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公開番号2025094430
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-25
出願番号2023209959
出願日2023-12-13
発明の名称ドーパント添加装置、ドーパント添加方法、および、シリコン単結晶の製造方法
出願人株式会社SUMCO
代理人弁理士法人樹之下知的財産事務所
主分類C30B 29/06 20060101AFI20250618BHJP(結晶成長)
要約【課題】シリコン単結晶の有転位化を抑制できるドーパント添加装置を提供すること。
【解決手段】シリコン融液に揮発性のドーパントを添加するドーパント添加装置は、ドーパント収容部と、外筒と、を備え、前記ドーパント収容部は、前記ドーパントを収容し、前記ドーパントが昇華して発生するドーパントガスを放出するように構成され、前記外筒は、下端が開口する筒状に形成され、内部に前記ドーパント収容部が設けられるとともに、前記ドーパントガスを前記下端から流出させて前記シリコン融液に吹き付ける外筒本体と、前記外筒本体から鍔状に突出する遮蔽板と、を備え、前記遮蔽板は、前記ドーパントを添加する際に、前記シリコン融液から引き上げられるシリコン単結晶を囲むシールドの下端よりも上方に位置するように、設けられている。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
シリコン融液に揮発性のドーパントを添加するドーパント添加装置であって、
ドーパント収容部と、外筒と、を備え、
前記ドーパント収容部は、前記ドーパントを収容し、前記ドーパントが昇華して発生するドーパントガスを放出するように構成され、
前記外筒は、
下端が開口する筒状に形成され、内部に前記ドーパント収容部が設けられるとともに、前記ドーパントガスを前記下端から流出させて前記シリコン融液に吹き付ける外筒本体と、
前記外筒本体から鍔状に突出する遮蔽板と、を備え、
前記遮蔽板は、前記ドーパントを添加する際に、前記シリコン融液から引き上げられるシリコン単結晶を囲むシールドの下端よりも上方に位置するように、設けられている、ドーパント添加装置。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
請求項1に記載のドーパント添加装置において、
前記外筒本体は、前記下端が開口する円筒状に形成され、
前記遮蔽板は、円環板状に形成され、前記ドーパントを添加する際に、円筒状または円錐台筒状の前記シールドの下端よりも上方に位置し、かつ、以下の式(1)から得られる空隙率Rが69%以下になるように、設けられている、ドーパント添加装置。
R(%)=(A

-(B+2×C)

