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公開番号
2025075712
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-15
出願番号
2023187082
出願日
2023-10-31
発明の名称
プロバイオティクス又はプレバイオティクスのスクリーニング方法及びそれに用いるスクリーニング用培地
出願人
株式会社テクノスルガ・ラボ
,
静岡県公立大学法人
代理人
個人
,
個人
主分類
C12Q
1/06 20060101AFI20250508BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】個々人の腸内に存在する有用な腸内細菌について、その有用な腸内細菌の増殖を促進させるプロバイオティクス及びプレバイオティクスを簡便且つ安全なin vitro試験でスクリーニングする方法を提供する。
【解決手段】本発明のスクリーニング方法は、被験者又は被験動物の腸内に存在する有用な腸内細菌の増殖を促進させるプロバイオティクス又はプレバイオティクスをスクリーニングする方法であって、被験者又は被験動物から採取された糞便試料と、候補プロバイオティクス又は候補プレバイオティクスとを、液体培地に添加して嫌気培養する工程、及び嫌気培養後の液体培地中の有用な腸内細菌の増殖状態を評価する工程を含み、嫌気培養に使用される液体培地は、液体培地の構成成分の濃度が、有用な腸内細菌の培養で通常使用される濃度の1/3~1/6となるように調製された培地である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
被験者又は被験動物の腸内に存在する有用な腸内細菌の増殖を促進させるプロバイオティクス又はプレバイオティクスをスクリーニングする方法であって、
被験者又は被験動物から採取された糞便試料と、候補プロバイオティクス又は候補プレバイオティクスとを、液体培地に添加して嫌気培養する工程、及び
嫌気培養後の液体培地中の前記有用な腸内細菌の増殖状態を評価する工程を含み、
嫌気培養に使用される前記液体培地は、該液体培地の構成成分の濃度が、前記有用な腸内細菌の培養で通常使用される濃度の1/3~1/6となるように調製された培地であることを特徴とする、スクリーニング方法。
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【請求項2】
前記液体培地は、強化クロストリジア(RCM)培地、GAMブイヨン培地、変法GAM(mGAM)ブイヨン培地、ブライアント・バーキー(BB)培地、TOSプロピオン酸培地及びこれらの混合培地からなる群より選択された培地であり、前記液体培地の構成成分の濃度が、前記有用な腸内細菌の培養で通常使用される濃度の1/3~1/6となるように、前記選択された培地を3~6倍に希釈して調製された培地であることを特徴とする請求項1に記載のスクリーニング方法。
【請求項3】
前記有用な腸内細菌が、酪酸産生菌又はビフィドバクテリウム属細菌であることを特徴とする請求項1又は2に記載のスクリーニング方法。
【請求項4】
前記酪酸産生菌が、クロストリジウムクラスターIV又はクロストリジウムクラスターXIVaに属する細菌であることを特徴とする請求項3に記載のスクリーニング方法。
【請求項5】
前記嫌気培養後の液体培地中の前記有用な腸内細菌の増殖状態の評価は、酪酸産生菌のErec遺伝子又はClep遺伝子を標的遺伝子とし、該標的遺伝子に特異的なプライマーを用いた定量PCRにより行うことを特徴とする請求項3に記載のスクリーニング方法。
【請求項6】
前記嫌気培養後の液体培地中の前記有用な腸内細菌の増殖状態の評価は、ビフィドバクテリウム属細菌の16S rRNA遺伝子を標的遺伝子とし、該標的遺伝子に特異的なg-Bifidプライマーを用いた定量PCRにより行うことを特徴とする請求項3に記載のスクリーニング方法。
【請求項7】
前記嫌気培養後の液体培地中の前記有用な腸内細菌の増殖状態の評価は、
前記嫌気培養後の液体培地中の前記有用な腸内細菌の細菌数と、
前記候補プロバイオティクス又は前記候補プレバイオティクスを添加せずに、前記糞便試料を前記液体培地で嫌気培養した後の液体培地中の前記有用な腸内細菌の細菌数と、をそれぞれ検出し、両者を比較することにより行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のスクリーニング方法。
【請求項8】
前記プロバイオティクスは、乳酸菌又は酪酸産生菌であり、
前記プレバイオティクスは、オリゴ糖類又は食物繊維であることを特徴とする請求項1又は2に記載のスクリーニング方法。
【請求項9】
請求項1に記載のスクリーニング方法における嫌気培養工程で使用される前記液体培地であって、
前記液体培地の構成成分の濃度は、前記有用な腸内細菌の培養で通常使用される濃度の1/3~1/6であることを特徴とするスクリーニング用培地。
【請求項10】
前記液体培地は、強化クロストリジア(RCM)培地、GAMブイヨン培地、変法GAM(mGAM)ブイヨン培地、ブライアント・バーキー(BB)培地、TOSプロピオン酸培地及びこれらの混合培地からなる群より選択された培地であり、前記液体培地の構成成分の濃度が、前記有用な腸内細菌の培養で通常使用される濃度の1/3~1/6であることを特徴とする請求項9に記載のスクリーニング用培地。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロバイオティクス又はプレバイオティクスのスクリーニング方法に関し、具体的には、被験者の腸内細菌のうち、ビフィズス菌や酪酸産生菌といった有用な腸内細菌の増殖を促進させることができるプロバイオティクス又はプレバイオティクスをスクリーニングする方法及びそれに用いるスクリーニング用培地に関する。
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【背景技術】
【0002】
