TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
10個以上の画像は省略されています。
公開番号2025127352
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-01
出願番号2024024047
出願日2024-02-20
発明の名称堆肥分解性ブロックの製造方法、堆肥分解性ブロック及び、堆肥分解性ブロックを利用した磯焼け防止方法
出願人寿都町
代理人個人,個人
主分類C05F 9/00 20060101AFI20250825BHJP(肥料;肥料の製造)
要約【課題】堆肥分解性ブロックを海洋に設置し、溶出する栄養塩を利用して所定の範囲の海域の磯焼けを防止する方法、前記ブロック及びその製造方法の提供。
【解決手段】堆肥分解性ブロックの製造方法は、木質系素材と水産加工残渣とを混合する工程と、混合した木材系素材と水産加工残渣を攪拌しながら発酵させる一次発酵工程と、一次発酵で分解されなかった難分解性の高分子有機物を分解させるために、徐々に温度を下げながら発酵させる二次発酵工程とを含み、堆肥分解性ブロックとして固化させるための製造工程として、合計重量に対し、固化材を8~12重量%、比重調整及び固化を促進するための鉄鋼スラグを含む金属材料を20~25重量%、つなぎ材としてグアーガムを含む増粘材を0.5~1.0重量%を加える添加剤付加工程と、二次発酵が完了した素材と添加剤を攪拌する工程と、成型する工程と、所定の期間留め置いて固化させる工程と、を含む。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
海洋に堆肥分解性ブロックを設置して、当該堆肥分解性ブロックから周辺の海水に溶出する栄養分を利用して、所定の範囲の海域の磯焼けを防止するための堆肥分解性ブロックを製造する方法であって、
前記堆肥分解性ブロックの原材料である堆肥の製造工程として、
木質チップ又はおが粉を含む木質を原料とする木質系素材と、水産加工で発生した魚介類に由来する水産加工残渣とを混合する工程と、
前記混合した木材系素材と水産加工残渣を攪拌しながら発酵させて一次発酵素材を生成する、一次発酵工程と、
一次発酵工程で分解されなかった難分解性の高分子有機物を分解させるための工程として、前記一次発酵素材を、前記一次発酵工程で上昇した温度から徐々に温度を下げながら発酵させて二次発酵素材を生成する、二次発酵工程と、を含み、
前記生成した二次発酵素材を堆肥分解性ブロックとして固化させるための製造工程として、
前記二次発酵工程で生成した前記二次発酵素材の合計重量に対し、
添加剤として、ブロック状に固化させるための固化材を8~12重量%、比重調整及び固化を促進するための鉄鋼スラグを含む金属材料を20~25重量%、つなぎ材としてグアーガムを含む増粘材を0.5~1.0重量%を加える添加剤付加工程と、
前記二次発酵素材と前記添加剤を攪拌する工程と、
前記攪拌を終えた前記二次発酵素材と前記添加剤との混合物を、所定の形状にプレスする工程、又は型枠に充填する工程と、
前記攪拌を終えた前記二次発酵素材と前記添加剤との混合物を所定の期間留め置いて固化させる工程と、
を含むことを特徴とする、堆肥分解性ブロックの製造方法。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記一次発酵工程が、土場での一次発酵であって、
地面上で、略60~80℃の温度で、略2~3カ月の期間をかけて発酵させる工程であること、
を特徴とする、請求項1に記載の堆肥分解性ブロックの製造方法。
【請求項3】
前記一次発酵工程が、攪拌するための回転機構を備えた施肥製造機械を用いた一次発酵であって、
前記施肥製造機械を用いて、略70~80℃の温度で、略2週間の期間をかけて発酵させる工程であること、
を特徴とする、請求項1に記載の堆肥分解性ブロックの製造方法。
【請求項4】
前記二次発酵工程が、
一次発酵で分解されなかった難分解性の高分子有機物を分解させるために、前記一次発酵素材を、前記一次発酵工程で上昇した温度から徐々に温度を下げながら発酵させて二次発酵素材を生成する工程であって、
