TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
10個以上の画像は省略されています。
公開番号
2025065038
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-17
出願番号
2024170016
出願日
2024-09-30
発明の名称
イオン選択透過特性を持つ炭化水素系アニオン交換膜を備える電気透析装置の運転方法
出願人
株式会社合同資源
,
株式会社アストム
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C02F
1/469 20230101AFI20250410BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約
【課題】ヨウ化物イオンの生産性に優れた電気透析装置の運転方法を提供する。
【解決手段】電気透析装置の運転方法は、電気透析装置を用いて、ヨウ化物塩および溶媒を含むヨウ化物含有溶液を電気透析する工程を含み、電気透析装置が、直流抵抗測定法に従って直流電流と電圧との関係を表すIVカーブを取得し、そのIVカーブを二次微分して得られる二次微分値カーブにおいて極小が現れる、1価イオン選択透過性層を有するアニオン交換膜を備えており、電気透析する工程において、アニオン交換膜の有効面積(dm
2
)をdとし、二次微分値カーブに表れる極小に対応する直流電流(A)の値をa1としたとき、電流密度(A/dm
2
)をa1/d以上に設定するものである。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
電気透析装置を用いて、ヨウ化物塩および溶媒を含むヨウ化物含有溶液を電気透析する工程を含み、
前記電気透析装置が、直流抵抗測定法に従って直流電流と電圧との関係を表すIVカーブを取得し、そのIVカーブを二次微分して得られる二次微分値カーブにおいて極小が現れる、1価イオン選択透過性層を有するアニオン交換膜を備えており、
前記電気透析する工程において、前記アニオン交換膜の有効面積(dm
2
)をdとし、前記二次微分値カーブに表れる極小に対応する直流電流(A)の値をa1としたとき、電流密度(A/dm
2
)をa1/d以上に設定する、電気透析装置の運転方法。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
請求項1に記載の電気透析装置の運転方法であって、
a1/dの下限が、0.5A/dm
2
以上である、電気透析装置の運転方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電気透析装置の運転方法であって、
a1/dの上限が、10A/dm
2
以下である、電気透析装置の運転方法。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の電気透析装置の運転方法であって、
前記IVカーブを二次微分して得られる二次微分値カーブに表れる極大に対応する直流電流(A)の値をa2としたとき(ただし、a2>a1)、
前記電気透析する工程中の電流密度(A/dm
2
)をa2/d以下に設定する、電気透析装置の運転方法。
【請求項5】
請求項4に記載の電気透析装置の運転方法であって、
a2/d-a1/dが、0.5A/dm
2
以上10A/dm
2
以下である、電気透析装置の運転方法。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の電気透析装置の運転方法であって、
下記の海水濃縮試験に従って測定される、前記アニオン交換膜におけるSO
4
インデックスが、3.0×10
-3
N以上50.0×10
-3
N以下である、電気透析装置の運転方法。
<海水濃縮試験>
膜抵抗が1.5Ω・cm
2
以上2.5Ω・cm
2
以下であるカチオン交換膜を対に使用し、評価対象の陰イオン交換膜を一価選択面が脱塩室に向くように組入れられた小型電気透析装置(通電膜面積100cm
2
)を用い、脱塩室に25℃の海水を流速6cm/秒で流し、濃縮室に3.5mol/LのNaCl水溶液を満たして、電流密度3A/dm
2
で濃縮室の濃度変化がなくなるまで電気透析を行った際に得られる濃縮液中のSO
4
2-
濃度を、上記SO
4
インデックスとして測定する。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の電気透析装置の運転方法であって、
前記アニオン交換膜が、4級アンモニウム基を有する、スチレンジビニルベンゼンの共重合体を含む、電気透析装置の運転方法。
【請求項8】
ヨウ化物塩および溶媒を含むヨウ化物含有溶液の電気透析にのみ用いる、1価イオン選択透過性層を有するアニオン交換膜であって、
直流抵抗測定法に従って測定される当該アニオン交換膜の直流電流と電圧との関係を表すIVカーブを取得したとき、そのIVカーブを二次微分して得られる二次微分値カーブにおいて極小が表れる、
