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公開番号2025070764
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-02
出願番号2023181293
出願日2023-10-20
発明の名称不織布及びその製造方法
出願人三井化学株式会社
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類D04H 3/007 20120101AFI20250424BHJP(組みひも;レース編み;メリヤス編成;縁とり;不織布)
要約【課題】高温環境下での寸法安定性に優れる不織布の提供。
【解決手段】不織布は、シンジオタクチックポリスチレンを含む熱可塑性樹脂を含有し、前記シンジオタクチックポリスチレンの結晶化度が、40%以上とされたものである。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
シンジオタクチックポリスチレンを含む熱可塑性樹脂を含有し、
前記シンジオタクチックポリスチレンの結晶化度が、40%以上である不織布。
続きを表示(約 530 文字)【請求項2】
平均繊維径が、10μm以下である請求項1に記載の不織布。
【請求項3】
前記熱可塑性樹脂に占める前記シンジオタクチックポリスチレンの割合が、50質量%以上である請求項1に記載の不織布。
【請求項4】
シンジオタクチックポリスチレンを含む熱可塑性樹脂を溶融する工程と、
溶融した前記熱可塑性樹脂を、複数の孔を有する紡糸口金から加熱ガスとともに吐出し、前記加熱ガスにより前記熱可塑性樹脂を延伸して繊維状樹脂とする工程と、
前記繊維状樹脂を捕集して、ウエブを得る工程と、
加熱による前記ウエブの面方向の形状変化を抑制するために、前記ウエブを固定した状態で前記ウエブを加熱する工程と、を有する不織布の製造方法。
【請求項5】
前記加熱が、130℃~240℃で行われる請求項4に記載の不織布の製造方法。
【請求項6】
前記加熱が、1分~240分行われる請求項4に記載の不織布の製造方法。
【請求項7】
前記熱可塑性樹脂の300℃、荷重1.2kgでのメルトフローレートが、5g/10min~10000g/10minである請求項4に記載の不織布の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、不織布及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
不織布は、ガラスクロスと比べて、不織布を構成する繊維を細化できる等の観点から、柔軟性、均一性、及び緻密性等に優れている。このため不織布は、液体フィルターやエアフィルターなどのフィルター、衛生材、メディカル材、農業用被覆材、土木材、建材、油吸着材、自動車材、セパレータ、衣類、包装材など、幅広い用途がある(例えば、特許文献1を参照)。
特に、不織布はガラスクロスに比べてカレンダー加工や折り曲げ加工などで破損しにくく加工適正に優れているという長所がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2014-24061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の不織布は耐熱性に優れず、改善の余地があった。特に、加熱により熱収縮が生じ、高温環境で不織布を使用する際の寸法安定性を確保できない場合があった。
本開示は上記従来の事情に鑑みてなされたものであり、高温環境下での寸法安定性に優れる不織布及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> シンジオタクチックポリスチレンを含む熱可塑性樹脂を含有し、
前記シンジオタクチックポリスチレンの結晶化度が、40%以上である不織布。
<2> 平均繊維径が、10μm以下である<1>に記載の不織布。
<3> 前記熱可塑性樹脂に占める前記シンジオタクチックポリスチレンの割合が、50質量%以上である<1>又は<2>に記載の不織布。
<4> シンジオタクチックポリスチレンを含む熱可塑性樹脂を溶融する工程と、
溶融した前記熱可塑性樹脂を、複数の孔を有する紡糸口金から加熱ガスとともに吐出し、前記加熱ガスにより前記熱可塑性樹脂を延伸して繊維状樹脂とする工程と、
前記繊維状樹脂を捕集して、ウエブを得る工程と、
加熱による前記ウエブの面方向の形状変化を抑制するために、前記ウエブを固定した状態で前記ウエブを加熱する工程と、を有する不織布の製造方法。
<5> 前記加熱が、130℃~240℃で行われる<4>に記載の不織布の製造方法。
<6> 前記加熱が、1分~240分行われる<4>又は<5>に記載の不織布の製造方法。
<7> 前記熱可塑性樹脂の300℃、荷重1.2kgでのメルトフローレートが、5g/10min~10000g/10minである<4>~<6>のいずれか1項に記載の不織布の製造方法。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、高温環境下での寸法安定性に優れる不織布及びその製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本開示について詳細に説明する。但し、本開示は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本開示を制限するものではない。
【0008】
本開示において「工程」との語には、他の工程から独立した工程に加え、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の目的が達成されれば、当該工程も含まれる。
本開示において「~」を用いて示された数値範囲には、「~」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において「層」又は「膜」との語には、当該層又は膜が存在する領域を観察したときに、当該領域の全体に形成されている場合に加え、当該領域の一部にのみ形成されている場合も含まれる。
本開示において「積層」との語は、層を積み重ねることを示し、二以上の層が結合されていてもよく、二以上の層が着脱可能であってもよい。
本開示において、不織布における繊維の流れ方向をMD方向と称し、繊維の流れ方向と直交する方向をCD方向と称する。
【0009】
<不織布>
本開示の不織布は、シンジオタクチックポリスチレン(以下、SPSと称することがある。)を含む熱可塑性樹脂を含有し、前記SPSの結晶化度が、40%以上とされたものである。
本発明者等は鋭意検討の結果、熱可塑性樹脂に含まれるSPSの結晶化度を40%以上とすることで、高温環境下での寸法安定性に優れる不織布を実現可能であることを見出し、本開示に記載の発明を完成させた。
以下、本開示の不織布について詳細に説明する。
【0010】
(熱可塑性樹脂)
本開示の不織布は、SPSを含む熱可塑性樹脂を含有する。
SPSは、主としてシンジオタクチック構造を有するポリスチレン系重合体である。シンジオタクチック構造とは、立体化学構造がシンジオタクチック構造、即ち炭素-炭素結合から形成される主鎖に対して側鎖であるフェニル基が交互に反対方向に位置する立体構造を有することをいう。
SPSのタクティシティーは、同位体炭素による核磁気共鳴法(
13
C-NMR法)により定量される。シンジオタクチック構造のタクティシティーは、連続する複数個の構造単位の存在割合、例えば2個の場合はダイアッド、3個の場合はトリアッド、5個の場合はペンタッドによって示すことができる。通常、ラセミダイアッドとしては、好ましくは75%以上、より好ましくは85%以上のシンジオタクティシティーを有するポリスチレン系重合体、ラセミペンタッドとしては、好ましくは30%以上、より好ましくは50%以上のシンジオタクティシティーを有するポリスチレン系重合体が用いられる。
(【0011】以降は省略されています)

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