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公開番号2025073282
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-13
出願番号2023183922
出願日2023-10-26
発明の名称コバルト及びニッケルの分離回収方法
出願人国立大学法人九州大学
代理人個人,個人,個人
主分類C22B 23/00 20060101AFI20250502BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】 コバルト及びニッケルを含む材料から、安価かつ簡易にコバルトとニッケルを別々に分離して回収する方法を提供すること。
【解決手段】 コバルト及びニッケルを含む材料から、コバルト及びニッケルを別々に分離して回収する方法であり、コバルト及びニッケルを含む材料を、アラニン及び/又はフェニルアラニンを含む溶液に接触させて、コバルト‐アミノ酸錯体を沈殿させ、沈殿したコバルト‐アミノ酸錯体を分離するコバルト分離工程と、コバルト‐アミノ酸錯体が分離された溶液に、シュウ酸を添加して、ニッケル‐シュウ酸錯体を沈殿させ、沈殿したニッケル‐シュウ酸錯体を分離するニッケル分離工程と、を有するコバルト及びニッケルの分離回収方法である。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
コバルト及びニッケルを含む材料から、該コバルト及びニッケルを別々に分離して回収する方法であって、
前記コバルト及びニッケルを含む材料を、アラニン及び/又はフェニルアラニンを含む溶液に接触させて、コバルト‐アミノ酸錯体を沈殿させ、該沈殿したコバルト‐アミノ酸錯体を分離するコバルト分離工程と、
前記コバルト‐アミノ酸錯体が分離された溶液に、シュウ酸を添加して、ニッケル‐シュウ酸錯体を沈殿させ、該沈殿したニッケル‐シュウ酸錯体を分離するニッケル分離工程と、
を有することを特徴とするコバルト及びニッケルの分離回収方法。
続きを表示(約 440 文字)【請求項2】
前記ニッケル分離工程における溶液の温度が、60~80℃であることを特徴とする請求項1記載のコバルト及びニッケルの分離回収方法。
【請求項3】
前記アラニン及び/又はフェニルアラニンを含む溶液のpHが、8.0~12.0であることを特徴とする請求項1記載のコバルト及びニッケルの分離回収方法。
【請求項4】
前記ニッケル分離工程において、前記シュウ酸を添加する前、又は、添加直後に、予め用意したニッケル‐シュウ酸錯体を添加することを特徴とする請求項1記載のコバルト及びニッケルの分離回収方法。
【請求項5】
前記コバルト及びニッケルを含む材料が、モリブデン及び/又はバナジウムを含むことを特徴とする請求項1記載のコバルト及びニッケルの分離回収方法。
【請求項6】
前記コバルト及びニッケルを含む材料が、廃触媒又は電池材料であることを特徴とする請求項1~5のいずれか記載のコバルト及びニッケルの分離回収方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、コバルト及びニッケルを含む材料から、コバルトとニッケルを別々に分離して回収する方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
有害物質の排出削減に焦点を当てた環境規制の強化の結果、低硫黄燃料及び低硫黄ガソリンの需要が増加している。更に、硫黄分、窒素分、金属分を多く含む重質原油を処理する必要性も高まっている。これらの要因により、世界中の石油精製所において水素化脱硫(HDS)触媒の使用が増加している。
水素化脱硫触媒は、数サイクルの使用後、原油に由来する炭素(C)、硫黄(S)、その他の金属などの汚染物質が析出することにより失活することが多い。このため、使用済みの水素化脱硫触媒(以下、使用済み触媒とも記載)は、廃棄物として処分される。
【0003】
使用済み触媒は、一般的に高濃度の金属(例えば、15~30wt%Al、4~12wt%Mo、1~5wt%Ni、0~4wt%Co)を含んでいる。これらの金属は、外部の大気と接触すると容易に酸化され、その結果、有害な重金属が土壌や地下水に放出される。例えば、中性pHの純水中であっても、使用済み触媒からモリブデン(Mo)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)が多量に溶出することが報告されており、このような廃棄物の処分に伴う環境問題が指摘されている(例えば、非特許文献1参照)。このため、使用済み触媒はアメリカ合衆国環境保護庁(USEPA)によって有害廃棄物に分類され、厳格な規制なしに処分することはできない。
【0004】
このような環境への懸念があるにもかかわらず、使用済み触媒は、重要な遷移金属を多く含み、天然鉱石の枯渇のおそれもあることから、潜在的な二次金属資源とみなすことができる。このため、使用済み触媒からの金属の回収は、金属の持続可能な供給にとって極めて重要である。
【0005】
水素化脱硫触媒には、コバルトとニッケルの両方を活性成分とするものがある。このため、廃棄される使用済み触媒は、コバルトとニッケルをリサイクルするための貴重な供給源になりうる。なお、コバルトとニッケルは、使用済みバッテリーやラテライト鉱石等にも含まれる。
【0006】
コバルトとニッケルの一般的な回収方法としては、強酸による浸出があり、この方法は簡単で安価であるが、水溶液からコバルトとニッケルを分離するのが難しいという重大な欠点がある。
【0007】
コバルトとニッケルは周期表で隣接しているため、化学的性質が類似している。これらの金属は一緒に溶出し共沈する傾向があるため、コバルトとニッケルの分離は極めて困難であり、また、所定のpH環境における挙動が類似しているため、単純な水酸化物沈殿では達成できない。
【0008】
近年は、コバルトとニッケルを分離するために溶媒抽出を使っているが、このプロセスでは、抽出剤にホスフィン酸等を使用する必要があるため、比較的コストがかかっていた(非特許文献2、3参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
Angelidis, T., Tourasanidis, E., Marinou, E., and Stalidis, G. (1995). Selective dissolution of critical metals from diesel and naptha spent hydrodesulphurization catalysts. Resour. Conserv. Recycl. 13, 269-282. doi:10.1016/0921-3449(94)00049-b
Liu, Y., Nam S.H., Lee M.S.(2015). A study on the separation of Co(II), Ni(II), and Mg(II) by solvent extraction with cationic extractants, Bull. Korean Chem. Soc. 36 (2015) 2646-2650. doi:10.1002/bkcs.10535
Ayanda,O.S., Adekola, F.A., Baba, A.A., Ximba, B.J., Fatoki, O.S. (2013) Application of Cyanex extractant in Cobalt/Nickel separation process by solvent extraction. Int. J. Phys. Sci. 8 (3) 89-97. doi:10.5897/IJPS12.135.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
このような状況下、高価な抽出剤を用いることなく、コバルト及びニッケルを含む材料からコバルトとニッケルを別々に分離して回収できる安価な手法が求められている。
(【0011】以降は省略されています)

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