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公開番号2025042920
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-28
出願番号2023150122
出願日2023-09-15
発明の名称熱間圧延鋼材
出願人日本製鉄株式会社
代理人弁理士法人ブライタス
主分類C22C 38/00 20060101AFI20250321BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】硫酸露点腐食環境および弱酸性の硫酸環境において優れた耐食性を有し、かつ、熱間加工性に優れた熱間圧延鋼材を提供する。
【解決手段】母材の表面の少なくとも一部に酸化スケールを有する熱間圧延鋼材であって、母材の化学組成が、質量%で、C:0.01~0.10%、Si:0.04~0.40%、Mn:0.50~1.50%、Cu:0.10~0.50%、Sb:0.01~0.30%、Ni:0.02~0.30%、In:0.005~0.020%、Al:0.005~0.05%、MoおよびWの一方または両方の合計:0.01~0.30%、P:0.015%以下、S:0.015%以下、N:0.005%以下、O:0.0035%以下、残部:Feおよび不純物であり、10.0≦Cu/Inおよび2.6≦(Cu/64)/((Sb/122)+(In/115))≦5.5を満足し、酸化スケール中にCuおよびInの濃化部を有する、熱間圧延鋼材。
【選択図】 なし

特許請求の範囲【請求項1】
母材の表面の少なくとも一部に酸化スケールを有する熱間圧延鋼材であって、
前記母材の化学組成が、質量%で、
C:0.01~0.10%、
Si:0.04~0.40%、
Mn:0.50~1.50%、
Cu:0.10~0.50%、
Sb:0.01~0.30%、
Ni:0.02~0.30%、
In:0.005~0.020%、
Al:0.005~0.05%、
MoおよびWの一方または両方の合計:0.01~0.30%、
P:0.015%以下、
S:0.015%以下、
N:0.005%以下、
O:0.0035%以下、
残部:Feおよび不純物であり、
下記(i)式および(ii)式を満足し、
前記酸化スケール中にCuおよびInの濃化部を有する、
熱間圧延鋼材。
10.0≦Cu/In ・・・(i)
2.6≦(Cu/64)/((Sb/122)+(In/115))≦5.5 ・・・(ii)
但し、上記式中の元素記号は、熱間圧延鋼材中に含まれる各元素の含有量(質量%)を表す。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
母材の表面の少なくとも一部に酸化スケールを有する熱間圧延鋼材であって、
前記母材の化学組成が、質量%で、
C:0.01~0.10%、
Si:0.04~0.40%、
Mn:0.50~1.50%、
Cu:0.10~0.50%、
Sb:0.01~0.30%、
Ni:0.02~0.30%、
In:0.005~0.020%、
Al:0.005~0.05%、
MoおよびWの一方または両方の合計:0.01~0.30%、
P:0.015%以下、
S:0.015%以下、
N:0.005%以下、
O:0.0035%以下、
であり、さらに下記A群、B群およびC群からなる群から選択される一種以上を含有し、
残部:Feおよび不純物であり、
下記(i)式および(ii)式を満足し、
前記酸化スケール中にCuおよびInの濃化部を有する、
熱間圧延鋼材。
10.0≦Cu/In ・・・(i)
2.6≦(Cu/64)/((Sb/122)+(In/115))≦5.5 ・・・(ii)
但し、上記式中の元素記号は、熱間圧延鋼材中に含まれる各元素の含有量(質量%)を表す。
[A群]As:0.10%以下、Bi:0.10%以下、Se:0.10%以下、Te:0.10%以下、Pb:0.10%以下、Zn:0.10%以下、Ga:0.10%以下、Ge:0.10%以下、Co:0.30%以下、およびHf:0.30%以下からなる群から選択される一種以上
[B群]Cr:1.0%以下、Nb:0.10%以下、V:0.10%以下、Ti:0.20%以下、Zr:0.20%以下、Ta:0.05%以下、およびB:0.010%以下からなる群から選択される一種以上