)/A

×100 … (1)
A:前記シールドの下端の内径
B:前記外筒本体の外径
C:前記ドーパント添加装置の上方から前記外筒を見たときの前記外筒本体の側面から前記遮蔽板の突出先端までの距離
【請求項3】
請求項2に記載のドーパント添加装置において、
前記遮蔽板は、前記空隙率Rが49%以上になるように、設けられている、ドーパント添加装置。
【請求項4】
シリコン融液に揮発性のドーパントを添加するドーパント添加方法であって、
前記シリコン融液から引き上げられるシリコン単結晶を囲むシールド内において下方へ向けて不活性ガスを流した状態で、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のドーパント添加装置を前記遮蔽板が前記シールドの下端よりも上方に位置するように下降させることにより、前記シリコン融液に前記ドーパントを添加する、ドーパント添加方法。
【請求項5】
請求項4に記載のドーパント添加方法において、
円環板状の前記遮蔽板が前記外筒本体の下端に設けられた前記ドーパント添加装置を用いて、前記外筒の下端から前記シリコン融液の表面までの距離が30mm以上の状態で、前記シリコン融液に前記ドーパントを添加する、ドーパント添加方法。
【請求項6】
請求項5に記載のドーパント添加方法において、
前記外筒の下端から前記シリコン融液の表面までの距離が60mm以下の状態で、前記シリコン融液に前記ドーパントを添加する、ドーパント添加方法。
【請求項7】
請求項4に記載のドーパント添加方法により揮発性のドーパントが添加されたシリコン融液からシリコン単結晶を引き上げる、シリコン単結晶の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ドーパント添加装置、ドーパント添加方法、および、シリコン単結晶の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
従来、シリコン単結晶を製造するにあたり、シリコン融液に揮発性のドーパントを添加する方法として、ドーパントを昇華させてドーパントガスを発生させ、当該ドーパントガスをシリコン融液に吹き付ける方法が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
特許文献1の図1および図2には、容器体本体および放出管を有する容器体と、容器体を格納するともに下端面が開口する外筒体と、を備えるドーピング装置が開示されている。ドーピング装置がシリコン融液表面付近まで降ろされると、容器体本体に収容された固体砒素(ドーパント)がシリコン融液の輻射熱により昇華して砒素ガス(ドーパントガス)が発生する。ドーパントガスが放出管の下端から放出されてシリコン融液に吹き付けられると、ドーパントガスに含まれるドーパントの一部がシリコン融液に溶解し、シリコン融液にドーパントが添加される。一方、シリコン融液に融解しなかったドーパントの一部は、ドーパントのベーパーとなる。また、シリコン融液に融解しなかったドーパントの残部は、シリコン融液と反応してアモルファスのベーパーとなる。
外筒体の外側には下方への気体の流れが発生しているが、外筒体の側面近傍では、上方への気体の流れが発生する。この上方への気体の流れに伴いドーパントのベーパーおよびアモルファスのベーパー(以下、まとめて「ベーパー」と言う場合がある)が上昇すると、シリコン単結晶製造装置の内部に付着して固化する場合がある。この固化物がシリコン融液に落下すると、シリコン単結晶が有転位化するおそれがある。
【0004】
一方、特許文献1の図3(A)および図3(B)には、ドーパントガスとシリコン融液表面との接触面積を大きくするために、外側に延びるスカート部材が外筒体の下端に設けられた構成が開示されている。
特許文献2の図5には、特許文献1の容器体および外筒体とそれぞれ同様の機能を有する内管および外筒を備えるドーピング装置が開示されている。外筒の側面部には、ドーパントを収容する収容部へのシリコン融液の輻射熱の照射を防止するために、外側に延びる熱遮蔽板が設けられている。
特許文献1のスカート部材または特許文献2の熱遮蔽板は、上述した本来の機能ではないが、外筒体または外筒の側面近傍におけるペーパーの上昇を抑制できる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2001-342094号公報
特開2008-024547号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2の図5に記載の構成では、ドーパントの添加時に熱遮蔽板がシールドの下端よりも下方に位置しているため、熱遮蔽板とシリコン融液の間を流れるベーパーの流速が速くなり、シリコン融液が波立つ場合がある。この場合、シリコン融液がシールドに付着して固化し、この固化物がシリコン融液に落下すると、シリコン単結晶が有転位化するおそれがある。
また、特許文献1には、スカート部材とシールドとの位置関係が開示されていないが、上述のように、ドーパントの添加時にスカート部材とシリコン融液の間を流れるベーパーによりシリコン融液が波立って、シリコン融液がシールドに付着して固化し、この固化物がシリコン融液に落下すると、シリコン単結晶が有転位化するおそれがある。
【0007】
本発明は、シリコン単結晶の有転位化を抑制できるドーパント添加装置、ドーパント添加方法、および、シリコン単結晶の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のドーパント添加装置は、シリコン融液に揮発性のドーパントを添加するドーパント添加装置であって、ドーパント収容部と、外筒と、を備え、前記ドーパント収容部は、前記ドーパントを収容し、前記ドーパントが昇華して発生するドーパントガスを放出するように構成され、前記外筒は、下端が開口する筒状に形成され、内部に前記ドーパント収容部が設けられるとともに、前記ドーパントガスを前記下端から流出させて前記シリコン融液に吹き付ける外筒本体と、前記外筒本体から鍔状に突出する遮蔽板と、を備え、前記遮蔽板は、前記ドーパントを添加する際に、前記シリコン融液から引き上げられるシリコン単結晶を囲むシールドの下端よりも上方に位置するように、設けられている。
【0009】
本発明のドーパント添加装置において、前記外筒本体は、前記下端が開口する円筒状に形成され、前記遮蔽板は、円環板状に形成され、前記ドーパントを添加する際に、円筒状または円錐台筒状の前記シールドの下端よりも上方に位置し、かつ、以下の式(1)から得られる空隙率Rが69%以下になるように、設けられている、ことが好ましい。
R(%)=(A

-(B+2×C)

)/A

×100 … (1)
A:前記シールドの下端の内径
B:前記外筒本体の外径
C:前記ドーパント添加装置の上方から前記外筒を見たときの前記外筒本体の側面から前記遮蔽板の突出先端までの距離
【0010】
本発明のドーパント添加装置において、前記遮蔽板は、前記空隙率Rが49%以上になるように、設けられている、ことが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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