TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025067071
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-24
出願番号2023176758
出願日2023-10-12
発明の名称酸化錫粒子分散液、および、酸化錫粒子積層膜の製造方法
出願人三菱マテリアル株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類C01G 19/02 20060101AFI20250417BHJP(無機化学)
要約【課題】導電性に優れた酸化錫粒子積層膜を成膜することが可能な酸化錫粒子分散液、および、酸化錫粒子積層膜の製造方法を提供する。
【解決手段】溶媒中に酸化錫粒子が分散された酸化錫粒子分散液であって、錫酸アルカリ金属が溶解しており、前記錫酸アルカリ金属の溶解量が前記酸化錫粒子に対して、Sn量換算で0.1mass%以上10mass%以下の範囲内であることを特徴とする。前記酸化錫粒子に異種元素がドープされていてもよい。前記異種元素が、アンチモン、フッ素、リンから選択される1種又は2種以上であることが好ましい。前記酸化錫粒子の一次粒子径が1.5nm以上100nm以下の範囲内とされていることが好ましい。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
溶媒中に酸化錫粒子が分散された酸化錫粒子分散液であって、
錫酸アルカリ金属が溶解しており、前記錫酸アルカリ金属の溶解量が前記酸化錫粒子に対して、Sn量換算で0.1mass%以上10mass%以下の範囲内であることを特徴とする酸化錫粒子分散液。
続きを表示(約 350 文字)【請求項2】
前記酸化錫粒子に異種元素がドープされていることを特徴とする請求項1に記載の酸化錫粒子分散液。
【請求項3】
前記異種元素が、アンチモン、フッ素、リンから選択される1種又は2種以上であることを特徴とする請求項2に記載の酸化錫粒子分散液。
【請求項4】
前記酸化錫粒子の一次粒子径が1.5nm以上100nm以下の範囲内とされていることを特徴とする請求項1に記載の酸化錫粒子分散液。
【請求項5】
酸化錫粒子積層膜の製造方法であって、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の酸化錫粒子分散液を塗工して塗工膜を形成する塗工工程と、前記塗工膜を乾燥させる乾燥工程と、を備えていることを特徴とする酸化錫粒子積層膜の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば導電膜等を成膜する際に適用可能な酸化錫粒子分散液、この酸化錫粒子分散液を用いた酸化錫粒子積層膜の製造方法に関するものである。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
帯電防止剤や太陽電池の電子輸送層等には、導電膜として酸化錫粒子が利用されている。例えば、ペロブスカイト太陽電池の電子輸送層においては、酸化錫粒子分散液を用いて成膜された酸化錫粒子積層膜が利用されている。
しかしながら、酸化錫粒子分散液を用いて作製された導電膜においては、酸化錫粒子間の界面抵抗、導電膜表面における界面抵抗、粒子間の空隙に起因する界面抵抗による導電率の低下は避けることができない。
なお、酸化錫粒子分散液の塗工による製膜は容易である一方で、スパッタ膜よりも導電性が低くなることが一般的である。
【0003】
一方で、特許文献1に記載されているように、錫アミノアルコキシドを利用して、粒子分散液を塗工・乾燥するという手法以外で導電膜を形成することが可能であるが、製膜のためにMOCVD法のような高エネルギープロセスを必要とする。
このような有機スズ化合物から高導電性の導電膜を作製するためには結晶性の酸化錫に変換する必要があるが、特許文献2に示す共沈法による酸化錫の結晶化を参照すると、水酸化錫や錫アルコキシドを結晶性の酸化錫とするためには600℃程度まで加熱することが必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2009-227674号公報
特許第5798240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、最近では、上述の酸化錫粒子積層膜は、例えばペロブスカイト太陽電池の電子輸送層として適用することが検討されている。ペロブスカイト太陽電池は、有機フィルムや有機金属化合物等の耐熱性の低い材質の基材に形成されることから、上述のような錫アミノアルコキシドを利用して導電膜を形成することはできなかった。
また、ペロブスカイト太陽電池の電子輸送層においては、膜厚がナノオーダーと非常に薄く、均一で導電性に優れた膜を成膜することはさらに困難であった。なお、その他のデバイスにおいても、小型化および薄膜化が進んでおり、導電層となる酸化錫粒子積層膜を薄く、かつ、均一に形成することが求められている。
