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公開番号2025150269
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-09
出願番号2024051074
出願日2024-03-27
発明の名称セメント組成物
出願人太平洋マテリアル株式会社
代理人
主分類C04B 28/02 20060101AFI20251002BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】混合セメントとカルシウムアルミネートスラグを有効に利用することによって、省エネルギーや二酸化炭素排出量削減を行いながら、十分な可使時間と、良好な強度発現性とを実現できる、環境負荷低減に寄与するセメント組成物を提供することである。
【解決手段】混合セメントと、下記(A)~(D)の成分を下記含有量で含むセメント混和材とを含有するセメント組成物。(A)カルシウムアルミネートスラグの粉末であって、少なくとも一部が加水処理されたもの:20~80質量%、(B)石膏類:20~80質量%、(C)アルカリ金属硫酸塩:1~4質量%、(D)オキシカルボン酸又はその塩:1~4質量%
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
混合セメントと、下記(A)~(D)の成分を下記含有量で含むセメント混和材とを含有するセメント組成物。
(A)カルシウムアルミネートスラグの粉末であって、少なくとも一部が加水処理されたもの:20~80質量%
(B)石膏類:20~80質量%
(C)アルカリ金属硫酸塩:1~4質量%
(D)オキシカルボン酸又はその塩:1~4質量%
続きを表示(約 180 文字)【請求項2】
前記カルシウムアルミネートスラグの粉末中、加水処理されたカルシウムアルミネートスラグの粉末の割合が50~100%である請求項1に記載のセメント組成物。
【請求項3】
前記混合セメントと前記セメント混和材の合計100質量部に対して、前記セメント混和材を10~30質量部含有する請求項1又は2に記載のセメント組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、二酸化炭素排出量削減に寄与する環境負荷低減型のセメント組成物に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化の問題が世界的な重要課題になってきており、二酸化炭素の排出量を如何に削減するかが各分野において求められている。モルタルコンクリートに使用されるセメントは、製造時に多量の二酸化炭素を排出することが知られている。このため、セメントの一部を高炉スラグ粉末やフライアッシュに代替した混合セメントを使用することが方策の一つとして検討されているが、混合セメントを使用したモルタルコンクリートは、強度発現性が遅く、また、乾燥収縮が大きいこと等問題があることが指摘されている。
また、乾燥収縮や強度発現性を改善する方策として、膨張材や急硬性混和材等のセメント混和材を使用することが知られている(例えば、特許文献1、2)が、これらセメント混和材の主要成分であるカルシウム系化合物の製造に際しても二酸化炭素が排出されることが知られている。従って、これらのセメント混和材自体も、その製造時に発生する二酸化炭素の排出量をできるだけ削減した製品が望まれる。
【0003】
一方、金属精錬時に副生品としてカルシウムアルミネート系のスラグが発生することが知られている。例えば、ステンレス鋼の製鋼工程において副生される鉄鋼スラグにおいて、鉄鋼の脱酸剤としてアルミニウムを使用した時に、カルシウムアルミネートスラグが発生することが知られている。このような副生品として発生するカルシウムアルミネートスラグは、製鉄会社等の精練工程で蛍石代替の焙溶剤として、あるいは精練スラグの成分調整として広く利用されている。また、カルシウムアルミネートスラグをアルミナセメントの製造時のCaO及びAl



原料として使用することが提案されている(特許文献3)。副産物であるカルシウムアルミネートスラグの有効利用は、省エネルギーの点からも、また二酸化炭素排出量削減の点からも、現在求められている重要な技術である。
【0004】
本発明は、このようなカルシウムアルミネートスラグの新たな利用方法を検討したものであり、同じく二酸化炭素排出量の削減効果を有する混合セメントを用いたセメント組成物への有効利用を見出したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開昭62-003057号公報
特開2004-210551号公報
特開2006-282486号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、混合セメントとカルシウムアルミネートスラグを有効に利用することによって、省エネルギーや二酸化炭素排出量削減を行いながら、十分な可使時間と、良好な強度発現性とを実現できる、環境負荷低減に寄与するセメント組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、混合セメントとカルシウムアルミネートスラグを用い、さらに所定の添加剤を配合することにより、上記の目的を達成できる環境負荷低減型セメント組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は以下の〔1〕~〔3〕に示すとおりである。
〔1〕混合セメントと、下記(A)~(D)の成分を下記含有量で含むセメント混和材とを含有するセメント組成物。
(A)カルシウムアルミネートスラグの粉末であって、少なくとも一部が加水処理されたもの:20~80質量%
(B)石膏類:20~80質量%
(C)アルカリ金属硫酸塩:1~4質量%
(D)オキシカルボン酸又はその塩:1~4質量%
〔2〕前記カルシウムアルミネートスラグの粉末中、加水処理されたカルシウムアルミネートスラグの粉末の割合が50~100%である〔1〕のセメント組成物。
〔3〕前記混合セメントと前記セメント混和材の合計100質量部に対して、前記セメント混和材を10~30質量部含有する〔1〕又は〔2〕のセメント組成物。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、混合セメントとカルシウムアルミネートスラグを利用することによって、施工性が良好であり、かつ強度発現性が良好なセメント組成物を得ることができる。これにより、二酸化炭素排出量の総量を大幅に削減することが可能なモルタルコンクリートを製造することができ、環境負荷低減に寄与できる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明のセメント組成物は、混合セメントと、セメント混和材とを含有し、該セメント混和材は、(A)カルシウムアルミネートスラグの粉末であって、少なくとも一部が加水処理されたものを20~80質量%、(B)石膏類を20~80質量%、(C)アルカリ金属硫酸塩を1~4質量%、(D)オキシカルボン酸又はその塩を1~4質量%含むものである。以下、詳細に説明する。
【0010】
<混合セメント>
本発明のセメント組成物に用いる混合セメントは、ポルトランドセメントと各種混合材を混合したセメントである。製造時に多量の二酸化炭素を排出するポルトランドセメントの一部を、各種混合材に置換したものであり、これによって二酸化炭素排出量を削減し、環境負荷を低減することができる。各種混合材としては、高炉スラグ微粉末、フライアッシュ、シリカ質微粉末が挙げられ、これらを使用した混合セメントは、高炉セメント、フライアッシュセメント、シリカセメントの3種類がJISに制定されており、これらの混合セメントを使用することが好ましい。混合材としては、この他に、石灰石微粉末、廃コンクリート微粉末、火山ガラス微粉末等を用いることができる。環境負荷低減の点から、製造に際して二酸化炭素が実質的に排出されない、あるいは排出量が極少量である、副生品、天然品であることが望ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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