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公開番号2024169358
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-05
出願番号2024082366
出願日2024-05-21
発明の名称前立腺癌のための血清マーカー
出願人国立大学法人 琉球大学
代理人個人
主分類G01N 33/68 20060101AFI20241128BHJP(測定;試験)
要約【課題】前立腺癌においてAR陰性前立腺癌細胞の評価を可能とする血清マーカーの提供。
【解決手段】血清中におけるCA15-3又はCA125を定量又は検出することで,前立腺癌の診断を行うことを特徴とするCA15-3又はCA125の血清マーカーとしての使用方法。すなわち,血清中におけるCA15-3又はCA125(以下,これらをまとめて「CA15-3等」と略する)は,AR陰性前立腺癌細胞の存在を反映する指標である。このことから,CA15-3又はCA125を定量ないし検出することにより,前立腺癌の診断を可能とするものである。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
前立腺癌の診断に用いる血清マーカーの使用方法であって,
血清中におけるCA15-3又はCA125を血清マーカーとして定量又は検出する
ことを特徴とする血清マーカーとしての使用方法。
続きを表示(約 500 文字)【請求項2】
前記診断が,
限局性前立腺癌,局所進行性前立腺癌,転移性ホルモン感受性前立腺癌,転移性去勢抵抗性前立腺癌,または,これらの分類診断である
ことを特徴とする請求項1に記載の血清マーカーとしての使用方法。
【請求項3】
前記診断が,
前立腺癌において,治療方針決定,治療効果予測,治療効果判定である
ことを特徴とする請求項1に記載の血清マーカーとしての使用方法。
【請求項4】
前記の血清マーカーの定量又は検出が,
ELISA,蛍光標識法,質量分析法,タンパク質マイクロアレイ法のいずれかである
ことを特徴とする請求項1に記載の血清マーカーとしての使用方法。
【請求項5】
前記診断が,
前立腺癌におけるAR陰性PC細胞量を推定する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の血清マーカーとしての使用方法。
【請求項6】
PSAと合わせて使用することで,前立腺癌の前記診断を行う
ことを特徴とする請求項5に記載の血清マーカーとしての使用方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は,前立腺癌の診断に用いられる血清マーカーに関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
前立腺癌は,世界中の男性に最も多く見られる悪性腫瘍である。前立腺癌において,限局性の場合は外科的治療などによる根治的治療が可能である。一方,転移性ホルモン感受性前立腺癌(metastatic hormone-sensitive prostate cancer [mHSPC])では,アンドロゲン除去療法(androgen-deprivation therapy [ADT])が適用されてきた。
【0003】
近年,mHSPCに対しては,ADTとアンドロゲン受容体(androgen receptor [AR])標的薬若しくはドセタキセル,これらいずれかの治療薬との併用が推奨されている。さらにごく最近では,ADT+AR標的薬+ドセタキセルが保険適応となった。
しかしながら,前立腺癌(PC)細胞が,これらのADT及びAR標的薬に抵抗性を示すようになると,mHSPCから転移性去勢抵抗性前立腺癌(metastatic castration-resistant prostate cancer [mCRPC])へと移行していく。
【0004】
mCRPCにおけるPC細胞のADTやAR標的薬に対する抵抗性獲得については,ARの増幅,変異,スプライスバリアント7(AR-v7)などによるARシグナルの再活性化が原因であることが明らかとなってきている。加えて,CRPC細胞の約20%でARの発現喪失が起こっており,抑制的だが非根治的な治療の圧力から逃れるための系統可塑性によるとされている。
このように,当初AR駆動型のPCは,AR陽性とAR陰性両方のPC細胞からなるCRPC(混合腫瘍)へと移行する。CRPCの進行に伴い,AR陽性PC細胞だけでなく,AR陰性PC細胞も増殖していくこととなる。
このmCRPCの段階になると,ARが転写因子であるところの前立腺特異抗原(PSA)では,AR陽性PC細胞の増殖状況しか反映しないため,AR陰性PC細胞の進行状況を把握することができない。そのため,mCRPCの進行状態をモニターするためには,血清PSAの測定に加え,AR陰性PC細胞の増殖状況も見るために定期的な画像検査が必要なのが現状である。
【0005】
ところで,グロボシリーズガングリオシドであるステージ特異的胚性抗原-4(stage-specific embryonic antigen-4 [SSEA-4])は,モノクローナル抗体MC813-70を用いて初期胚で検出された。その後,発明者の齋藤によりSSEA-4合成酵素としてα2,3-sialyltransferaseのST3GAL2が同定された。
近年,発明者らは,SSEA-4が前立腺癌のアンドロゲン除去療法(ADT)に対する抵抗性に関連していること,ならびに,CRPC組織では,SSEA-4の強発現の割合が顕著に増加し,SSEA-4とAR発現の間には負の相関が見られたことを報告している(非特許文献1,2)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
Yuno, T., et al. (2020). "Relationship Between Stage-specific Embryonic Antigen-4 and Anti-cancer Effects of Neoadjuvant Hormonal Therapy in Prostate Cancer." Anticancer Res 40(10): 5567-5575.
