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公開番号
2025072115
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-09
出願番号
2023182652
出願日
2023-10-24
発明の名称
SiCインゴット及びSiCインゴットの製造方法
出願人
株式会社レゾナック
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C30B
29/36 20060101AFI20250430BHJP(結晶成長)
要約
【課題】品質保証しやすく、歩留まりが高い、SiCインゴット及びSiCインゴットの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本実施形態にかかるSiCインゴットは、Si面、C面、側面のうち少なくとも一つを直接測定して、基底面転位密度の値付けがされている。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
Si面、C面、側面のうち少なくとも一つを直接測定して、基底面転位密度の値付けがされたSiCインゴット。
続きを表示(約 860 文字)
【請求項2】
前記基底面転位密度の値は、前記Si面又は前記C面のうちの少なくとも一方の全面測定結果から求められた出力値である、請求項1に記載のSiCインゴット。
【請求項3】
前記基底面転位密度の値は、前記側面の測定値又は前記側面の測定値と前記側面以外の測定値から求められた出力値である、請求項1に記載のSiCインゴット。
【請求項4】
前記基底面転位密度の値は、事前検討によって求められた前記Si面、前記C面、前記側面のうち少なくとも一つの反射X線トポグラフ像と前記基底面転位密度との相関関係を表す対応表から求められた値である、請求項1に記載のSiCインゴット。
【請求項5】
前記基底面転位密度の値は、ディープラーニングの学習結果に基づいて、前記Si面、前記C面、前記側面のうち少なくとも一つの反射X線トポグラフ像から推定された推定値である、請求項1に記載のSiCインゴット。
【請求項6】
SiCインゴットのSi面、C面、側面のうち少なくとも一つを直接測定する測定工程と、
前記測定工程の測定結果と前記SiCインゴットの基底面転位密度との相関関係に基づいて、前記基底面転位密度を求める評価工程と、を有する、SiCインゴットの製造方法。
【請求項7】
前記測定工程において、前記Si面と前記C面とのうち少なくとも一方を測定する、請求項6に記載のSiCインゴットの製造方法。
【請求項8】
前記測定工程において、前記側面を少なくとも測定する、請求項6に記載のSiCインゴットの製造方法。
【請求項9】
前記測定工程では、反射X線トポグラフ像を測定する、請求項6に記載のSiCインゴットの製造方法。
【請求項10】
前記評価工程では、ディープラーニングの学習結果に基づいて、前記SiCインゴットの基底面転位密度を推定する、請求項6に記載のSiCインゴットの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、SiCインゴット及びSiCインゴットの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
炭化珪素(SiC)は、シリコン(Si)に比べて絶縁破壊電界が1桁大きく、バンドギャップが3倍大きい。また、炭化珪素(SiC)は、シリコン(Si)に比べて熱伝導率が3倍程度高い等の特性を有する。そのため炭化珪素(SiC)は、パワーデバイス、高周波デバイス、高温動作デバイス等への応用が期待されている。このため、近年、上記のような半導体デバイスにSiCエピタキシャルウェハが用いられるようになっている。
【0003】
SiCエピタキシャルウェハは、SiC基板の表面にSiCエピタキシャル層を積層することで得られる。以下、SiCエピタキシャル層を積層前の基板をSiC基板と称し、SiCエピタキシャル層を積層後の基板をSiCエピタキシャルウェハと称する。SiC基板は、SiCインゴットから切り出すことで作製される。パワーデバイス、高周波デバイス、高温動作デバイス等のSiCデバイスは、SiCエピタキシャルウェハのSiCエピタキシャル層にデバイスを形成後に、SiCエピタキシャルウェハをチップ化して得られる。
【0004】
SiCエピタキシャルウェハにおいて、SiCデバイスに致命的な欠陥を引き起こすデバイスキラー欠陥の一つとして、基底面転位(Basal plane dislocation:BPD)が知られている。たとえば、バイポーラデバイスに順方向に電流を流した際に、流れるキャリアの再結合エネルギーによって、SiC基板からSiCエピタキシャル層に引き継がれた基底面転位の部分転位が移動、拡張し、高抵抗な積層欠陥が形成される。このデバイス内に生じた高抵抗部は、デバイスの信頼性低下を引き起こす(順方向劣化)原因となる。
【0005】
SiCエピタキシャル層の基底面転位は、SiC基板の基底面転位から引き継がれている場合が多い。そのため、例えば、特許文献1及び特許文献2には、SiC基板における基底面転位を評価する手法が開示されている。特許文献1には、X線トポグラフ像のコントラストと基底面転位との相関を用いて、SiC基板の基底面転位の面内分布を評価することが記載されている。特許文献2には、欠陥それぞれのX線トポグラフ像から基底面転位を分類し、SiC単結晶基板の基底面転位密度を計測することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特許第6197722号公報
特許第6037673号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
SiC基板より製造工程の上流にあるSiCインゴットの段階で、基底面転位を評価することが求められている。しかしながら、SiCインゴットを直接評価することは難しい。例えば、特許文献1に記載の方法で、SiCインゴットの基底面転位密度を測定すると、基底面転位以外の理由で回折強度にばらつきが生じ、基底面転位を正確に測定することが難しい。これは、SiCインゴットは、SiC基板と比べて、厚みが厚いためである。X線トポグラフを用いて、厚みが厚いSiCインゴットを評価する場合、反射X線トポグラフ像を利用せざるを得ない。しかしながら、X線の侵入長の測定バラツキ等の影響を受けて、反射X線の信号強度のばらつきが大きくなる。X線トポグラフ像から基底面転位密度を測定する場合、X線強度と基底面転位密度との相関に基づいて基底面転位密度を測定するため、反射X線の信号強度がばらつくと基底面転位密度を正確に測定できない。
【0008】
そこで、SiCインゴットの一部を評価基板として切り出し、評価基板のX線トポグラフ像を測定することが行われている。しかしながら、この場合の測定対象は評価基板であり、SiCインゴットそのものの品質保証の点で信頼性に劣る。また評価基板を切り出すと、その分だけSiCインゴットから製品に使える部分が減り、歩留まりが下がるという問題がある。
【0009】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、品質保証しやすく、歩留まりが高い、SiCインゴット及びSiCインゴットの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、鋭意検討の結果、X線トポグラフ像の強度のみを利用するのではなく、測定領域全面の画像と基底面転位密度との相関を抽出することで、SiCインゴットであっても基底面転位密度を測定することが出来ることを見出した。X線トポグラフ像の強度がばらついたとしても、測定領域全面の画像の模様は変化しないため、基底面転位密度の測定が可能になる。
(【0011】以降は省略されています)
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