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公開番号2025093584
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-24
出願番号2023209327
出願日2023-12-12
発明の名称水性塗料組成物
出願人日本ペイント・インダストリアルコーティングス株式会社
代理人個人,個人,個人
主分類C09D 201/00 20060101AFI20250617BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】本開示は、耐候性が良好な塗膜を実現可能であって、常温硬化性が良好な水性塗料組成物の提供を目的とする。また、本開示は、外観及び耐候性が良好な塗膜を実現可能であって、貯蔵安定性及び常温硬化性が良好な水性塗料組成物に用いられるシリコーンアクリル樹脂エマルションの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本開示の水性塗料組成物は、主剤(I)及び硬化剤(II)を含み、
前記主剤(I)は、塗膜形成樹脂(A)を含み、
前記硬化剤(II)は、ポリイソシアネート化合物(B)を含み、
前記塗膜形成樹脂(A)は、コアシェル型シリコーンアクリル樹脂エマルション(A1)を含み、
前記コアシェル型シリコーンアクリル樹脂エマルション(A1)のコア部は、シリコーンオリゴマー(a1)、加水分解性シラン化合物(a2)及びラジカル重合性単量体(a3)に由来する単位を含み、
前記コアシェル型シリコーンアクリル樹脂エマルション(A1)のシェル部は、ラジカル重合性単量体(a4)に由来する単位及び連鎖移動剤(a7)を含み、
前記コア部において、シリコーンオリゴマー(a1)及び加水分解性シラン化合物(a2)に由来する単位の割合の合計は、シリコーンオリゴマー(a1)、加水分解性シラン化合物(a2)、ラジカル重合性単量体(a3)及びラジカル重合性単量体(a4)に由来する単位の合計100質量%中、15質量%以上60質量%以下である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
主剤(I)及び硬化剤(II)を含み、
前記主剤(I)は、塗膜形成樹脂(A)を含み、
前記硬化剤(II)は、ポリイソシアネート化合物(B)を含み、
前記塗膜形成樹脂(A)は、コアシェル型シリコーンアクリル樹脂エマルション(A1)を含み、
前記コアシェル型シリコーンアクリル樹脂エマルション(A1)のコア部は、シリコーンオリゴマー(a1)、加水分解性シラン化合物(a2)及びラジカル重合性単量体(a3)に由来する単位を含み、
前記コアシェル型シリコーンアクリル樹脂エマルション(A1)のシェル部は、ラジカル重合性単量体(a4)に由来する単位及び連鎖移動剤(a7)を含み、
前記コア部において、シリコーンオリゴマー(a1)及び加水分解性シラン化合物(a2)に由来する単位の割合の合計は、シリコーンオリゴマー(a1)、加水分解性シラン化合物(a2)、ラジカル重合性単量体(a3)及びラジカル重合性単量体(a4)に由来する単位の合計100質量%中、15質量%以上60質量%以下である、水性塗料組成物。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記コアシェル型シリコーンアクリル樹脂エマルション(A1)において、シェル部の水酸基価は、20mgKOH/g以上250mgKOH/g以下である、請求項1に記載の水性塗料組成物。
【請求項3】
前記コアシェル型シリコーンアクリル樹脂エマルション(A1)において、コア部の割合は、コアシェル型シリコーンアクリル樹脂の総量100質量%中、20質量%以上75質量%以下である、請求項1に記載の水性塗料組成物。
【請求項4】
前記コアシェル型シリコーンアクリル樹脂エマルション(A1)のシェル部に含まれる前記連鎖移動剤(a7)の含有量は、前記コアシェル型シリコーンアクリル樹脂エマルション(A1)のシェル部の総量100質量部に対して、0.5質量部以上10質量部以下である、請求項1に記載の水性塗料組成物。
【請求項5】
前記コアシェル型シリコーンアクリル樹脂エマルション(A1)の平均粒子径は、70nm以上300nm以下である、請求項1に記載の水性塗料組成物。
【請求項6】
前記ポリイソシアネート化合物(B)は、脂肪族ポリイソシアネート及び脂環式ポリイソシアネートから選ばれる1種又は2種以上を含む、請求項1に記載の水性塗料組成物。
【請求項7】
水性媒体のpHを10以上に調整する工程、
前記水性媒体と、シリコーンオリゴマー(a1)と、加水分解性シラン化合物(a2)と、ラジカル重合性単量体(a3)と、乳化剤(a5)とを用いて第1乳化混合物を調製する工程、
前記水性媒体と、ラジカル重合性単量体(a4)と、連鎖移動剤(a7)と、乳化剤(5)とを用いて第2乳化混合物を調製する工程、
前記第1乳化混合物と、重合開始剤(a6)とを、前記水性媒体中で混合し乳化重合して、コア部を得る工程、
前記コア部を含む反応液と、前記第2乳化混合物と、重合開始剤とを混合し乳化重合して、コア部の表面にシェル部を形成し、コアシェル型シリコーンアクリル樹脂を調製する工程、及び、
前記コアシェル型シリコーンアクリル樹脂を含む反応液のpHを8~10に調整して、
コアシェル型シリコーンアクリル樹脂エマルションを得る工程、を含む、
