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公開番号
2025076180
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-15
出願番号
2023187977
出願日
2023-11-01
発明の名称
オーステナイト系ステンレス鋼板及び携帯電子機器用部品
出願人
日鉄ステンレス株式会社
代理人
アクシス国際弁理士法人
主分類
C22C
38/00 20060101AFI20250508BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約
【課題】非磁性且つ高強度のオーステナイト系ステンレス鋼板を提供する。
【解決手段】質量基準で、C:0.030~0.120%、Si:0.20~1.00%、Mn:2.00~12.50%、P:0.050%以下、S:0.0350%以下、Ni:4.50~14.50%、Cr:16.50~21.00%、Cu:0.50%以下、Mo:0.70%以下、N:0.100~0.500%を含み、残部がFe及び不純物からなるオーステナイト系ステンレス鋼板である。このオーステナイト系ステンレス鋼板は、以下の式(1)で表されるNi当量が18.0以上、比透磁率が1.007以下、及び引張強さが1500MPa以上である。
Ni当量=Ni+0.60Mn+0.18Cr+9.69(C+N)-0.11Si
2
・・・(1)
式中、各元素記号は、各元素の含有量を表す。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
質量基準で、C:0.030~0.120%、Si:0.20~1.00%、Mn:2.00~12.50%、P:0.050%以下、S:0.0350%以下、Ni:4.50~14.50%、Cr:16.50~21.00%、Cu:0.50%以下、Mo:0.70%以下、N:0.100~0.500%を含み、残部がFe及び不純物からなり、
以下の式(1)で表されるNi当量が18.0以上、比透磁率が1.007以下、及び引張強さが1500MPa以上であるオーステナイト系ステンレス鋼板。
Ni当量=Ni+0.60Mn+0.18Cr+9.69(C+N)-0.11Si
2
・・・(1)
式中、各元素記号は、各元素の含有量を表す。
続きを表示(約 490 文字)
【請求項2】
質量基準で、Al:0.080%以下、Ti:0.050%以下、Co:0.50%以下、B:0.0100%以下、Nb:0.060%以下、Ca:0.0100%以下、V:0.200%以下、Sn:0.050%以下、W:0.100%以下、Pb:0.009%以下、Mg:0.0030%以下から選択される1種以上を更に含む、請求項1に記載のオーステナイト系ステンレス鋼板。
【請求項3】
厚みが0.01~0.30mmである、請求項1又は2に記載のオーステナイト系ステンレス鋼板。
【請求項4】
ビッカース硬さが400HV以上である、請求項1又は2に記載のオーステナイト系ステンレス鋼板。
【請求項5】
破断伸びが1.0%以上である、請求項1又は2に記載のオーステナイト系ステンレス鋼板。
【請求項6】
携帯電子機器用部品に用いられる、請求項1又は2に記載のオーステナイト系ステンレス鋼板。
【請求項7】
請求項1又は2に記載のオーステナイト系ステンレス鋼板を有する部材を備える携帯電子機器用部品。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーステナイト系ステンレス鋼板及び携帯電子機器用部品に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
スマートフォンなどの通信機器やパソコンなどの精密機器の小型化及び高性能化に伴い、これらの機器に用いられる構造部品や機能性部品などの各種部品の薄肉軽量化が進んでいる。そのため、これらの部品の素材として用いられるステンレス鋼板には、厚みが小さくても高強度であることが求められる。例えば、折りたたみ式のスマートフォン(フォルダブルフォン)などの携帯電子機器では、画面の折曲げ機能を支えるバックプレートにばね材(板ばね)が用いられており、折曲げの繰返しに曝されるばね材には、折曲げの繰返しに耐え得る強度(疲労特性)を有するステンレス鋼板が求められている。また、携帯電子機器の筐体、ディスプレイの補強板などの部品においても、それらの機能を確保し得る強度を有するステンレス鋼板が求められている。
【0003】
ばね材に用いられるステンレス鋼板として、例えば、特許文献1には、断面視における非金属介在物の円相当径の最大値が3μm未満であるステンレス鋼箔が提案されている。このステンレス鋼箔は、冷間圧延時に生成する加工誘起マルテンサイト組織によって高強度化するとともに、非金属介在物の低減によって割れの発生を抑制して疲労強度を向上させている。
