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公開番号2025060406
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-10
出願番号2024121121
出願日2024-07-26
発明の名称研磨用組成物および磁気ディスク基板の製造方法
出願人株式会社フジミインコーポレーテッド
代理人個人,個人,個人
主分類G11B 5/84 20060101AFI20250403BHJP(情報記憶)
要約【課題】Ni-P基板の研磨に用いられ、シリカ粒子を含む組成において研磨抵抗の低減と加工性の向上とを両立し得る研磨用組成物を提供する。
【解決手段】ニッケルリンめっき層を有する磁気ディスク基板の研磨に用いられる研磨用組成物が提供される。この研磨用組成物は、シリカ粒子と、酸と、酸化剤と、水溶性高分子(A)と、水とを含む。上記シリカ粒子の平均シラノール基密度は2.0個/nm2以下である。また、上記水溶性高分子(A)は、以下の特性:リン酸によりpH1.6に調整された水溶性高分子0.4重量%含有水溶液にニッケル板を浸漬処理し、該浸漬処理後のニッケル板表面にpH1.6のリン酸水溶液を滴下したときの該リン酸水溶液の接触角が26°以上90°以下である;を満足する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ニッケルリンめっき層を有する磁気ディスク基板の研磨に用いられる研磨用組成物であって、
シリカ粒子と、酸と、酸化剤と、水溶性高分子(A)と、水とを含み、
前記シリカ粒子の平均シラノール基密度は2.0個/nm