請求項1~6のいずれか1項に記載の水性塗料組成物に用いられるコアシェル型シリコーンアクリル樹脂エマルションの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、水性塗料組成物に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
近年、環境負荷低減の意識が高まり、環境に配慮した商品への置換が求められている。塗料分野においては、例えば、有機溶媒の使用量を低減することが要求されており、溶媒として水を使用した水性塗料組成物を用いることにより、このような要求を満たすことができる。また、自動車分野等においては、焼付硬化形塗料組成物を被塗物に塗装し、高温で加熱し硬化させて塗膜を形成する手法が用いられている。
【0003】
産業機械及び建設機械等は、一般に大型であり、強い荷重に耐えうるため、自動車車体等と比較して構成基材(鋼板)の厚みがあるという特徴がある。このような産業機械、建設機械が被塗物である場合は、被塗物の熱容量が大きく、加熱炉中において被塗物に熱が十分に伝達しないという問題がある。そのため、このような被塗物を塗装する場合は、高温加熱工程を必須とせず、常温でも塗膜形成を行うことができる、常温塗膜形成形塗料組成物が選択されている。
【0004】
常温塗膜形成型塗料組成物として、例えば、イソシアネート硬化形の2液硬化形塗料組成物が知られている。イソシアネート硬化形の2液硬化形塗料組成物として、特許文献1には、塗膜形成樹脂、有機無機ハイブリッドポリマー分散体を含む、クリヤー塗料組成物が記載され、該有機無機ハイブリッドポリマー分散体は、芳香族基含有部を有することや、該有機無機ハイブリッドポリマー分散体は、ラジカル重合性加水分解性シラン化合物を含む混合物の重合物の分散体であること等が記載されている。
【0005】
特許文献2には、シリコーン樹脂含有エマルジョン、及び、イソシアネート基含有化合物を硬化性樹脂成分として含有するシリコーン樹脂含有エマルジョン塗料が記載され、前記シリコーン樹脂含有エマルジョンは、R-SiZ

で表される構造単位(Rは、置換又は非置換の一価炭化水素基、ZはOH基、加水分解性基又はシロキサン残基)を30~100モル%含有し、且つこのうち、R-Si(OH)Z’

で表されるシラノール基(Z’は、シロキサン残基)を1個含む構造単位を30~80モル%含有しており、数平均分子量が500以上であること等が記載されている。
【0006】
特許文献3には、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体と他のエチレン性不飽和単量体を加水分解性シラン存在下で共重合して得られた水酸基価5~200mgKOH/gの複合共重合体を含む水系樹脂組成物と1分子中にイソシアネート基を2つ以上有するポリイソシアネート化合物と加水分解性シラン及び/又はその縮合物を含む硬化剤組成物とからなる架橋性水系被覆組成物が記載され、前記複合共重合体中の水酸基に対してポリイソシアネート化合物中のイソシアネート基の当量比が0.05~5.0であって、且つ、加水分解性シラン及び/又はその縮合物を複合共重合体の固形分とポリイソシアネート化合物の合計100質量部に対して0.5~50質量部含む架橋性水系被覆組成物が記載されている。
【0007】
このような塗料組成物に対して、近年、さらなる性能向上が求められている。特に、例えば野外等の過酷な環境においても外観を長期間維持することができるといった優れた耐候性及び耐久性が求められつつある。優れた耐候性及び耐久性を達成する手段として、例えば、シリコーンアクリル樹脂エマルションを用いること等が提案されている。シリコーンアクリル樹脂エマルションは、例えば、アクリル樹脂エマルションの調製において、シリコーン構造を有する変性剤を用いてシリコーン変性すること等によって調製することができる。
【0008】
かかるシリコーンアクリル樹脂エマルションを製造する方法として、特許文献4には、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体、アルド又はケト基を有するエチレン性不飽和単量体及び連鎖移動剤を含むエチレン性不飽和単量体混合物を乳化重合すること等が記載されている。
【0009】
特許文献5には、(メタ)アクリル酸エステル単量体及び/又は芳香族不飽和単量体、エチレン性不飽和カルボン酸単量体、架橋性ビニル系単量体、連鎖移動剤、シラン化合物を含む混合物を乳化重合してエマルジョンを得、次いで、該エマルジョン存在下に、(メタ)アクリル酸エステル単量体及び/又は芳香族不飽和単量体、エチレン性不飽和カルボン酸単量体、連鎖移動剤、シラン化合物を含む混合物を乳化重合すること等が記載されている。
【0010】
特許文献6には、シリコーンオリゴマー、加水分解性シラン化合物及びラジカル重合性不飽和単量体の混合物、乳化剤及び水性媒体を混合して反応前乳化混合物を調製し、該反応前乳化剤混合物及び重合開始剤を水性媒体中で混合して乳化重合すること、更に、乳化重合後、50℃以上の条件下で、塩基成分を加えて、乳化重合物のpHを8~10に調整すること等が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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