TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025152265
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-09
出願番号2024054085
出願日2024-03-28
発明の名称軽量気泡コンクリートの製造方法
出願人ケイミューシポレックス株式会社,鹿島建設株式会社
代理人個人
主分類C04B 28/18 20060101AFI20251002BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】軽量気泡コンクリート(ALC)の製造プロセスにおいて、CO2排出量削減への寄与とALC製品の生産性及び製品物性の保持を両立させること。
【解決手段】固形分として、高炉スラグ微粉末を主成分とする固化材、石灰質原料、珪酸質原料、石こう、及び、アルミニウム粉末と、を含んでなる主原料スラリーに、平均粒径1.0μm以上15.0μm以下の炭酸カルシウム微粉末を添加して混合することにより、二酸化炭素排出抑制型原料スラリーを得る、原料スラリー調合工程と、前記二酸化炭素排出抑制型原料スラリーを型枠内で半硬化させて軽量気泡コンクリート生ケーキを得る、半硬化工程と、前記軽量気泡コンクリート生ケーキを所定寸法に切断する、切断工程と、所定寸法に切断された前記軽量気泡コンクリート生ケーキを水蒸気養生することによって軽量気泡コンクリートを得る、硬化工程と、を含んでなる、軽量気泡コンクリートの製造方法とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
軽量気泡コンクリートの製造方法であって、
固形分として、高炉スラグ微粉末を主成分とする固化材、石灰質原料、珪酸質原料、石こう、及び、アルミニウム粉末を含んでなる主原料スラリーに、更に、炭酸カルシウムを添加して混合することにより、二酸化炭素排出抑制型原料スラリーを得る、原料スラリー調合工程と、
前記二酸化炭素排出抑制型原料スラリーを型枠内で半硬化させて軽量気泡コンクリート生ケーキを得る、半硬化工程と、
前記軽量気泡コンクリート生ケーキを所定寸法に切断する、切断工程と、
所定寸法に切断された前記軽量気泡コンクリート生ケーキを水蒸気養生することによって軽量気泡コンクリートを得る、硬化工程と、を含んでなり、
前記炭酸カルシウムが、平均粒径1.0μm以上15.0μm以下の炭酸カルシウム微粉末である、
軽量気泡コンクリートの製造方法。
続きを表示(約 810 文字)【請求項2】
前記固化材中の高炉スラグ微粉末の割合が90重量%以上である、
請求項1に記載の軽量気泡コンクリートの製造方法。
【請求項3】
前記固化材としては、高炉スラグ微粉末のみが含まれている、
請求項1に記載の軽量気泡コンクリートの製造方法。
【請求項4】
前記二酸化炭素排出抑制型原料スラリー中の前記炭酸カルシウム微粉末の含有量が、前記二酸化炭素排出抑制型原料スラリー中の固形分の総量に対して、固形分比で、10重量%以上50重量%以下である、
請求項1から3の何れかに記載の軽量気泡コンクリートの製造方法。
【請求項5】
軽量気泡コンクリート製造用の原料スラリーであって、
固形分として、高炉スラグ微粉末を主成分とする固化材、石灰質原料、珪酸質原料、石こう、アルミニウム粉末、及び、炭酸カルシウムを含んでなり、
前記炭酸カルシウムが、平均粒径1.0μm以上15.0μm以下の炭酸カルシウム微粉末である、
軽量気泡コンクリート製造用の二酸化炭素排出抑制型原料スラリー。
【請求項6】
前記固化材中の高炉スラグ微粉末の割合が90重量%以上である、
請求項5に記載の軽量気泡コンクリート製造用の二酸化炭素排出抑制型原料スラリー。
【請求項7】
前記固化材としては、高炉スラグ微粉末のみが含まれている、
請求項5に記載の軽量気泡コンクリート製造用の二酸化炭素排出抑制型原料スラリー。
【請求項8】
前記炭酸カルシウム微粉末の含有量が、前記二酸化炭素排出抑制型原料スラリー中の固形分の総量に対して、固形分比で、10重量%以上50重量%以下である、
請求項5から7の何れかに記載の軽量気泡コンクリート製造用の二酸化炭素排出抑制型原料スラリー。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、軽量気泡コンクリート(ALC)の製造方法に関する。詳しくは、本発明は、建築物の壁や屋根、床等に主としてパネル状の建材として使用されるALCの製造方法であって、ALCの品質を維持しながら、温室効果ガス(GHG(Green House Gas))の排出量の削減に寄与することができる、軽量気泡コンクリートの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化の急速な進行に伴い、温室効果ガス(GHG)、即ち、二酸化炭素(CO

)の排出量の削減が、産業界全体として喫緊の課題となっているが、ALCの製造においても、CO

排出量の削減に寄与することが求められている。
【0003】
ALCの製造は、補強用鉄筋をセットしたモールドに注入した原料スラリーが発泡し半硬化体(生ケーキ)となった後に脱型し、脱型された生ケーキを所定の寸法に切断し、更に、オートクレーブにおいて高温高圧水蒸気養生する製造方法によって行われている。そして、上記の原料スラリーとしては、珪石や珪砂等の珪酸質原料と、セメントや生石灰等の石灰質原料を主成分とし、その他、発泡剤としてのアルミニウム粉末、界面活性剤等の添加物、及び、水を含むスラリー状の原料が用いられている(特許文献1参照)。
【0004】
上記のようにして行われているALCの製造現場において、CO

