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公開番号
2025035771
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-14
出願番号
2023143020
出願日
2023-09-04
発明の名称
ギ酸の製造方法
出願人
国立大学法人高知大学
代理人
弁理士法人アスフィ国際特許事務所
主分類
C07C
51/21 20060101AFI20250307BHJP(有機化学)
要約
【課題】本発明は、再生可能資源でもある糖類からギ酸を容易かつ効率的に製造できる方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係るギ酸の製造方法は、酸素の存在下、酸化セリウム触媒を含む糖類水溶液に光を照射する工程を含み、前記酸化セリウム触媒が、酸化セリウム(IV)、酸化セリウム(III)および水酸化セリウムを含むことを特徴とする。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
ギ酸を製造するための方法であって、
酸素の存在下、酸化セリウム触媒を含む糖類水溶液に光を照射する工程を含み、
前記酸化セリウム触媒が、酸化セリウム(IV)、酸化セリウム(III)および水酸化セリウムを含むことを特徴とする方法。
続きを表示(約 360 文字)
【請求項2】
前記光のピーク波長が可視光域に含まれる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
更に、セリウム塩を塩基性水溶液に加えることにより前記酸化セリウム触媒を得る工程を含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記セリウム塩を前記塩基性水溶液に加えることにより生じた沈殿を500℃以下で乾燥または焼成して前記酸化セリウム触媒を得る請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記糖類水溶液における糖類の濃度が1×10
-4
g/mL以上、1×10
-2
g/mL以下である請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記糖類水溶液に対する前記酸化セリウム触媒の割合が0.1mg/mL以上、10mg/mL以下である請求項1に記載の方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、再生可能資源でもある糖類からギ酸を容易かつ効率的に製造できる方法に関するものである。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
ギ酸は、分子内にカルボキシ基とアルデヒド基の両方を持つことから酸性と還元性を持ち合わせており、その酸性は酢酸よりはるかに強いなど、特異な性質を有しており、古くから様々な分野で利用されてきた。例えば、ギ酸は抗菌性を示すことから、家畜用飼料(サイレージ)の防腐剤や抗菌剤として利用されている。また、養鶏業ではサルモネラ菌の除去のため飼料に加えられることがあり、養蜂業ではダニ殺虫剤として用いられることがある。また、クロムやタンニン等のなめし剤を皮に浸透し易くするための浸酸処理(ピックル)に用いられる。ギ酸エチルは、パイナップル等にも含まれ、香料としても使われている。
【0003】
ギ酸は、有機合成化学でも、N-メチル化などのための試薬や、還元的アミノ化反応などのための還元剤として用いられている。ギ酸を燃料とするギ酸燃料電池も検討されている。特に最近では、常温常圧下でギ酸を分解して水素を効率的に取り出す技術が開発されたことから、貯蔵や運搬の際に安全な水素源としての利用も検討されている。
【0004】
一般的に、ギ酸は、強塩基存在下でメタノールと一酸化炭素から得られるギ酸メチルを加水分解することにより工業的に製造されている。しかし、一酸化炭素はヘモグロビンと結合して一酸化炭素中毒を引き起こすなど危険な物質である。また、原料となるメタノールと一酸化炭素は、一般的には化石資源由来である。そこで、再生可能資源を原料としてギ酸を製造する技術が検討されている。
【0005】
例えば特許文献1には、特定のポリオキソメタレートイオンを炭化水素や配糖体などと接触させることにより、ギ酸を触媒的に製造する方法が記載されている。特許文献2には、特定の銅担持触媒の存在下、単糖類と酸化剤とを反応させるギ酸の製造方法が記載されている。また、非特許文献1には、ナノ酸化チタン上でグルコースをギ酸に変換することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特表2013-540735号公報
特開2015-134324号公報
【非特許文献】
【0007】
Binbin Jinら,ACS Sustainable Eng.,2017,5,6377-6381
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したように、従来、再生可能資源からギ酸を製造する方法は開発されているが、いずれも決して効率的な方法ではなかった。
例えば特許文献1の方法では、特定のポリオキソメタレートイオンを含む塩を触媒として使用するが、ポリメタレートイオンは溶媒に溶解し易く、たとえ再生可能資源からギ酸が生成しても、ポリメタレートイオンとギ酸との分離が困難であり、また、ポリメタレートイオンを溶媒から分離して再利用することが困難であるといえる。更に、80℃など120℃より下の温度での加熱が必要である。
特許文献2の方法では、過酸化水素などの酸化剤が必要であり、酸化剤を用いなければ乳酸が生じる。また、120℃など100℃超の反応温度が必要である。
また、非特許文献1に記載の方法によれば、グルコースからギ酸が得られるとされているが、かなりのギ酸が更に炭酸イオンまたは炭酸水素イオンまで分解され、溶媒である水酸化ナトリウム水溶液に溶解していると考えられる。実際、Figure 4(b)には、無機カーボン(IC)が経時的に増加することが示されている。
そこで本発明は、再生可能資源でもある糖類からギ酸を容易かつ効率的に製造できる方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた。その結果、特定の酸化セリウム触媒を用いれば、糖類から生成したギ酸がそれ以上分解されず、ギ酸を効率的に製造できることを見出して、本発明を完成した。
以下、本発明を示す。
【0010】
[1] ギ酸を製造するための方法であって、
酸素の存在下、酸化セリウム触媒を含む糖類水溶液に光を照射する工程を含み、
前記酸化セリウム触媒が、酸化セリウム(IV)、酸化セリウム(III)および水酸化セリウムを含むことを特徴とする方法。
[2] 前記光のピーク波長が可視光域に含まれる前記[1]に記載の方法。
[3] 更に、セリウム塩を塩基性水溶液に加えることにより前記酸化セリウム触媒を得る工程を含む前記[1]に記載の方法。
[4] 前記セリウム塩を前記塩基性水溶液に加えることにより生じた沈殿を500℃以下で乾燥または焼成して前記酸化セリウム触媒を得る前記[3]に記載の方法。
[5] 前記糖類水溶液における糖類の濃度が1×10
-4
g/mL以上、1×10
-2
g/mL以下である前記[1]に記載の方法。
[6] 前記糖類水溶液に対する前記酸化セリウム触媒の割合が0.1mg/mL以上、10mg/mL以下である前記[1]に記載の方法。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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