TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025079650
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-22
出願番号2023192465
出願日2023-11-10
発明の名称Fe-Ni合金、合金管、及びその製造方法
出願人日本冶金工業株式会社
代理人弁理士法人むつきパートナーズ
主分類C22C 38/00 20060101AFI20250515BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】 LNG輸送用配管などの溶接管向けの加工において簡易に優れた防錆性を得られるFe-Ni合金、これを用いた合金管、及びその製造方法の提供。
【解決手段】 Fe-Ni合金は、質量%で、C:0.020~0.040%、Si:0.10~0.30%、Mn:0.25~0.45%、P:0.0025~0.0050%、S:0.0001~0.0012%、Ni:35.5~36.5%、Cr:0.03~0.22%、Cu:0.01~0.10%、Al:0.0005~0.010%、Ti:0.0005~0.010%、N:0.0005~0.0050%、Mg:0.0003~0.0020%、Ca:0.0003~0.0015%を含有し、残部をFe及び不可避的不純物とした成分組成を有する。Fe-Ni合金管は、同合金からなる。その製造方法は、同合金からなる板材から溶接管を得て、熱処理で表面酸化皮膜を与える。
【選択図】 なし

特許請求の範囲【請求項1】
質量%で、
C :0.020~0.040%、
Si:0.10~0.30%、
Mn:0.25~0.45%、
P:0.0025~0.0050%、
S:0.0001~0.0012%、
Ni:35.5~36.5%、
Cr:0.03~0.22%、
Cu:0.01~0.10%、
Al:0.0005~0.010%、
Ti:0.0005~0.010%、
N :0.0005~0.0050%、
Mg:0.0003~0.0020%、
Ca:0.0003~0.0015%
を含有し、残部をFe及び不可避的不純物とした成分組成を有することを特徴とするFe-Ni合金。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記成分組成は、
0.15≦Si+Cr≦0.40 ・・・・・・(1)
0.003≦2×Al+Ti≦0.017 ・・・(2)
の関係式を満たすことを特徴とする請求項1記載のFe-Ni合金。
【請求項3】
前記成分組成は、
Al≧Ti ・・・・・・(3)
であり、かつ、
Mo: 0.01~0.10%、
Co: 0.01~0.25%、
W:0.01~0.05%、
B:0.0001~0.0010%
の1種又は2種以上を含むことを特徴とする請求項1記載のFe-Ni合金。
【請求項4】
前記成分組成は、
Al≧Ti ・・・・・・(3)
であり、かつ、
Mo: 0.01~0.10%、
Co: 0.01~0.25%、
W:0.01~0.05%、
B:0.0001~0.0010%
の1種又は2種以上を含むことを特徴とする請求項2記載のFe-Ni合金。
【請求項5】
溶接管であって、請求項1乃至4のうちの1つに記載のFe-Ni合金からなることを特徴とするFe-Ni合金管。
【請求項6】
Fe及びSi、Mn、Crからなる複合酸化物からなり2~30μmの厚さの表面酸化皮膜を有することを特徴とする請求項5記載のFe-Ni合金管。
【請求項7】
溶接管であって、溶接部とともに、請求項1乃至4のうちの1つに記載のFe-Ni合金からなることを特徴とするFe-Ni合金管。
【請求項8】
Fe及びSi、Mn、Crからなる複合酸化物からなり2~30μmの厚さの表面酸化皮膜を有することを特徴とする請求項7記載のFe-Ni合金管。
【請求項9】
請求項1乃至4のうちの1つに記載のFe-Ni合金からなる板材を用意し、前記板材を管状に加工し溶接して溶接管とし、750~900℃に加熱保持し、Fe及びSi、Mn、Crからなる複合酸化物からなる2~30μmの厚さの表面酸化皮膜を与えることを特徴とするFe-Ni合金管の製造方法。
【請求項10】
請求項1乃至4のうちの1つに記載のFe-Ni合金からなる板材及び溶加材を用意し、前記板材を管状に加工し前記溶加材を用いて溶接して溶接管とし、750~900℃に加熱保持し、Fe及びSi、Mn、Crからなる複合酸化物からなる2~30μmの厚さの表面酸化皮膜を与えることを特徴とするFe-Ni合金管の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、低温靱性に優れたインバーFe-Ni合金、これを用いた合金管、及びその製造方法に関し、特に、LNG輸送用配管向けに好適なFe-Ni合金、合金管、及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
Niを30~50wt%程度含有するインバーFe-Ni合金は、成分組成の調整によって熱膨張係数を制御でき、電子部品材料として広く用いられている。また、構造部材への使用も提案されており、例えば、36%のNiを含有するFe-Ni合金については、熱膨張係数が小さいとともに、低温靱性にも優れることから、LNG輸送用配管などに使用されている。
【0003】
例えば、特許文献1では、LNG輸送用配管向けのインバーFe-Ni合金として、Fe中に、質量%で、C:0.001~0.1%、Si:0.5%以下、Mn:0.1~1%、Ni:35~40%、Ti:0.1~0.5%、Nb:0.1~0.5%を含有した成分組成を有する合金を開示している。構造部材への適用には溶接加工が不可欠であるところ、インバー鋼の溶接が難しいことを述べた上で、溶接金属部の靭性と耐再熱割れ性に及ぼす析出強化型元素の影響が相反することから、TiとNbの添加量を制御すべきであることを述べている。
【0004】
また、非特許文献1では、Fe-Ni系合金をLNG配管に適用したときに、施工時および運転時ともに、腐食環境に晒される場合が想定されるとした上で、応力腐食割れ(SCC)の発生対策について述べている。ここでは、圧縮残留応力付与及び塗装密着性向上を目的としたサンドブラスト処理と、カソード防食性付与のためのジンクリッチペイント塗装と、が行われ、顕著な成果が得られたとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平11-364468号公報
【非特許文献】
【0006】
インバー合金の応力腐食割れとその防止対策;本郷進,山本修二,竹田貴代子,高島顕,山川武人,幸英昭,小林英男;2003年52巻6号、p.308-315
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、インバーFe-Ni合金は非常に発錆しやすいとされている。例えば、LNG輸送用配管の製造工程やその施工工程において、作業の都合により数日から数カ月の保管を経ることがあるが、数日の放置で錆が発生してしまい修繕が必要となる。非特許文献1では、インバーFe-Ni合金を管材に加工後の塗装による防錆処理について述べているが、かかる塗装による防錆処理工程の追加は製造コストの上昇要因となる。そのため、構造材料としてのインバーFe-Ni合金自体の錆びにくさが求められた。
【0008】
本発明は、以上のような状況に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、製造加工、特に、LNG輸送用配管などの溶接管向けの加工において簡易に優れた防錆性を得られるFe-Ni合金、これを用いた合金管、及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によるFe-Ni合金は、質量%で、C:0.020~0.040%、Si:0.10~0.30%、Mn:0.25~0.45%、P:0.0025~0.0050%、S:0.0001~0.0012%、Ni:35.5~36.5%、Cr:0.03~0.22%、Cu:0.01~0.10%、Al:0.0005~0.010%、Ti:0.0005~0.010%、N:0.0005~0.0050%、Mg:0.0003~0.0020%、Ca:0.0003~0.0015%を含有し、残部をFe及び不可避的不純物とした成分組成を有することを特徴とする。
【0010】
かかる特徴によれば、熱処理により強固な表面酸化皮膜を簡易に形成させ得て、防錆性に優れる合金製品を与えることができるのである。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する

