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公開番号
2025040037
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-24
出願番号
2023146687
出願日
2023-09-11
発明の名称
低褐変レタスとその作製方法
出願人
熊本県
代理人
個人
主分類
C12N
15/10 20060101AFI20250314BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】本発明は、低褐色系統のレタスを選別する、または、低褐変レタスを育成する方法を提供することを目的とする。さらには、そのような方法を用いて、選別または育成した低褐色レタスを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明により、褐変が低減されているレタス及びその製造方法が提供され、褐変が低減した低褐変レタスにおいては、配列番号1及び/又は配列番号2で示される蛋白質に改変を含むレタスであって、改変の存在が、改変を含まないレタスと比較して褐変化が低減されている。
【選択図】図4
特許請求の範囲
【請求項1】
配列番号1及び/又は配列番号2で示される蛋白質に改変を含むレタスであって、改変の存在が、改変を含まないレタスと比較して褐変化が低減されているレタス。
続きを表示(約 990 文字)
【請求項2】
改変が、改変を含まないレタスにおいて産生される配列番号1及び/又は配列番号2で示される蛋白質の発現と比較して、配列番号1及び/又は配列番号2で示される蛋白質の発現が低下又は欠失している、請求項1に記載のレタス。
【請求項3】
改変が、改変を含まないレタスにおいて産生される配列番号1及び/又は配列番号2で示される蛋白質の活性あるいは機能と比較して、配列番号1及び/又は配列番号2で示される蛋白質の活性あるいは機能が低下又は欠失している、請求項1に記載のレタス。
【請求項4】
改変が、配列番号1及び/又は配列番号2で示される蛋白質をコードする遺伝子に突然変異が導入されたものである、請求項1~3のいずれか一つに記載のレタス。
【請求項5】
突然変異が、フレームシフト、アミノ酸置換又は未成熟終止コドンをもたらす、請求項4に記載のレタス。
【請求項6】
請求項1~3のいずれか一つに記載のレタスの種子。
【請求項7】
褐変化が低減されているレタスを作製する方法であって、野生型の配列番号1及び/又は配列番号2で示される蛋白質をコードする遺伝子を有するレタスと比較して、(1)配列番号1及び/又は配列番号2で示される蛋白質の発現を低下又は欠失させる改変をレタスに導入する工程、又は(2)配列番号1及び/又は配列番号2で示される蛋白質の活性あるいは機能を低下又は欠失させる改変をレタスに導入する工程を含む方法。
【請求項8】
前記改変が、配列番号1及び/又は配列番号2で示される蛋白質をコードする遺伝子に突然変異が導入することによりなされる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記突然変異が、フレームシフト又は未成熟終止コドンをもたらす請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記改変の導入は、化学変異原処理による変異誘発、エネルギー線処理による変異誘発、ウイルス感染、トランスポゾン転移、自然突然変異、ゲノム編集、DNA断片導入による遺伝子の破壊、アンチセンス核酸、及びRNA干渉からなる群より選ばれるいずれか一つに記載の方法又はそれらの組合せにより行う、請求項7~9のいずれか一つに記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、低減された褐変を示すレタスに関する。具体的には、特定の傷害誘導性フェノール酸化酵素遺伝子の発現が低減あるいは欠失している、または、当該酵素の活性が低減あるいは欠失しているレタスに関する。本発明はまた、そのようなレタスを同定し選別するための方法に関する。本発明はまた、そのようなレタスを作製する方法に関する。本発明はさらに、かかるレタスの種子及び子孫ならびにかかるレタスを得るための種苗にも関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、露地野菜などの農作物の加工・業務用需要が増加していくなか、それらに適応する特性を有する野菜の開発が望まれている。予め所定の大きさに切断されたカット野菜は、野菜の裁断なしに調理が可能で、また、サラダとして提供することができ、調理の手間を省くことができるために需要が増加している。
【0003】
