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公開番号
2025026370
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-21
出願番号
2024125632
出願日
2024-08-01
発明の名称
鋼材
出願人
日本製鉄株式会社
代理人
弁理士法人ブライタス
主分類
C22C
38/00 20060101AFI20250214BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】強酸環境および弱酸環境において優れた耐食性を有し、かつ、Ni含有量を低減した場合であっても耐脆化性に優れた鋼材を提供する。
【解決手段】化学組成が、質量%で、C:0.01~0.10%、Si:0.04~0.40%、Mn:0.5~1.5%、Cu:0.10~0.50%、Sb:0.01~0.30%、Cr:0.005~0.90%、Ni:0.01~0.10%、Mo:0.01~0.30%、Al:0.005~0.050%、P:0.020%以下、S:0.015%以下、N:0.0050%以下、O:0.0005~0.0035%、残部:Feおよび不純物であり、17.0≦(Cu/64)/(S/32)≦30.0であり、(Sn/119)/(Cu/64)≦0.10を満足する、鋼材。
【選択図】 なし
特許請求の範囲
【請求項1】
化学組成が、質量%で、
C:0.01~0.10%、
Si:0.04~0.40%、
Mn:0.5~1.5%、
Cu:0.10~0.50%、
Sb:0.01~0.30%、
Cr:0.005~0.90%、
Ni:0.01~0.10%、
Mo:0.01~0.30%、
Al:0.005~0.050%、
P:0.020%以下、
S:0.015%以下、
N:0.0050%以下、
O:0.0005~0.0035%、
残部:Feおよび不純物であり、
下記(i)式で定義されるCIが17.0~30.0であり、
下記(ii)式を満足する、
鋼材。
CI=(Cu/64)/(S/32)・・・(i)
(Sn/119)/(Cu/64)≦0.10・・・(ii)
但し、上記式中の元素記号は、鋼材中に含まれる各元素の含有量(質量%)を表す。
続きを表示(約 900 文字)
【請求項2】
化学組成が、質量%で、
C:0.01~0.10%、
Si:0.04~0.40%、
Mn:0.5~1.5%、
Cu:0.10~0.50%、
Sb:0.01~0.30%、
Cr:0.005~0.90%、
Ni:0.01~0.10%、
Mo:0.01~0.30%、
Al:0.005~0.050%、
P:0.020%以下、
S:0.015%以下、
N:0.0050%以下、
O:0.0005~0.0035%、
であり、さらに下記A群、B群およびC群からなる群から選択される一種以上を含有し、
残部:Feおよび不純物であり、
下記(i)式で定義されるCIが17.0~30.0であり、
下記(ii)式を満足する、
鋼材。
CI=(Cu/64)/(S/32)・・・(i)
(Sn/119)/(Cu/64)≦0.10・・・(ii)
但し、上記式中の元素記号は、鋼材中に含まれる各元素の含有量(質量%)を表す。
[A群]Sn:0.10%以下、As:0.30%以下、Co:0.30%以下、およびW:0.05%以下からなる群から選択される一種以上
[B群]Ti:0.05%以下、Nb:0.10%以下、V:0.10%以下、Zr:0.05%以下、Ta:0.050%以下、およびB:0.010%以下からなる群から選択される一種以上
[C群]Ca:0.010%以下、Mg:0.010%以下、およびREM:0.010%以下からなる群から選択される一種以上
【請求項3】
前記化学組成が、前記A群から選択される一種以上の元素を含有する、請求項2に記載の鋼材。
【請求項4】
前記化学組成が、前記B群から選択される一種以上の元素を含有する、請求項2に記載の鋼材。
【請求項5】
前記化学組成が、前記C群から選択される一種以上の元素を含有する、請求項2に記載の鋼材。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、鋼材に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)
【背景技術】
【0002】
ボイラーの火炉および廃棄物焼却施設の焼却炉等では、水蒸気、硫黄酸化物、塩化水素等を含む排ガスが発生する。この排ガスは、排ガス煙突等において冷却されると、凝縮して硫酸や塩酸となり、酸露点腐食として知られるように、排ガス流路を構成する鋼材に対し、著しい腐食を引き起こす。
【0003】
このような問題に対し、耐硫酸露点腐食鋼および高耐食ステンレス鋼が提案されている。例えば、特許文献1~5では、Cu、Sb、Co、Crなどを添加した耐硫酸露点腐食性に優れた鋼材が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2001-164335号公報
特開2003-213367号公報
特開2007-239094号公報
特開2012-57221号公報
国際公開第2021/095182号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
排ガス煙突のような酸露点腐食環境において、排ガスの温度が低下すると、まず排ガス中の水蒸気が鋼材の表面に結露し、ここに硫黄酸化物および塩化水素が溶解する。このようにして生成される高濃度の硫酸および塩酸は反応性が高い。Cu、Sb、Cr等を含有する鋼材は、このような強酸環境において優れた耐食性を有している。
【0006】
一方、結露する水分量がさらに増加する50℃前後の環境では低濃度の硫酸および塩酸が生成する。鋼材が使用される環境において排ガスの温度が変動したり、鋼材の一部が高温の排ガスに曝され、他の部分が低温の排ガスに曝されたりすると、鋼材は強酸性および弱酸性の両方の環境に曝される。そのため、強酸性および弱酸性の両方の環境で良好な耐食性を示すことが要求される。しかし、従来鋼では、強酸環境における耐食性には優れているものの、弱酸環境における耐食性について、改善の余地が残されている。
【0007】
また、Cuは、耐食性を向上させる効果が大きいが、偏析し易く、単独で含有させると鋳造後の割れを助長する場合がある。これに対して、NiはCuの表面偏析を軽減する作用がある。そのため、従来、鋼材の耐脆化性を確保するため、Cuを含有する鋼材においては、Cu含有量に応じて一定量以上の含有量のNiが含有されてきた。しかしながら、Niは高価な元素であるため、その含有量は低減することが望まれる。
【0008】
本発明は、上記の課題を解決し、強酸環境および弱酸環境において優れた耐食性を有し、かつ、Ni含有量を低減した場合であっても、耐脆化性に優れた鋼材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、下記の鋼材を要旨とする。
【0010】
(1)化学組成が、質量%で、
C:0.01~0.10%、
Si:0.04~0.40%、
Mn:0.5~1.5%、
Cu:0.10~0.50%、
Sb:0.01~0.30%、
Cr:0.005~0.90%、
Ni:0.01~0.10%、
Mo:0.01~0.30%、
Al:0.005~0.050%、
P:0.020%以下、
S:0.015%以下、
N:0.0050%以下、
O:0.0005~0.0035%、
残部:Feおよび不純物であり、
下記(i)式で定義されるCIが17.0~30.0であり、
下記(ii)式を満足する、
鋼材。
CI=(Cu/64)/(S/32)・・・(i)
(Sn/119)/(Cu/64)≦0.10・・・(ii)
但し、上記式中の元素記号は、鋼材中に含まれる各元素の含有量(質量%)を表す。
(【0011】以降は省略されています)
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