また、特許文献2には、厚さが0.1mm以下、引張強度が1800MPa以上、引張方向と同じ方向に測定した表面の粗さ曲線から求めた最大高さ粗さRzが0.35μm以下であるステンレス鋼箔が提案されている。このステンレス鋼箔は、冷間圧延時に生成する加工誘起マルテンサイト組織によって高強度化するとともに、最大高さ粗さRzを制御することによって疲労強度を向上させている。
【0004】
近年、携帯電子機器の高性能・高信頼性を十分に担保するために、電磁波による干渉を最小限に抑えることが重要となっている。磁性を有する材料を携帯電子機器の各種部品に用いると、電磁波に起因してその材料に生じた磁界が隣接する電子回路に影響を及ぼし、機器の性能低下や誤動作を誘発する要因となるため、電磁波による干渉を抑制する観点から、非磁性の材料を使用することが有効である。したがって、携帯電子機器の各種部品は、磁性材料が必要となるセンサーやモーターなどの部品を除き、できるだけ非磁性材料で構成することが望まれる。非磁性のレベルとしては、従来は比透磁率が1.010以下であればよいとされることが多かった。しかし、最近では携帯電子機器の小型化、性能及び信頼性の向上のニーズが高まり、民生用の携帯電子機器の各種部品においても比透磁率が1.007以下、特に1.005以下である非磁性材料に対するニーズが増えている。
【0005】
しかしながら、特許文献1及び2のステンレス鋼箔は、高強度化するために生成させた加工誘起マルテンサイト組織が強磁性であるため、比透磁率を1.007以下にすることは難しい。
非磁性であり、強度及び疲労特性を向上させたステンレス鋼板として、特許文献3には、質量%で、C:0.040~0.080%、Si:0.30~1.00%、Mn:2.00~4.00%、P:0.050%以下、S:0.005%以下、Ni:11.00~14.00%、Cr:18.00~20.00%、Cu:0.50%以下、Mo:0.50%以下、Ti:0.015%以下、Co:0.10~2.00%、N:0.100~0.300%、Al:0.010%以下、B:0.0100%以下、O:0.0030~0.0100%、残部がFeおよび不可避的不純物からなる化学組成を有する鋼板であって、鋼板表面に観察される非金属介在物の平均粒子径D
M5
が15.0μm以下であり、圧延方向の引張強さが1000N/mm
2
以上であり、比透磁率μrが1.005以下である携帯電子機器用ステンレス鋼板が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2022/014307号
国際公開第2022/210918号
特許第7215938号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記したように、携帯電子機器の小型化のニーズの高まりにより、厚みを小さくしても高強度であるステンレス鋼板が要求されている。しかしながら、特許文献3のステンレス鋼板は、厚みを小さくした場合に、携帯電子機器用部品として適した特性を有しているとは必ずしもいえない。例えば、特許文献3のステンレス鋼板は、厚みを小さくした場合に、強度が十分であるとはいえない。例えば、ばね材に要求される疲労特性は、強度(特に、引張強さ)が大きいほど優れるため、疲労特性を向上させる手法として、更なる高強度化が求められている。
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、非磁性且つ高強度のオーステナイト系ステンレス鋼板を提供することを目的とする。
また、本発明は、小型化とともに性能及び信頼性の向上が可能な携帯電子機器用部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、オーステナイト系ステンレス鋼板について鋭意研究を行なった結果、組成、Ni当量、比透磁率及び引張強さを制御することにより、上記の課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、質量基準で、C:0.030~0.120%、Si:0.20~1.00%、Mn:2.00~12.50%、P:0.050%以下、S:0.0350%以下、Ni:4.50~14.50%、Cr:16.50~21.00%、Cu:0.50%以下、Mo:0.70%以下、N:0.100~0.500%を含み、残部がFe及び不純物からなり、
以下の式(1)で表されるNi当量が18.0以上、比透磁率が1.007以下、及び引張強さが1500MPa以上であるオーステナイト系ステンレス鋼板である。
Ni当量=Ni+0.60Mn+0.18Cr+9.69(C+N)-0.11Si
2
・・・(1)
式中、各元素記号は、各元素の含有量を表す。
(【0011】以降は省略されています)
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