前記一次発酵工程における発酵温度より少なくとも10℃以上低下させた発酵温度に設定したこと、
を特徴とする、請求項1に記載の堆肥分解性ブロックの製造方法。
【請求項5】
前記生成した二次発酵素材を堆肥分解性ブロックとして固化させるための製造工程における前記固化材として、
前記二次発酵工程で生成した二次発酵素材と添加剤の合計重量に対し8~12重量%の酸化マグネシウムを用いること、
を特徴とする、請求項1~4のいずれか1つに記載の堆肥分解性ブロックの製造方法。
【請求項6】
請求項5に記載の堆肥分解性ブロックの製造方法において、
前記生成した二次発酵素材を堆肥分解性ブロックとして固化させるための製造工程における前記固化材として、酸化マグネシウムを用いることにより、
前記酸化マグネシウムが水分と反応する水和反応により水酸化マグネシウムに変化するとともに、
前記酸化マグネシウムが前記添加した鉄鋼スラグと反応することにより結晶結合を促進することで、固化を強化すること、
を特徴とする、堆肥分解性ブロックの製造方法。
【請求項7】
混合した木材チップと水産加工残渣の発酵生成物であって、有機化合物を無機態の栄養塩に分解した二次発酵素材と、
前記二次発酵素材も含めた合計重量に対し、添加剤として、ブロック状に固化させるための固化材を8~12重量%、比重調整及び固化を促進するための鉄鋼スラグを含む金属材料を20~25重量%、つなぎ材としてグアーガムを含む増粘材を0.5~1.0重量%とを含むこと、
を特徴とする、堆肥分解性ブロック。
【請求項8】
前記二次発酵素材を堆肥分解性ブロックとして固化させるための前記固化材として、
前記二次発酵素材と添加剤の合計重量に対し8~12重量%の酸化マグネシウムを用いること、
を特徴とする、請求項7に記載の堆肥分解性ブロック。
【請求項9】
前記酸化マグネシウムに由来する水酸化マグネシウムが含まれること、及び、
前記酸化マグネシウムと前記添加した鉄鋼スラグとの結晶結合により、固化が強化されていること、
を特徴とする、請求項8に記載の堆肥分解性ブロック。
【請求項10】
所定の海域に、請求項7~9のいずれか一つに記載の堆肥分解性ブロックを投入配置し、藻場を育成する藻場育成システム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、主に、海洋に設置して、周囲に海藻類の生育に必要な栄養塩を溶出させる堆肥分解性ブロック、及び、堆肥分解性ブロックの製造方法、及び、堆肥分解性ブロックを利用した磯焼け防止方法に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
コンブ、ワカメ、ホンダワラなどの海藻類は、大型の藻類であり、大きくなるものでは数メートル以上にも達することが知られている。
これらの大型の藻類は、光合成による有機物の生産能力が高く、岩場に広範囲にわたって群生することにより、藻場を形成して、多様な魚介類の生息場や産卵場所を供給している。
【0003】
ところが、近年、日本各地の沿岸ではこのような藻場が減少しており、コンブなどの海藻群落が減少して不毛状態となってしまう「磯焼け」と呼ばれる現象や、コンブやワカメなどの色が薄くなって商品価値が低下する「色落ち」などの発生が問題になっている。
【0004】
この原因としては、様々なことが考えられるが、高水温、貧栄養な海域の環境、ウニ類などの海藻を食べる植食動物の摂食活動が主な原因と考えられている。
特に、貧栄養の点については、河川の護岸工事や上流でのダム建設、海域に流れ込む河川の上流における広葉樹の伐採によって、落ち葉が堆積してできていた腐植土中の鉄分や栄養塩など、海藻類の生育に必要な鉄分や栄養塩の水域への供給が減少したことが大きな原因であると考えられている。
これに対して、背景技術として魚礁の利用や、肥料(栄養塩)の補給等の施策は有効であるが、磯焼けを完全に解消するには至っていない。
そこで、海域の栄養塩を補充するために、様々な方法が考案されている。
【0005】
