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公開番号
2025030529
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-07
出願番号
2023135895
出願日
2023-08-23
発明の名称
重水素化化合物の製造方法
出願人
国立大学法人九州大学
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C07C
231/12 20060101AFI20250228BHJP(有機化学)
要約
【課題】温和な条件で、直接的かつ効率的に、種々のアミド又はエステルの重水素化化合物を製造する方法を提供する。
【解決手段】金属トリフラート及び金属トリフリルイミドから選ばれるルイス酸、並びに塩基の存在下、アミド又はエステルに、重水素源を反応させて、アミド又はエステルのα水素を重水素化する重水素化化合物の製造方法である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
金属トリフラート及び金属トリフリルイミドから選ばれるルイス酸、並びに塩基の存在下、
アミド又はエステルに、重水素源を反応させて、前記アミド又はエステルのα水素を重水素化することを特徴とする、重水素化化合物の製造方法。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
前記アミドが、下記式(1)で示される化合物であることを特徴とする、請求項1記載の重水素化化合物の製造方法。
JPEG
2025030529000065.jpg
17
42
(式中、R
1
~R
5
は、それぞれ水素原子又は有機基を表し、R
1
~R
3
の少なくとも1つは水素原子であり、R
1
~R
5
は互いに連結して環を形成してもよい。)
【請求項3】
前記エステルが、下記式(2)で示される化合物であることを特徴とする、請求項1記載の重水素化化合物の製造方法。
JPEG
2025030529000066.jpg
16
42
(式中、Xは酸素原子又は硫黄原子を表し、R
6
~R
9
は、それぞれ水素原子又は有機基を表し、R
6
~R
8
の少なくとも1つは水素原子であり、R
6
~R
9
は互いに連結して環を形成してもよい。)
【請求項4】
前記金属トリフラートが、シリルトリフラート、スカンジウム(III)トリフラート、及びハフニウム(IV)トリフラートから選ばれる化合物であることを特徴とする、請求項1記載の重水素化化合物の製造方法。
【請求項5】
前記金属トリフラートが、トリアルキルシリルトリフラートであることを特徴とする、請求項1記載の重水素化化合物の製造方法。
【請求項6】
前記トリアルキルシリルトリフラートが、トリメチルシリルトリフラート、トリエチルシリルトリフラート、トリイソプロピルシリルトリフラート、及びtert-ブチルジメチルシリルトリフラートから選ばれる少なくとも1種のトリアルキルシリルトリフラートであることを特徴とする、請求項5記載の重水素化化合物の製造方法。
【請求項7】
前記金属トリフリルイミドが、シリルトリフリルイミドであることを特徴とする、請求項1記載の重水素化化合物の製造方法。
【請求項8】
前記塩基が、第3級アミンであることを特徴とする、請求項1記載の重水素化化合物の製造方法。
【請求項9】
前記第3級アミンが、1-メチルピペリジン、トリエチルアミン、キヌクリジン、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、ジアザビシクロウンデセン、及び7-メチル-1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エンから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、請求項8記載の重水素化化合物の製造方法。
【請求項10】
前記重水素源が、アセトニトリル-d3、アセトン-d6、及びクロロホルム-dから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1記載の重水素化化合物の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、アミド又はエステルのα水素を重水素化して、重水素化化合物を製造する方法に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
医薬品への重水素の導入により、代謝安定性の向上などによる体内動態の改善が図られることが明らかにされている。2017年には、デューテトナベナジンが世界初の含重水素医薬品としてFDAに承認され、2022年9月26日には、国内で重水素化医薬品として初めて、デュークラバシチニブが乾癬治療薬として承認された。
このような背景から、重水素置換は創薬研究において近年注目を集めている。
【0003】
また、重水素標識された化合物は、NMRやMS、D-MRI、ラマン分散イメージングによる解析が可能であり、薬物動態のモニタリングや代謝物の解明などのツールとして利用されている。さらに、有機合成化学においても重水素は保護基の安定性向上や反応機構解析に利用されている。このように、重水素置換化合物のケミカルスペース拡張は、創薬研究や有機合成化学をはじめとした諸分野でのイノベーションの礎となりうるものであり、その需要は年々高まっている(特許文献1参照)。
【0004】
一方、アミドは、合成素子として重要な地位を占めており、近年は電子求引基を有するアミドやアゼチジンアミドなどの歪んだアミドの変換も報告されており、多様な構造へと分子変換が可能である。そのため、重水素化アミドの簡便な合成方法の開発により、様々な重水素置換分子の合成が可能となることが期待されている。これまでにもアミドやエステルの重水素化に関する研究が報告されている(非特許文献1~3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2010-195755号公報
【非特許文献】
【0006】
Deslongchamps, P.; Barlet, R.; Taillefer, R. J. Hydrolysis and Carbonyl-Oxygen Exchange in Tertiary Amides. Estimation of the Free Energy Changes for Breakdown and Conformational Changes of Tetrahedral Intermediates. Can. J. Chem. 1980, 58, 2167.
Galka, P. W.; Ambrose, S. J.; Ross, A. R. S.; Abrams, S. R. Syntheses of deuterated jasmonates for mass spectrometry and metabolism studies. J. Label Compd. Radiopharm. 2005, 48, 797.
Porte, V.; Zhang, H.; Kaiser, D.; Maulide, N. Harnessing ynamide activation to access deuterated carbonyls. Tetrahedron. 2021, 90, 18, 132211.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の手法でアミド等に重水素を導入するためには、高い反応温度で強塩基を用いるといった過酷な条件が必要であることなどの問題があり、効率的なものとはいえなかった。
【0008】
本発明の課題は、温和な条件で、直接的かつ効率的に、種々のアミド又はエステルの重水素化化合物を製造(合成)する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、従来のアミド又はエステルの重水素化化合物の製法における様々な制限を排除して、温和な条件で直接的かつ効率的に、種々のアミドやエステルの重水素化化合物を合成することを可能とすべく、鋭意研究した結果、金属トリフラート及び金属トリフリルイミドから選ばれるルイス酸、並びに塩基の存在下、アミド又はエステルに、重水素源を反応させて、アミド又はエステルのα水素を重水素化することにより、これを実現できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、以下の通りである。
[1]金属トリフラート及び金属トリフリルイミドから選ばれるルイス酸、並びに塩基の存在下、
アミド又はエステルに、重水素源を反応させて、前記アミド又はエステルのα水素を重水素化することを特徴とする、重水素化化合物の製造方法。
[2]前記アミドが、下記式(1)で示される化合物であることを特徴とする、上記[1]記載の重水素化化合物の製造方法。
JPEG
2025030529000001.jpg
17
42
(式中、R
1
~R
5
は、それぞれ水素原子又は有機基を表し、R
1
~R
3
の少なくとも1つは水素原子であり、R
1
~R
5
は互いに連結して環を形成してもよい。)
[3]前記エステルが、下記式(2)で示される化合物であることを特徴とする、上記[1]又は[2]記載の重水素化化合物の製造方法。
JPEG
2025030529000002.jpg
16
42
(式中、R
6
~R
9
は、Xは酸素原子又は硫黄原子を表し、それぞれ水素原子又は有機基を表し、R
6
~R
8
の少なくとも1つは水素原子であり、R
6
~R
9
は互いに連結して環を形成してもよい。)
(【0011】以降は省略されています)
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