【0006】
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、導電性に優れた酸化錫粒子積層膜を成膜することが可能な酸化錫粒子分散液、および、酸化錫粒子積層膜の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明者らが鋭意検討した結果、酸化錫粒子分散液において、錫酸アルカリ金属を適量溶解させると、塗工膜を乾燥させる際に、錫酸イオンが錫化合物(非晶質の酸化錫または水酸化錫)にとなって界面抵抗が下がるとともに、生成した錫化合物が粒子間の隙間を埋めることにより、導電性に優れた酸化錫粒子積層膜を成膜可能となるとの知見を得た。
【0008】
本発明は、上述の知見に基づいてなされたものであって、本発明の態様1の酸化錫粒子分散液は、溶媒中に酸化錫粒子が分散された酸化錫粒子分散液であって、錫酸アルカリ金属が溶解しており、前記錫酸アルカリ金属の溶解量が前記酸化錫粒子に対して、Sn量換算で0.1mass%以上10mass%以下の範囲内であることを特徴としている。
【0009】
本発明の態様1の酸化錫粒子分散液によれば、錫酸アルカリ金属が溶解しており、前記錫酸アルカリ金属の溶解量が前記酸化錫粒子に対して、Sn量換算で0.1mass%以上10mass%以下の範囲内とされているので、この酸化錫粒子分散液を塗工して乾燥した際に、錫酸アルカリ金属から生成される錫酸イオンが錫化合物(非晶質の酸化錫または水酸化錫)となり、結晶性の酸化錫表面のパッシベーションにより界面抵抗を低減することができる。また、生成した錫化合物(非晶質の酸化錫または水酸化錫)が酸化錫粒子間の隙間を埋めることで粒子間の抵抗が大きく低下する。これにより、導電率に優れた酸化錫粒子積層膜を成膜することが可能となる。
【0010】
本発明の態様2の酸化錫粒子分散液は、態様1の酸化錫粒子分散液において、前記酸化錫粒子に異種元素がドープされていることを特徴としている。
本発明の態様2の酸化錫粒子分散液によれば、前記酸化錫粒子に異種元素がドープされていることから、酸化錫粒子の特性を調整することができ、要求特性に応じた酸化錫粒子積層膜を成膜することが可能となる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

三菱重工業株式会社
生成システム
14日前
個人
窒素化合物生成装置および定在波発生装置
19日前
株式会社合同資源
金属ヨウ化物錠剤
27日前
トヨタ自動車株式会社
資源の回収方法
12日前
トヨタ自動車株式会社
資源の回収方法
27日前
個人
オゾン発生装置
6日前
日揮触媒化成株式会社
ゼオライト成形体の製造方法
29日前
ピルキントン グループ リミテッド
化合物
12日前
ピルキントン グループ リミテッド
化合物
12日前
花王株式会社
中空シリカ粒子
4日前
和金資本株式会社
高純度炭素量子ドット材料およびその調製方法
13日前
日本特殊陶業株式会社
材料粉末および材料粉末の製造方法
28日前
国立大学法人 新潟大学
反応媒体および水素の製造方法
29日前
花王株式会社
中空シリカ粒子の製造方法
4日前
富士通商株式会社
ネプライザー熱CVD分解による水素の製造システム
6日前
花王株式会社
中空シリカ粒子の製造方法
4日前
株式会社レゾナック
酸化チタン粒子及びその製造方法
14日前
デンカ株式会社
アルミナ粉末、樹脂組成物、及び接着剤
4日前
株式会社レゾナック
酸化チタン粒子及びその製造方法
14日前
デンカ株式会社
アルミナ粉末、樹脂組成物、及び接着剤
4日前
株式会社エフ・シー・シー
カーボンナノチューブ分散液の製造方法
28日前
東ソー株式会社
Cr-Si系焼結体
26日前
日揮触媒化成株式会社
粒子の分散液、及びその製造方法
13日前
JFEスチール株式会社
リン化合物の製造方法
13日前
三菱重工業株式会社
塩化マグネシウムの製造システム
14日前
三井金属鉱業株式会社
炭化ケイ素粉末及びその製造方法
26日前
戸田工業株式会社
チタン酸バリウム粒子粉末及びその製造方法並びに分散体
21日前
ティアンキ リチウム コーポレーション
EVグレード硫化リチウムとその調製方法
25日前
東ソー株式会社
硫酸マンガン溶液の製造方法
19日前
株式会社半導体エネルギー研究所
酸化グラフェン
19日前
公立大学法人大阪
過酸化水素付加体、及び、過酸化水素付加体の使用方法
4日前
日揮触媒化成株式会社
チタン酸バリウム粒子の分散液、およびその製造方法
26日前
住友金属鉱山株式会社
二酸化炭素の固定方法、及び、アルカリ土類金属の炭酸塩の製造方法
21日前
大学共同利用機関法人自然科学研究機構
粉末活性炭成形体の製造方法
14日前
三菱マテリアル株式会社
酸化錫粒子分散液、および、酸化錫粒子積層膜の製造方法
12日前
三和油化工業株式会社
酸化グラフェンの製造方法
6日前
続きを見る