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公開番号2025071033
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-02
出願番号2024182122
出願日2024-10-17
発明の名称便秘を改善するための桃花発酵液、その調製方法及び使用
出願人華南農業大学,鳳凰制薬集団(珠海)有限公司,Fung-wong Pharmaceutical Group (Zhuhai) Co., LTD
代理人TRY国際弁理士法人
主分類C12P 1/04 20060101AFI20250424BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約【課題】便秘を改善するための桃花発酵液、その調製方法及び使用の提供。
【解決手段】乾燥桃花に水を加えて浸漬し、その後煎出し、残渣含有桃花液を得るステップと、残渣含有桃花液にフレーバーザイム及びセルラーゼを加えて酵素分解し、酵素を不活性化し、酵素分解した残渣液混合物を得るステップと、酵素分解した残渣液混合物に炭素源を加えて滅菌し、発酵基質を得るステップと、発酵基質に出芽酵母に接種して一次発酵を行い、発酵終了後に滅菌し、一次発酵液を得るステップと、一次発酵液に、複合乳酸菌を接種して二次発酵を行い、発酵終了後に滅菌、濾過、濃縮し、桃花発酵液を得るステップを含む。本発明で提供される桃花発酵液は、桃花固有の強い苦味、渋味を改善し、官能的品質が良好で、活性成分の含有量が高く、栄養が豊富で、効果が高く、潤腸通便及び胃腸蠕動促進の作用を奏し、特にオピオイドによる便秘の改善に対して明確かつ顕著な効果を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
(1)乾燥桃花に水を加えて浸漬し、その後、煎出し、残渣含有桃花液を得るステップと、
(2)前記残渣含有桃花液にフレーバーザイム及びセルラーゼを加えて酵素分解し、酵素を不活性化し、酵素分解した残渣液混合物を得るステップと、
(3)前記酵素分解した残渣液混合物に炭素源を加えて滅菌し、発酵基質を得るステップと、
(4)前記発酵基質に出芽酵母に接種して一次発酵を行い、発酵終了後に滅菌し、一次発酵液を得るステップと、
(5)前記一次発酵液に、ラクトバチルス・プランタラム、ラクトバチルス・ブルガリクス、ラクトバチルス・ヘルベティカス、ロイコノストック・メセンテロイデスのメセンテロイデス亜種(Leuconostoc mesenteroides subsp.Mesenteroides)及びストレプトコッカス・サーモフィルスを含む複合乳酸菌を接種して二次発酵を行い、発酵終了後に滅菌、濾過、濃縮し、桃花発酵液を得るステップと、
を含むことを特徴とする、桃花発酵液の調製方法。
続きを表示(約 2,300 文字)【請求項2】
ステップ(4)において、
前記発酵基質に出芽酵母菌粉末を加えて一次発酵を行い、前記出芽酵母菌粉末の添加量は、前記発酵基質の質量の1%~7%、好ましくは3%であり、
前記一次発酵の条件は、温度30±2℃、回転速度120r/min、時間4dであり、
前記滅菌条件は85℃、20minであることを特徴とする、請求項1に記載の桃花発酵液の調製方法。
【請求項3】
ステップ(5)において、
前記一次発酵液に複合乳酸菌液を加えて二次発酵を行い、前記複合乳酸菌液の添加量は、前記発酵基質の体積の2%~8%、好ましくは、4%であり、前記複合乳酸菌液中、前記ラクトバチルス・プランタラムの生菌数は1.5×10

