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公開番号
2025094398
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-06-25
出願番号
2023209885
出願日
2023-12-13
発明の名称
水性インクジェットインキ及び印刷物
出願人
artience株式会社
代理人
主分類
C09D
11/322 20140101AFI20250618BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約
【課題】難浸透性基材及び非浸透性基材に対する印刷であっても、白抜け及び混色にじみがなく、耐水性にも優れた印刷物が得られ、更には印刷開始直後及び長時間の印刷休止後の吐出安定性にも優れる、水性インクジェットインキを提供する。
【解決手段】顔料と、ポリエーテル変性シロキサン系界面活性剤と、ヘキシレングリコールと、バインダー樹脂と、有機化合物(A)(ただし、顔料、ポリエーテル変性シロキサン系界面活性剤、ヘキシレングリコール、及び、樹脂を除く)とを含む、水性インクジェットインキであって、前記有機化合物(A)が、炭素原子、水素原子、及び、酸素原子のみからなり、水酸基を複数個有し、かつ、HLB値が、2.5~5.2であり、前記バインダー樹脂が、ガラス転移温度が-70~35℃である樹脂(B-1)を、前記水性インクジェットインキ中に含まれる樹脂の全質量中、50質量%以上含む、水性インクジェットインキ。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
顔料と、ポリエーテル変性シロキサン系界面活性剤と、ヘキシレングリコールと、バインダー樹脂と、有機化合物(A)(ただし、顔料、ポリエーテル変性シロキサン系界面活性剤、ヘキシレングリコール、及び、樹脂を除く)とを含む、水性インクジェットインキであって、
前記有機化合物(A)が、炭素原子、水素原子、及び、酸素原子のみからなり、かつ、水酸基を複数個有し、
前記有機化合物(A)のHLB値が、2.5~5.2であり、
前記バインダー樹脂が、ガラス転移温度が-70~35℃である樹脂(B-1)を含み、
前記樹脂(B-1)の含有量が、前記水性インクジェットインキ中に含まれる樹脂の全質量中、50質量%以上である、水性インクジェットインキ。
続きを表示(約 480 文字)
【請求項2】
前記ポリエーテル変性シロキサン系界面活性剤の含有質量を1としたときの、前記樹脂(B-1)の含有質量が、2~50である、請求項1に記載の水性インクジェットインキ。
【請求項3】
前記水性インクジェットインキが、ブチレングリコールモノアルキルエーテル系水溶性有機溶剤(分子末端のアルキル基の炭素数が1~4であるもの)、及び、ペンチレングリコールモノアルキルエーテル系水溶性有機溶剤(分子末端のアルキル基の炭素数が1~4であるもの)を含まないか、
前記ブチレングリコールモノアルキルエーテル系水溶性有機溶剤(分子末端のアルキル基の炭素数が1~4であるもの)、及び、ペンチレングリコールモノアルキルエーテル系水溶性有機溶剤(分子末端のアルキル基の炭素数が1~4であるもの)の含有量の総量が、前記ヘキシレングリコールの含有量に対し50質量%以下である、請求項1または2に記載の水性インクジェットインキ。
【請求項4】
請求項1または2に記載の水性インクジェットインキを、印刷基材に印刷してなる印刷物。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、水性インクジェットインキ、及び、当該水性インクジェットインキを用いて製造される印刷物に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
小ロット印刷及び印刷コスト低減のニーズの高まりに伴い、製版を必要としない、デジタル印刷方式の普及が急速に進んでいる。
【0003】
上記デジタル印刷方式の一種であるインクジェット印刷方式とは、微細なノズルからインキの液滴を吐出し、印刷基材(本願では、単に「基材」とも称する)に付与することで、当該印刷基材上に画像及び/または文字を印刷する方式である。インクジェット印刷方式は、印刷装置の操作が容易である、印刷時の騒音が小さいといった特徴を有しているため、当該インクジェット印刷方式を採用した印刷装置(インクジェットプリンタ)は、デジタル印刷方式の中でも需要が高い。
