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公開番号2025099369
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-07-03
出願番号2023215990
出願日2023-12-21
発明の名称周波数フィルタ
出願人学校法人早稲田大学
代理人弁理士法人京都国際特許事務所
主分類H03H 9/54 20060101AFI20250626BHJP(基本電子回路)
要約【課題】単独で帯域フィルタとして用いることができ、耐電圧性が高い周波数フィルタを提供する。
【解決手段】周波数フィルタ(10)は、それぞれ圧電体から成り音速を厚さの2倍で除した値である基本波共振周波数が略等しい複数の圧電層(111、112)を該圧電層に平行又は垂直な方向の分極の成分の向きが交互に反転するように積層した分極反転積層圧電体(110)の上下を挟むように第1電極(121)及び第2電極(122)が配置された分極反転積層型共振子から成る入力部(11)と、分極反転積層型共振子である第2共振子から成り、該第2共振子の複数の圧電層(131、132)が前記第1共振子の複数の圧電層(111、112)と同方向に積層され且つ略等しい基本波共振周波数を有する出力部(13)と、前記入力部(11)及び前記出力部(13)を積層方向に挟むように設けられた1対の音響反射器(15、151)とを備える。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
a) それぞれ圧電体から成り音速を厚さの2倍で除した値である基本波共振周波数が略等しい複数の圧電層を該圧電層に平行又は垂直な方向の分極の成分の向きが交互に反転するように積層した分極反転積層圧電体の上下を挟むように第1電極及び第2電極が配置された分極反転積層型共振子、又は、それぞれ圧電体から成り基本波共振周波数が略等しい複数の圧電層を分極の向きが揃うように積層した分極一致積層圧電体の上下及び該圧電層の各層間に第1部分電極及び第2部分電極が交互に配置された中間電極積層型共振子である第1共振子から成る入力部と、
b) 分極反転積層型共振子又は中間電極積層型共振子である第2共振子から成り、該第2共振子の複数の圧電層が前記第1共振子の複数の圧電層と同方向に積層され且つ略等しい基本波共振周波数を有する出力部と、
c) 前記入力部及び前記出力部を積層方向に挟むように設けられた1対の音響反射器と
を備えることを特徴とする周波数フィルタ。
続きを表示(約 320 文字)【請求項2】
前記1対の音響反射器のうちの一方又は両方が音響ブラッグ反射器であることを特徴とする請求項1に記載の周波数フィルタ。
【請求項3】
さらに、前記入力部に並列に、及び/又は前記出力部に並列にインダクタが接続されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の周波数フィルタ。
【請求項4】
それぞれ圧電体から成り基本波共振周波数が略等しい複数の圧電層を該圧電層に平行又は垂直な方向の分極の成分の向きが揃うように積層した分極一致積層圧電体と、
前記分極一致積層圧電体の上下及び各層間に交互に配置された第1部分電極及び第2部分電極と
を備えることを特徴とする中間電極積層型共振子。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、スマートフォン等の通信機器等で使用される周波数フィルタに関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
スマートフォン等の通信機器では、アンテナで受信した広い周波数帯の電磁波を信号電流に変換したものから特定の周波数帯を抽出する周波数フィルタが用いられている。そのような周波数フィルタの例として、表面弾性波(SAW:Surface Acoustic Wave)フィルタが挙げられる。
【0003】
SAWフィルタは一般に、圧電体から成る基板と、該基板の表面に設けられた2個の櫛形電極を互いに噛み合わせて成るIDT(Inter-Digital Transducer)と、該基板の表面にIDTを挟むように設けられた2個のグレーティング反射器とを備える。1個のSAWフィルタには、IDTを1個のみ設けてもよく、前記2個のグレーティング反射器の間に複数個のIDTを並べて設けてもよい。
【0004】
SAWフィルタのうちIDTを複数個備えるものは、それら複数個のIDTのうちの1個が有する1組の櫛形電極から信号電流を入力すると、各IDTがそれぞれ共振子として振動し、複数個のIDTが全体として複数の振動モードで振動して、基板上で音響的に結合する(例えば特許文献1参照)。このような動作より、IDTを複数組備えるSAWフィルタは、多重モード型SAWフィルタと呼ばれる。多重モード型SAWフィルタは、複数の振動モードで振動することにより、或る程度の幅を有する周波数帯内の電磁波を変換した信号電流を通過させる帯域フィルタとして機能する。SAWフィルタを用いた帯域フィルタには、それぞれIDTを1個のみ備え共振周波数が互いに異なる複数のSAWフィルタを接続して成るものもあるが、多重モード型SAWフィルタは1個のみで帯域フィルタとして動作するため回路の構成を簡素化することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開平05-055871号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように多重モード型SAWフィルタは1個のみで帯域フィルタとして動作するため、入力される信号電流の電圧が全て、複数個のIDTのうちの1個が有する1組の櫛形電極に印加される。櫛形電極同士の間は狭い隙間(ギャップ)で隔てられているのみであるため、多重モード型SAWフィルタは耐電圧性が低いという欠点を有する。
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、単独で帯域フィルタとして用いることができ、耐電圧性が高い周波数フィルタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために成された本発明に係る周波数フィルタは、
a) それぞれ圧電体から成り音速を厚さの2倍で除した値である基本波共振周波数が略等しい複数の圧電層を該圧電層に平行又は垂直な方向の分極の成分の向きが交互に反転するように積層した分極反転積層圧電体の上下を挟むように第1電極及び第2電極が配置された分極反転積層型共振子、又は、それぞれ圧電体から成り基本波共振周波数が略等しい複数の圧電層を分極の向きが揃うように積層した分極一致積層圧電体の上下及び該圧電層の各層間に第1部分電極及び第2部分電極が交互に配置された中間電極積層型共振子である第1共振子から成る入力部と、
b) 分極反転積層型共振子又は中間電極積層型共振子である第2共振子から成り、該第2共振子の複数の圧電層が前記第1共振子の複数の圧電層と同方向に積層され且つ略等しい基本波共振周波数を有する出力部と、
c) 前記入力部及び前記出力部を積層方向に挟むように設けられた1対の音響反射器と
を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明において、前記入力部と前記出力部は接触していてもよいし、前記入力部と前記出力部の間に該入力部で生成される振動を該出力部に伝達する中間層を挟んでいてもよい。
【0010】
「基本波共振周波数が略等しい」とは、分極反転積層圧電体又は分極一致積層圧電体が有する複数の圧電層の基本波共振周波数がそれらの平均値から±10%の範囲内に収まることをいう。このように各圧電層が略等しい基本波共振周波数を有することにより、分極反転積層型共振子又は中間電極積層型共振子の全体が基本波共振周波数の整数(1を含む)倍の共振周波数で共振する。
(【0011】以降は省略されています)

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