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公開番号
2025099482
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-07-03
出願番号
2023216169
出願日
2023-12-21
発明の名称
帯状テープ、それの紙糸撚物、及びそれを用いた布帛
出願人
三和製紙株式会社
,
株式会社三彩
,
株式会社クリーンアグリ
代理人
弁理士法人眞久特許事務所
主分類
D02G
3/08 20060101AFI20250626BHJP(糸;糸またはロープの機械的な仕上げ;整経またはビーム巻き取り)
要約
【課題】 植物繊維本来の特徴を損なうことなく、抄紙用原料繊維なかんずく植物繊維を一定幅に漉き芯糸と確りと絡めた帯状テープ、その帯状テープが撚られ、必要に応じ繰り返して撚られていることにより、柔軟性を有しつつ適度な硬さを有し、軽くて通気性、吸放湿性が良く、肌触りに優れた紙糸撚物を提供する。
【解決手段】 帯状テープ2は、抄紙用原料繊維が漉かれているもので、緊張した中央寄りの芯糸に前記抄紙用原料繊維が絡まっており、無撚糸である。その帯状テープ2は、前記芯糸に平均200μm以下の間隙を有しつつ前記抄紙用原料繊維が絡まっているものである。紙糸撚物10は、前記の帯状テープ2が、撚られたものである。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
抄紙用原料繊維が漉かれているもので、緊張した中央寄りの芯糸に前記抄紙用原料繊維が絡まっており、無撚糸であることを特徴とする抄紙製の帯状テープ。
続きを表示(約 1,300 文字)
【請求項2】
前記芯糸に平均200μm以下の間隙を有しつつ前記抄紙用原料繊維が絡まっていることを特徴とする請求項1に記載の抄紙製の帯状テープ。
【請求項3】
請求項1に記載の帯状テープが、撚られた紙糸撚物。
【請求項4】
前記帯状テープの長辺端部が、漉かれたままで切り落とされていないことを特徴とする請求項3に記載の紙糸撚物。
【請求項5】
前記芯糸が、
天然由来繊維、化学合成由来合成繊維、再生原料由来繊維、又はバイオ原料由来繊維であって、
ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、ビニロン、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、及びポリウレタンから選ばれる少なくとも何れかの合成繊維製;
アセテート、トリアセテート、及びプロミックスから選ばれる少なくとも何れかの半合成繊維製;
ビスコースレーヨン、銅アンモニアレーヨン、ポリノジック、リヨセル、及び不溶化アルギン酸繊維から選ばれる少なくとも何れかの化学繊維及び/又は再生繊維製;及び
綿とカポックとから選ばれる種毛繊維、苧麻と大麻とケナフとから選ばれる靱皮繊維、マニラ麻(アバカ)と芭蕉とから選ばれる葉繊維、竹と葦とパピルスとイ草とから選ばれる他の植物繊維から選ばれる少なくとも何れかの天然非木材繊維製;
羊毛、カシミア、絹、及びラクダ毛から選ばれる少なくとも何れかの動物繊維製;
ガラス繊維、アルミナ繊維、金属繊維(ステンレス又は銅)から選ばれる少なくとも何れかの無機繊維製;
炭素繊維製;
又はそれら何れかの混紡製
であることを特徴とする請求項3に記載の紙糸撚物。
【請求項6】
前記芯糸が、無撚りの単一ファイバーと;前記単一ファイバーが撚られた片撚りファイバーヤーンと、複数のファイバーを束ねた繊維束と、複数の前記片撚りファーバーヤーン又は前記繊維束を撚った片撚り繊維ヤーンと、複数の片撚り繊維ヤーンを撚った諸撚りヤーンとの何れかの芯糸ヤーンと;それらの何れかを複数並べたヤーン列との何れかであることを特徴とする請求項3に記載の紙糸撚物。
【請求項7】
前記芯糸が、単数の前記芯糸ヤーンであって前記帯状テープの中央に配置され、又は複数の前記芯糸ヤーンであってそれらの中心軸が前記帯状テープの中央になるように配置されていることを特徴とする請求項6に記載の紙糸撚物。
【請求項8】
前記芯糸が、繊度を75~600デニールとすることを特徴とする請求項3に記載の紙糸撚物。
【請求項9】
前記帯状テープが、幅を3~15mmとすることを特徴とする請求項3に記載の紙糸撚物。
【請求項10】
単数の前記帯状テープが撚られた単独紙糸撚物ヤーン;若しくは前記単独紙糸撚物ヤーンの複数が撚り合わされた紐、前記紐の複数が撚り合わされた縄、前記縄の複数が撚り合わされた小綱、及び前記単独紙糸撚物ヤーンと前記紐と前記縄と前記小綱との何れか同士が撚られた大綱から選ばれる複合紙糸撚物ヤーンであることを特徴とする請求項3に記載の紙糸撚物。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、芯糸を含んだ抄紙である帯状テープ、その帯状テープが撚られている紙糸撚物、及びその紙糸撚物を用いて織られ又は編まれ若しくは絡み合わせられた布帛、並びに芯糸と共に叩解及び/又は解繊した抄紙原料を漉いた帯状テープの製造装置及びそれを用いる帯状テープの製造方法、並びに帯状テープを撚る紙糸撚物製造装置及びそれを用いる紙糸撚物の製造方法に関するものである。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
