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公開番号
2025069581
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-01
出願番号
2023179387
出願日
2023-10-18
発明の名称
水処理方法及び水処理システム
出願人
オルガノ株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
C02F
1/469 20230101AFI20250423BHJP(水,廃水,下水または汚泥の処理)
要約
【課題】ジュール熱などによる電気式脱イオン水製造装置(EDI装置)の劣化を抑止しつつ被処理水中のシリカ成分やホウ素成分を除去して脱塩された処理水を生成する水処理方法を提供する。
【解決手段】陽極11を備える陽極室21と陰極12を備える陰極室23との間に、陽極11を向いた側に配置されたアニオン交換膜31と陰極12を向いた側に配置されたカチオン交換膜32とによって区画されてイオン交換体が充填された脱塩室22を有するEDI装置10を使用する。陽極11と陰極12との間に直流電流を印加するとともに脱塩室22に被処理水を供給するときに、脱塩室22に供給される被処理水の総量に関して単位流量当たり直流電流の電流値を0.4×10
-3
A・min/mLを超えかつ16.0×10
-3
A・min/mL以下とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
陽極を備える陽極室と陰極を備える陰極室との間に、前記陽極を向いた側に配置された第1のイオン交換膜と前記陰極を向いた側に配置された第2のイオン交換膜からなる1対のイオン交換膜で区画されてイオン交換体が充填された脱塩室を有する電気式脱イオン水製造装置を使用し、前記陽極と前記陰極との間に直流電流を印加するとともに前記脱塩室に被処理水を供給して処理水を得る水処理方法であって、
前記電気式脱イオン水製造装置内の前記脱塩室に供給される前記被処理水の総量に関する単位流量当たりの前記直流電流の電流値が、0.4×10
-3
A・min/mLを超えかつ16.0×10
-3
A・min/mL以下である、水処理方法。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
前記電気式脱イオン水製造装置の全体として前記陽極と前記陰極との間に印加される前記直流電流の電流値を0.4A以上とする、請求項1に記載の水処理方法。
【請求項3】
前記脱塩室における前記被処理水の流量が920mL/min未満である、請求項1または2に記載の水処理方法。
【請求項4】
前記脱塩室からの出口水を非再生型イオン交換装置に通水し、前記非再生型イオン交換装置の出口水を前記処理水とする、請求項1または2に記載の水処理方法。
【請求項5】
前記脱塩室に供給されるべき前記被処理水の一部を分岐し、定圧弁を介することによって流量を制御して前記陽極室に供給する、請求項1または2に記載の水処理方法。
【請求項6】
前記電気式脱イオン水製造装置は、前記陽極と前記陰極との間において相互に電気的に直列に配置された4個以下の前記脱塩室を有しており、
前記4個以下の前記脱塩室に対して前記被処理水を分配して供給する、請求項1または2に記載の水処理方法。
【請求項7】
前記電気式脱イオン製造装置に設けられる前記脱塩室のうち、前記陽極に最も近い脱塩室はアニオン交換膜である前記第1のイオン交換膜を介して前記陽極室に隣接し、
前記陽極室にアニオン交換体とカチオン交換体が充填され、
前記陽極室において前記アニオン交換体は前記陽極に接触しないように前記アニオン交換膜の側に配置され、前記カチオン交換体は前記アニオン交換膜に接触しないように前記陽極の側に配置されて前記アニオン交換体と接触している、請求項1または2に記載の水処理方法。
【請求項8】
前記電気式脱イオン製造装置に設けられる前記脱塩室のうち、前記陽極に最も近い脱塩室は前記第1のイオン交換膜を介して前記陽極室に隣接し、前記陰極に最も近い脱塩室は前記第2のイオン交換膜を介して前記陰極室に隣接している、請求項1または2に記載の水処理方法。
【請求項9】
前記脱塩室は、前記1対のイオン交換膜の間に位置する中間のイオン交換膜を備えて該中間のイオン交換膜によって前記陽極に近い側に位置する第1小脱塩室と前記陰極に近い側に位置する第2小脱塩室に区画され、前記第1小脱塩室及び前記第2小脱塩室のうちの一方の小脱塩室に前記被処理水が供給されて当該一方の小脱塩室から流出する水が他方の小脱塩室に流入するように、前記第1小脱塩室及び前記第2小脱塩室が連通している、請求項1または2に記載の水処理方法。
【請求項10】
前記第1小脱塩室にアニオン交換樹脂が充填され、前記第2小脱塩室にカチオン交換樹脂が充填されている、請求項9に記載の水処理方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、被処理水中のシリカ成分やホウ素成分を除去する水処理方法及び水処理システムに関し、特に、電気式脱イオン水製造装置(EDI(Electrodeionization)装置)を使用した水処理方法及び水処理システムに関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
