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公開番号2025071869
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-09
出願番号2023182272
出願日2023-10-24
発明の名称ハイブリッド車両の制御装置
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人個人,個人
主分類B60W 20/15 20160101AFI20250430BHJP(車両一般)
要約【課題】オイルの希釈を回避もしくは抑制するための昇温を外部から認知しにくい状態で実施する。
【解決手段】コントローラ13は、オイルの希釈の程度が予め定めた希釈度を超えてオイルが希釈されていることを判定する希釈判定部13aと、オイルの温度が予め定めた所定温度以下であることを判定する温度判定部13bと、ハイブリッド車両がEV走行していることを判定する走行判定部13cと、ハイブリッド車両が減速中であることを判定する減速判定部13dと、オイルの希釈の程度が予め定めた希釈度を超えていること、オイルの温度が予め定めた所定温度以下であること、EV走行中であること、減速中であることがそれぞれ判定された場合に、モータリングを行うべきことを判定するモータリング判定部13eとを備えている。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
オイルによって潤滑される内燃機関と、前記内燃機関を回転させる第1の電動機と、前記内燃機関に替わって走行のための駆動力を出力する第2の電動機と、前記第1の電動機と前記第2の電動機とに電力を供給する蓄電装置とを備え、前記内燃機関を停止して前記第2の電動機によって走行するEV走行が可能なハイブリッド車両の制御装置であって、
前記内燃機関を燃料を供給することなく前記第1の電動機で回転させて昇温するモータリングを制御するコントローラを有し、
前記コントローラは、
前記オイルの希釈の程度が予め定めた希釈度を超えて前記オイルが希釈されていることを判定する希釈判定部と、
前記オイルの温度が予め定めた所定温度以下であることを判定する温度判定部と、
前記ハイブリッド車両が前記EV走行していることを判定する走行判定部と、
前記ハイブリッド車両が減速中であることを判定する減速判定部と、
前記オイルの希釈の程度が予め定めた希釈度を超えていることが前記希釈判定部によって判定され、前記オイルの温度が予め定めた所定温度以下であることが前記温度判定部によって判定され、EV走行中であることが前記走行判定部によって判定され、かつ減速中であることが前記減速判定部で判定された場合に、前記モータリングを行うべきことを判定するモータリング判定部と
を備えている
ことを特徴とするハイブリッド車両の制御装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関と電動機(モータあるいはモータ・ジェネレータ)とを駆動力源として備えたハイブリッド車両における制御装置に関し、特に内燃機関の加熱もしくは昇温を制御する装置に関するものである。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
内燃機関(以下、エンジンと記す。)は、燃料と空気との混合気を燃焼させてピストンなどの可動部を介して動力を外部に出力する装置であり、したがって可動部とシリンダなどの収容部との間の潤滑が必須である。多気筒エンジンでは、シリンダ(より具体的にはシリンダライナ)の内周面に潤滑油(オイル)による油膜を形成して潤滑を行っている。一方、燃焼室に吸入される混合気は不可避的に水分を含んでおり、また燃料であるガソリンは揮発性が高いものの低温であれば、凝縮する。そのため、エンジン温度(具体的にはエンジン水温)が低い状態では、水分やガソリンが凝縮して燃焼室の内面に付着し、これがオイルに混入することがある。このようにしてオイルが希釈されることは従来、知られており、凝縮水によるオイルの希釈を防止もしくは抑制するために、特許文献1に記載された装置では、ハイブリッド車両において、オイル中の希釈水分量が所定の閾値を超えた場合に、エンジンを運転することとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2017-013728号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ハイブリッド車両は、発進性能や加速性能などの車両に要求される基本的な性能を損なうこと無くエネルギ効率を向上させ、併せて温室効果ガスを可及的に削減するなどのために、エンジンと併せてモータを動力源として備えた車両である。したがって、ハイブリッド車両は、モータを駆動力源としたいわゆるモータ走行(EV走行)を可及的に長い間行うことが好ましく、最近では、外部電源によって充電可能な蓄電池を搭載してEV走行可能な距離を長くしたプラグインハイブリッド車両(PHEV)が増えている。このようにハイブリッド車両は、エンジンを停止して走行する機会が多く(時間が長く)、エンジンの温度が低下しやすい。エンジンの温度が低い状態でエンジンを運転すると、上述したように水分やガソリンなどの凝縮によってオイルの希釈が進行する。特許文献1に記載された装置では、このようにして希釈されるオイル中の水分量に基づいてエンジンを起動することとしているが、エンジンの温度はEV走行中に低下しやすいから、オイルの希釈に起因するエンジンの起動がEV走行中に生じることがあり、特にEV走行可能距離が長いプラグインハイブリッド車両ではその可能性が高くなる。このような場合、搭乗者はEV走行中であるにも拘わらず、エンジンの運転音を聴取することになり、違和感を抱く可能性が高い。また、ハイブリッド車両であるのにも拘わらずエンジンを運転する頻度が高い印象を搭乗者に与えてしまうなど、当該ハイブリッド車両の商品性が損なわれる可能性がある。