以下であり、
前記水溶性高分子(A)は、以下の特性:
リン酸によりpH1.6に調整された水溶性高分子0.4重量%含有水溶液にニッケル板を浸漬処理し、該浸漬処理後のニッケル板表面にpH1.6のリン酸水溶液を滴下したときの該リン酸水溶液の接触角が26°以上90°以下である;
を満足する、研磨用組成物。
続きを表示(約 640 文字)【請求項2】
前記水溶性高分子(A)は、ビニル系モノマーの共重合体である、請求項1に記載の研磨用組成物。
【請求項3】
前記ビニル系モノマーは、カルボン酸基含有モノマー、スルホン酸基含有モノマーおよびアミド基含有モノマーから選択される少なくとも1種を含む、請求項2に記載の研磨用組成物。
【請求項4】
前記ビニル系モノマーは、アミド基含有モノマーおよび芳香族ビニルモノマーから選択される少なくとも1種を含む、請求項2または3に記載の研磨用組成物。
【請求項5】
前記水溶性高分子(A)の重量平均分子量は、8,000以上50,000以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載の研磨用組成物。
【請求項6】
前記シリカ粒子は、透過型電子顕微鏡観察に基づく平均アスペクト比が1.0以上1.3以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載の研磨用組成物。
【請求項7】
前記酸はリン酸を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の研磨用組成物。
【請求項8】
pHが1~4の範囲内である、請求項1~3のいずれか一項に記載の研磨用組成物。
【請求項9】
仕上げ研磨工程で用いられる、請求項1~3のいずれか一項に記載の研磨用組成物。
【請求項10】
請求項1~3のいずれか一項に記載の研磨用組成物を用いて研磨対象基板を研磨する工程を含む、磁気ディスク基板の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、研磨用組成物および磁気ディスク基板の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
従来、高精度な表面が要求される基板の製造プロセスには、研磨液を用いて該基板の原材料である研磨対象基板を研磨する工程が含まれる。例えば、ニッケルリンめっきが施された磁気ディスク基板(以下、Ni-P基板ともいう。)の製造においては、一般に、より研磨効率を重視した研磨(一次研磨)と、最終製品の表面精度に仕上げるために行う最終研磨(仕上げ研磨)とが行われている。Ni-P基板を研磨する用途で使用される研磨用組成物に関する技術文献として、特許文献1が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2022-155732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
Ni-P基板の研磨は、通常、キャリアに保持された状態の研磨対象物(Ni-P基板)に研磨パッドを押し付けて、研磨対象物と研磨パッドとの間に研磨液を供給し、研磨対象物と研磨パッドとを研磨対象物の面方向に沿って相対的に移動(例えば回転移動)させることによって行われる。キャリアは、研磨中、研磨対象物である基板の側面(端面)を保持する。特に限定されるものではないが、キャリアは、通常、ホールと称される保持孔を有する研磨対象物よりも薄厚に構成された部材であり、上記保持孔内に研磨対象物は配置される。上記キャリアは、研磨中、研磨対象物が研磨パッドから受ける作用に対する反作用力(当該研磨対象物が面方向に移動しようとする力)を、保持孔の側面で受けている。
【0005】
ところで、近年、Ni-P基板の薄板化にともない、キャリアの薄板化が進んでいる。キャリアが薄板化すると、その剛性が低下し、作用する力に対して変形しやすくなる。キャリアが変形すると、例えば変形したキャリアの一部が研磨パッドに突き刺さるなど研磨パッドに作用し、例えば研磨パッドに傷を発生させる原因となり得る。このような研磨パッド傷は、研磨対象物の表面品質に影響するため、研磨パッドの交換等が必要となり、望ましくない。
【0006】
上記キャリアにかかる反作用力は、研磨パッドと研磨対象物との間にかかる研磨抵抗(摩擦力)が大きくなると、それに比例して大きくなる。例えば、高い表面精度が要求される仕上げ研磨などにおいては、砥粒として用いられるシリカ粒子の微細化によって研磨パッドと基板が密着し易くなることで、研磨パッド-研磨対象物間の摩擦力が大きくなりがちであり、キャリアにかかる負荷も大きくなる傾向がある。かかる研磨において、研磨中に研磨対象物と研磨パッドとの間にかかる研磨抵抗を低減できれば、キャリアにかかる負荷が緩和され、キャリアの変形を防止または抑制することができ、パッド傷発生を防止できる。
【0007】
また、Ni-P基板の研磨では、一次研磨だけでなく仕上げ研磨においても加工力の向上が求められており、十分な加工力を有しつつ、上記研磨抵抗を低減することが望ましい。例えば、仕上げ研磨では、高い表面精度を得るため、砥粒としてコロイダルシリカ等のシリカ粒子が用いられるが、シリカ粒子を用いた研磨では、加工力を得にくい傾向にあるため、加工性の向上と研磨抵抗の低減が両立することができれば特に有意義である。
【0008】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、Ni-P基板の研磨に用いられ、シリカ粒子を含む組成において研磨抵抗の低減と加工性の向上とを両立し得る研磨用組成物を提供することを目的とする。関連する他の目的は、そのような研磨用組成物を用いて磁気ディスク基板を製造する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本明細書によると、ニッケルリンめっき層を有する磁気ディスク基板の研磨に用いられる研磨用組成物が提供される。この研磨用組成物は、シリカ粒子と、酸と、酸化剤と、水溶性高分子(A)と、水とを含む。上記シリカ粒子の平均シラノール基密度は2.0個/nm

以下である。また、上記水溶性高分子(A)は、以下の特性:リン酸によりpH1.6に調整された水溶性高分子0.4重量%含有水溶液にニッケル板を浸漬処理し、該浸漬処理後のニッケル板表面にpH1.6のリン酸水溶液を滴下したときの該リン酸水溶液の接触角が26°以上90°以下である;を満足する。平均シラノール基密度が2.0個/nm

以下のシリカ粒子を用いることにより、Ni-P基板の研磨において加工性を向上させることができる。また、上記特性(対ニッケル板接触角特性)を満足する水溶性高分子(A)によると、研磨時にNi-P基板表面に現れるニッケル金属面に作用し、該表面の状態を制御することで、研磨抵抗を低減しつつ、シリカ粒子による加工性を向上させることができる。すなわち、上記の研磨用組成物によると、シリカ粒子を用いるNi-P基板の研磨において、研磨抵抗の低減と加工性の向上とを両立することができる。
【0010】
いくつかの態様において、上記水溶性高分子(A)として、ビニル系モノマーの共重合体が用いられる。ビニル系モノマーの共重合体のなかから上記特性を満足するものを選定して使用することにより、研磨抵抗の低減と加工性の向上との両立を好ましく達成することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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