【0004】
なお本願では、画像及び/または文字が印刷された印刷基材を「印刷物」と総称する。また上記「画像」には、ベタ画像及び市松模様画像等のシームレス画像も含まれる。
【0005】
インクジェット印刷方式で使用されるインキ(本願では、「インクジェットインキ」と称する)は、その組成によって、溶剤型、水性型、紫外線硬化型等に分類される。一方で近年、ヒト及び環境に対して有害である原料の使用を規制する動きが加速している。それに伴い、これらの原料を使用する溶剤型インクジェットインキ及び紫外線硬化型インクジェットインキではなく、水性型インクジェットインキ(本願では、単に「水性インクジェットインキ」とも称する)を求める声が高まっている。
【0006】
また最近では、インクジェットヘッドの性能の向上もあり、民生用途のみならず、産業印刷用途においても、インクジェット印刷方式の利用拡大が進んでいる。特に、商業印刷市場及び包装(ラベル・パッケージ)印刷市場では、オフセット印刷方式、グラビア印刷方式等の有版印刷方式からの、インクジェット印刷方式への置き換えが、積極的に検討されている。
【0007】
しかしながら従来は、コート紙及びアート紙等の難浸透性基材、ならびに、プラスチックフィルム等の非浸透性基材に対して水性インクジェットインキを用いて作製したベタ印刷物(印字率100%の印刷物)において、当該水性インクジェットインキが印刷基材上に乗らない箇所が生じる「白抜け」と呼ばれる現象、及び、異なる色を有する水性インクジェットインキ同士が混ざってしまう「混色にじみ」と呼ばれる現象が発生し、有版印刷方式と同等の印刷画質を有する印刷物を得ることは難しかった。これは、水性インクジェットインキの主溶媒である水が、特異的に高い表面張力を有するため、上記印刷基材に対する濡れ性、特に、マイクロ秒オーダーでの濡れ性が悪いことが原因である。
【0008】
一般的に、印刷基材に対する濡れ性の向上のため、疎水性が高く、高分子ではない有機化合物を使用することが多い。上記有機化合物が、マイクロ秒オーダーで印刷基材との界面に配向し、当該印刷基材に対する濡れ性が向上する。しかしながら、疎水性が高いということは、水に対する溶解性が悪いということでもあるため、上記有機化合物を含む水性インクジェットインキでは、ノズル抜けの一因となり得る気泡が発生しやすい。また、上記有機化合物がインクジェットヘッドのノズル端面に形成される気液界面に配向することで、水性インクジェットインキのメニスカスが不安定化する、といった問題点が存在する。これらの問題点は、特に、印刷開始直後のノズル抜け(ノズルから水性インクジェットインキが吐出されない現象)の発生につながりやすい。また、インクジェットヘッドの構造上、ノズルの直径は数十マイクロメートルと非常に小さい。特に、長時間印刷を休止した場合、水性インクジェットインキ中の液体成分(水、水溶性有機溶剤等)が上記ノズル端面から揮発する一方、フレッシュな水性インクジェットインキがインクジェットヘッドに十分に供給されないことがある。そうなると、ノズル端面近傍に存在する水性インクジェットインキにおいて、固形分濃度の上昇、及び/または、沸点の高い水溶性有機溶剤の存在比率の増加が起こり、固体成分(顔料、樹脂等)の凝集・不溶化等による粘度上昇、そして、当該粘度上昇に伴うノズル抜けが発生し得る。
【0009】
なお本願では、印刷開始直後の吐出安定性を「初発の吐出安定性」と称し、長時間の印刷休止後の吐出安定性を「待機吐出性」とも称する。
【0010】
一方、特に包装印刷市場では、水が付着した印刷物を指等で擦っても、水性インクジェットインキの皮膜(インキ膜)が剥がれ落ちないようにする必要がある。すなわち、上記インキ膜にはある程度の耐水性が求められる。水溶性の原料を多く含む水性インクジェットインキにおいて、乾燥後のインキ膜に耐水性を持たせる方法として、当該水性インクジェットインキにバインダー樹脂を添加し、インキ膜を強固な連続膜にする方法が挙げられる。一方で、バインダー樹脂が一定量以上、印刷前(液体)の水性インクジェットインキ中に含まれると、当該水性インクジェットインキ中で、局所的な粘度上昇及び粘弾性の不均一化等が発生し吐出安定性が悪化する、といった問題や、バインダー樹脂が有機化合物の配向を阻害し、水性インクジェットインキの濡れ性が悪化する、といった問題が発生する恐れがある。
(【0011】以降は省略されています)
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