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公開番号2025034805
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-13
出願番号2023141435
出願日2023-08-31
発明の名称蒸気洗浄用組成物
出願人株式会社カネコ化学
代理人弁理士法人津国
主分類C11D 7/30 20060101AFI20250306BHJP(動物性または植物性油,脂肪,脂肪性物質またはろう;それに由来する脂肪酸;洗浄剤;ろうそく)
要約【課題】洗浄性に優れ、かつ、蒸気洗浄を含む洗浄工程に使用した場合においても基材へのダメージ性が抑えられる、洗浄用溶剤組成物を提供する。
【解決手段】本発明は、(A)ハイドロフルオロオレフィンと、(B)1,1,2,2-テトラフルオロエチル-2,2,2-トリフルオロエチルエーテルと、(C)メチルノナフルオロブチルエーテル及びメチルノナフルオロイソブチルエーテルからなる群より選ばれる一種以上の化合物と、(D)炭化水素とを含み、(A)成分、(B)成分及び(C)成分の合計を100重量部としたときに、(A)成分が0重量部超50重量部未満であり、(B)成分及び(C)成分の合計を100重量部としたときに、(B)成分が0重量部超85重量部以下であり、(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)成分の合計を100重量部としたときに、(A)成分及び(D)成分の合計が40重量部以上100重量部未満である、蒸気を発生させる工程を含む洗浄に用いる蒸気洗浄用組成物に関する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項１】
（Ａ）ハイドロフルオロオレフィンと、（Ｂ）１，１，２，２－テトラフルオロエチル－２，２，２－トリフルオロエチルエーテルと、（Ｃ）メチルノナフルオロブチルエーテル及びメチルノナフルオロイソブチルエーテルからなる群より選ばれる一種以上の化合物と、（Ｄ）炭化水素とを含み、
（Ａ）成分、（Ｂ）成分及び（Ｃ）成分の合計を１００重量部としたときに、（Ａ）成分が０重量部超５０重量部未満であり、
（Ｂ）成分及び（Ｃ）成分の合計を１００重量部としたときに、（Ｂ）成分が０重量部超８５重量部以下であり、
（Ａ）成分、（Ｂ）成分、（Ｃ）成分及び（Ｄ）成分の合計を１００重量部としたときに、（Ａ）成分及び（Ｄ）成分の合計が４０重量部以上１００重量部未満である、蒸気を発生させる工程を含む洗浄に用いる蒸気洗浄用組成物。
続きを表示（約 390 文字）【請求項２】
（Ａ）成分が、シス－１－クロロ－３，３，３－トリフルオロプロペンである、請求項１に記載の蒸気洗浄用組成物。
【請求項３】
（Ｄ）成分が、イソヘキサン、イソオクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、デカン及びドデカンからなる群より選ばれる少なくとも一つの化合物である、請求項１又は２に記載の蒸気洗浄用組成物。
【請求項４】
組成物全体を１００重量部としたときに、（Ａ）成分、（Ｂ）成分、（Ｃ）成分及び（Ｄ）成分の合計が８５重量部以上１００重量部以下である、請求項１又は２に記載の蒸気洗浄用組成物。
【請求項５】
組成物全体を１００重量部としたときに、（Ａ）成分、（Ｂ）成分、（Ｃ）成分及び（Ｄ）成分の合計が８５重量部以上１００重量部以下である、請求項３に記載の蒸気洗浄用組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、蒸気洗浄用組成物に関する。
続きを表示（約 2,200 文字）【背景技術】
【０００２】
シス－１－クロロ－３、３、３－トリフルオロプロペンに代表されるハイドロフルオロオレフィンは、脱脂性に優れる工業用洗浄剤として使用されるが、ポリカーボネートなどの耐溶剤性の低い樹脂を侵して変色や変形あるいは樹脂の溶解を引き起こすことが懸念される場合がある。また、ＨＦＥ－３４７ｐｃ－ｆに代表されるハイドロフルオロエーテルは樹脂への低浸食性（低ダメージ性）や熱的安定性において優れ、工業洗浄分野においては洗浄工程における仕上げ洗浄の用途に使われることが多い。そして、炭化水素は高い脱脂性を有しており、これを用いる工業洗浄も広く普及している。
【０００３】