被処理水のイオン成分を除去して純水や脱イオン水を生成するために、被処理水に対してイオン交換処理が行われる。イオン成分のうちホウ素成分やシリカ成分といった弱酸成分は、アニオン交換樹脂及びカチオン交換樹脂の少なくとも一方であるイオン交換樹脂の層に対して被処理水を単純に通水させるという一般的なイオン交換処理では除去しにくい成分である。そこで、電気式脱イオン水製造装置(EDI装置)を使用することが試みられている。EDI装置は、電気泳動と電気透析とを組み合わせることによって被処理水から脱イオン水を生成する装置であって、陽極と陰極との間に、陽極を向いた側に配置する第1のイオン交換膜と陰極を向いた側に配置する第2のイオン交換膜からなる1対のイオン交換膜で区画されてイオン交換体が充填された脱塩室を備えている。EDI装置では、陽極と陰極との間に直流電流を印加しながら脱塩室に被処理水を供給することにより、脱塩室から脱イオン水が得られる。EDI装置は、薬剤によってイオン交換樹脂を再生する処理を不要とするという利点を有する。しかしながらEDI装置であっても、脱塩室にイオン交換体として単に通常のイオン交換樹脂を充填させただけでは、ホウ素成分やシリカ成分などについて、十分な除去性能が得られないことがある。
【0003】
特許文献1は、逆浸透膜(RO)装置などを用いて被処理水中のシリカ濃度を5ppb以下とした上で、被処理水をEDI装置に導き、EDI装置での電流密度を好ましくは600mA/dm
2
以上1000mA/dm
2
以下として被処理水中のホウ素を除去することを開示している。特許文献2は、pHが8.5以下の原水をアルカリ薬剤を添加することなく処理したときに原水よりも1.0以上高いpHが得られるように脱塩室の厚さ、操作電圧(または操作電流)、あるいは脱塩室での通水の空間速度が設定されているEDI装置を用いることにより、被処理水中のホウ素成分及びシリカ成分を除去することを開示している。
【0004】
EDI装置一般に関する技術であるが、特許文献3は、EDI装置において、陰極が設けられる陰極室におけるスケールの発生を抑制するために、陽極が設けられている陽極室から排出された電極水を陰極室に供給することを開示している。EDI装置において陽極室の全体にカチオン交換体を充填したときには、陽極室に接して配置されるアニオン交換膜とカチオン交換体とが接触する位置で水素イオン(H
+
)と水酸化物イオン(OH
-
)との中和反応が起こり、そのときの中和熱でアニオン交換膜が劣化する(いわゆる膜焼けを起こす)ことがある。このようなアニオン交換膜の劣化を防ぐために、特許文献4は、陽極室において、カチオン交換体とアニオン交換体とが相互に接触するように、アニオン交換膜には接しないが陽極には接するようにカチオン交換体を配置し、陽極には接しないがアニオン交換膜には接するようにアニオン交換体を配置することを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2017-140548号公報
特開2001-113281号公報
特開2001-58186号公報
特開2011-189315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された方法は、EDI装置での電流密度を大きくしてホウ素成分などの除去効率を高めようとするものであるが、電流密度を大きくすれば、水素イオンと水酸化物イオンとの中和反応による発熱とは別にジュール熱などによるEDI装置の全体における発熱が大きくなり、EDI装置を構成するイオン交換体やイオン交換膜が熱によって劣化する恐れも大きくなる。特許文献2に記載された方法も、電流密度を大きくせざるを得ないものであって、発熱に伴う問題が発生するおそれがある。さらに特許文献2に記載された方法は、水中における水素イオンと水酸化物イオンの易動度の差を利用して脱塩室内に水酸化物イオンが多く存在する環境すなわちアルカリ雰囲気とするものであるので、被処理水に含まれるナトリウムイオン(Na
+
)やカリウムイオン(K
+
)を除去することができない。
【0007】
本発明の目的は、ジュール熱などによるEDI装置の劣化を抑止しつつEDI装置を使用して被処理水中のシリカ成分やホウ素成分を除去して脱塩された処理水を得ることができる水処理方法及び水処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様の水処理方法は、陽極を備える陽極室と陰極を備える陰極室との間に、陽極を向いた側に配置された第1のイオン交換膜と陰極を向いた側に配置された第2のイオン交換膜からなる1対のイオン交換膜で区画されてイオン交換体が充填された脱塩室を有する電気式脱イオン水製造装置(EDI装置)を使用し、陽極と陰極との間に直流電流を印加するとともに脱塩室に被処理水を供給して処理水を得る水処理方法であって、EDI装置内の脱塩室に供給される被処理水の総量に関する単位流量当たりの直流電流の電流値が、0.4×10
-3
A・min/mLを超えかつ16.0×10
-3
A・min/mL以下である。
【0009】
本発明の一態様の水処理装置は、被処理水からシリカ成分とホウ素成分とを除去する水処理装置であって、陽極を備える陽極室と、陰極を備える陰極室と、陽極室と陰極室との間に配置されて陽極を向いた側に配置された第1のイオン交換膜と陰極を向いた側に配置された第2のイオン交換膜からなる1対のイオン交換膜で区画され、イオン交換体が充填された脱塩室と、を有するEDI装置を備え、陽極と陰極との間に印加される直流電流の電流値が、EDI装置内の脱塩室に供給される被処理水の総量に関する単位流量当たり、0.4×10
-3
A・min/mLを超えかつ16.0×10
-3
A・min/mL以下である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、EDI装置の劣化を抑止しつつEDI装置を使用して被処理水中のシリカ成分やホウ素成分を除去して脱塩された処理水を得ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)
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