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公開番号2025084389
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-03
出願番号2023198259
出願日2023-11-22
発明の名称ブシュ部材
出願人大同メタル工業株式会社
代理人弁理士法人サトー
主分類F16C 33/08 20060101AFI20250527BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】クリープ特性を維持しつつ、強度および耐食性が高いブシュ部材を提供する。
【解決手段】
一実施形態によるブシュ部材10は、Fe基の裏金層12と、前記裏金層12に接合されている軸受合金層11と、を備える。前記軸受合金層11は、25~45質量%のZnを含むCu基合金であり、ビッカース硬さが150~230HVであり、前記裏金層12は、ビッカース硬さが160~240HVである。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
Fe基の裏金層と、
前記裏金層に接合されている軸受合金層と、を備えるピストンピンに用いるブシュ部材であって、
前記軸受合金層は、
25~45質量%のZnを含むCu基合金であり、
ビッカース硬さが150~230HVであり、
前記裏金層は、
ビッカース硬さが160~240HVである、
ブシュ部材。
続きを表示(約 140 文字)【請求項2】
前記裏金層のビッカース硬さは、前記軸受合金層のビッカース硬さの0.9倍以上である、
請求項1記載のブシュ部材。
【請求項3】
前記軸受合金層は、35~45質量%のZnを含むCu基合金である、
請求項1記載のブシュ部材。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本実施形態は、ピストンピンに用いるブシュ部材に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来、ピストンピンに用いるブシュ部材として、例えば特許文献1に開示されているCu系の摺動部材が知られている。特許文献1に開示されている摺動部材は、軸受合金層としてZnの含有量が高い黄銅を用いている。これにより、特許文献1の摺動部材は、燃焼室における温度の上昇にともなって生成する硫黄成分に対する耐食性を担保している。
しかしながら、燃焼室の温度の上昇にともなってピストンピンに加わる負荷が増大し、ブシュ部材はさらなる強度の向上が求められている。また、特許文献1のようなバイメタルと異なり、ブシュ部材を黄銅の軸受合金層による単一層とすることにより耐疲労性などの強度は確保される。しかし、単一層のブシュ部材は、高い負荷を受ける環境において、クリープの影響を受けやすいという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平10-30137号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、クリープの影響を低減しつつ、強度および耐食性が高いブシュ部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために一実施形態によるブシュ部材は、Fe基の裏金層と、前記裏金層に接合されている軸受合金層と、を備えるピストンピンに用いるブシュ部材である。前記軸受合金層は、25~45質量%のZnを含むCu基合金であり、ビッカース硬さが150~230HVであり、前記裏金層は、ビッカース硬さが160~240HVである。
【0006】
これにより、一実施形態によるブシュ部材は、軸受合金層がFe基の裏金層に接合されている。そのため、軸受合金層は、一体の裏金層によってクリープの影響が低減される。また、一実施形態によるブシュ部材は、Znを含むCu基合金すなわち黄銅製である。そのため、潤滑油に含まれる添加剤に起因する硫黄成分への耐性が高く、この硫黄成分による腐食が低減される。さらに、一実施形態によるブシュ部材は、軸受合金層および裏金層の硬さが設定されている。そのため、高い寸法精度および真円精度を確保するための加工性を維持しつつ、耐疲労性が向上する。したがって、クリープ特性を維持しつつ、強度および耐食性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
一実施形態によるブシュ部材を示す模式的な断面図
一実施形態によるブシュ部材の製造の流れを示す模式図
一実施形態によるブシュ部材の実施例および比較例におけるクリープ特性の検証結果を示す概略図
一実施形態によるブシュ部材の実施例および比較例における耐食性の検証結果を示す概略図
一実施形態によるブシュ部材の実施例および比較例における耐疲労性の検証結果を示す概略図
耐疲労性試験の試験条件を示す概略図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、ピストンピンに用いるブシュ部材の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、ブシュ部材10は、軸受合金層11および裏金層12を備える。ブシュ部材10は、図示しない内燃機関のピストンとコンロッドとを連結するピストンピンに用いられる。ブシュ部材10は、円筒状に形成され、内周側に軸受合金層11が位置するとともに、外周側に裏金層12が位置している。軸受合金層11の表面つまりブシュ部材10の内周面は、相手部材と摺動する摺動面13を形成している。
【0009】
裏金層12は、例えば鋼などのFe基の合金で形成されている。この裏金層12は、ビッカース硬さが160~240HVである。なお、本明細書中において、数値の範囲を示す上限値および下限値は、いずれも当該範囲に含まれるものとする。裏金層12のビッカース硬さが160未満であると、ピストンピンのブシュ部材10として要求される耐疲労性の確保が困難になる。一方、裏金層12のビッカース硬さが240HVを超えると、加工性の低下を招く。
【0010】
軸受合金層11は、裏金層12と一体に接合しており、25~45質量%のZnを含むCu基の合金で形成されている。つまり、軸受合金層11は、黄銅で形成されている。軸受合金層11に含まれるZnは、より高い耐食性を確保するために35~45質量%であることが好ましい。軸受合金層11は、Znの他に、Sn、Pなどの添加元素を含んでいてもよい。なお、本実施形態のブシュ部材10の場合、軸受合金層11は、Znと、不可避的な不純物を除くCuとの合金であることがより好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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