アニオン交換膜。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気透析装置の運転方法およびアニオン交換膜に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)
【背景技術】
【0002】
これまで廃液からヨウ素を回収する技術について様々な開発がなされてきた。この種の技術として、例えば、特許文献1に記載の技術が知られている。廃液には、ヨウ化物イオン(I
-
)などのヨウ素成分のほか、硫酸イオン(SO
4
2-
)のような2価イオンなども共存していることがある。たとえば、廃液中には、硫酸イオンが、通常、1g/L以上、硫酸塩の飽和溶解度以下の濃度で含まれ、より一般的には20~50g/L程度含まれていることがある。
特許文献1には、1価選択性アニオン交換膜などを使用して、ヨウ素を有する無機陰イオン及びフッ素を有する無機陰イオンを含有し、脱塩室内に収容されている原液に電気透析を行う方法が記載されている(特許文献1の請求項1、実施例など)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2021-079318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、本発明者が検討した結果、上記特許文献1に記載の電気透析方法において、ヨウ化物イオンの生産性の点で改善の余地があることが判明した。
すなわち、これまでは、アニオン交換膜の電流電圧特性を表すIVカーブ(電流-電圧曲線)は、直流電流の場合、ほぼ直線を示すことが知られていた。このため、電気透析方法時に電流密度を増大したとしても、アニオン交換膜にかかる膜電圧も比例して増大するため、ヨウ化物イオンの生産性を高められないと考えられてきた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、アニオン交換膜における電流電圧特性について検討を進めた結果、アニオン交換膜における1価アニオン選択透過性層の緻密さなどを変えて1価選択性を適切に制御することにより、ヨウ化物塩を含む水溶液中において、アニオン交換膜のIVカーブが、電流密度を増大しても膜電圧が比例して増大しないような新たな電流電圧特性を示すことを見出した。
かかる知見に基づいて鋭意検討した結果、上記の電流電圧特性を表す指標として、アニオン交換膜の有効面積dとIVカーブを二次微分して得られる二次微分値カーブに表れる極小に対応する直流電流の値a1とを用いた「a1/d」を採用し、電気透析する工程中の電流密度(A/dm
2
)を「a1/d」以上に設定することにより、比較的高い電流密度においても、膜電圧の増大を抑制できるため、ヨウ化物イオンの移動がしやすくなり、IVカーブが直線の場合と比較してヨウ化物イオンの生産性(エネルギー効率)を高められることを見出した。
【0006】
本発明の一態様によれば、以下の電気透析装置の運転方法が提供される。
【0007】
1. 電気透析装置を用いて、ヨウ化物塩および溶媒を含むヨウ化物含有溶液を電気透析する工程を含み、
前記電気透析装置が、直流抵抗測定法に従って直流電流と電圧との関係を表すIVカーブを取得し、そのIVカーブを二次微分して得られる二次微分値カーブにおいて極小が現れる、1価イオン選択透過性層を有するアニオン交換膜を備えており、
前記電気透析する工程において、前記アニオン交換膜の有効面積(dm
2
)をdとし、前記二次微分値カーブに表れる極小に対応する直流電流(A)の値をa1としたとき、電流密度(A/dm
2
)をa1/d以上に設定する、電気透析装置の運転方法。
2. 1.に記載の電気透析装置の運転方法であって、
a1/dの下限が、0.5A/dm
2
以上である、電気透析装置の運転方法。
3. 1.又は2.に記載の電気透析装置の運転方法であって、
a1/dの上限が、10A/dm
2
以下である、電気透析装置の運転方法。
4. 1.~3.のいずれか一つに記載の電気透析装置の運転方法であって、
前記IVカーブを二次微分して得られる二次微分値カーブに表れる極大に対応する直流電流(A)の値をa2としたとき(ただし、a2>a1)、
前記電気透析する工程中の電流密度(A/dm
2
)をa2/d以下に設定する、電気透析装置の運転方法。
5. 4.に記載の電気透析装置の運転方法であって、
a2/d-a1/dが、0.5A/dm
2
以上10A/dm
2
以下である、電気透析装置の運転方法。
6. 1.~5.のいずれか一つに記載の電気透析装置の運転方法であって、
下記の海水濃縮試験に従って測定される、前記アニオン交換膜におけるSO
4
インデックスが、3.0×10
-3
N以上50.0×10
-3
N以下である、電気透析装置の運転方法。
<海水濃縮試験>
膜抵抗が1.5Ω・cm
2
以上2.5Ω・cm
2
以下であるカチオン交換膜を対に使用し、評価対象の陰イオン交換膜を一価選択面が脱塩室に向くように組入れられた小型電気透析装置(通電膜面積100cm
2
