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公開番号2025062255
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-14
出願番号2023171196
出願日2023-10-02
発明の名称平滑な物体に無粘着で着脱可能な電子デバイス
出願人三井化学株式会社
代理人弁理士法人鷲田国際特許事務所
主分類H05K 1/02 20060101AFI20250407BHJP(他に分類されない電気技術)
要約【課題】プラスチック、ガラス、ステンレス等の金属など様々な容器や筐体の平滑な表面に自在に着脱でき、貼り付けた状態で物体表面または周辺の温度、湿度、気圧、振動、あるいは明るさなどの環境または物理情報を検出し、適宜情報を収集できる電子デバイスを提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、平滑な物体に無粘着で着脱可能な表面を有するプラスチックフィルムの裏面に配線を形成し、該配線に電子部品を実装した電子回路を有することを特徴とする電子デバイスで、無粘着で着脱可能な表面をプラスチック、ガラス、金属などの容器や筐体などの物体表面に貼り付けて、環境情報や物理情報を読み取り、それを無線通信させて情報を得る。物体表面に貼り付けた電子デバイスは容易に取り外すことができ、繰り返し貼り付け、取り外しても着脱性の機能を失うことがない。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
平滑な物体に無粘着で着脱可能な表面を有するプラスチックフィルムの裏面に配線を形成し、該配線に電子部品を実装した電子回路を有することを特徴とする電子デバイス。
続きを表示(約 530 文字)【請求項2】
前記プラスチックフィルムは、無粘着で着脱可能な表面が、幅が50nm以上500μm以下、間隔が50nm以上500μm以下、高さが50nm以上500μm以下である凹凸構造を有するプラスチックフィルムであることを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス。
【請求項3】
前記プラスチックフィルムは、無粘着で着脱可能な表面がウレタン結合を含むプラスチックフィルムであることを特徴とする請求項1の電子デバイス。
【請求項4】
前記のウレタン結合を含む無粘着で着脱可能な表面の硬度A(アスカ―)が80A~85Aであることを特徴とする請求項3の電子デバイス。
【請求項5】
前記の電子回路が保護膜で被覆されていることを特徴とする請求項1の電子デバイス。
【請求項6】
プラスチックフィルムに形成した電子回路に前記の無粘着で着脱可能な表面を有するプラスチックフィルムが貼り合わされていることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の電子デバイス。
【請求項7】
前記着脱可能な表面が、物体に貼り付けられている状態の、請求項1~6のいずれか1項に記載の電子デバイス。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、平滑な物体に無粘着で着脱可能な表面を有するプラスチックフィルムに配線を形成し、該配線に実装した電子部品からなる電子回路を有することを特徴とする電子デバイスに関する。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
電子情報産業の生産額は、近年、世界のGDP成長率と同様の成長の軌跡を描いており、特に半導体、5G等の通信機器、データ利活用の高度化であるソリューションサービスの成長が目覚ましい。2019年に起きた新型コロナウイルス感染症の拡大によって強いられた新たな生活様式の下においても、電子情報産業は対前年で成長しており、大きな社会変化を受けたときの課題解決としてエレクトロニクスの果たす役割が大きいことを証明した(非特許文献1)。
【0003】
5G等の通信機器には、スマートフォン、タブレット端末、ウエアラブル端末、パーソナルコンピューターがあり、世界のあらゆる場所からリアルタイムの情報を収集することができ、また、自動車の自動運転やロボットの遠隔操作ができるようになってきている。通信機器の性能は、トランジスタの微細化技術に支えられており、2022年時点で最先端は3nmプロセスであるが、さらなる微細化の技術開発が進んでいる。
【0004】
