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公開番号
2025069109
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-30
出願番号
2024181849
出願日
2024-10-17
発明の名称
エステル交換油脂の製造方法
出願人
花王株式会社
代理人
弁理士法人アルガ特許事務所
主分類
C11C
3/10 20060101AFI20250422BHJP(動物性または植物性油,脂肪,脂肪性物質またはろう;それに由来する脂肪酸;洗浄剤;ろうそく)
要約
【課題】低温でグリセロリシス反応を行いながら、ジアシルグリセロール純度の高いエステル交換油脂を製造する方法の提供。
【解決手段】カルシウム系触媒の存在下、油脂とグリセリンとを、グリセリン基のモル数に対する脂肪酸基のモル数の比[FA/GLY]を0.30以上1.7以下として、反応温度90℃以上、165℃以下で反応させる工程を含むエステル交換油脂の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
カルシウム系触媒の存在下、油脂とグリセリンとを、グリセリン基のモル数に対する脂肪酸基のモル数の比[FA/GLY]を0.30以上1.7以下として、反応温度90℃以上、165℃以下で反応させる工程を含むエステル交換油脂の製造方法。
続きを表示(約 500 文字)
【請求項2】
カルシウム系触媒として水酸化カルシウム又は酸化カルシウムの使用量が油脂とグリセリンの合計に対して0.01質量%以上である請求項1記載のエステル交換油脂の製造方法。
【請求項3】
カルシウム系触媒としてケイ酸カルシウムの使用量が油脂とグリセリンの合計に対して0.5質量%以上である請求項1記載のエステル交換油脂の製造方法。
【請求項4】
前記油脂を構成する脂肪酸が炭素鎖長が18以上で二重結合数が3個以上の脂肪酸を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載のエステル交換油脂の製造方法。
【請求項5】
前記油脂を構成する脂肪酸中の炭素鎖長が18以上で二重結合数が3個以上の脂肪酸の含有量が15%質量以上である、請求項4に記載のエステル交換油脂の製造方法。
【請求項6】
エステル交換反応後の油脂におけるジアシルグリセロール/モノアシルグリセロール質量比率が1.08以上であり、かつジアシルグリセロールとモノアシルグリセロールの合計が72質量%以上である、請求項1~3のいずれか1項に記載のエステル交換油脂の製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ジアシルグリセロールに富むエステル交換油脂の製造方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
ジアシルグリセロールは、食品、化粧料等の様々な産業分野で利用されている。
一般的に、ジアシルグリセロールは、グリセリンと脂肪酸とのエステル化反応、グリセリンと油脂とのグリセロリシス反応の方法により製造される。これらの製造法は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、アルコキシド等の化学触媒を用いた化学法と、リパーゼ等の酵素を用いた酵素法に大別される。例えば、特許文献1には、未脱臭菜種油とグリセリンに触媒として水酸化カルシウムを添加し、温度210℃でグリセロリシス反応を行ってジアシルグリセロール高含有油脂を製造する方法が記載されている。
グリセロリシス法は、エステル化法と比べて少ない工程でジアシルグリセロールを製造することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2010-59406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、グリセロリシス法においては、ジアシルグリセロールの純度[ジアシルグリセロール/(ジアシルグリセロール+トリアシルグリセロール)×100]を高くするには反応原料において油脂に対するグリセリンの比率を高くする必要があるが、当該比率を高くすると平衡組成に達した際にモノアシルグリセロールが多く生成することが技術常識である。モノアシルグリセロールは乳化し易く精製負荷が高く、また、特有の風味を有することから、モノアシルグリセロールは少なくすることが望まれるため、従来のグリセロリシス法においては油脂に対するグリセリンの比率を低くすることで、ジアシルグリセロールの純度をある程度犠牲にしつつ、モノアシルグリセロールの生成を抑制していた。