Harada, J., et al. (2021). "Stage-specific Embryogenic Antigen-4 Expression in Castration-resistant Prostate Cancer and its Correlation With the Androgen Receptor." Anticancer Res 41(7): 3327-3335
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のとおり,mCRPCの進行状態をモニターするためには,血清PSAの測定に加え,定期的な画像検査が必要である。このことから,AR陰性PC細胞の増殖状態を反映する血清マーカーがあれば,画像検査の必要性を最小限に抑えることが可能となるため,臨床的有用性が高い。
発明者らは,AR陰性PC細胞でSSEA-4が発現する現象に基づいて,SSEA-4に関連する分泌タンパク質は,AR陰性PC細胞の存在を反映する血清マーカーになる可能性があると考え,研究を開始したものである。
【0008】
上記事情を背景として,本発明では,前立腺癌においてAR陰性前立腺癌細胞の評価を可能とする血清マーカーの提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明者らは,鋭意研究の結果,MUC1がAR陰性前立腺癌細胞株の一部で発現しており,ST3GAL2遺伝子のノックアウトによりMUC1の発現がダウンレギュレートされることを明らかとした。さらに発明者らは,MUC1の可溶性タンパクであるCA15-3,ならびにMUC16の可溶性タンパクであるCA125,これらの採血時の血清レベルがmCRPC患者の採血時からの全生存率と有意に関連すること,ならびに血清CA15-3レベルはmHSPC患者において,CRPCへの移行時間(無CRPC移行生存率)と関連することを見出し,発明を完成させたものである。
【0010】
本発明は,以下の構成からなる。
[1]前立腺癌の診断に用いる血清マーカーの使用方法であって,血清中におけるCA15-3又はCA125を血清マーカーとして定量又は検出することを特徴とする血清マーカーとしての使用方法。
[2]前記診断が,限局性前立腺癌,局所進行性前立腺癌,転移性ホルモン感受性前立腺癌,転移性去勢抵抗性前立腺癌,または,これらの分類診断であることを特徴とする[1]に記載の血清マーカーとしての使用方法。
[3]前記診断が,前立腺癌において,治療方針決定,治療効果予測,治療効果判定であることを特徴とする[1]に記載の血清マーカーとしての使用方法。
[4]前記の血清マーカーの定量又は検出が,ELISA,蛍光標識法,質量分析法,タンパク質マイクロアレイ法のいずれかであることを特徴とする[1]に記載の血清マーカーとしての使用方法。
[5]前記診断が,前立腺癌におけるAR陰性PC細胞量を推定することを特徴とする[1]から[4]のいずれかに記載の血清マーカーとしての使用方法。
[6]PSAと合わせて使用することで,前立腺癌の前記診断を行うことを特徴とする[5]に記載の血清マーカーとしての使用方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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