これらの成分を用いた洗浄剤として、特許文献１には、（Ａ）シス－１－クロロ－３，３，３－トリフルオロプロペン、（Ｂ）塩素原子を含まないハイドロフルオロオレフィン、ハイドロフルオロカーボンおよびハイドロフルオロエーテルからなる群から選択される１以上の化合物、（Ｃ）炭化水素系溶剤を含み、（Ａ）と（Ｂ）の質量比が１１：８９～９９：１である洗浄剤組成物が記載されている。
【０００４】
また、工業洗浄分野においては、洗浄対象の一つとして樹脂の金型成型品があり、細穴などの複雑な構造をもっているものも多い。こういった構造の複雑な樹脂成型品の洗浄においては脱脂性のみならず、樹脂への浸食性が低い事、及びに細穴内まで完全に乾燥する事が求められる。そして、完全な乾燥が求められる場合、蒸気洗浄が用いられる場合がある。これは、高い洗浄性を実現するための仕上げ洗浄として用いられる事が多いが、さらなる効果として、溶剤蒸気による被洗浄物の加熱によって供給された熱が、被洗浄物に付着した洗浄剤の揮発を促進することで、より乾燥性を高める。
【０００５】
特許文献２には、洗浄用溶剤組成物の蒸気と被洗浄物とを接触させる蒸気接触工程を含む洗浄方法に用いられる、洗浄用溶剤組成物であって、（Ａ）シス－１－クロロ－３，３，３－トリフルオロプロペンと、（Ｂ）（Ａ）成分と混合したときに疑似共沸性を示すハイドロフルオロエーテルとを含む洗浄用溶剤組成物であって、（Ａ）成分と（Ｂ）成分との合計を１００重量部としたときに、（Ａ）が８重量部以上３０重量部未満である、洗浄用溶剤組成物が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００６】
特開２０２２－９８０３９号公報
特開２０２２－９３１５０号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
しかしながら、特許文献１に記載された洗浄剤組成物は、浸漬洗浄あるいはエアゾールによる噴霧洗浄を想定しており、蒸気洗浄に使用していない。発明者らの知見によれば、特許文献１に記載された洗浄剤組成物を蒸気洗浄に使用した場合には、蒸気に含まれる洗浄剤の成分組成が変化しやすくなるため、洗浄剤の蒸気がポリカーボネート等の耐溶剤性の低い樹脂を侵すという問題があった。また、特許文献２に記載された洗浄用溶剤組成物において、更なる洗浄性の向上の余地があることが見いだされた。
【０００８】
よって、本発明は、洗浄性に優れ、かつ、蒸気洗浄を含む洗浄工程に使用した場合においても基材へのダメージ性が抑えられる、洗浄用溶剤組成物を提供することを課題とする。
【０００９】
本発明は、以下の構成を有する。
［１］（Ａ）ハイドロフルオロオレフィンと、（Ｂ）１，１，２，２－テトラフルオロエチル－２，２，２－トリフルオロエチルエーテルと、（Ｃ）メチルノナフルオロブチルエーテル及びメチルノナフルオロイソブチルエーテルからなる群より選ばれる一種以上の化合物と、（Ｄ）炭化水素とを含み、
（Ａ）成分、（Ｂ）成分及び（Ｃ）成分の合計を１００重量部としたときに、（Ａ）成分が０重量部超５０重量部未満であり、
（Ｂ）成分及び（Ｃ）成分の合計を１００重量部としたときに、（Ｂ）成分が０重量部超８５重量部以下であり、
（Ａ）成分、（Ｂ）成分、（Ｃ）成分及び（Ｄ）成分の合計を１００重量部としたときに、（Ａ）成分及び（Ｄ）成分の合計が４０重量部以上１００重量部未満である、蒸気を発生させる工程を含む洗浄に用いる蒸気洗浄用組成物。
［２］（Ａ）成分が、シス－１－クロロ－３，３，３－トリフルオロプロペンである、請求項１に記載の蒸気洗浄用組成物。
［３］（Ｄ）成分が、イソヘキサン、イソオクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、デカン及びドデカンからなる群より選ばれる少なくとも一つの化合物である、［１］又は［２］に記載の蒸気洗浄用組成物。
［４］組成物全体を１００重量部としたときに、（Ａ）成分、（Ｂ）成分、（Ｃ）成分及び（Ｄ）成分の合計が８５重量部以上１００重量部以下である、［１］～［３］のいずれかに記載の蒸気洗浄用組成物。
【発明の効果】
【００１０】
本発明により、洗浄性に優れ、かつ、蒸気洗浄を含む洗浄工程に使用した場合においても基材へのダメージ性が抑えられる、洗浄用溶剤組成物が提供される。
【図面の簡単な説明】
（【００１１】以降は省略されています）

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