一方で、トリリオンセンサと言われるように、世界中の様々な場所にセンサを設置して、災害の回避、機器の故障の未然防止、人間への健康被害の防御を行うためには、トランジスタの微細化のみならず、様々な物体や生体の表面に簡便かつ安価に取り付けられるセンサ等の電子デバイスが必要である。そうした電子デバイスがセンサ情報を収集し、有線または無線で情報通信するInternet of Things(以下、IoTという。)により情報を集積し、データ解析し、付加価値をフィードバックする第5世代社会(Society 5.0)の実現に貢献することが期待される。
【0005】
前述のセンサ等の電子デバイスを、技術的に成熟したプリント回路基板(以下、PCBという。)で製造すると、基板が硬いガラスエポキシ基板であることから、フレキシブル性や、貼り付け剥がすことができる着脱性がなく、PCBそのままでは物体や生体に取り付けることができない。PCBに着脱性がないために、物体に貼り付けてセンサ情報を収集するという発想はなく、物体の近くに設置するか内部に組み込むことが行われている。PCBに着脱のための粘着層または接着層を塗布してもよいが、多様な表面を持つ物体に取り付けることを想定すると、嵩張ってしまって物体のデザインを変えてしまい、曲面のある物体の表面にも適合することはできない。
【0006】
PCB以外に、褐色のポリイミドによるフレキシブルプリント回路基板(以下、FPCという。)を使った電子デバイスの製造が行われている。しかし、ポリイミドもまた着脱性は有さないため、そのままでは物体や生体に直接取り付けることができない。このため、FPCに着脱のための粘着層または接着層を塗布してもよいが、ポリイミドは剛性の高い高分子材料であることから、曲面のある物体の表面にしなやかに適合させることができない。さらに、ポリイミドは可視光の光線透過率が低いことで、人間に視覚的違和感を与えてしまう問題もある。
【0007】
センサ等の電子デバイスがこれまでPCBやFPCによって製造されており、物体や生体の表面に貼り付ける使い方ができず、嵩張りや視覚的違和感を与えてしまうことで用途が限定されている課題に対し、近年、プリンテッドエレクトロニクスがその解決に貢献する技術となる期待が高まっている。プリンテッドエレクトロニクスとは、薄く、曲げたり伸ばすことのできる紙やプラスチックの基板に金属粒子インクや金属ペースト、導電性高分子等を使って塗布や印刷で配線を描画し、加熱焼成することで回路化する技術である。さらに、その回路に抵抗器、コンデンサ、コイル、ダイオード、半導体集積回路チップ、無線通信モジュールをはんだ等で実装し、紙やプラスチックのフレキシブル性を活かしつつ、電子的機能を補完したフレキシブル・ハイブリッド・エレクトロニクスが注目されている。
【0008】
例えば、柔軟性を有する基板に、銀や銅といった金属と高分子バインダーと有機溶媒からなる分子インクをスクリーン印刷、インクジェット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、エアブラシ法、エアロゾル印刷等の方法で塗布し、焼結することを特徴とする電子デバイスがある(特許文献1)。この電子デバイスは、インダクタ、キャパシタ、電子フィルタ等の電子部品を実装できることを示している。
【0009】
また、生体の健康状態モニタリングを目的とした衣類型ウエアラブルデバイスに使える電子デバイスとして、フレキシブルな基板にフレキシブル配線を形成し、半導体回路チップの端子を配線に実装し、該半導体回路チップとフレキシブルな基板とが離間した状態で弾性的に固定、支持する構造としたデバイスが公開されている(特許文献2)。これは、前述のフレキシブル・ハイブリッド・エレクトロニクスの一例であり、フレキシブルな基板にポリウレタンやポリエステルを用いている。
【0010】
特許文献1では基板にポリイミドのKapton(商標)やポリエチレンテレフタレート(以下、PETという。)を用いているが、これらの基板はヤング率が2GPa以上あって硬く、前述のFPCで作製された電子デバイスと実質的に変わらない使い方になる。また、特許文献2ではフレキシブルな基板にポリウレタンを使えることを示しているが、生体の皮膚形状になじむ程度の伸縮性が必要な用途に対して、汎用的なポリウレタンでは対応できない。高いフレキシブル性や伸縮性を有する電子デバイスが必要な課題に対しては、25℃における貯蔵弾性率が20~200MPaの、長鎖ポリオールとポリイソシアネートを反応させて合成可能なポリウレタンを基板とする配線基板、および同基板を用いた物理量を測定するセンサと無線通信機器を搭載した伸縮性電子デバイスが開発されている(特許文献3)。この配線基板および同基板を用いた伸縮性電子デバイスを被験者に装着すると、柔軟でべた付きがなく、肌触りが良好である。
(【0011】以降は省略されています)

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