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公開番号
2025082187
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-28
出願番号
2023195487
出願日
2023-11-16
発明の名称
衝撃吸収構造体及び衝撃吸収構造体の製造方法
出願人
一般財団法人日本自動車研究所
代理人
弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
主分類
A42B
1/08 20060101AFI20250521BHJP(頭部に着用するもの)
要約
【課題】衝撃吸収性、生産性、軽量性、追従変形性という要求性能を高い次元で達成する一層構造による衝撃吸収構造体及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】頭頂部衝撃吸収シートA1は、複数個の発泡スチロール球体10と、複数枚のメッシュ生地20と、を備える。メッシュ生地20は、選定した発泡スチロール球体10の円周長のおよそ1/2の長さの幅により等間隔で線状に接合する収納ライン接合部21と、複数個の発泡スチロール球体10を収納した状態で最も外側に配置される発泡スチロール球体10の外周位置を囲んで線状に接合する外周ライン接合部22と、を有する。発泡スチロール球体10は、重ね合わせたメッシュ生地20の収納ライン接合部21と外周ライン接合部22により形成される複数列の収納空間40のそれぞれに収納配置し、かつ、隣り合う列の発泡スチロール球体10をおよそ半径分ずらして交互に並べた配置にする。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
外部から受ける力を緩和する衝撃吸収構造体であって、
一層構造により目標とする衝撃吸収性能が得られる複数個の球体緩衝材と、
前記球体緩衝材による人体の保護エリアを内包する広さを有し、互いに重ね合わせた複数枚の生地と、を備え、
前記生地は、選定した前記球体緩衝材の円周長のおよそ1/2の長さの幅により等間隔で線状に接合する収納ライン接合部と、前記保護エリアをカバーする複数個の前記球体緩衝材を収納した状態で、最も外側に配置される前記球体緩衝材の外周位置を囲んで線状に接合する外周ライン接合部と、を有し、
前記球体緩衝材は、重ね合わせた前記生地の前記収納ライン接合部と前記外周ライン接合部により形成される複数列の収納空間のそれぞれに収納配置し、かつ、隣り合う列の前記球体緩衝材をおよそ半径分ずらして交互に並べた配置にする
ことを特徴する衝撃吸収構造体。
続きを表示(約 1,700 文字)
【請求項2】
請求項1に記載された衝撃吸収構造体において、
前記球体緩衝材は、一層構造に並べた緩衝材集合試料を用いる事前衝突試験又は仮衝突試験を行い、試験結果が目標とする衝撃吸収性能の安全基準を満足する形状と素材による緩衝材を選定する
ことを特徴とする衝撃吸収構造体。
【請求項3】
請求項1に記載された衝撃吸収構造体において、
前記生地は、前記収納空間に収納配置されている前記球状緩衝材が透過して見える粗さの網目であって伸縮性を有するメッシュ生地を選択する
ことを特徴とする衝撃吸収構造体。
【請求項4】
請求項1から3までの何れか一項に記載された衝撃吸収構造体において、
前記衝撃吸収構造体は、柔軟な素材による帽子本体に組み込むことで頭部保護具とする衝撃吸収シートである
ことを特徴とする衝撃吸収構造体。
【請求項5】
請求項4に記載された衝撃吸収構造体において、
前記衝撃吸収シートは、前記球体緩衝材による人体の保護エリアを頭頂部とする頭頂部衝撃吸収シートであり、
前記頭頂部衝撃吸収シートは、前記外周ライン接合部の形状が、前記頭頂部の形状に符合する多角形状又は円形状である
ことを特徴とする衝撃吸収構造体。
【請求項6】
請求項4に記載された衝撃吸収構造体において、
前記衝撃吸収シートは、前記球体緩衝材による人体の保護エリアを頭側部とする頭側部衝撃吸収シートであり、
前記頭側部衝撃吸収シートは、前記外周ライン接合部の形状が、前記頭側部の形状に巻き付き状態で符合する長方形状である
ことを特徴とする衝撃吸収構造体。
【請求項7】
請求項4に記載された衝撃吸収構造体において、
前記衝撃吸収シートは、前記球体緩衝材による人体の保護エリアを頭部全体とする頭部全体衝撃吸収シートであり、
前記頭部全体衝撃吸収シートは、前記外周ライン接合部の形状が頭頂部の形状に符合する多角形状又は円形状による頭頂部衝撃吸収シートと、前記外周ライン接合部の形状が頭側部の形状に巻き付き状態で符合する長方形状による頭側部衝撃吸収シートと、の組み合わせ構造である
