TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025138243
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-25
出願番号2024037221
出願日2024-03-11
発明の名称メソポーラスカーボン担体の製造方法及びメソポーラスカーボン担体、並びに電極材料、電極、膜電極接合体及び固体高分子形燃料電池
出願人国立大学法人九州大学
代理人個人,個人
主分類C01B 32/05 20170101AFI20250917BHJP(無機化学)
要約【課題】容易に粉砕可能で、小粒径のメソポーラスカーボンを得ることができるメソポーラスカーボン担体の製造方法を提供する。
【解決手段】以下の工程を有するメソポーラスカーボン担体の製造方法。
工程(1):含水有機溶媒中、フェノール類(A)と、アルデヒド類(B)と、界面活性剤(C)とを、熱消失性ポリマー(D)の共存下で重合反応させる工程
工程(2):得られた溶液から溶媒を留去して得られた乾燥物を不活性ガス雰囲気下、熱処理してメソポーラスカーボン塊状物を得る工程
工程(3):得られたメソポーラスカーボン塊状物を粉砕する工程
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
以下の工程を有するメソポーラスカーボン担体の製造方法。
工程(1):含水有機溶媒中、フェノール類(A)と、アルデヒド類(B)と、界面活性剤(C)とを、熱消失性ポリマー(D)の共存下で重合反応させる工程
工程(2):得られた溶液から溶媒を留去して得られた乾燥物を不活性ガス雰囲気下、熱処理してメソポーラスカーボン塊状物を得る工程
工程(3):得られたメソポーラスカーボン塊状物を粉砕する工程
続きを表示(約 770 文字)【請求項2】
工程(1)において、界面活性剤(C)の共存下、フェノール類(A)及びアルデヒド類(B)を予備重合させた後に、熱消失性ポリマー(D)と混合してさらに重合反応を進行させる請求項1に記載のメソポーラスカーボン担体の製造方法。
【請求項3】
フェノール類(A)がフロログルシノールであり、アルデヒド類(B)がホルムアルデヒドである請求項1に記載のメソポーラスカーボン担体の製造方法。
【請求項4】
界面活性剤(C)が、非イオン性界面活性剤である請求項1に記載のメソポーラスカーボン担体の製造方法。
【請求項5】
熱消失性ポリマー(D)が、親水性ポリマーである請求項1に記載のメソポーラスカーボン担体の製造方法。
【請求項6】
熱消失性ポリマー(D)が、ポリビニルアルコールである請求項5に記載のメソポーラスカーボン担体の製造方法。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の製造方法で得られるメソポーラスカーボン担体。
【請求項8】
多孔質炭素担体と、前記多孔質炭素担体に担持された電極触媒粒子とを含み、
前記多孔質炭素担体の少なくとも一部が、請求項7に記載のメソポーラスカーボン担体である電極材料。
【請求項9】
請求項8に記載の電極材料とプロトン伝導性電解質材料を含む電極。
【請求項10】
固体高分子電解質膜と、前記固体高分子電解質膜の一方面に接合されたカソードと、前記固体高分子電解質膜の他方面に接合されたアノードと、を有する膜電極接合体であって、前記アノードまたはカソードのいずれか一方又は両方が、請求項9に記載の電極である膜電極接合体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、メソポーラスカーボン担体の製造方法に関する。より詳しくは固体高分子形燃料電池等の電極材料の多孔質炭素担体に好適なメソポーラスカーボン担体の製造方法に関するものである。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
メソポーラスカーボン(MC)は、メソサイズの細孔を有する炭素材料であり、近年、固体高分子形燃料電池(PEFC)の電極触媒担体として注目されている。
メソポーラスカーボンの製造方法として、炭素前駆体化合物と、酸化マグネシウム等の鋳型粒子とを混合し、この混合物を窒素雰囲気中で熱処理して得られた炭化物から、鋳型粒子を溶出させてメソポーラスカーボンを得る方法が広く知られている(例えば、特許文献1等)。また、鋳型粒子を使用しないメソポーラスカーボンの合成方法として、界面活性剤及びカーボン前駆体が自己組織化した組成物を窒素雰囲気中で熱処理して炭化することによってメソポーラスカーボンを得る方法が知られている(特許文献2、非特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2010-208887号公報
WO2008/093731号
【非特許文献】
【0004】
ECS Trans., 109(9), 349 (2022)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
メソポーラスカーボンを燃料電池電極の電極触媒担体に使用した場合、メソポーラスカーボンの粒子径が大きい(粒子径1~2μm程度)と、粒子間抵抗が大きくなるため、粒子径の小さい(粒子径0.05~1μm程度)メソポーラスカーボンが求められている。
メソポーラスカーボン合成方法では、炭素前駆体を熱処理し炭化して得られる炭化物は、バルク状の塊状物であるため、これを粉砕して小粒径にする必要があるが、上記従来の合成方法で得られるメソポーラスカーボンの塊状物は硬度が高く、ボールミル粉砕で微粒子化するには限界があった。さらには、より小粒径のメソポーラスカーボンを得るために、粉砕強度を高くしたり、粉砕時間を長くしたりすると、メソポーラスカーボンのメソ孔を構成する炭素壁面が破壊され、メソ孔が閉塞する場合があった。
【0006】
