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公開番号2025071447
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-08
出願番号2023181621
出願日2023-10-23
発明の名称分配弁
出願人株式会社ノーリツ
代理人個人
主分類F16K 11/076 20060101AFI20250428BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】流体の分配比及び全体流量を調整すると共に、全体流量をゼロとするときに漏れを抑制するように構成された分配弁を提供すること。
【解決手段】導入口15から弁体20内に流入する流体を第1、第2導出口に分配する分配弁は、弁体が第1、第2導出口と導入口を閉塞するシール面部として機能する周壁部と底面部26aを有し、周壁部には弁体の回動によって第1、第2導出口の開口面積を連続的に変化させる第1、第2開口部23,24が形成され、底面部には弁体の回動によって導入口の開口面積を所定の範囲内で変化させる第3開口部が形成され、導入口には底面部との当接によりシールするシール部43を備えた弁座部材40が弁体の軸方向に移動可能に配設され、流体の供給圧により弁座部材が弁体に向けて押圧されてシール部が底面部に密着する。
【選択図】図9
特許請求の範囲【請求項１】
第１導出口と第２導出口と導入口を有する弁本体と、前記弁本体に回動可能に嵌挿された円筒状の弁体と、前記弁体を回動させる駆動手段とを備え、前記弁体が、前記第１導出口と前記第２導出口を閉塞するシール面部として機能する周壁部及び前記導入口を閉塞するシール面部として機能する底面部を有し、前記周壁部には前記弁体の回動によって前記第１導出口の開口面積と前記第２導出口の開口面積を連続的に変化させる第１開口部と第２開口部が形成され、前記底面部には前記弁体の回動によって前記導入口の開口面積を所定の範囲内で変化させる第３開口部が形成され、前記導入口から前記弁体内に流入する流体を前記第１導出口と前記第２導出口に分配する分配弁において、
前記導入口には、前記底面部との当接によりシールするシール部を備えた弁座部材が配設され、
前記弁座部材は、前記弁体の軸方向に移動可能であって、前記導入口に作用する流体の供給圧によって前記弁体に向かって押圧されて前記シール部が前記底面部に密着するように構成されたことを特徴とする分配弁。
続きを表示（約 76 文字）【請求項２】
前記弁座部材は、その外周部に前記導入口の内周面との間をシールするＯリングを有することを特徴とする請求項１に記載の分配弁。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、流体を分配制御する分配弁に関し、特に流体の分配比及び全体流量を調整すると共に全体流量をゼロとする閉塞機能を備えた分配弁に関する。
続きを表示（約 1,800 文字）【背景技術】
【０００２】
従来から、例えば低温の上水を加熱部で加熱し、この加熱した高温水と上水とを混合することにより温度調整して給湯する給湯装置が利用されている。給湯装置は、加熱部における加熱能力を制御して高温水の温度を調整すると共に、高温水と上水の混合比を調整して給湯の温度を調整する。
【０００３】
例えば特許文献１には、弁体を回動させることにより、高温水及び上水に対応する２つの流入ポートの開度を調整して、高温水と上水の混合比を調整するように構成された手動式の混合水栓が記載されている。また、特許文献２には、ステッピングモータによって円筒状の弁体を回動させることにより、高温水及び上水の２つの流入ポートの開度を調整して、高温水と上水の混合比を調整するように構成された流量調整弁（混合弁）が記載されている。
【０００４】
一方、給湯装置には、分配弁によって加熱部とこの加熱部をバイパスするバイパス通路とに上水を分配し、加熱部からの高温水とバイパス通路の上水を混合して給湯するタイプのものがある。このような給湯装置では、分配弁における分配比の調整により高温水と上水の混合比が調整される。例えば特許文献２の混合弁は、２つの流入ポートを流出ポートとし、混合した湯水の流出ポートを上水の流入ポートとすることによって、即ち流体の流通方向を逆にして分配弁として使用することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００５】
実開昭６３－２４４６１号公報
特開２００９－２２８７６４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
通常使用される場合が多い例えば４０℃程度の給湯に対して、給湯装置は十分な加熱能力を備えている。しかし、大きい加熱能力を必要とする例えば５℃程度の低温の上水を加熱して６０℃程度に設定された高温の給湯を行う際には、給湯流量が大きいため加熱能力が不足する場合がある。このような場合、上水を全て加熱部に供給すると共に、加熱能力不足を給湯装置に供給される上水の流量を減少させることによってカバーして、設定された温度の給湯を行う。
【０００７】
しかし、特許文献１の混合水栓及び特許文献２の混合弁のように、混合弁又は混合弁の流通方向を逆にした分配弁は、混合された湯水の全体流量を調整する機能を備えていない。そのため、混合弁又は分配弁を使用して高温水と低温水を混合する給湯装置では、混合弁又は分配弁の例えば下流側に設けられた流量調整弁を調整して給湯流量を制限することにより、給湯装置に供給される上水の流量を減少させることが一般的である。
【０００８】
また、例えば宿泊施設や病院のような一度に大量の湯水を使用する場合がある施設では、大流量の給湯に対応可能なように、複数の給湯装置を連結して構成された連結式給湯システムが利用されている。連結式給湯システムは、必要な加熱能力に応じて作動させる給湯装置の台数を変更して給湯する。この場合、各給湯装置の例えば上水の入口に止水弁が装備され、作動させない給湯装置の止水弁が閉塞され、止水弁の開閉により作動台数が変更される。作動させない給湯装置から非加熱の湯水が流出しないので、設定された温度の給湯が可能である。
【０００９】
分配弁を使用する給湯装置によって構成される連結式給湯システムでは、例えば分配弁の上流側に止水弁、下流側に流量調整弁を配設することになり、給湯装置の構造及び制御が複雑であるため改善が望まれている。そこで、分配弁の導入口（流入ポート）に流量調整機構及び閉塞機構を設けて、分配比の調整と共に機能する流量調整機能と閉塞機能を付加することが検討されている。
【００１０】
例えば、特許文献２の混合弁の弁体の底部を弁体の回動によって開閉させることによって流量調整機能と閉塞機能が付加される。しかし、導入口を閉塞しても上水の供給圧によってシール部分に上水が流入して漏れが発生してしまい、特に上水の供給圧が大きい場合に全体流量をゼロにすることが困難であった。また、分配比調整と流量調整及び閉塞が繰り返されてシール部分が摩耗し、導入口を閉塞しても上水が流通可能な隙間ができ易くなっていた。
（【００１１】以降は省略されています）

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