ことを特徴とする衝撃吸収構造体。
【請求項8】
請求項4に記載された衝撃吸収構造体において、
前記衝撃吸収シートは、前記球体緩衝材による人体の保護エリアを頭部全体とする頭部全体衝撃吸収シートであり、
前記頭部全体衝撃吸収シートは、頭部全体の立体形状を平面形状に展開した展開形状による外周ライン接合部と、前記外周ライン接合部の展開形状を内包する多角形状又は円形状によるカットラインと、前記カットラインから前記外周ライン接合部を除いたときに残る生地部分を折り重ねて接合した谷折り接合部と、を有する
ことを特徴とする衝撃吸収構造体。
【請求項9】
外部から受ける力を緩和する衝撃吸収構造体の製造方法であって、
一層構造により目標とする衝撃吸収性能が得られる球体緩衝材を選定する球形緩衝材選定手順と、
前記球体緩衝材による人体の保護エリアを定める保護エリア設定手順と、
前記保護エリアを内包する広さを有する生地を複数枚用意して重ね合わせる生地重ね合わせ手順と、
重ね合わせた前記生地を、選定した前記球体緩衝材の円周長のおよそ1/2の長さの幅による等間隔の収納ラインにより接合して前記球体緩衝材の収納空間を複数列形成する収納空間形成手順と、
複数列の前記収納空間のそれぞれに選定した前記球体緩衝材を挿入し、その際、隣り合う列の前記球体緩衝材をおよそ半径分ずらして交互に並べた配置にする球形緩衝材挿入手順と、
前記保護エリアがカバーされるまで前記球体緩衝材を挿入すると、最も外側に配置される前記球体緩衝材の周りを囲む外周ラインにより接合し、不要な前記生地をカットラインに沿って取り除く仕上げ手順と、を有する
ことを特徴する衝撃吸収構造体の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、衝撃吸収構造体及び衝撃吸収構造体の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、球状で外部から加わる外力の大きさと方向に応じて弾性変形する複数の弾性球状体と、複数の弾性球状体を平面状に集合させた弾性球状体間に設けられた軟結合構造と、を備える衝撃吸収構造体が知られている(特許文献1を参照)。また、貫通穴を有する複数の球状体の列が、貫通穴の貫通方向に複数積層され、上層の各球状体の貫通穴の軸が、対応する下層の各球状体の貫通穴の軸と一致するように各球状体が配置されている衝撃吸収構造体が知られている(特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第5433642号公報
特許第6174431号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、現在、自転車や電動キックボード乗員の交通事故が社会問題になっており、特に乗員の頭部保護に対する社会的なニーズ・関心が高まっている。自転車の乗員に対しては、2023年4月1日の道路交通法の改正により、従前の子供に加えて、大人に対しても頭部保護具の着用が努力義務化された。また、電動キックボードの乗員に対しては、最高速度が20km/h以下の低速仕様の小型特定原付であっても、頭部保護具の着用が努力義務となっている。
【0005】
これに対し、特許文献1に記載された衝撃吸収構造体は、複数個の中空ポリエチレンビーズを緩衝材に用い、これを軟結合により平面状に集合させた1層の構造体であるため、衝撃吸収性が低い。よって、自転車乗員などの高エネルギ衝突事故を対象とした頭部保護具に適用したときに要求される頭部保護機能を発揮できない、という課題がある。また、特許文献2に記載された衝撃吸収構造体は、同じく、自転車乗員などの高エネルギ衝突事故を対象とした頭部保護具に適用したときに要求される衝撃吸収性を確保しようとすると、例えば、3層以上の積層構造にする必要がある。このため、3層以上の積層構造による衝撃吸収構造体は、球状緩衝材の部品点数が大幅に増えることで、生産性の低下を招くとともに、軽量性も低下する。さらに、特許文献2に記載された衝撃吸収構造体は、貫通穴を有する複数の球状緩衝材の縦列と横列の両方を整列状態に配置している。このため、球状緩衝材間にある程度の一定間隔の隙間を設けない限り、縦軸又は横軸の一軸回りに面形状が変化するだけの構造体になる。よって、3層以上の積層構造による衝撃吸収構造体は、例えば、頭部保護具に適用する際、全方位に対して丸みを帯びた頭部に対する形状追従性が低い、という課題がある。
【0006】