かかる状況下、本発明の目的は、従来技術における上記のような課題を解決し、容易に粉砕可能で、小粒径のメソポーラスカーボンを得ることができるメソポーラスカーボン担体の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記の発明が上記目的に合致することを見出し、本発明に至った。
【0008】
すなわち、本発明は、以下の発明に係るものである。
<1> 以下の工程を有するメソポーラスカーボン担体の製造方法。
工程(1):含水有機溶媒中、フェノール類(A)と、アルデヒド類(B)と、界面活性剤(C)とを、熱消失性ポリマー(D)の共存下で重合反応させる工程
工程(2):得られた溶液から溶媒を留去して得られた乾燥物を不活性ガス雰囲気下、熱処理してメソポーラスカーボン塊状物を得る工程
工程(3):得られたメソポーラスカーボン塊状物を粉砕する工程
<2> 工程(1)において、界面活性剤(C)の共存下、フェノール類(A)及びアルデヒド類(B)を予備重合させた後に、熱消失性ポリマー(D)と混合してさらに重合反応を進行させる<1>に記載のメソポーラスカーボン担体の製造方法。
<3> フェノール類(A)がフロログルシノールであり、アルデヒド類(B)がホルムアルデヒドである<1>または<2>に記載のメソポーラスカーボン担体の製造方法。
<4> 界面活性剤(C)が、非イオン性界面活性剤である<1>から<3>のいずれかに記載のメソポーラスカーボン担体の製造方法。
<5> 熱消失性ポリマー(D)が、親水性ポリマーである<1>から<4>のいずれかに記載のメソポーラスカーボン担体の製造方法。
<6> 熱消失性ポリマー(D)が、ポリビニルアルコールである<1>から<5>のいずれかに記載のメソポーラスカーボン担体の製造方法。
<7> <1>から<6>のいずれかに記載の製造方法で得られるメソポーラスカーボン担体。
<8> 多孔質炭素担体と、前記多孔質炭素担体に担持された電極触媒粒子とを含み、
前記多孔質炭素担体の少なくとも一部が、<7>に記載のメソポーラスカーボン担体である電極材料。
<9> <8>に記載の電極材料とプロトン伝導性電解質材料を含む電極。
<10> 固体高分子電解質膜と、前記固体高分子電解質膜の一方面に接合されたカソードと、前記固体高分子電解質膜の他方面に接合されたアノードと、を有する膜電極接合体であって、前記アノードまたはカソードのいずれか一方又は両方が、<9>に記載の電極である膜電極接合体。
<11> <10>に記載の膜電極接合体を備えてなる固体高分子形燃料電池。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、容易に粉砕可能で、小粒径のメソポーラスカーボン担体を得ることができるメソポーラスカーボン担体の製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
実施例1のメソポーラスカーボン担体の作製手順の説明図である。
メソポーラスカーボン担体のFE-SEM像であり、(a)は実施例1、(b)は比較例1である。
実施例1及び比較例1のメソポーラスカーボン担体の細孔分布の測定結果である。
実施例1及び比較例1のMEAを使用したPEFC(単セル)のIV特性及び過電圧特性である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

特許ウォッチbot のツイートを見る
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許

国立大学法人九州大学
核酸増幅方法
5日前
国立大学法人九州大学
センサー装置
2か月前
国立大学法人九州大学
遺伝子発現増強剤
2か月前
国立大学法人九州大学
牛の放牧飼養管理方法
4か月前
リンナイ株式会社
調理システム
5か月前
株式会社王樹製薬
抗ウィルス液
1か月前
株式会社明治
脳機能改善用組成物
1か月前
国立大学法人九州大学
固体電解質、積層体、及び、燃料電池
6か月前
株式会社タクマ
二酸化炭素回収装置
5か月前
国立大学法人九州大学
コバルト及びニッケルの分離回収方法
4か月前
株式会社安藤・間
焼却残渣処分方法
6か月前
リンナイ株式会社
深部体温推定装置
2か月前
株式会社安藤・間
廃棄物埋立て方法
6か月前
リンナイ株式会社
深部体温推定装置
2か月前
国立大学法人九州大学
磁気センサの製造方法及び磁気センサ
11日前
日本電信電話株式会社
高周波発生装置
3か月前
国立大学法人東北大学
認知機能改善剤
5か月前
国立大学法人九州大学
可逆燃料電池システム及びその運転方法
4日前
鹿島建設株式会社
遮水工、温度監視方法
5か月前
株式会社不動テトラ
地盤改良効果の解析方法
6か月前
国立大学法人九州大学
水電解装置、水素製造システム及び水電解方法
1か月前
日本ゼオン株式会社
フッ化炭化水素の製造方法
4か月前
学校法人常翔学園
選択性ガス分離膜の製造方法
4か月前
国立大学法人九州大学
液晶化合物、並びにこれを含む液晶組成物および素子
25日前
国立大学法人九州大学
医用情報処理装置、医用画像診断装置、方法及びプログラム
20日前
国立大学法人九州大学
医用情報処理装置、医用画像診断装置、方法及びプログラム
20日前
国立大学法人九州大学
情報処理装置、情報処理方法、及びコンピュータプログラム
11日前
株式会社明治
筋分化促進用組成物、及び筋肉増強用組成物
1か月前
株式会社明治
67kDaラミニンレセプター活性化用組成物
1か月前
国立大学法人九州大学
有機エレクトロルミネッセンス素子、その設計方法およびプログラム
6か月前
トヨタ自動車九州株式会社
水電解装置及び水電解装置の運転制御方法
2か月前
国立大学法人 熊本大学
クリック反応素子AOCN誘導体又はその塩
19日前
株式会社明治
速筋線維発現促進用組成物、及び筋肉速筋化促進用組成物
1か月前
JFEスチール株式会社
酸素化合物ガスの分解方法およびガス分解装置
28日前
国立大学法人九州大学
プローブの設計方法、プローブの設計システム、及びプローブの設計プログラム
5か月前
JFEスチール株式会社
積層体、ガス分解装置および酸素化合物ガスの分解方法
28日前
続きを見る