~3×10

cfu/mLであり、前記ラクトバチルス・ブルガリクスの生菌数は2×10

~4×10

cfu/mLであり、前記ラクトバチルス・ヘルベティカスの生菌数は1×10

~2×10

cfu/mLであり、前記ロイコノストック・メセンテロイデスのメセンテロイデス亜種の生菌数は1×10

~2×10

cfu/mLであり、前記ストレプトコッカス・サーモフィルスの生菌数は2×10

~4×10

cfu/mLであり、
前記複合乳酸菌液は、複合乳酸菌粉末をMRS液体培地中で活性化して得られたものであり、前記複合乳酸菌粉末において、ラクトバチルス・プランタラム菌粉末、ラクトバチルス・ブルガリクス菌粉末、ラクトバチルス・ヘルベティカス菌粉末、ロイコノストック・メセンテロイデスのメセンテロイデス亜種菌粉末、ストレプトコッカス・サーモフィルス菌粉末の質量比は1:1.5:1:1:1.5であり、
前記二次発酵の条件は、温度33±1℃、回転速度120r/min、時間3dであり、
前記滅菌条件は、85℃、20minであり、
前記濃縮は、濾過後の濾液を元の体積の1/3~1/2に濃縮することであることを特徴とする、請求項1に記載の桃花発酵液の調製方法。
【請求項4】
ステップ(2)において、酵素分解温度は40~60℃であり、酵素分解時間は60~180minであり、前記フレーバーザイムの添加量は、前記残渣含有桃花液の質量の0.5%~1.5%であり、前記セルラーゼの添加量は前記残渣含有桃花液の質量の0.5%~2%であり、酵素を不活性化する条件は110℃、20minであり、
好ましくは、酵素分解温度は55℃であり、酵素分解時間は120minであり、前記フレーバーザイムの添加量は、前記残渣含有桃花液の質量の1.5%であり、前記セルラーゼの添加量は、前記残渣含有桃花液質量の0.75%であることを特徴とする、請求項1に記載の桃花発酵液の調製方法。
【請求項5】
ステップ(1)は、
乾燥桃花に水を加えて浸漬し、その後、煎出し、濾過して濾液及び濾過残渣を得る一次煎出と、
前記濾過残渣にさらに水を加えて煎出し、濾過し、2回の濾液と濾過残渣を合わせて残渣含有桃花液を得る二次煎出と、
を含み、
前記一次煎出のステップにおいて、前記乾燥桃花に加える水の量は、乾燥桃花の質量の20~40倍であり、浸漬時間は30~40minであり、煎出過程は、順に、1800~2100Wで20~40min煎出、1200~1500Wで20~40min煎出し、600~800Wで20~40min煎出であり、
前記二次煎出のステップにおいて、前記濾過残渣に加える水の量は、乾燥桃花の質量の10~20倍であり、煎出過程は、順に、1800~2100Wで煮沸した後、600~800Wで40~60min煎出することであり、
好ましくは、前記一次煎出のステップにおいて、前記乾燥桃花に加える水の量は、乾燥桃花の質量の20倍であり、浸漬時間は30minであり、煎出過程は、順に、2100Wで20min煎出し、1400Wで20min煎出し、800Wで20min煎出であり、
前記二次煎出のステップにおいて、前記濾過残渣に加える水の量は、乾燥桃花の質量の10倍であり、煎出過程は、順に、2100Wで煮沸した後、800Wで40min煎出することを特徴とする、請求項1に記載の桃花発酵液の調製方法。
【請求項6】
ステップ(3)において、前記炭素源は白砂糖であり、前記白砂糖の添加量は、前記酵素分解した残渣液混合物の質量の3%~20%であり、滅菌条件は80~100℃、5~10minであり、
好ましくは、前記白砂糖の添加量は、前記酵素分解した残渣液混合物の質量の5%であり、滅菌条件は100℃、5minであることを特徴とする、請求項1に記載の桃花発酵液の調製方法。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の調製方法により得られた桃花発酵液。
【請求項8】
便秘を改善するための食品、健康食品又は医薬品の製造における、請求項1から6のいずれか1項に記載の調製方法により得られた桃花発酵液の使用。
【請求項9】
前記便秘は、一時的な通常の便秘又は弛緩性便秘であることを特徴とする、請求項8に記載の使用。
【請求項10】
前記弛緩性便秘はオピオイドによる便秘であり、前記オピオイドはロペラミドを含むことを特徴とする、請求項9に記載の使用。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、漢方薬加工の分野に関し、具体的には、便秘を改善するための桃花発酵液、その調製方法及び使用に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
便秘は一般的な消化器疾患であり、その主な症状は、排便困難、硬い便、排便回数の減少、及び胃腸蠕動の低下である。便秘は機能性便秘、器質性便秘、難治性便秘に大別される。そのうち、機能性便秘には、食物と水の摂取量の減少又は食物繊維の少ない食品の摂取によって引き起こされる一時的な日常的な便秘や、頻繁かつ習慣的に発生する弛緩性便秘も含まれる。弛緩性便秘の病因は複雑で、主に結腸通過の遅延、腸神経系の異常、平滑筋の異常、胃腸ペプチドホルモンの異常、高い精神的ストレス、下剤の乱用などの要因によって引き起こされる。
【0003】
