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公開番号2025080192
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-23
出願番号2023193279
出願日2023-11-13
発明の名称選択性ガス分離膜の製造方法
出願人学校法人常翔学園,国立大学法人九州大学
代理人個人,個人,個人
主分類B01D 71/70 20060101AFI20250516BHJP(物理的または化学的方法または装置一般)
要約【課題】二酸化炭素の選択性に優れるポリシロキサンからなる選択性ガス分離膜を、熱又は光に依存した架橋反応に基づくこと無く作製することができる選択性ガス分離膜の製造方法、さらに前記の選択性ガス分離膜の製造方法であって、大面積の膜を作製することができる選択性ガス分離膜の製造方法を提供する。
【解決手段】ポリシロキサン又はポリシロキサン誘導体の高分子鎖中に、多環芳香族化合物を導入し、水素結合性を有する高分子化合物を、厚さ0.02~2.0μmの膜に成膜することを特徴とする選択性ガス分離膜の製造方法、及び前記成膜が、支持体上へ、前記高分子化合物の溶液のスプレー塗布により行われることを特徴とする選択性ガス分離膜の製造方法。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
ポリシロキサン又はポリシロキサン誘導体の高分子鎖中に、多環芳香族化合物を導入した主鎖からなり、水素結合性を有する高分子化合物を、厚さが0.01μm以上の膜に成膜することを特徴とする選択性ガス分離膜の製造方法。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記ポリシロキサン又はポリシロキサン誘導体が、ポリジメチルシロキサンであることを特徴とする請求項1に記載の選択性ガス分離膜の製造方法。
【請求項3】
前記高分子化合物が、下記一般式(1)で表される2価基を主鎖とする高分子化合物であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の選択性ガス分離膜の製造方法。
TIFF
2025080192000008.tif
29
139
[式中、Rは、置換基を有していてもよい炭素数が1~4のアルキル基であり、R1は、下記の式(2)、(3)又は(4)より選ばれる2価基であり、a及びbは、それぞれ同一又は異なって、1~5であり、mは、1~10であり、nは、7~270であり、複数のR及びR1は、それぞれ、同一であっても、互いに異なっていてもよい。]
TIFF
2025080192000009.tif
64
162
【請求項4】
前記高分子化合物が、下記一般式(5)で表される2価基を主鎖とする高分子化合物であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の選択性ガス分離膜の製造方法。
TIFF
2025080192000010.tif
31
146
[式中、Rは、置換基を有していてもよい炭素数が1~4のアルキル基であり、R2は、下記の式(6)、(7)又は(8)より選ばれる2価基であり、a及びbは、それぞれ同一又は異なって、1~5であり、mは、1~60であり、nは、7~40であり、複数のR及びR2は、それぞれ、同一であっても、互いに異なっていてもよい。]
TIFF
2025080192000011.tif
61
146
【請求項5】
前記成膜が、前記高分子化合物の溶液のスプレー塗布により行われることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の選択性ガス分離膜の製造方法。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の選択性ガス分離膜の製造方法により製造されることを特徴とする選択性ガス分離膜。
【請求項7】
二酸化炭素を含有する気体を、請求項6に記載の選択性ガス分離膜を透過させることを特徴とする前記気体中の二酸化炭素の濃縮方法。
【請求項8】
二酸化炭素を透過可能な支持体と、前記支持体上に成膜された請求項6に記載の選択性ガス分離膜を有することを特徴とする選択性ガス分離部材。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリシロキサン又はポリシロキサン誘導体をその主鎖に含む高分子の膜であって、二酸化炭素の透過性が高く、二酸化炭素と窒素等の他の気体との分離性(選択性)に優れている選択性ガス分離膜の製造方法に関する。特に、前記選択性ガス分離膜を大面積で成膜可能な製造方法に関する
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
現在、地球温暖化の抑制、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みとして、大気中の二酸化炭素を選択的に分離回収し、炭素資源として、例えば各種の炭素化合物の合成原料として、その利用を図る二酸化炭素循環システムの研究開発が注目されている。そして、大気中の二酸化炭素を選択的に分離回収する技術として、原理的には熱エネルギーを必要としない二酸化炭素分離技術である膜分離法、すなわち、気体を透過させることによって、気体中の希薄な二酸化炭素を高い選択性で分離する膜を使用する方法が着目されている。
【0003】
ポリシロキサンはシロキサン結合(Si-O-Si)が数十個から千個程度連なった骨格の高分子である。ポリシロキサン特にポリジメチルシロキサン(シリコーンゴム)は、二酸化炭素の気体透過係数が大きく、ポリジメチルシロキサンの薄膜に二酸化炭素を含有する気体例えば大気を透過させることにより、その気体から二酸化炭素を高い選択性で分離して取り出すことができる。このように、ポリシロキサンの膜は二酸化炭素の選択性に優れるため、地球温暖化の抑制、カーボンニュートラルの実現等に向けての応用展開が期待されている。
【0004】
二酸化炭素の選択分離性に優れるポリシロキサンの膜は、従来は、熱又は光に基づくポリシロキサンの架橋反応により製造されている。しかし、架橋には熱又は光を必要とするので、エネルギー利用の観点から膜の製造における二酸化炭素のさらなる排出が問題として指摘されている。又、この製造方法によっては、社会的要請の大きい大面積の膜の作製は困難である。そこで、この問題を克服するために、熱又は光による架橋反応を使用せずに、ポリシロキサンの膜を作製できる方法の開発が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許3069654号公報
【非特許文献】
【0006】
Chem.Lett., 第48巻(2019年)1351頁
日本ゴム協会誌 第90巻第7号(2017年)346-353頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、ポリシロキサンからなり、二酸化炭素選択性に優れる選択性ガス分離膜を、熱又は光に依存した架橋反応を必要とせずに作製する選択性ガス分離膜の製造方法を提供することを課題とする。
本発明は、さらに前記の選択性ガス分離膜の製造方法であって、大面積の膜を作製することができる選択性ガス分離膜の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、前記課題を解決するために検討を重ねた結果、ポリシロキサン又はポリシロキサン誘導体に多環芳香族基を導入することで、光又は熱を利用しなくとも薄い膜を成膜できる高分子化合物を調製でき、この高分子化合物を成膜することにより、従来の光又は熱を利用して架橋した高分子化合物から得られる選択性ガス分離膜と、同等程度の二酸化炭素の透過性、二酸化炭素の選択性を有する選択性ガス分離膜が得られることを見出した。
【0009】
本発明者は、さらに、ポリシロキサン又はポリシロキサン誘導体に多環芳香族基を導入して調製した高分子化合物は、塗布するだけで膜になり、スプレーによる塗布が可能となるので、スプレー塗布により社会的要請が大きい大面積の選択性ガス分離膜が得られることを見出し、本発明を完成した。すなわち、前記の本発明の課題は、下記の構成からなる発明により解決される。
【0010】
本発明の第1は、
ポリシロキサン又はポリシロキサン誘導体の高分子鎖中に、多環芳香族化合物を導入した主鎖からなり、水素結合性を有する高分子化合物を、厚さが0.01μm以上の膜に成膜することを特徴とする選択性ガス分離膜の製造方法である。
(【0011】以降は省略されています)

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