAl基導体からなる電気配線部材等に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)
【背景技術】
【0002】
電機子と界磁を備える電磁機器の代表例として電動機(発電機を含む)がある。回転子と固定子を備える電動機は多様であり、例えば、回転電機子形もあれば回転界磁形もある。また回転子が固定子の内周側を回転するインナーロータ型もあれば、回転子が固定子の外周側を回転するアウターロータ型もある。いずれの電動機も、コアに組込まれるコイル(電気配線部材の一適用例)を少なくとも一つ備える点で共通する。
【0003】
車両等の移動体に搭載される電動機のコイルには、高電圧や高電流が作用する一方で、軽量化や高効率化(低損失化)等も要求される。これらを実現するために、一例として、アルミニウム基導体を陽極酸化膜で絶縁被覆したコイルが検討されている。これに関連する記載が、例えば、下記の特許文献にある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2000-349320
特開2014-98200
特開2017-122271
特開2021-75763
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、ポアとポアの略直交方向に延びる複数の空孔とを有する陽極酸化皮膜でAl合金を絶縁している。特許文献1は、薄膜太陽電池用基板(A3004やA6061)の絶縁層に陽極酸化皮膜(絶縁層)を用いているに過ぎず、基材自体を導体とするコイル等を全く想定していない。ちなみに特許文献1で、最も高い耐電圧が実現されている陽極酸化皮膜は、基材:A3004、電解液:シュウ酸水溶液、印加電圧:80Vとして形成された絶縁層厚さ:50μmの試料1である(特許文献1の表1)。
【0006】
特許文献2では、比表面積が大きい内層部と比表面積が小さい外層部とを有する陽極酸化皮膜で、アルミニウム電導体を絶縁被覆している。その外層部は高耐摩耗性を確保するために設けられている。ちなみに、外層部と内層部は、硫酸水溶液に浸したアルミニウム基体に、高い第1電圧(V1:16~40V)を印加した後に、低い第2電圧(V2:3~14V)を印加して形成されている(特許文献2の[0042])。内層部と外層部はポアサイズが異なるものの、基本的に同様な形態のポーラス層からなると考えられる。
【0007】
特許文献3は、クロム酸を含む電解液中で形成した第1皮膜と、その後に硫酸を含む電解液中で形成した第2皮膜とを有する陽極酸化皮膜を提案している。この陽極酸化皮膜は絶縁膜ではなく、ピストン頂部(基体)に設けられる断熱膜である。このため特許文献3では、陽極酸化皮膜の形成後に、第2皮膜(基体側/下地側)の孔(ポア)を酸性液で拡大してから、第1皮膜(表面側)の孔を封止処理している。
【0008】
特許文献4は、リン酸を含む電解液中で形成した第1酸化皮膜と、その後に硫酸を含む電解液中で形成した第2酸化皮膜とを有する陽極酸化皮膜を提案している。この陽極酸化皮膜も絶縁膜ではなく、樹脂(シート)との接合強度(アンカー効果)を確保するためにアルミニウム合金成形品(A5052)の表面に形成された下地に過ぎない。このため、第1酸化皮膜はリン酸水溶液中で15V印加して形成された非常に薄い膜(厚さ0.6μm)であり、第2酸化皮膜も硫酸水溶液中で12.5V印加して形成された薄い膜(厚さ7.1μm)とされている(特許文献4の実施例1)。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、Al基導体からなる新たな電気配線部材等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意研究した結果、電気配線部材に設ける絶縁膜の一例として、絶縁性に優れる特徴的な陽極酸化膜を新たに見出した。この成果を発展させることにより、以降に述べる本発明を完成するに至った。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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