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公開番号
2025069480
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-01
出願番号
2022050709
出願日
2022-03-25
発明の名称
ジンジパインに対して親和性及び/又は阻害能を有するペプチド及びその使用
出願人
メスキュージェナシス株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
C07K
7/08 20060101AFI20250423BHJP(有機化学)
要約
【課題】ジンジパイン特異的に親和性及び/又は阻害能を有する新規化合物を提供すること。
【解決手段】本発明によれば、下記アミノ酸配列(I)又は(II)を含み、総アミノ酸残基数が4~15であるペプチド[アミノ酸配列(I):RX
1
X
2
RX
3
(アミノ酸配列(I)中、X
1
、X
2
、及びX
3
はそれぞれ独立して、任意の天然アミノ酸残基を表す)]、[アミノ酸配列(II):RX
4
R(アミノ酸配列(II)中、X
4
は、任意の天然アミノ酸残基を表す)];CRSVKWHHRVFGSC(配列番号:11)のアミノ酸配列からなるペプチド;及びITHTSRHC(配列番号:12)のアミノ酸配列からなるペプチド;から選択され、下記(a)~(c)の1つ以上を満たす、(a)アルギニン-ジンジパインに対する解離定数(K
D
)が1.0×10
-7
M以下である、(b)100μMでアルギニン-ジンジパインの酵素活性を50%以上阻害する、(c)500μMでリジン-ジンジパインの酵素活性を50%以上阻害する、ペプチド若しくはその誘導体又はこれらの塩が提供される。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記アミノ酸配列(I)又は(II)を含み、総アミノ酸残基数が4~15であるペプチド
[アミノ酸配列(I):RX
1
X
2
RX
3
(アミノ酸配列(I)中、X
1
、X
2
、及びX
3
はそれぞれ独立して、任意の天然アミノ酸残基を表す)]、
[アミノ酸配列(II):RX
4
R
(アミノ酸配列(II)中、X
4
は、任意の天然アミノ酸残基を表す)];
CRSVKWHHRVFGSC(配列番号:11)のアミノ酸配列からなるペプチド;及び
ITHTSRHC(配列番号:12)のアミノ酸配列からなるペプチド;から選択され、
下記(a)~(c)の1つ以上を満たす、
(a)アルギニン-ジンジパインに対する解離定数(K
D
)が1.0×10
-7
M以下である、
(b)100μMでアルギニン-ジンジパインの酵素活性を50%以上阻害する、
(c)500μMでリジン-ジンジパインの酵素活性を50%以上阻害する、
ペプチド若しくはその誘導体又はこれらの塩。
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
前記アミノ酸配列(I)中、
X
1
が、A、R、V、及びEからなる群より選択され、
X
2
が、A、F、及びKからなる群より選択され、
X
3
が、R及びFからなる群より選択される、
請求項1に記載のペプチド若しくはその誘導体又はこれらの塩。
【請求項3】
前記アミノ酸配列(I)中、
X
1
が、R及びEからなる群より選択され、
X
2
が、A及びKからなる群より選択され、
X
3
が、Rである、
請求項1に記載のペプチド若しくはその誘導体又はこれらの塩。
【請求項4】
前記アミノ酸配列(I)中、
X
1
がRであり、X
2
がKであり、X
3
がRであるか、
X
1
がRであり、X
2
がAであり、X
3
がRであるか、
X
1
がEであり、X
2
がKであり、X
3
がRである、
請求項1に記載のペプチド若しくはその誘導体又はこれらの塩。
【請求項5】
前記アミノ酸配列(II)中、X
4
が、A、P、及びKからなる群より選択される、
請求項1に記載のペプチド若しくはその誘導体又はこれらの塩。
【請求項6】
前記アミノ酸配列(II)中、X
4
が、Pである、
請求項1に記載のペプチド若しくはその誘導体又はこれらの塩。
【請求項7】
100μMでパパインの酵素活性を5%を超えて阻害しない、請求項1から6のいずれか一項に記載のペプチド若しくはその誘導体又はこれらの塩。
【請求項8】
前記アミノ酸配列(I)又は(II)を含むペプチドが、配列番号:1~10で表されるペプチドである、請求項1から7のいずれか一項に記載のペプチド若しくはその誘導体又はこれらの塩。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載のペプチド若しくはその誘導体又はこれらの塩を含む、ジンジパイン阻害剤。
【請求項10】
請求項1から8のいずれか一項に記載のペプチド若しくはその誘導体又はこれらの塩を含む、ジンジバリス菌増殖抑制剤。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジンジパインに対して親和性及び/又は阻害能を有するペプチド及びその使用に関する。より具体的には、本発明は、ジンジパインに対して親和性及び/又は阻害能を有するペプチド並びに当該ペプチドを用いたジンジパイン阻害剤、ジンジバリス菌増殖抑制剤、口腔用組成物、及びジンジパインの検出方法に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)
【背景技術】
【0002】
Porphyromonas gingivalis(ジンジバリス菌)は、歯周病の発症及び進行において重要視されている歯周病源菌であり、ジンジバリス菌が産生するプロテアーゼの1種であるジンジパインは、歯周病の重要因子として認識されている。
【0003】