例えば、特許文献1「水産資源賦活用構造体及び製造方法」には、間伐材を粉砕して発酵させたのち、水産物材料を混ぜてさらに発酵させたうえで、袋詰めしたものを海域に敷設して、栄養塩を補充する技術が開示されている。
【0006】
しかし、特許文献1に記載の技術では、栄養塩を含む素材を袋詰めして海域に敷設するので、栄養塩成分が早期に溶出して、比較的短期間で栄養塩補充の効果が止まってしまうという不都合があった。
【0007】
これに対応する技術として、特許文献2の技術がある。
特許文献2「水産資源賦活用構造体及び製造方法」には、間伐材を粉砕して発酵させたのち、水産物材料を混ぜてさらに発酵させたうえで、結着材を添加して、型枠に投入してブロック状に固化したもの海域に敷設して、栄養塩を補充する技術が開示されている。
【0008】
特許文献2の技術によれば、栄養塩の溶出が比較的長期間にわたって維持されるので、長期的に、海藻類の生育を促すことが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2012-139174号公報
特開2012-239396号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、特許文献2の技術では、間伐材や緑葉などの植物性材料を発酵させたものを用いているため、栄養塩の量が不十分であり、磯焼けを防止する効果が必ずしも高いとはいえなかった。
なお、特許文献2の技術では、段落0017において「本実施例では、破砕後に一次発酵を行っているが、この工程は必須ではない。ただし、海藻の賦活の目的には、植物性材料は醗酵させて用いることが望ましい。」と記載され、発酵過程によって、有機化合物を無機態の栄養塩に変化させることの意義を重視していないことが読み取れる。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許

寿都町
堆肥分解性ブロックの製造方法、堆肥分解性ブロック及び、堆肥分解性ブロックを利用した磯焼け防止方法
2日前
個人
真空パックした堆肥
2か月前
株式会社土と野菜
植物の成長促進方法
3か月前
株式会社ビッグウィルマテリアル
有機発酵肥料
2か月前
公立大学法人大阪
タケ由来ミミズ堆肥
1日前
日本製鉄株式会社
肥料及び肥料の製造方法
2か月前
株式会社フジタ
肥料とその製造方法
4か月前
株式会社フジタ
肥料とその製造方法
4か月前
片倉コープアグリ株式会社
液状肥料及びその施肥方法
今日
株式会社森羊土
きのこ廃培地発酵乾燥資材の使用方法
7日前
住友化学株式会社
被覆粒状肥料および被覆粒状肥料の製造方法
3か月前
ケイワート・サイエンス株式会社
植物付与水溶液の製造方法
3か月前
メタウォーター株式会社
肥料製造システム及び肥料製造方法
3か月前
DIC株式会社
植物育成剤、植物栽培用組成物、及び植物を栽培する方法
2か月前
タキイ種苗株式会社
組成物、培養土、キット、および組成物の製造方法
3か月前
日本製紙株式会社
肥料用組成物およびその製造方法
4か月前
デンカ株式会社
液状腐植酸、及び液状腐植酸の製造方法
4か月前
寿都町
堆肥分解性ブロックの製造方法、堆肥分解性ブロック及び、堆肥分解性ブロックを利用した磯焼け防止方法
2日前
日清紡ホールディングス株式会社
培養液、イチゴ栽培施設およびイチゴ栽培方法
3か月前
出光興産株式会社
組成物、組成物の製造方法、組成物の使用方法、肥料組成物、及び肥料組成物の使用方法
2か月前
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
無機養液の製造方法及びその装置
4か月前
バテル・メモリアル・インスティテュート
向上されたマイクロチャンネルデバイスまたはメソチャンネルデバイス、及びその添加製造方法
1か月前
日本放送協会
有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置、及び照明装置
4か月前
シャンハイテック ユニバーシティ
ASIC1チャネルアンタゴニスト抗体
4か月前