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公開番号2025070593
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-02
出願番号2023181040
出願日2023-10-20
発明の名称アニオン電着塗料組成物、および塗装物品
出願人artience株式会社
代理人
主分類C09D 5/44 20060101AFI20250424BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】熱衝撃耐性、基材密着性、耐熱性、絶縁性等に優れた塗膜を形成できる貯蔵安定性に優れたアニオン電着塗料組成物およびそれを用いた塗装物品の提供。
【解決手段】酸二無水物とジアミンとの重縮合物であるポリイミド樹脂(A)および塩基性化合物(B)を含有し、電気伝導率が300~2,500μS/cm であるアニオン電着塗料組成物であって、前記ポリイミド樹脂(A)を構成する酸二無水物およびジアミンの少なくとも一方がビスフェノール骨格を有するアニオン電着塗料組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
酸二無水物とジアミンとの重縮合物であるポリイミド樹脂(A)および塩基性化合物(B)を含有するアニオン電着塗料組成物であって、
ポリイミド樹脂(A)を構成する酸二無水物およびジアミンのうち少なくとも一方がビスフェノール骨格を有し、
電気伝導率が300~2,500μS/cmであるアニオン電着塗料組成物。
続きを表示(約 470 文字)【請求項2】
酸二無水物およびジアミンの合計100モル%のうち、ビスフェノール骨格を有する酸二無水物およびジアミンの合計含有量が40モル%以上であることを特徴とする請求項1に記載のアニオン電着塗料組成物。
【請求項3】
ポリイミド樹脂(A)が、分子中に水酸基を有することを特徴とする請求項1に記載のアニオン電着塗料組成物。
【請求項4】
さらに硬化剤(D)を含む請求項1に記載のアニオン電着塗料組成物。
【請求項5】
塩基性化合物(B)が、アルカノールアミン化合物および複素環式アミン化合物の少なくとも一方を含有することを特徴とする、請求項1に記載のアニオン電着塗料組成物。
【請求項6】
さらに有機溶媒(C)を含み、有機溶媒(C)が、分子内にエーテル基を有する有機溶媒(C-1)を含むことを特徴とする、請求項1に記載のアニオン電着塗料組成物。
【請求項7】
請求項1~6いずれかに記載のアニオン電着塗料組成物を用いて、被塗物に電着塗装してなる塗装物品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、アニオン電着塗装において塗膜形成に好適に使用できるアニオン電着塗料組成物、および塗装物品に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
電着塗装は、電着塗料中に金属等の被塗物と前記被塗物にとって対となる電極とを浸漬して電圧を印加し、塗料中の電荷を帯びた塗膜形成用成分を電気泳動させて被塗物上に析出させ、塗膜を形成する塗装方法である。電着塗装は被塗物が複雑な形状であっても、均一な膜厚の塗膜形成が可能であり、更にはエッジカバー性にも優れ、スプレー塗装やディッピング塗装等と比較してムラのない塗膜形成ができることから被塗物の耐食性、耐水性、耐久性等を向上させる目的で自動車部品、建材、電子材料部品等の様々な分野において使用されている。また、電着塗装は、少ない有機溶剤量にて塗装を行うことが可能であるため、揮発性有機化合物(VOC)対策の観点からも非常に優れた塗装方法である。
塗膜形成用成分の電荷によって、電着塗装はアニオン電着塗装とカチオン電着塗装とに分けられ、中でも、アニオン電着塗装はアニオン電荷を帯びたアニオン電着塗料を陽極である被塗物に電着させる塗装方法であり建材等において多く採用されている。
【0003】
