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公開番号2025088325
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-11
出願番号2023202965
出願日2023-11-30
発明の名称独立電源小型メタン発酵処理システム
出願人アミタホールディングス株式会社
代理人弁理士法人G-chemical
主分類B09B 3/65 20220101AFI20250604BHJP(固体廃棄物の処理;汚染土壌の再生)
要約【課題】運転時のエネルギーを低減しつつ、効率よくメタン発酵処理を行うことができ、小型化が可能であるメタン発酵処理システムを提供する。
【解決手段】メタン発酵処理システムは、発酵槽3,4において有機性廃棄物を発酵するメタン発酵処理システムである。一実施形態に係るメタン発酵処理システムは、有機性廃棄物の発酵により発生したバイオガスを用いて水を加温するバイオガス給湯装置9と、水流により発酵液を撹拌する水流攪拌手段と、自然エネルギー発電装置と、前記自然エネルギー発電装置により生成した電力エネルギーを蓄電する蓄電池とを備える。メタン発酵処理に要するすべてのエネルギーを自然エネルギーと前記バイオガスとによる内部エネルギーから供給することが可能な独立電源制御ユニットを備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
発酵槽において有機性廃棄物を発酵するメタン発酵処理システムであり、
有機性廃棄物の発酵により発生したバイオガスを用いて水を加温するバイオガス給湯装置と、水流により発酵液を撹拌する水流攪拌手段と、自然エネルギー発電装置と、前記自然エネルギー発電装置により生成した電力エネルギーを蓄電する蓄電池とを備え、
メタン発酵処理に要するすべてのエネルギーを自然エネルギーと前記バイオガスとによる内部エネルギーから供給することが可能な独立電源制御ユニットを備える、メタン発酵処理システム。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
前記水流攪拌手段として、下記(i)および/または(ii)の水流攪拌手段を備える、請求項1に記載のメタン発酵処理システム。
(i)発酵槽から前記投入槽へ発酵液を返送して発酵液を水流撹拌する手段
(ii)連通管で接続した複数の発酵槽を備え、前記複数の発酵槽の水位差によって少なくとも1つの発酵槽内の発酵液を水流攪拌する手段
【請求項3】
有機性廃棄物の発酵により発生したバイオガスを前記発酵槽内の内圧を高めて発酵液に溶解させ、任意の圧力以上になると圧力を開放し、前記発酵液中に溶存した前記バイオガスを気化させ、気化した前記バイオガスが前記発酵液中を拡散および/または浮上することで前記発酵液の流動性を高めるガス溶解攪拌手段を備える、請求項1に記載のメタン発酵処理システム。
【請求項4】
発酵槽において有機性廃棄物を発酵するメタン発酵処理システムであり、
有機性廃棄物の発酵により発生したバイオガスを前記発酵槽内の内圧を高めて発酵液に溶解させ、任意の圧力以上になると圧力を開放し、前記発酵液中に溶存した前記バイオガスを気化させ、気化した前記バイオガスが前記発酵液中を拡散および/または浮上することで前記発酵液の流動性を高めるガス溶解攪拌手段を備える、メタン発酵処理システム。
【請求項5】
有機性廃棄物を投入槽から発酵槽に投入し、前記発酵槽において前記有機性廃棄物を発酵するメタン発酵処理システムであり、
下記(i)および/または(ii)の、水流により発酵液を撹拌する水流攪拌手段を備える、メタン発酵処理システム。
(i)発酵槽から前記投入槽へ発酵液を返送して発酵液を水流撹拌する手段
(ii)連通管で接続した複数の発酵槽を備え、前記複数の発酵槽の水位差によって少なくとも1つの発酵槽内の発酵液を水流攪拌する手段
【請求項6】
前記(i)の水流攪拌手段を備え、前記投入槽および前記発酵槽は、投入ラインと返送弁を介した返送ラインとで接続し、
前記有機性廃棄物を前記投入槽に投入することと、前記返送弁が開いて前記発酵槽内の発酵液が前記返送ラインを通じて前記投入槽に返送することとにより前記水流を発生させて前記水流攪拌を実施する、請求項3または5に記載のメタン発酵処理システム。
【請求項7】
前記(ii)の水流撹拌手段を備え、前記複数の発酵槽は、前記投入槽と投入ラインで接続した第一発酵槽と、前記第一発酵槽よりも下流に位置する第二発酵槽とを有し、
前記投入槽および前記第二発酵槽を、返送弁を介した返送ラインで接続し、
前記返送弁が開いて前記第二発酵槽内の発酵液が前記返送ラインを通じて前記投入槽に返送され、前記返送により前記投入槽内の発酵液の容積が任意の値になると前記投入ラインを経て前記投入槽から前記第一発酵槽へ前記有機性廃棄物を投入することで、前記投入槽、前記第一発酵槽、および前記第二発酵槽の間で前記水位差を発生させて前記水流攪拌を実施する、請求項2または5に記載のメタン発酵処理システム。
【請求項8】
前記投入ラインを介して前記投入槽と接続した発酵槽内における前記投入ラインの吐出口は前記発酵槽内の発酵液の中に設置されている、請求項6に記載のメタン発酵処理システム。
【請求項9】
