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公開番号
2025154345
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-10
出願番号
2024057280
出願日
2024-03-29
発明の名称
ガスバリア性及び層間密着性を有する積層体
出願人
東洋製罐グループホールディングス株式会社
,
東罐興業株式会社
代理人
弁理士法人愛宕綜合特許事務所
主分類
B32B
5/18 20060101AFI20251002BHJP(積層体)
要約
【課題】多孔質性基材に形成される目止め層及びバリア層が欠陥なく形成され、優れた層間密着性及びガスバリア性を発現可能な積層体を提供する。
【解決手段】多孔質性基材上に、目止め層、アンカー層及び酸素バリア層をこの順で備えている積層体であって、前記目止め層が、少なくともアニオン性ラテックス及びナノセルロースを含有し、前記アンカー層が、少なくとも多価カチオン樹脂を含有し、前記酸素バリア層が、少なくともナノセルロースを含有することを特徴とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
多孔質性基材上に、目止め層、アンカー層及び酸素バリア層をこの順で備えている積層体であって、
前記目止め層が、少なくともアニオン性ラテックス及びナノセルロースを含有し、
前記アンカー層が、少なくとも多価カチオン樹脂を含有し、
前記酸素バリア層が、少なくともナノセルロースを含有することを特徴とする積層体。
続きを表示(約 590 文字)
【請求項2】
前記多孔質性基材が、紙製基材である請求項1記載の積層体。
【請求項3】
前記ナノセルロースが、セルロースナノクリスタルである請求項1又は2記載の積層体。
【請求項4】
前記酸素バリア層が、セルロースナノクリスタル及び多価カチオン樹脂の混合層である請求項3記載の積層体。
【請求項5】
前記多孔質性基材と前記目止め層と前記アンカー層との界面における界面剥離強度が、1N/15mm以上である請求項1又は2記載の積層体。
【請求項6】
前記目止め層及び前記酸素バリア層におけるナノセルロースの量がそれぞれ固形量として1.0g/m
2
であるときの23℃50RH%における酸素透過度が、5cc/m
2
・day・atm未満である請求項1又は2記載の積層体。
【請求項7】
前記セルロースナノクリスタルが、アニオン性官能基として少なくとも硫酸基及び/又はスルホ基を含有し、前記アニオン性官能基の総量が0.1mmol/gより多く且つ4.0mmol/g以下である請求項3記載の積層体。
【請求項8】
前記多価カチオン樹脂が、ポリエチレンイミンである請求項4記載の積層体。
【請求項9】
請求項2記載の積層体から成形された紙容器。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙製基材のような多孔質性基材に目止め層、アンカー層及びガスバリア層が形成されて成る積層体に関するものであり、より詳細には、包装容器に成形加工された場合でも層間剥離を生じることがなく、優れたガスバリア性及び層間密着性を発現可能な積層体に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
様々な製品に紙製基材のような多孔質性基材が使用されている。例えば、環境に優しい紙製基材は紙容器などの素材として広く普及している。紙製基材などの多孔質性基材は、基材のみでは耐液性やガスバリア性に劣ることから、基材表面に耐液性樹脂層やガスバリア層を積層して使用されることが多い。しかしながら、耐液性を有する基材に直接ガスバリア材を塗布しても良好なガスバリア層を形成できないことから、耐液性樹脂から成る目止め層、その上にガスバリア層を積層して使用されることがある。
例えば下記特許文献1には、原紙または加工紙の少なくとも片面に、乾燥後の樹脂固形分が0.1~30g/m
2
となるようにスチレン・ブタジエン共重合体からなる目止め剤層が塗布法で形成され、該目止め剤層表面の濡れ張力が36mN/m以上、かつコッブ吸水度が10g/m
2
以下であり、前記目止め剤層上に、乾燥後の樹脂固形分が0.5~30g/m
2
となるようにポリビニルアルコール系樹脂からなるガスバリア層が塗布法で形成されることを特徴とするガスバリア性紙製材料が提案されている。
【0003】
また紙製容器が有する優れた環境特性を損なうことのない材料として天然資源由来材料であるセルロースナノファイバーを含有するコーティング層を形成することも提案されている。