近年、エレクトロニクス分野やモビリティ分野等では高機能化や小型化、軽量化に伴い、高度な耐熱性、耐久性、絶縁性等を有する材料が求められている。特に電気自動車(EV)やハイブリッド自動車(HV)などの電動車においては、例えばモーターの小型化、高出力化を達成するために、小型化・複雑化する部材に対して、長期の耐熱性等を有する絶縁被膜を均一に形成できる塗料が求められている。加えて、寒冷地での利用から走行時の高温環境まで、寒暖差の激しい環境下でも長期にわたり性能や安全性を維持するため、優れた熱衝撃耐性を有する高耐久の絶縁被膜が形成可能であり、厚膜でも均一な被膜が得られる、貯蔵安定性に優れた塗料が強く求められている。
【0004】
このような要求に対して、優れた電気絶縁性、耐熱性、機械的特性、耐溶剤性、耐薬品性等を示すポリイミド樹脂やポリアミドイミド樹脂等を用いた電着塗料が検討されている。
【0005】
特許文献1には、芳香族テトラカルボン酸ジ無水物と芳香族ジアミンとの反応生成物であるポリアミド酸の中和塩、前記ポリアミド酸を溶解する極性溶媒、水、およびフェニル基、フルフリル基またはナフチル基を有するアルコールからなる電着塗料組成物が開示されている。しかしながら、ポリイミド前駆体のポリアミド酸は水で容易に加水分解するため、塗料組成物の貯蔵安定性が低いという問題があった。また、電着塗装被膜に含まれるポリアミド酸を高温且つ長時間の加熱にて脱水閉環させてイミド化するため、体積減少による塗膜歪みや膜減り、完全にイミド化されずポリアミド酸が残存する等により、得られる塗膜の耐熱性や熱衝撃耐性が不十分であるという問題があった。
【0006】
特許文献2には、分子骨格中にシロキサン結合を有し、分子中にアニオン性基を有するブロック共重合ポリイミドの粒子を分散した、高い電着速度で膜性状の均一性が極めて高い電着被膜を形成することができるサスペンジョン型ポリイミド電着塗料が開示されている。しかしながら、電着塗料の電気伝導率が低いため、電着塗装時に通電による塗膜形成用成分の電気泳動(塗着被膜の成長)を継続し難く、厚膜かつ均一な塗膜を得ることが難しいという問題があった。また、ポリイミド主鎖に脂肪族ポリシロキサン構造とアニオン性基をブロック共重合にて導入しているため、被膜の耐熱性や熱衝撃耐性が不十分であるという問題があった。
【0007】
特許文献3には、ポリイミド粒子と、ポリイミドの有機溶剤溶液またはポリイミドのプレポリマーの有機溶剤溶液のいずれかと、親水性カチオンポリマーとからなる樹脂組成物、ならびに該樹脂組成物を用いる水性電着塗料が開示されている。しかしながら、ポリイミドと比較して耐熱性、耐久性の劣る親水性カチオンポリマーを用いるため、塗膜の耐熱性や熱衝撃耐性が不十分であるという問題があった。
【0008】
特許文献4には、末端がイソシアネート(NCO)基であるポリイミドのNCO基と直鎖状ジオールの水酸基又は直鎖状ジチオールのチオールとが結合したものであることを特徴とする絶縁皮膜形成用樹脂、ならびに該絶縁皮膜形成用樹脂と、極性溶媒と、水と、貧溶媒と、塩基とを含む電着液が開示されている。しかしながら、得られる塗膜は自動車部品等で要求される長期の耐熱性を満足できるものではなく、また塗膜の熱衝撃耐性が不十分であるという問題があった。
【0009】
また、特許文献5には、特定の繰り返し構造単位を有するポリアミド酸誘導体と、疎水性アミン化合物、親水性アミン化合物、非プロトン性溶媒を含む電着塗料組成物が開示されている。しかしながら、電着塗装被膜を乾燥工程で脱アルコール閉環してイミド化するため、特に厚膜にて平滑かつ均一な塗膜を形成し難く、加えて耐熱性の高い剛直な構造であるため、得られる塗膜の絶縁性や熱衝撃耐性が不十分であるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開平9-124978号公報
特開2011-256318号公報
特開2006-052268号公報
特開2019-094404号公報
特開2023-80873号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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