関連特許

株式会社プロテリアル
焼結体
3か月前
個人
高強度せん断補強筋用の鋼材
1か月前
宏幸株式会社
金属回収方法
1か月前
株式会社神戸製鋼所
鋼材
15日前
ハイモ株式会社
水中金属の回収除去方法
3か月前
大同特殊鋼株式会社
鋼材及び金型
5か月前
JX金属株式会社
銅製錬の操業方法
4か月前
株式会社クボタ
比重分離装置
1か月前
国立大学法人東北大学
高耐食銅合金
3か月前
株式会社クボタ
比重分離装置
1か月前
JX金属株式会社
銅製錬の操業方法
4か月前
株式会社クボタ
比重分離装置
1か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
1か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
1か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
1か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
1か月前
日本製鉄株式会社
鋼線
3か月前
国立大学法人東北大学
腐食環境用銅合金
3か月前
日本製鉄株式会社
鋼材
3か月前
住友金属鉱山株式会社
銅の製錬方法
5か月前
JFEスチール株式会社
浸炭鋼部品
1か月前
日本製鉄株式会社
めっき鋼線
4か月前
JFEスチール株式会社
肌焼鋼
5か月前
日本精線株式会社
銅合金
2か月前
JFEスチール株式会社
肌焼鋼
5か月前
住友金属鉱山株式会社
オートクレーブ
5か月前
JFEスチール株式会社
肌焼鋼
5か月前
個人
複合材料および複合材料の製造方法
5か月前
NTN株式会社
転動部材
2か月前
NTN株式会社
転動部材
2か月前
株式会社村田製作所
スズイオンの分離方法
14日前
住友金属鉱山株式会社
有価金属の製造方法
4か月前
日本製鉄株式会社
熱間圧延鋼材
1か月前
住友金属鉱山株式会社
有価金属の回収方法
4か月前
住友金属鉱山株式会社
有価金属の回収方法
4か月前
住友金属鉱山株式会社
有価金属の回収方法
4か月前
続きを見る