【0005】
本発明は上記の事情を背景としてなされたものであって、オイルの希釈を回避もしくは抑制するための昇温を外部から認知しにくい状態で実施することの可能なハイブリッド車両の制御装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明は、オイルによって潤滑される内燃機関と、前記内燃機関を回転させる第1の電動機と、前記内燃機関に替わって走行のための駆動力を出力する第2の電動機と、前記第1の電動機と前記第2の電動機とに電力を供給する蓄電装置とを備え、前記内燃機関を停止して前記第2の電動機によって走行するEV走行が可能なハイブリッド車両の制御装置であって、前記内燃機関を燃料を供給することなく前記第1の電動機で回転させて昇温するモータリングを制御するコントローラを有し、前記コントローラは、前記オイルの希釈の程度が予め定めた希釈度を超えて前記オイルが希釈されていることを判定する希釈判定部と、前記オイルの温度が予め定めた所定温度以下であることを判定する温度判定部と、前記ハイブリッド車両が前記EV走行していることを判定する走行判定部と、前記ハイブリッド車両が減速中であることを判定する減速判定部と、前記オイルの希釈の程度が予め定めた希釈度を超えていることが前記希釈判定部によって判定され、前記オイルの温度が予め定めた所定温度以下であることが前記温度判定部によって判定され、EV走行中であることが前記走行判定部によって判定され、かつ減速中であることが前記減速判定部で判定された場合に、前記モータリングを行うべきことを判定するモータリング判定部とを備えていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、オイルの稀釈の防止もしくは低減のために実施するモータリングによる音が、ハイブリッド車両の減速中のロードノイズなどに混ざって、外部から特には聴取しにくくなる。すなわち、モータリングが違和感に要因となることが回避もしくは抑制され、したがってモータリングがハイブリッド車両の商品性に影響することを回避もしくは低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の実施形態におけるハイブリッド車両のパワートレーンを説明するための模式図である。
ハイブリッド走行時の動作状態を説明するための、動力分割機構(遊星歯車機構)についての共線図である。
EV走行時の動作状態を説明するための、動力分割機構(遊星歯車機構)についての共線図である。
本発明の実施形態におけるコントローラの機能的構成を説明するためのブロック図である。
本発明の実施形態で実行される制御の一例を説明するためのフローチャートである。
減速時にモータリングを行った場合の、動力分割機構(遊星歯車機構)についての共線図である。
EV走行中にモータリングを行った場合の、動力分割機構(遊星歯車機構)についての共線図であって、(a)は第1モータを発電機として機能させている例を示し、(b)は第1モータをモータとして機能させている例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
つぎに、本発明を添付の図面に示す実施形態を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は本発明を実施するとした場合の一例に過ぎないのであって、本発明を限定するものではない。
【0010】
先ず、本発明で対象とするハイブリッド車両を説明すると、図1は本発明で対象とするハイブリッド車両1の一例を模式的に示しており、ここに示すハイブリッド車両1は、いわゆるツーモータタイプのパワートレーン2を備えている。駆動力源としての内燃機関(ENG。以下、エンジンと記す。)3の出力側に動力分割機構4が配置され、エンジン3の出力軸(クランクシャフト)が動力分割機構4の入力部材に連結されている。エンジン3は、例えば従来知られているガソリンを燃料とした多気筒エンジンであって、燃料の供給量(噴射量)や吸入空気量を電気的に制御するように構成されている。またオイル(図示せず)によって潤滑を行うように構成され、エンジン3の出力軸に連結されたオイルポンプOPによってオイルを循環させつつシリンダなどにオイルを供給するように構成されている。言い換えれば、エンジン3が停止している状態ではオイルの循環や供給をも停止するようになっている。
(【0011】以降は省略されています)

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