ジンジパインには、ペプチド切断部位特異性の異なる2種類のジンジパイン、具体的には、アルギニン残基のC末端側を切断するアルギニン-ジンジパイン(Rgp)と、リジン残基のC末端側を切断するリジン-ジンジパイン(Kgp)とが存在する。これらは、相互に作用しながら直接又は間接的に歯周組織を破壊する。また、ジンジパインの作用は、歯周病の進行と難治化につながるだけでなく、最近では糖尿病、動脈硬化、がん、認知症を始めとする種々の疾患の発症因子になり得るとみなされている。
【0004】
そのため、ジンジパイン阻害剤は、歯周病のみならず、ジンジパインが関与する種々の疾患の治療又は予防においても有効な手段になると期待され、その開発が進められている(特許文献1~5)。また、ジンジパインに高い親和性で結合する化合物は、ジンジパインをマーカーとする歯周病診断技術等への応用が期待される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2021-31399号公報
特開2017-531692号公報
特開2018-534300号公報
特開2008-150325号公報
WO2003/042237
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、ジンジパイン特異的に親和性及び/又は阻害能を有する新規物質を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、下記アミノ酸配列(I)又は(II)を含み、総アミノ酸残基数が4~15であるペプチド[アミノ酸配列(I):RX
1
X
2
RX
3
(アミノ酸配列(I)中、X
1
、X
2
、及びX
3
はそれぞれ独立して、任意の天然アミノ酸残基を表す)]、[アミノ酸配列(II):RX
4
R(アミノ酸配列(II)中、X
4
は、任意の天然アミノ酸残基を表す)];CRSVKWHHRVFGSC(配列番号:11)のアミノ酸配列からなるペプチド;及びITHTSRHC(配列番号:12)のアミノ酸配列からなるペプチド;から選択され、下記(a)~(c)の1つ以上を満たす、(a)アルギニン-ジンジパインに対する解離定数(K
D
)が1.0×10
-7
M以下である、(b)100μMでアルギニン-ジンジパインの酵素活性を50%以上阻害する、(c)500μMでリジン-ジンジパインの酵素活性を50%以上阻害する、ペプチド若しくはその誘導体又はこれらの塩が提供される。
1つの実施形態において、上記アミノ酸配列(I)中、X
1
が、A、R、V、及びEからなる群より選択され、X
2
が、A、F、及びKからなる群より選択され、X
3
が、R及びFからなる群より選択される。
1つの実施形態において、上記アミノ酸配列(I)中、X
1
が、R及びEからなる群より選択され、X
2
が、A及びKからなる群より選択され、X
3
が、Rである。
1つの実施形態において、上記アミノ酸配列(I)中、X
1
がRであり、X
2
がKであり、X
3
がRであるか、X
1
がRであり、X
2
がAであり、X
3
がRであるか、X
1
がEであり、X
2
がKであり、X
3
がRである。
1つの実施形態において、上記アミノ酸配列(II)中、X
4
が、A、P、及びKからなる群より選択される。
1つの実施形態において、上記アミノ酸配列(II)中、X
4
が、Pである。
1つの実施形態において、ペプチド若しくはその誘導体又はこれらの塩は、100μMでパパインの酵素活性を5%を超えて阻害しない。
1つの実施形態において、上記アミノ酸配列(I)又は(II)を含むペプチドが、配列番号:1~10で表されるペプチドである。
本発明の別の局面によれば、上記ペプチド若しくはその誘導体又はこれらの塩を含む、ジンジパイン阻害剤が提供される。
本発明の別の局面によれば、上記ペプチド若しくはその誘導体又はこれらの塩を含む、ジンジバリス菌増殖抑制剤が提供される。
本発明の別の局面によれば、上記ペプチド若しくはその誘導体又はこれらの塩を含む、口腔用組成物が提供される。
本発明の別の局面によれば、上記ペプチド若しくはその誘導体又はこれらの塩を用いてジンジパインを免疫学的測定法により検出することを含む、ジンジパインの検出方法が提供される。
1つの実施形態において、上記免疫学的測定法が、上記ペプチドから選択されるアミノ酸配列が異なる2種類のペプチド若しくはその誘導体又はこれらの塩を用いたサンドイッチ式免疫測定法である。
1つの実施形態において、上記サンドイッチ式免疫測定法が、ELISA法又はイムノクロマトグラフィー測定法である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施形態によれば、ジンジパインに対して親和性及び/又は阻害能を有する新規ペプチドが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
ジンジパイン結合ペプチドのセレクションプロセスを示す図である。
ペプチド「R3-1」のアラニン置換ペプチドを示す図である。
QCMを用いた競合実験を説明する概略図である。
アラニン置換ペプチドの親和性変化を示すグラフである。
ペプチド「R3-1」の特異性評価結果を示す図である。
ペプチド「K7294」」及び「R5-7」の特異性評価結果を示す図である。
ジンジバリス菌の増殖抑制能の評価効果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の好ましい実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。なお、本明細書中で、数値範囲を表す「~」は、その上限及び下限の数値を含む。
(【0011】以降は省略されています)
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