本発明は、上記課題に着目してなされたもので、衝撃吸収性、生産性、軽量性、追従変形性という要求性能を高い次元で達成する一層構造による衝撃吸収構造体及び衝撃吸収構造体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の外部から受ける力を緩和する衝撃吸収構造体は、一層構造により目標とする衝撃吸収性能が得られる複数個の球体緩衝材と、前記球体緩衝材による人体の保護エリアを内包する広さを有し、互いに重ね合わせた複数枚の生地と、を備える。前記生地は、選定した前記球体緩衝材の円周長のおよそ1/2の長さの幅により等間隔で線状に接合する収納ライン接合部と、前記保護エリアをカバーする複数個の前記球体緩衝材を収納した状態で、最も外側に配置される前記球体緩衝材の外周位置を囲んで線状に接合する外周ライン接合部と、を有する。前記球体緩衝材は、重ね合わせた前記生地の前記収納ライン接合部と前記外周ライン接合部により形成される複数列の収納空間のそれぞれに収納配置し、かつ、隣り合う列の前記球体緩衝材をおよそ半径分ずらして交互に並べた配置にする。
【0008】
本発明の外部から受ける力を緩和する衝撃吸収構造体の製造方法は、球形緩衝材選定手順と、保護エリア設定手順と、生地重ね合わせ手順と、収納空間形成手順と、球形緩衝材挿入手順と、仕上げ手順と、を有する。球形緩衝材選定手順は、一層構造により目標とする衝撃吸収性能が得られる球体緩衝材を選定する。保護エリア設定手順は、前記球体緩衝材による人体の保護エリアを定める。生地重ね合わせ手順は、定めた前記保護エリアを内包する広さを有する生地を複数枚用意して重ね合わせる。収納空間形成手順は、重ね合わせた前記生地を、選定した前記球体緩衝材の円周長のおよそ1/2の長さの幅による等間隔の収納ラインにより接合して前記球体緩衝材の収納空間を複数列形成する。球形緩衝材挿入手順は、複数列の前記収納空間のそれぞれに選定した前記球体緩衝材を挿入し、その際、隣り合う列の前記球体緩衝材をおよそ半径分ずらして交互に並べた配置にする。仕上げ手順は、前記保護エリアがカバーされるまで前記球体緩衝材を挿入すると、最も外側に配置される前記球体緩衝材の周りを囲む外周ラインにより接合し、不要な前記生地をカットラインに沿って取り除く。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、衝撃吸収性、生産性、軽量性、追従変形性という要求性能を高い次元で達成する一層構造による衝撃吸収構造体及び衝撃吸収構造体の製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
実施例1の頭頂部衝撃吸収シートの頭部保護具への組み込み適用例(断面図)を示す。
実施例1の頭頂部衝撃吸収シートの平面図を示す。
実施例1の頭頂部衝撃吸収シートの図2のI-I線断面図を示す。
実施例1の頭頂部衝撃吸収シートで選定した発泡スチロール球体を示す。
発泡スチロール球体に対する仮衝突試験の試験条件を示す。
仮衝突試験で用いる緩衝材集合試料を示す。
発泡スチロール球体に対する仮衝突試験での試験結果を示す。
実施例1の頭頂部衝撃吸収シートの製造方法での各手順の流れを示す。
シート製造方法のうち収納空間形成手順を説明する図を示す。
シート製造方法のうち球形緩衝材挿入手順を説明する図を示す。
シート製造方法のうち仕上げ手順を説明する図を示す。
ハードタイプ(一体成型)の頭部保護具の特徴をまとめた表を示す。
ハードタイプ(折り畳み式)の頭部保護具の特徴をまとめた表を示す。
ソフトタイプ(積層型)の頭部保護具の特徴をまとめた表を示す。
実施例1のシートを組み込んだ頭部保護具の特徴をまとめた表を示す。
仮衝突試験の比較試験で用いる球状緩衝材積層試料を示す。
発泡試料と2層試料と3層試料の仮衝突試験の比較試験結果を示す。
発明技術の頭頂部衝撃吸収シートによる作用説明参考図を示す。
比較技術の頭頂部衝撃吸収シートによる作用説明参考図を示す。
実施例2の頭側部衝撃吸収シートの平面図を示す。
実施例2の頭側部衝撃吸収シートの外観図を示す。
実施例2の頭側部衝撃吸収シートを内蔵した頭部保護具の斜視図を示す。
実施例3の頭部全体衝撃吸収シートの外観図を示す。
実施例3の頭部全体衝撃吸収シートを組み込んだ頭部保護具の例を示す。
実施例4-1の頭部全体衝撃吸収シートの平面図を示す。
実施例4-1の頭部全体衝撃吸収シートの外観図を示す。
実施例4-2の頭部全体衝撃吸収シートの平面図を示す。
実施例4-2の頭部全体衝撃吸収シートの外観図を示す。
実施例1の頭頂部衝撃吸収シートを帽子本体へ入れるだけの例を示す。
実施例3の頭部全体衝撃吸収シートにあご紐をつけた例を示す。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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