ヒトの腸内細菌叢は、食習慣、生活習慣、ストレスや抗生物質等の利用歴などで、個々人で異なっていることが知られている。また、腸内環境を整えることにより、健康状態を改善又は向上できることが知られている。そのため、人体によい働きをする有用な腸内細菌、いわゆる「善玉菌」と呼ばれる乳酸菌及びビフィズス菌(ビフィドバクテリウム属細菌)がプロバイオティクスとして食品、サプリメント及び医薬品などに利用されている。これらの微生物または微生物の代謝物質を経口的に摂取すると、腸内に達し乳酸や酢酸を産生する。これにより、腸内のpHが下がり、悪玉菌の生育を抑え、宿主の腸内に存在する乳酸菌及びビフィズス菌の活動を活発にする。
【0003】
近年、さらなる有用な腸内細菌として、酪酸を産生する性質を有する、いわゆる「酪酸産生菌」が注目されている。酪酸産生菌としては、クロストリジウム・ブチリカム(Clostridium butyricum)が有名であるが、これ以外にも、Agathobacter属、Anaerobutyricum属、Anaerostipes属、Coprococcus属、Faecalibacterium属及びRoseburia属等の様々な属に属する酪酸産生菌が知られている。酪酸産生菌により産生される酪酸は、大腸上皮細胞の主要なエネルギーとして利用されるだけではなく、短鎖脂肪酸受容体を介して、エネルギー代謝系や免疫系の調節、恒常性維持等を担っている。最近では、酪酸は、腸管免疫に作用してIgA分泌を促進させる等、宿主の免疫を高めるように作用するほか、腸管ホルモンのGLP-1の遺伝子発現を促すことで食後血糖値を速やかに減少させるという機能も有することが判ってきた。それゆえ、酪酸産生菌であるクロストリジウム・ブチリカムがサプリメント等に配合され、利用されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、本願発明者らは、特定の酪酸産生菌自体をサプリメント等で摂取することは、その菌が産生した過剰な酪酸によって負のフィードバックがかかるため、宿主の腸内細菌群の構成によっては、宿主が保有する酪酸産生菌の活動を鈍らせる可能性があると考えている。
【0005】
そこで、宿主の腸内に存在する酪酸産生菌による酪酸産生を増強させるため、酪酸産生菌の増殖を促進できるプロバイオティクス又はプレバイオティクスが求められている。しかしながら、腸内細菌叢は個々人で異なることから、個々人が保有する酪酸産生菌も異なり、その増殖を促進できるプロバイオティクス又はプレバイオティクスも個々人で異なる。このような場合、考え得るスクリーニング方法としては、所定期間に亘り、被験者にプロバイオティクス及びプレバイオティクスの候補材料を経口摂取してもらい、摂取前後の被験者の腸内環境の変化を調べるin vivo試験が考えられる。しかしながら、この方法では、候補材料の種類や用量ごとに試験を行うとなると、倫理審査手続き等が煩雑であるのに加えて、試験に時間を要する上に被験者の負担が大きく、安全性の観点にも問題があり、試験を行うことは極めて困難であった。
【0006】
したがって、本発明は上述した点に鑑みてなされたもので、その目的は、個々人の腸内に存在する有用な腸内細菌について、その有用な腸内細菌の増殖を促進させるプロバイオティクス及びプレバイオティクスを簡便且つ安全なin vitro試験でスクリーニングする方法を提供することにある。
【0007】
また、本発明の他の目的としては、上述したスクリーニング方法を実施する際に用いるスクリーニング用培地を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願発明者らは、個々人から採取した糞便試料をin vitroでバルク培養する際に、候補となるプロバイオティクス又はプレバイオティクスを添加して培養し、その培養液中の有用な腸内細菌の増殖状態を調べることにより、個々人が保有する有用な腸内細菌の増殖を促進させるプロバイオティクス及びプレバイオティクスをスクリーニングする技術を見出した。その結果得られた知見に基づき、本発明を完成するに至った。
【0009】
上記課題を解決するため、本発明のスクリーニング方法は、被験者又は被験動物の腸内に存在する有用な腸内細菌の増殖を促進させるプロバイオティクス又はプレバイオティクスをスクリーニングする方法であって、被験者又は被験動物から採取された糞便試料と、候補プロバイオティクス又は候補プレバイオティクスとを、液体培地に添加して嫌気培養する工程、及び嫌気培養後の液体培地中の有用な腸内細菌の増殖状態を評価する工程を含み、嫌気培養に使用される液体培地は、液体培地の構成成分の濃度が、有用な腸内細菌の培養で通常使用される濃度の1/3~1/6となるように調製された培地である。これにより、嫌気培養の際に、液体培地が糞便由来の生菌で直ぐに飽和することなく、添加したプロバイオティクス又はプレバイオティクスによって有用な腸内細菌が液体培地中で増殖しつつ、糞便由来の生菌も緩やかに増殖する余地があるため、添加した候補材料による有用な腸内細菌の増殖促進効果を評価することが可能となる。ここで、本発明において、「有用な腸内細菌の培養で通常使用される濃度」とは、その液体培地を用いて、その有用な腸内細菌を培養するにあたり、通常使用される各構成成分の濃度をいい、より具体的には、例えば、市場に流通している市販培地や従来知られている培地の処方に示されている各構成成分の濃度である。
【0010】
また、本発明のスクリーニング方法における液体培地は、強化クロストリジア(RCM)培地、GAMブイヨン培地、変法GAM(mGAM)ブイヨン培地、ブライアント・バーキー(BB)培地、TOSプロピオン酸培地及びこれらの混合培地からなる群より選択された培地であり、液体培地の構成成分の濃度が有用な腸内細菌の培養で通常使用される濃度の1/3~1/6となるように、この選択された培地を3~6倍に希釈して調製された培地であることも好ましい。これにより、嫌気培養に使用される液体培地として、好適かつ簡単に調製することができ、スクリーニングも好適に行うことができる培地が選択される。
(【0011】以降は省略されています)
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