紙は、一般的に、植物の繊維を解繊して水中で密に絡み合わせ、漉いて平面状に薄く延ばし、乾燥したシート状の製品であり、本や用紙や段ボール箱やトイレットペーパーなど様々な用途に使用されている。
【0003】
紙は、原料により、大きく和紙と洋紙とに分類される。
和紙は、日本古来の技術で作られた紙であり、コウゾ(楮)、ミツマタ(三椏)、ガンピ(雁皮)などを原料とし、これらの原木から皮を剥ぎ、皮の黒い表皮を削り取って白皮とし、アルカリ性灰汁やソーダ灰中で煮沸して繊維以外の不純物を溶出させ、水洗いしてから傷痕、芽痕を取り除き、解繊した後、古来ではトロロアオイから取り出した粘液であるネリと混ぜ、近年ではポリアクリルアミドのような化学粘剤と混ぜた抄紙原料から簀桁や網で漉いて抄紙し、圧搾などで脱水し、乾燥させて得られるものである。また、最近ではマニラ麻も原料として用いられている。
一方、洋紙は、針葉樹を中心とした木材からリグニンを溶解させ、機械パルプ又は化学パルプにしてから、叩解及び/又は解繊した後、ワイヤーと称される網で漉いて抄紙し、脱水し、乾燥させて得られるものである。
【0004】
紙を用いた応用製品として、抄繊糸とも称される紙糸を用いた紙糸撚物が知られている。紙糸撚物は、麻糸に似た肌触りであるため、織ったり編んだりして、様々な布帛、例えば擬麻織物に用いられたり、夏用の各種被服生地・帯地や、敷物・タオルに用いられたり、装飾材料に用いられたりする。
【0005】
紙糸には、例えば紙、とりわけ和紙を原材料とし、一般的に2~5mm紙幅のテープ状に裁断してから、適切に撚って糸状にしたものが知られている。和紙を原材料とした紙糸は、和紙を産する我が国特有のものである。
【0006】
紙糸として、例えば特許文献1に、耐水処理されたパルプ製テープをらせん甘撚りして紐状にしてなる紙糸が開示され、特許文献2に、長手方向に沿う折り目を有する紙製テープを、らせん甘撚りすることにより紐状にしてなる、紙糸が開示されている。
これらの紙糸は、テープを撚っただけであるので、テープが薄くても強度のある和紙製でないと糸としての強度が保てない。一方、十分な強度のあるコウゾ・ミツマタ・ガンピ又はマニラ麻繊維を含む和紙製テープを撚った紙糸であれば、紙糸自体が硬くなる傾向があり被服用の糸として柔軟性が不十分となる。
しかも、テープ状に裁断する所為で、紙原料の裁断の際に、繊維のテープ長辺側に切断面とそれに基づくエッジを生じて角が立ち、折角の肌触りが低下し劣り刺激性や硬さに不快感を与えやすい上、紙の調製、テープ状へのスリット加工、撚糸、撚った紙糸を巻取機で巻取りドラムに巻き付けるという煩雑な工程を行う必要があり、面倒なものとなる。
【0007】
また、別な紙糸として、綿糸のような芯糸の周囲に和紙のような紙テープを撚って糸状にしたものも知られている。例えば特許文献3に、1本の紙テープと前記1本の紙テープに添えられる1又は複数種の第1の長繊維とが仮撚りされてなる繊維束に、第2の長繊維がカバーリングされてなる複合紙糸が開示されている。この紙糸は、前記のようにテープ状に裁断する所為で同様なデメリットを示す。しかもテープとそれよりもはるかに細い繊維とを撚るものであってテープと繊維との相対距離を一定に保ち難くムラを生じ易いというデメリットもある。
【0008】
また、別な紙糸として、綿糸のような芯糸の周囲に繊維を絡めて撚って糸状にした物も知られている。例えば特許文献4に、特許請求の範囲の請求項1の通り、回転駆動している編み目テープのベルト上に水に繊維が混合された糸材料を線状あるいは帯状になるように供給する糸原料の供給工程と、前記編み目テープのベルト上に供給された線状あるいは帯状の糸原料から水分を除去する水分除去工程と、この水分除去工程後に水分が除去された糸原料が位置している部分を中心に、前記編み目テープのベルトの両端が交互に上方に位置するように折り曲げ、上下に移動させ、繊維をからめて細い糸に加工する繊維のからめ工程と、この繊維のからめ工程を経て前記編み目テープのベルトより離れた細い糸に撚りを加える糸撚り工程と、この糸撚り工程の前後に乾燥させる乾燥工程とを含む、繊維糸の製造方法が、記載されている。同請求項4には糸原料の繊維と芯糸とをからめて細い糸に加工する繊維のからめ工程を有している。しかし、この方法では、和紙のような肌触りとなるものの、単に和紙の如く漉くか、せいぜい芯糸を糸原料(繊維原料)でカバーリングした程度に過ぎず丸められ又は纏められているだけであって、緻密となり難く、芯糸と取り巻く糸原料との空隙が大きくなり、一体感が無くて柔らか性に欠けるうえ、繊維の絡みが少なく、木綿糸や生糸のような糸としての性能に欠ける。
【0009】
スポーツウェアや肌着の他、日用品の分野で、通気性や吸放湿性が良く、肌触りに優れたという特性を有する編物・織物構造の生地として使用されるように、その原材である紙糸撚物、とりわけ和紙を用いた紙糸撚物にあってもこのような特性を十分に有することが求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
特開平08-060473号公報
特開2001-200441号公報
特開2021-155902号公報
特開2007-39863号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)
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