従って、本発明は、モノアシルグリセロールの生成を抑えながら、ジアシルグリセロールに富むエステル交換油脂を高い反応率で製造する方法を提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、従来モノアシルグリセロールが多く生成すると考えられていた油脂に対するグリセリンの比率が高い場合において、カルシウム系触媒の存在下、低温で反応させれば、モノアシルグリセロールの生成が抑制され、ジアシルグリセロールに富むエステル交換油脂が高い反応率で得られることを見出した。
【0006】
すなわち、本発明は、カルシウム系触媒の存在下、油脂とグリセリンとを、グリセリン基のモル数に対する脂肪酸基のモル数の比[FA/GLY]を0.30以上1.7以下として、反応温度90℃以上、165℃以下で反応させる工程を含むエステル交換油脂の製造方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、低温でのグリセロリシス反応によって、モノアシルグリセロールの生成を抑制することができ、ジアシルグリセロールに富むエステル交換油脂を高い反応率で得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明において「エステル交換油脂」とは、原料である油脂とグリセリンとを反応させた後、触媒を中和、濾過等により除去し、未反応の分相したグリセリンを除いた油脂をいい、「反応油」とは原料である油脂とグリセリンを反応させた後、触媒及び分相した未反応のグリセリンを除く前のものをいう。また、本発明において「反応させる工程」とは、反応温度に達してからの工程を指し、反応温度まで昇温する工程を含まない。
【0009】
本発明のエステル交換油脂の製造方法は、カルシウム系触媒の存在下、油脂とグリセリンとを、グリセリン基のモル数に対する脂肪酸基のモル数の比[FA/GLY]を0.30以上1.7以下として、反応温度90℃以上、165℃以下で反応させる工程を含む、製造方法である。
本明細書において、「油脂」と「油」とは同義である。また、油脂(油)を構成する物質にはトリアシルグリセロールのみならずモノアシルグリセロールやジアシルグリセロールも含まれる。すなわち、油脂(油)は、モノアシルグリセロール、ジアシルグリセロール及びトリアシルグリセロールのいずれか1種以上を含むものである。
【0010】
本発明において、グリセリンと反応させる油脂は、一般的には、トリアシルグリセロールを主体とするものであり、例えば、大豆油、菜種油、サフラワー油、米油、コーン油、ヒマワリ油、綿実油、オリーブ油、ゴマ油、落花生油、ハトムギ油、小麦胚芽油、シソ油、アマニ油、エゴマ油、チアシード油、サチャインチ油、クルミ油、キウイ種子油、サルビア種子油、ブドウ種子油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、カボチャ種子油、椿油、茶実油、ボラージ油、パーム油、パームオレイン、パームステアリン、やし油、パーム核油、カカオ脂、サル脂、シア脂、藻油等の植物性油脂;魚油、アザラシ油、鯨油、ラード、牛脂、バター脂等の動物性油脂;接合菌類等の多価不飽和脂肪酸産生微生物類に由来する油脂等の微生物油;あるいはこれらのエステル交換油脂、水素添加油、分別油等の油脂類を挙げることができる。油脂は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
なかでも、油脂は、エステル交換油脂の乳化特性、取り扱いのし易さの点から、液状油脂であるのが好ましい。なお、液状油脂とは、基準油脂分析試験法2.3.8-27による冷却試験を実施した場合、20℃で液状である油脂をいう。
また、本発明では、通常のグリセロリシス反応とは異なり低温で反応することでトランス酸の生成が抑制される点から、様々な生理機能が期待される炭素鎖長が18以上で二重結合数が3個以上の脂肪酸を用いることが好ましい。特にω3系不飽和脂肪酸を豊富に含む油脂、例えば、シソ油、アマニ油、エゴマ油、チアシード油、サチャインチ油、藻油、魚油、アザラシ油、鯨油及び多価不飽和脂肪酸産生微生物類に由来する油脂から選ばれる1種又は2種以上の油脂を用いることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)
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