排出量の削減に寄与する一つの方策として、原料スラリーの材料として用いる固化材であるセメントの全部若しくは一部を、潜在水硬性を有しCO

排出原単位の小さい高炉スラグ微粉末に置き替えることが考えられる。これにより、ALCの製造現場において、産業界全体で排出されるCO

の総排出量の削減に寄与することが可能であると考えられる。
【0005】
又、ALCの製造現場におけるCO

排出量の削減に寄与する他の方策として、原料スラリーに含まれる石灰質原料の一部を、炭酸塩鉱物化技術によって製造された炭酸カルシウム(CaCO

)等、各種の二酸化炭素固定原料に置き替えることも考えられる。このようなCCSU(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)技術は、例えば、様々な工業プロセス等から排出されるCO

を鉱物と反応させて、炭酸カルシウム(CaCO

)等の炭酸塩として固定化する技術等が挙げられ注目を集めている(特許文献2参照)。これによっても、上記同様、CO

の総排出量の削減に寄与することが可能であると考えられる。本明細書では、このように、工業的プロセスによってCO

を化学的に固定した鉱物からなる原料鉱物全般を「二酸化炭素固定原料」と称する。
【0006】
しかしながら、ALCの製造において、CO

排出量の削減に寄与し得る上記の各方策を導入する場合、前者の方策として、ALC製造用の原料スラリー中の固化材であるセメントの全部若しくは一部を高炉スラグ微粉末で代替すると、上述の成分からなるスラリーの硬化が遅延して生産性が低下する傾向があり、又、後者の方策としてALC製造用の原料スラリーにおいて石灰質原料中の炭酸カルシウムの割合を大きくすると、硬化後のALC製品の圧縮強度が低下する傾向があった。このため、ALC製品の生産性及び製品物性を好ましい水準に維持したまま、上記各方策をALCの製造現場において採用することは容易ではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2013-199408号公報
特開平10-249153号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、軽量気泡コンクリート(ALC)の製造プロセスにおいて、CO

排出量削減への寄与とALC製品の生産性及び製品物性の保持を両立させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、ALCの製造において、原料スラリーの材料として用いる固化材の全部若しくは一部を高炉スラグ微粉末に置き換え、且つ、添加する二酸化炭素固定原料については、これを、特定粒度に微細粉末化した炭酸カルシウム微粉末とすることによって、ALC製品の生産性及び製品物性を保持しつつ、CO

排出量を削減することができることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的には、本発明は以下のものを提供する。
【0010】
(1) 軽量気泡コンクリートの製造方法であって、固形分として、高炉スラグ微粉末を主成分とする固化材、石灰質原料、珪酸質原料、石こう、及び、アルミニウム粉末と、を含んでなる主原料スラリーに、炭酸カルシウムを添加して混合することにより、二酸化炭素排出抑制型原料スラリーを得る、原料スラリー調合工程と、前記二酸化炭素排出抑制型原料スラリーを型枠内で半硬化させて軽量気泡コンクリート生ケーキを得る、半硬化工程と、前記軽量気泡コンクリート生ケーキを所定寸法に切断する、切断工程と、所定寸法に切断された前記軽量気泡コンクリート生ケーキを水蒸気養生することによって軽量気泡コンクリートを得る、硬化工程と、を含んでなり、前記炭酸カルシウムが、平均粒径1.0μm以上15.0μm以下の炭酸カルシウム微粉末である、軽量気泡コンクリートの製造方法。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許

株式会社トクヤマ
水硬性組成物
17日前
株式会社トクヤマ
水硬性組成物
3か月前
株式会社トクヤマ
窒化ケイ素基板
1か月前
株式会社トクヤマ
窒化ケイ素基板
10日前
東ソー株式会社
焼結体の製造方法
4か月前
太平洋マテリアル株式会社
膨張材
9日前
株式会社トクヤマ
窒化ケイ素基板
1か月前
東ソー株式会社
焼結体の製造方法
4か月前
株式会社トクヤマ
窒化ケイ素基板
4か月前
太平洋マテリアル株式会社
裏込め材
4日前
花王株式会社
空洞充填材
4か月前
有限会社林製作所
無機質成形体
2か月前
太平洋マテリアル株式会社
樹脂モルタル
23日前
太平洋マテリアル株式会社
吹付モルタル
2日前
太平洋マテリアル株式会社
樹脂モルタル
23日前
ノリタケ株式会社
焼成用治具
3日前
太平洋マテリアル株式会社
セメント組成物
3日前
ノリタケ株式会社
焼成用治具
3日前
ノリタケ株式会社
焼成用治具
3日前
日本電気硝子株式会社
光学部材の製造方法
9日前
愛媛県
釉薬組成物
2か月前
株式会社トクヤマ
窒化ケイ素基板の製造方法
3か月前
花王株式会社
吹付用水硬性組成物
4か月前
花王株式会社
水硬性組成物用添加剤
3か月前
株式会社トクヤマ
改質フライアッシュの製造方法
3日前
花王株式会社
水硬性組成物用添加剤
3か月前
デンカ株式会社
グラウト材料
2か月前
花王株式会社
水硬性組成物用混和剤
4か月前
花王株式会社
粘土含有石膏スラリー
4か月前
デンカ株式会社
モルタル材料
2日前
太平洋セメント株式会社
固化材
3か月前
日本特殊陶業株式会社
セラミック部品
3日前
黒崎播磨株式会社
断熱材
3か月前
TOTO株式会社
構造部材
3日前
TOTO株式会社
複合材料
24日前
花王株式会社
水硬性組成物用被膜養生剤
4か月前
続きを見る