[C群]CaおよびMgの一方または両方の合計:0.010%以下、SrおよびBaの一方または両方の合計:0.010%以下、およびREM:0.010%以下からなる群から選択される一種以上
【請求項3】
前記母材の化学組成が、前記A群から選択される一種以上の元素を含有する、請求項2に記載の熱間圧延鋼材。
【請求項4】
前記母材の化学組成が、前記B群から選択される一種以上の元素を含有する、請求項2に記載の熱間圧延鋼材。
【請求項5】
前記母材の化学組成が、前記C群から選択される一種以上の元素を含有する、請求項2に記載の熱間圧延鋼材。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、熱間圧延鋼材に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
ボイラーの火炉および廃棄物焼却施設の焼却炉等では、水蒸気、硫黄酸化物、塩化水素等を含む排ガスが発生する。この排ガスは、排ガス煙突等において冷却されると、凝縮して硫酸となり、硫酸露点腐食として知られるように、排ガス流路を構成する鋼材に対し、著しい腐食を引き起こす。
【0003】
このような問題に対し、耐硫酸露点腐食鋼および高耐食ステンレス鋼が提案されている。例えば、特許文献1~5では、Cu、Sb、Co、Crなどを添加した耐硫酸露点腐食性に優れた鋼材が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2001-164335号公報
特開2003-213367号公報
特開2007-239094号公報
特開2012-57221号公報
国際公開第2021/095185号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
排ガス煙突のような硫酸露点腐食環境において、排ガスの温度が低下すると、まず排ガス中の水蒸気が鋼材の表面に結露し、ここに硫黄酸化物が溶解する。このようにして生成される高濃度の硫酸は反応性が高い。Cu、Sb、Cr等を含有する鋼材は、このような硫酸露点腐食環境において優れた耐食性を有している。
【0006】
一方、結露する水分量がさらに増加する40℃前後の環境ではpH2~3程度の低濃度の硫酸が生成する。鋼材が使用される環境において排ガスの温度が変動したり、鋼材の一部が高温の排ガスに曝され、他の部分が低温の排ガスに曝されたりすると、鋼材は硫酸露点腐食環境および弱酸性の硫酸環境の両方の環境に曝される。そのため、硫酸露点腐食環境と弱酸性の硫酸環境との両方で良好な耐食性を示すことが要求される。しかし、従来鋼では、硫酸露点腐食環境における耐食性には優れているものの、弱酸性の硫酸環境における耐食性について、改善の余地が残されている。
【0007】
また、排ガス煙突に加えて、ガス化溶融炉、熱交換器、ガス-ガスヒータ、脱硫装置、電気集塵機等の焼却炉煙道に使用される場合には、施工性および生産性の観点から、耐食性だけでなく、熱間加工性も要求される。
【0008】
本発明は、上記の課題を解決し、硫酸露点腐食環境および弱酸性の硫酸環境において優れた耐食性を有し、かつ、熱間加工性に優れた鋼材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、下記の鋼材を要旨とする。
【0010】
(1)母材の表面の少なくとも一部に酸化スケールを有する熱間圧延鋼材であって、
前記母材の化学組成が、質量%で、
C:0.01~0.10%、
Si:0.04~0.40%、
Mn:0.50~1.50%、
Cu:0.10~0.50%、
Sb:0.01~0.30%、
Ni:0.02~0.30%、
In:0.005~0.020%、
Al:0.005~0.05%、
MoおよびWの一方または両方の合計:0.01~0.30%、
P:0.015%以下、
S:0.015%以下、
N:0.005%以下、
O:0.0035%以下、
残部:Feおよび不純物であり、
下記(i)式および(ii)式を満足し、
前記酸化スケール中にCuおよびInの濃化部を有する、
熱間圧延鋼材。
10.0≦Cu/In ・・・(i)
2.6≦(Cu/64)/((Sb/122)+(In/115))≦5.5 ・・・(ii)
但し、上記式中の元素記号は、熱間圧延鋼材中に含まれる各元素の含有量(質量%)を表す。
(【0011】以降は省略されています)

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