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公開番号2025075273
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-15
出願番号2023186323
出願日2023-10-31
発明の名称アルミニウム合金材およびアルミニウム合金クラッド材
出願人MAアルミニウム株式会社
代理人個人
主分類C22C 21/00 20060101AFI20250508BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】Si含有による材料の融点低下を抑制し、ろう付の際のエロージョン等を防止する。
【解決手段】Si1.1~2.5%含有し、Siを含んだ金属間化合物を生成する元素X(MnおよびFeを除く)を0.05~2.0%含有し、残部がAl及び不可避不純物からなる組成を有し、Xは最外殻の電子配置が4s軌道に電子が2つ配置され3d軌道に電子を持たないもの、3d軌道に電子を一つ以上持ち、3d軌道に1つ以上の空孔を持つもの、最外殻の電子配置が5s軌道に電子が2つ配置され、4d軌道に電子を持たないもの、あるいは4d軌道に電子を一つ以上持ち、4d軌道に1つ以上の空孔を持つもので、SiとXを含有する金属間化合物が表層面(RD-TD面)方向の観察より、円相当径で1μm以上の径を有するものが10000μm2あたり10個より多く存在し、融点が590℃以上である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
Siを質量%で1.1~2.5%含有し、かつ、Siを含んだ金属間化合物を生成する元素(MnおよびFeを除く、以下Xという)を質量%で0.05~2.0%含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなる組成を有するアルミニウム合金材であって、Xは再外殻の電子配置が4s軌道に電子が2つ配置されているものであって、かつ、3d軌道に電子を持たないもの、あるいは、3d軌道に電子を一つ以上持ち、かつ、3d軌道に1つ以上の空孔を持つもの、あるいは、再外殻の電子配置が5s軌道に電子が2つ配置されているものであって、かつ、4d軌道に電子を持たないもの、あるいは、4d軌道に電子を一つ以上持ち、かつ、4d軌道に1つ以上の空孔を持つものであって、SiとXを含有する金属間化合物が表層面(RD-TD面)方向の観察より、円相当径で1μm以上の径を有するものが10000μm

あたり10個より多く存在し、融点(固相線温度)が590℃以上であることを特徴とするアルミニウム合金材。
続きを表示(約 850 文字)【請求項2】
前記組成に、質量%で、Mn:0.1~2.0%,Fe:0.05~0.7%、Cu:0.01~1.5%の1種あるいは2種以上を含有する請求項1記載のアルミニウム合金材。
【請求項3】
前記組成に、質量%で0.35%以下のTi,V,Co,Ni,Zr,Nbの1種あるいは2種以上を含有する請求項1または2に記載のアルミニウム合金材。
【請求項4】
前記組成に、質量%でZn:0.01~8.0%,Mg:0.01~1.5%の1種あるいは2種を含有する請求項1または2に記載のアルミニウム合金材。
【請求項5】
前記組成に、質量%でZn:0.01~8.0%,Mg:0.01~1.5%の1種あるいは2種を含有する請求項3に記載のアルミニウム合金材。
【請求項6】
請求項1または2に記載のアルミニウム合金材を心材とし、前記心材の片面あるいは両面に、別種アルミニウム合金材が1層以上貼り合わされているアルミニウム合金クラッド材。
【請求項7】
請求項3に記載のアルミニウム合金材を心材とし、前記心材の片面あるいは両面に、別種アルミニウム合金材が1層以上貼り合わされているアルミニウム合金クラッド材。
【請求項8】
請求項4に記載のアルミニウム合金材を心材とし、前記心材の片面あるいは両面に、別種アルミニウム合金材が1層以上貼り合わされているアルミニウム合金クラッド材。
【請求項9】
請求項5に記載のアルミニウム合金材を心材とし、前記心材の片面あるいは両面に、別種アルミニウム合金材が1層以上貼り合わされているアルミニウム合金クラッド材。
【請求項10】
請求項1または2に記載のアルミニウム合金材を皮材とし、別種アルミニウム合金を心材として前記皮材が前記心材の片面あるいは両面に貼り合わされているアルミニウム合金クラッド材。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明はアルミニウム合金材およびアルミニウム合金クラッド材に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
アルミニウム材料を用いる自動車用熱交換器は、多点一括接合技術であるろう付接合によって製造される。例えば、特許文献1では、Mn、Si、Znを含有し、ろう付に供されるフィン材が提案されている。
ところで、昨今CO

排出量が少ない材料のニーズが高まっている。アルミニウムは鋳造以降の製造工程においてCO

排出量はそれほど多くない金属であるが、莫大な電力を要する地金精錬において間接的にではあるが多量のCO

が生成してしまう。そのため、低CO

な材料であるためには新地金使用率の低減、すなわちリサイクル率が高い材料であることが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2018-178170号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ろう付接合では対象物が約600℃の高温環境に曝されるが、ここで接合に寄与するろう材以外の部材が溶融してしまうと製造不可となるため、ろう材以外の部材はろう材に対してある程度高融点である必要がある。一方、材料のリサイクル率を高めることは不純物元素等の増加によって融点低下に影響してしまう。融点低下に寄与する元素はいくつかあるが、一般的にアルミニウム合金材に含まれているSiは、融点を低下させる作用があるため、Si含有材料は、リサイクル率の低減に大きく影響してしまい、高Si含有材とろう付の両立が課題になっている。
【0005】
本願発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、アルミニウム合金材の融点低下を抑止してろう付を可能にするアルミニウム合金材およびアルミニウム合金クラッド材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題に対して本発明は、Siの含有比率が原子量%で15%以上の金属間化合物を形成し、かつその電子状態の安定性が高くなる元素Xを選定し、さらにその金属間化合物の分散状態を制御し、高融点なアルミニウム合金材とすることでろう付可能な高Si含有材の開発に成功したものである。
【0007】
すなわち、本発明のアルミニウム合金材のうち、第1の形態は、Siを質量%で1.1~2.5%含有し、かつ、Siを含んだ金属間化合物を生成する元素(MnおよびFeを除く、以下Xという)を質量%で0.05~2.0%含有し、残部がAlおよび不可避不純物からなる組成を有するアルミニウム合金材であって、Xは再外殻の電子配置が4s軌道に電子が2つ配置されているものであって、かつ、3d軌道に電子を持たないもの、あるいは、3d軌道に電子を一つ以上持ち、かつ、3d軌道に1つ以上の空孔を持つもの、あるいは、再外殻の電子配置が5s軌道に電子が2つ配置されているものであって、かつ、4d軌道に電子を持たないもの、あるいは、4d軌道に電子を一つ以上持ち、かつ、4d軌道に1つ以上の空孔を持つものであって、SiとXを含有する金属間化合物が表層面(RD-TD面)方向の観察より、円相当径で1μm以上の径を有するものが10000μm

あたり10個より多く存在し、融点(固相線温度)が590℃以上であることを特徴とする。
【0008】
他の形態のアルミニウム合金材の発明は、前記形態の発明において、前記組成に、質量%で、Mn:0.1~2.0%,Fe:0.05~0.7%、Cu:0.01~1.5%の1種あるいは2種以上を含有する。
【0009】
他の形態のアルミニウム合金材の発明は、前記形態の発明において、前記組成に、質量%で0.35%以下のTi,V,Co,Ni,Zr,Nbの1種あるいは2種以上を含有する。
【0010】
他の形態のアルミニウム合金材の発明は、前記形態の発明において、前記組成に、質量%でZn:0.01~8.0%,Mg:0.01~1.5%の1種あるいは2種を含有する。
(【0011】以降は省略されています)

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