オピオイドは、弛緩性便秘を引き起こす要因の1つである。オピオイドはがん患者の鎮痛治療によく使用されているが、過剰に使用すると便秘、吐き気、嘔吐、筋硬直などの副作用が起こる可能性があり、便秘はオピオイドの典型的な副作用である。オピオイドが弛緩性便秘を引き起こす発症メカニズムは、下記の通りである。即ち、オピオイドは中枢神経系と消化管の平滑筋に直接作用し、中枢神経系を阻害し、排便反射を鈍感にし、胃腸の運動性を低下させ、胃内容排出を遅らせ、肛門括約筋と直腸拡張の間の反射にダメージを与え、便秘を悪化させる。一時的な通常の便秘と比較して、オピオイドによる弛緩性便秘の病因はより複雑で、症状はより重篤であり、治癒がより困難であるため、治療薬の要求はより高くなる。
【0004】
現在、オピオイドによって引き起こされる弛緩性便秘の治療には、通常、緩下剤、腸管下剤、便軟化剤、胃腸運動薬、末梢受容体拮抗薬などの西洋薬が使用されている。しかし、これらの西洋薬には重大な副作用があり、長期間使用すると薬物依存、大腸メラノーシス、腸粘膜障害などを引き起こし、便秘を悪化させる可能性がある。さらに、オピオイドによって引き起こされる弛緩性便秘を緩和するために、伝統的な漢方薬組成物を使用して煎じ薬、軟膏、カプセル、又は経口液体を製造するいくつかの報告がある。これらの伝統的な漢方薬の組み合わせでよく使われる薬用材料には、ポリゴナム・マルチフロラム、アンジェリカ・シネンシス、ダイオウ、マグノリア・オフィシナリス、シトラス・オーランティウム、アトラクチロデス・マクロセファラ、麻の実、ビンロウなどがある。これらの漢方薬組成物は一定の改善効果をもたらすが、組成物中の各漢方薬の薬効が異なり、一部の薬剤は一部の症状を緩和できるが、特定の薬剤を過剰に使用すると、下痢やその他の機能性腸疾患を引き起こす可能性がある。また、漢方薬自体に苦みがあるため、組み合わせるとさらに悪臭が増幅することは間違いなく、患者にとっては飲み込みにくくなり、拒絶反応を引き起こす問題がある。
【0005】
そこで、感触が良く、オピオイドによる弛緩性便秘の緩和に明確かつ顕著な効果を有する製品を如何にして提供するかは、当業者にとって解決すべき緊急の技術的問題となっている。
【発明の概要】
【0006】
上記の事情に鑑み、本発明が解決しようとする技術的問題は、感触が良く、オピオイドによる弛緩性便秘の緩和に明確かつ顕著な効果を有する製品がないという従来技術の欠点を克服するために、便秘を改善するための桃花発酵液、その製造方法及び使用を提供することである。
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の技術的解決手段を提供する。
第1の態様において、本発明は、
(1)乾燥桃花に水を加えて浸漬し、その後、煎出し、残渣含有桃花液を得るステップと、
(2)前記残渣含有桃花液にフレーバーザイム及びセルラーゼを加えて酵素分解し、酵素を不活性化し、酵素分解した残渣液混合物を得るステップと、
(3)前記酵素分解した残渣液混合物に炭素源を加えて滅菌し、発酵基質を得るステップと、
(4)前記発酵基質に出芽酵母に接種して一次発酵を行い、発酵終了後に滅菌し、一次発酵液を得るステップと、
(5)前記一次発酵液に、ラクトバチルス・プランタラム、ラクトバチルス・ブルガリクス、ラクトバチルス・ヘルベティカス、ロイコノストック・メセンテロイデスのメセンテロイデス亜種(Leuconostoc mesenteroides subsp.Mesenteroides)及びストレプトコッカス・サーモフィルスを含む複合乳酸菌を接種して二次発酵を行い、発酵終了後に滅菌、濾過、濃縮し、桃花発酵液を得るステップと、
を含む桃花発酵液の調製方法を提供する。
【0008】
さらに、ステップ(4)では、
前記発酵基質に出芽酵母菌粉末を加えて一次発酵を行い、前記出芽酵母菌粉末の添加量は、前記発酵基質の質量の1%~7%であり、
前記一次発酵の条件は、温度30±2℃、回転速度120r/min、時間4dであり、
前記滅菌条件は85℃、20minである。
【0009】
好ましくは、前記発酵基質に出芽酵母菌粉末を加えて一次発酵を行い、前記出芽酵母菌粉末の添加量は、前記発酵基質の質量の3%である。
【0010】
さらに、ステップ(5)では、
前記一次発酵液に複合乳酸菌液を加えて二次発酵を行い、前記複合乳酸菌液の添加量は、前記発酵基質の体積の2%~8%であり、前記複合乳酸菌液中、前記ラクトバチルス・プランタラムの生菌数は1.5×10

~3×10

cfu/mLであり、前記ラクトバチルス・ブルガリクスの生菌数は2×10

~4×10

cfu/mLであり、前記ラクトバチルス・ヘルベティカスの生菌数は1×10

~2×10

cfu/mLであり、前記ロイコノストック・メセンテロイデスのメセンテロイデス亜種の生菌数は1×10

~2×10

cfu/mLであり、前記ストレプトコッカス・サーモフィルスの生菌数は2×10

~4×10

cfu/mLであり、
前記二次発酵の条件は、温度33±1℃、回転速度120r/min、時間3dであり、
前記滅菌条件は、85℃、20minであり、
前記濃縮は、濾過後の濾液を元の体積の1/3~1/2に濃縮したものである。
(【0011】以降は省略されています)

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