前記投入ラインはサイフォン現象を防止するためのサイフォンブレイク機能を備え、前記サイフォンブレイク機能は前記有機性廃棄物の発酵により発生したバイオガスを使用する、請求項6に記載のメタン発酵処理システム。
【請求項10】
前記有機性廃棄物の発酵により発生したバイオガスを保管するガスホルダーと、前記発酵槽の前記バイオガスを前記ガスホルダーに移送するためのガスラインとを備え、
前記ガスライン上に自動開閉弁を備える、請求項3または4に記載のメタン発酵処理システム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はメタン発酵処理システムに関する。より詳細には、小型であり、独立電源で稼働可能なメタン発酵処理システムに関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
従来、家庭等から出る生ごみを含む有機性廃棄物は、焼却・埋め立て処分されている。焼却には、多くのエネルギーが必要であり、焼却時には二酸化炭素が発生する。環境問題の観点から、焼却以外の有効利用の方法が求められている。
【0003】
有機性廃棄物の有効利用の方法の1つにメタン発酵処理がある。メタン発酵処理は、メタン菌を含む多種の微生物によって有機物を分解し、バイオガスおよびメタン発酵消化液を生成する。バイオガスはメタンガスを高濃度に含有しており、非枯渇性の再生可能エネルギーとして注目されている。また、メタン発酵消化液は、肥料成分を多く含有する特徴を有しているため、肥料代替として有効利用が期待されている。
【0004】
一般的に普及しているメタン発酵処理装置は大型のメタン発酵処理設備である。大型メタン発酵処理設備は、大量の有機性廃棄物を処理できるが、広範囲から収集するため、収集時に発生するCO
2
が課題である。また、大量の消化液の利用先の確保も課題であり、農地利用等ができない場合は、排水処理をする必要がある。そうすると、コストもかかり、環境負荷も大きい。
【0005】
近年、地域で発生した有機性廃棄物を地域で処理し、生成したエネルギーや消化液を地域で有効活用する需要が高まっており、小型のメタン発酵処理設備の開発検討が進んでいる。小型のメタン発酵処理設備は大型装置と比較すると、処理量当たりの建設コストや運転コストが高くなる傾向にある。また、メタン発酵処理設備は破砕機、ポンプ、撹拌機や加温装置等を具備しているため、運転にはエネルギーが必要である。このため、小型のメタン発酵処理設備の普及が進むためには、更なる省エネルギーのメタン発酵処理システムが求められており、研究・開発が進んでいる。
【0006】
例えば特許文献1には、発酵槽内で発生するガスをサイフォンの原理により液中に吹き出させることにより、発酵槽内を攪拌する方法が記載されている。特許文献2には、上流発酵槽と下流発酵槽において、生物ガスの圧力を利用して液面レベル差を発生させ連通管を通じて発酵液を攪拌、移送する方法が記載されている。特許文献3には、太陽光発電装置の発電効率を向上させ、太陽光発電装置の冷却に用いた温排水をメタン発酵槽の加熱源として用い、太陽光発電装置の地下で栽培したバイオマスを嫌気性発酵させメタンを生成することで、再生可能エネルギーを複合利用するシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2001-276897号公報
特開2010-247100号公報
特開2012-65620号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1は、発酵槽内で発生したガスを利用して攪拌を行っているが、発酵液に複数の液吸管を備える構造であり、発酵液の攪拌には固形物を含有している発酵液の底部から発酵液を無動力で吸い上げる必要があるため、液吸管を細くする必要があり、攪拌効率が悪く小型のメタン発酵処理に適するものではなかった。特許文献2も発生したガスを利用して攪拌を行っているが、水位差を出すためには発酵槽の高さが必要となり装置の大型化が必要である。また、大きな圧力がかかるため、その圧力に耐えられる構造にする必要があり、建設コストが高くなるという課題もある。特許文献3は再生可能エネルギーの複合利用システムであるが、設置場所に制限が生じたり、バイオマスの栽培に適した広大な土地が必要となり小型のシステムとは言えない。このように、無動力、例えば発生するバイオガスを利用して発酵液を攪拌させる方法はあるが、小型のメタン発酵処理に適したシステムがないのが現状である。
【0009】
また、外部電源を必要とせず、攪拌動力をはじめ、運転時のエネルギーを最小限にすることができれば、外部電源を確保しにくい場所でも設置でき、小型メタン発酵処理装置の普及が進むことが見込まれる。
【0010】
従って、本発明の目的は、運転時のエネルギーを低減しつつ、効率よくメタン発酵処理を行うことができ、小型化が可能であるメタン発酵処理システムを提供することにある。また、本発明の他の目的は、運転時のエネルギーを低減しつつ、小型化に有用な撹拌手段を備えるメタン発酵処理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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