)を用い、脱塩室に25℃の海水を流速6cm/秒で流し、濃縮室に3.5mol/LのNaCl水溶液を満たして、電流密度3A/dm
2
で濃縮室の濃度変化がなくなるまで電気透析を行った際に得られる濃縮液中のSO
4
2-
濃度を、上記SO
4
インデックスとして測定する。
7. 1.~6.のいずれか一つに記載の電気透析装置の運転方法であって、
前記アニオン交換膜が、4級アンモニウム基を有する、スチレンジビニルベンゼンの共重合体を含む、電気透析装置の運転方法。
8. ヨウ化物塩および溶媒を含むヨウ化物含有溶液の電気透析にのみ用いる、1価イオン選択透過性層を有するアニオン交換膜であって、
直流抵抗測定法に従って測定される当該アニオン交換膜の直流電流と電圧との関係を表すIVカーブを取得したとき、そのIVカーブを二次微分して得られる二次微分値カーブにおいて極小が表れる、
アニオン交換膜。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ヨウ化物イオンの生産性に優れた電気透析装置の運転方法、およびそれに用いるアニオン交換膜が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本実施形態の電気透析装置の構成の一例を模式的に示す断面図である。
本実施形態のヨウ素回収システムの構成の一例を模式的に示す図である。
本実施形態のヨウ素回収工程の一例を示すフロー図である。
比較例1のIVカーブを表す。
比較例1のIVカーブを二次微分して得られる二次微分値カーブを表す。
実施例1のIVカーブを表す。
実施例1のIVカーブを二次微分して得られる二次微分値カーブを表す。
実施例2のIVカーブを表す。
実施例2のIVカーブを二次微分して得られる二次微分値カーブを表す。
実施例3のIVカーブを表す。
実施例3のIVカーブを二次微分して得られる二次微分値カーブを表す。
比較例2のIVカーブを表す。
比較例2のIVカーブを二次微分して得られる二次微分値カーブを表す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、図は概略図であり、実際の寸法比率とは一致していない。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
株式会社合同資源
金属ヨウ化物錠剤
26日前
株式会社合同資源
金属ヨウ化物錠剤の製造方法
26日前
株式会社合同資源
イオン選択透過特性を持つ炭化水素系アニオン交換膜を備える電気透析装置の運転方法
18日前
株式会社合同資源
架橋重合法により製造されたアニオン交換膜を備える電気透析装置を用いた、有機溶媒を含む水溶液の電気透析装置の運転方法
11日前
株式会社合同資源
フッ化物イオンとリン酸イオンの選択除去性を持つ無機系凝集剤によるヨウ素成分含有水溶液の製造方法、無機系凝集剤、およびリサイクル水溶液
18日前
日本ソリッド株式会社
礫間浄化体
18日前
栗田工業株式会社
水質浄化システム
3日前
東芝ライテック株式会社
流体殺菌装置
27日前
ユキエンジニアリング株式会社
浮上物回収装置
4日前
マクセルイズミ株式会社
オゾン水生成装置
25日前
日機装株式会社
流水殺菌装置および流水殺菌方法
3日前
日星電気株式会社
発熱部品の保護構造、及び液体処理装置
3日前
オルガノ株式会社
水処理方法及び水処理システム
4日前
エスエヌエフ・グループ
新規な汚泥脱水方法
7日前
株式会社クリーンテックサービス東京
排水処理槽及び越流堰
26日前
三菱ケミカル株式会社
排水処理方法
25日前
WOTA株式会社
水処理システム、及び方法
25日前
東ソー株式会社
亜鉛及びニッケル含有排水用の処理剤及び排水処理方法
26日前
水ing株式会社
水処理方法及び水処理装置
20日前
株式会社テックコーポレーション
電解水生成装置
25日前
パナソニックIPマネジメント株式会社
電解水生成装置
26日前
イビデン株式会社
アミン廃液の濃縮方法
20日前
株式会社川本製作所
連結管及び薬液注入装置
20日前
ダイハツ工業株式会社
バイオガス生成システム
13日前
WOTA株式会社
生物の活性管理システム
12日前
クボタ環境エンジニアリング株式会社
除去方法および除去装置
18日前
カーボントレードネオ株式会社
排水処理装置
20日前
株式会社日立製作所
排水処理制御装置及び排水処理制御方法
28日前
パナソニックIPマネジメント株式会社
水電解システム
3日前
野村マイクロ・サイエンス株式会社
超純水製造装置
27日前
三菱ケミカル・クリンスイ株式会社
浄水器用カートリッジおよび浄水器
5日前
オルガノ株式会社
添加量算出装置、水処理方法、水処理システム及びプログラム
28日前
クボタ環境エンジニアリング株式会社
運転方法およびカルシウム除去装置
18日前
積水化学工業株式会社
廃水処理装置および廃水処理方法
28日前
国立大学法人 琉球大学
排水の固液分離、脱水及び乾燥装置
25日前
株式会社ササクラ
被処理水の濃縮方法および濃縮装置
5日前
続きを見る
他の特許を見る