例えば下記特許文献2には、基紙と、前記基紙の少なくとも一方の面に目止め層を備え、前記目止め層が、少なくとも顔料、ラテックス、数平均繊維長が20nm以上250nm以下であるセルロースナノファイバーを含有することを特徴とする剥離紙用原紙が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第5869829号公報
特開2020-139238号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1においては、目止め層によりポリビニルアルコール系樹脂の紙への浸透が防止されているとしても、多孔質性基材である紙製部材に形成された目止め層には、ピンホールやクラックが生じている場合があり、このような目止め層上にガスバリア層が直接形成されていることから、目止め層とガスバリア層の界面剥離強度が低く、層間密着性に劣るという問題がある。またポリビニルアルコール系樹脂によりガスバリア層が形成されていることから、得られるガスバリア性は充分満足するものではなく、より高いガスバリア性を発現可能な積層体が要求されている。
【0006】
上記特許文献2は、目止め層に、ラテックスと共にセルロースナノファイバーを配合することにより目止め性を向上させ、均一な剥離剤層を形成することを目的としたものであることから、この積層構造は、包装容器などの高いガスバリア性を要求される用途へ使用するには不充分である。また目止め剤は顔料、ラテックス及びセルロースナノファイバーを含有することから高粘度であり、このような目止め剤を多量に塗布する必要があることから乾燥に時間がかかり、目止め層形成にコストがかかるおそれがある。更に目止め層と基材の界面剥離強度が低く、包装容器などへの成形負荷に耐えることは困難である。
【0007】
従って本発明の目的は、多孔質性基材に形成される目止め層及びガスバリア層が欠陥なく形成され、優れたガスバリア性及び層間密着性を発現可能な積層体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、多孔質性基材上に、目止め層、アンカー層及び酸素バリア層をこの順で備えている積層体であって、前記目止め層が、少なくともアニオン性ラテックス及びナノセルロースを含有し、前記アンカー層が、少なくとも多価カチオン樹脂を含有し、前記酸素バリア層が、少なくともナノセルロースを含有することを特徴とする積層体が提供される。
【0009】
本発明の積層体においては、
(1)前記多孔質性基材が、紙製基材であること、
(2)前記ナノセルロースが、セルロースナノクリスタルであること、
(3)前記酸素バリア層が、セルロースナノクリスタル及び多価カチオン樹脂の混合層であること、
(4)前記多孔質性基材と前記目止め層との界面における界面剥離強度が、1N/15mm以上であること、
(5)前記目止め層及び前記酸素バリア層におけるナノセルロースの量がそれぞれ固形量として1.0g/m
2
であるときの23℃50RH%における酸素透過度が、5cc/m
2
・day・atm未満であること、
(6)前記セルロースナノクリスタルが、アニオン性官能基として少なくとも硫酸基及び/又はスルホ基を含有し、前記アニオン性官能基の総量が0.1mmol/gより多く且つ4.0mmol/g以下であること、
(7)前記多価カチオン樹脂が、ポリエチレンイミンであること、
(8)積層体から紙容器が成形されること、
が好適である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の積層体においては、表面平滑性に劣る多孔質性基材上に形成する目止め層に、アニオン性ラテックス及びナノセルロースが含有されていることにより、ナノセルロースによるフィラー効果が付与され、クラックやピンホール等の欠陥のない目止め層を形成することができ、更に多孔質性基材と目止め層との層間密着性に優れる。また目止め層上にアンカー層を介して酸素バリア層が形成されていることにより、目止め層と酸素バリア層との層間密着性を向上することが可能となり、容器などへ成形する際に積層体に成形負荷がかかっても、層間剥離を生じることが有効に防止されていると共に、酸素バリア層にもクラック等の欠陥を生じることがなく、優れたガスバリア性(特に酸素バリア性)を発現することが可能となる。
(【0011】以降は省略されています)
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