例えば、ネギ類等の糖度が高い野菜は、カット後の切断面から出た浸出液が、野菜の表面に付着して菌が増殖してしまう等の問題が生じ易い。このような菌の増殖を抑制するために、野菜に対しては殺菌処理が行われることが多い。例えば、ネギ類のカット工程を行う前に、次亜塩素酸ナトリウム水溶液、有機酸水溶液、過カルボン酸水溶液、または焼成カルシウム水溶液で殺菌する工程が提案されている(特許文献1:特開2019-97437号)。また、カット野菜の殺菌及び鮮度を保持する方法として、カットした野菜に対して、過酢酸水溶液を用いた処理を行い、次いで、処理したカット野菜に対して、水又は水溶液(過酢酸水溶液を除く)を用いた処理を行う方法が提案されている(特許文献2:特開2022-073698号)。
【0004】
一方、冬季の主要な露地野菜の品目となっているレタスにおいては、加工業務用のカットレタスとしての需要が多いが、このようなカット野菜ではカット後の変色(褐色化または褐変化という。)が生じ、見た目の悪化により、商品価値が低下するという問題がある。レタスの褐変は、基質となるポリフェノールとポリフェノール酸化酵素によるものと考えられている。その酵素反応が、カットされた部分の空気接触によって進行することにより褐変化が起こると考えられている。これまでに、多様なポリフェノール酸化酵素の存在が明らかにされ、その中に、カット後の褐変と相関し発現する、傷害誘導性の酸化酵素の存在が、本発明者により報告されている(非特許文献1:野田ら、Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry, 2017, . 81, No. 8, 1484-1488)。しかしながら、褐変化に直接関与している傷害誘導性の酸化酵素は明らかになっていない。
【0005】
カット野菜(例えば、レタス)の褐変化を防ぐために、カット直後にカット野菜を酸性溶液に浸し、酵素の活性を抑える方法が行われている。酸性溶液としては、例えば、次亜塩素酸ナトリウム水溶液が用いられている(特許文献3:特許第4326206号)。さらに、次亜塩素酸ナトリウム水溶液で処理したカット野菜を、酸素濃度が所定の値以下で、二酸化炭素濃度が所定の値以上の容器中でカット野菜を保存する方法が提案されている(特許文献4:特開2022-171066号)。また、カット野菜をオゾン水で殺菌した後、40℃~60℃の温水に接触させてヒートショック処理を行い、次いで、カット野菜を包装してパック野菜を得た後に、パック野菜を0℃~7℃の温度にて保存する方法が提案されている(特許文献5:特開2016-086719)。
【0006】
これらの方法は、ポリフェノールの酸化に関与する酵素の活性を外部から添加する阻害剤等により抑えることにより褐変化を防いでいる。褐変化に関与する遺伝子が特定できれば、その酵素の機能低下を引き起こすことにより低褐変レタスの育成が期待されるが、その遺伝子は分かっていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2019-97437号
特開2022-073698号
特許第4326206号
特開2022-171066号
特開2016-086719
【非特許文献】
【0008】
野田ら、Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry, 2017, . 81, No. 8, 1484-1488
Sebastian Reyes-Chin-Wo et al., Nature Communication, 2017, DOI: 10.1038/ncomms14953
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、褐変と相関のある傷害誘導性フェノール酸化酵素(wiPOE)遺伝子を特定することにより、低褐色系統のレタスを選別する、または、低褐変レタスを育成する方法を提供することを目的とする。さらには、そのような方法を用いて、選別または育成した低褐色レタスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、褐変していないレタスにおいては存在が確認できないが、褐変したレタスにおいて特定の傷害誘導性フェノール酸化酵素(wiPOE)が存在することを見出し、これらの特定の酵素がレタスの褐変化の原因であることをつきとめた。かかる酵素は、酵素A(EC番号:1.11.1.7;UniProtKBのアクセッション番号:A0A2J6LBZ7;アミノ酸長:260AAs;配列番号1で表されるアミノ酸配列)及び、酵素B(EC番号:1.11.1.7;UniProtKBのアクセッション番号:A0A2J6L8I7;アミノ酸長:319AAs;配列番号2で表されるアミノ酸配列)である。酵素Aは、ペルオキシダーゼ活性を持つことが予測されており、一方、酵素Bは、ペルオキシダーゼ活性及びオキシドレダクターゼ活性を持つことが予測されている。何れの酵素も、レタスの全ゲノム解析から見出された蛋白質であり、褐変化との関係は報告されていない。
(【0011】以降は省略されています)
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