特許ウォッチ

公開番号2025070629
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-02
出願番号2023181097
出願日2023-10-20
発明の名称正極活物質、リチウムイオン電池、及び、正極活物質の製造方法
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類H01M 4/525 20100101AFI20250424BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】O2型構造を有し、かつ、抵抗低減に寄与し得る正極活物質を開示する。
【解決手段】本開示の正極活物質は、O2型構造を有し、かつ、500ppm以下の炭素量を有する。本開示の正極活物質の製造方法は、P2型構造を有するNa含有酸化物のNaの少なくとも一部をLiにイオン交換して、O2型構造を有するLi含有酸化物を得ること、及び、前記Li含有酸化物を加熱して前記Li含有酸化物の炭素量を低減すること、を含む。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項１】
Ｏ２型構造を有する正極活物質であって、
５００ｐｐｍ以下の炭素量を有する、
正極活物質。
続きを表示（約 580 文字）【請求項２】
請求項１に記載の正極活物質であって、
３００ｐｐｍ以下の硫黄量を有する、
正極活物質。
【請求項３】
リチウムイオン電池であって、
正極活物質層と、電解質層と、負極活物質層とを有し、
前記正極活物質層が、請求項１又は２に記載の正極活物質を含む、
リチウムイオン電池。
【請求項４】
正極活物質の製造方法であって、
Ｐ２型構造を有するＮａ含有酸化物のＮａの少なくとも一部をＬｉにイオン交換して、Ｏ２型構造を有するＬｉ含有酸化物を得ること、及び
前記Ｌｉ含有酸化物を加熱して前記Ｌｉ含有酸化物の炭素量を低減すること、
を含む、正極活物質の製造方法。
【請求項５】
請求項４に記載の正極活物質の製造方法であって、
前記Ｌｉ含有酸化物を加熱する際の雰囲気が、不活性ガス雰囲気又は酸素含有雰囲気であり、
前記Ｌｉ含有酸化物を加熱する際の温度が、２００℃以上３００℃以下である、
正極活物質の製造方法。
【請求項６】
請求項４又は５に記載の正極活物質の製造方法であって、
前記Ｌｉ含有酸化物を水洗して前記Ｌｉ含有酸化物の硫黄量を低減すること、
を含む、正極活物質の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本願は正極活物質、リチウムイオン電池、及び、正極活物質の製造方法を開示する。
続きを表示（約 1,800 文字）【背景技術】
【０００２】
正極活物質としてＯ２型構造を有するものが知られている。特許文献１に開示されているように、Ｏ２型構造を有する正極活物質は、Ｐ２型構造を有するＮａ含有酸化物のＮａの少なくとも一部をＬｉにイオン交換することにより得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
特開２０１１－１７０９９４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
Ｏ２型構造を有する従来の正極活物質は、抵抗に関して改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
本願は上記課題を解決するための手段として、以下の複数の態様を開示する。
＜態様１＞
Ｏ２型構造を有する正極活物質であって、
５００ｐｐｍ以下の炭素量を有する、
正極活物質。
＜態様２＞
態様１の正極活物質であって、
３００ｐｐｍ以下の硫黄量を有する、
正極活物質。
＜態様３＞
リチウムイオン電池であって、
正極活物質層と、電解質層と、負極活物質層とを有し、
前記正極活物質層が、態様１又は２の正極活物質を含む、
リチウムイオン電池。
＜態様４＞
正極活物質の製造方法であって、
Ｐ２型構造を有するＮａ含有酸化物のＮａの少なくとも一部をＬｉにイオン交換して、Ｏ２型構造を有するＬｉ含有酸化物を得ること、及び
前記Ｌｉ含有酸化物を加熱して前記Ｌｉ含有酸化物の炭素量を低減すること、
を含む、正極活物質の製造方法。
＜態様５＞
態様４の正極活物質の製造方法であって、
前記Ｌｉ含有酸化物を加熱する際の雰囲気が、不活性ガス雰囲気又は酸素含有雰囲気であり、
前記Ｌｉ含有酸化物を加熱する際の温度が、２００℃以上３００℃以下である、
正極活物質の製造方法。
＜態様６＞
態様４又は５の正極活物質の製造方法であって、
前記Ｌｉ含有酸化物を水洗して前記Ｌｉ含有酸化物の硫黄量を低減すること、
を含む、正極活物質の製造方法。
【発明の効果】
【０００６】
本開示の正極活物質は、Ｏ２型構造を有するとともに、低い抵抗を有する。
【図面の簡単な説明】
【０００７】
Ｏ２型構造を有する正極活物質の製造方法の流れの一例を示している。
加熱によって炭素が除去されるメカニズムを概略的に示している。
リチウムイオン電池の構成の一例を概略的に示している。
【発明を実施するための形態】
【０００８】
以下、本開示の正極活物質、リチウムイオン電池、及び、正極活物質の製造方法の一実施形態について説明するが、本開示の正極活物質、リチウムイオン電池、及び、正極活物質の製造方法は以下に説明される実施形態に限定されるものではない。
【０００９】
１．正極活物質
一実施形態に係る正極活物質は、Ｏ２型構造を有し、かつ、５００ｐｐｍ以下の炭素量を有する。
【００１０】
１．１結晶構造
一実施形態に係る正極活物質は、結晶構造として、少なくともＯ２型構造（空間群Ｐ６３ｍｃに属する）を有する。一実施形態に係る正極活物質は、Ｏ２型構造を有するとともに、Ｏ２型構造以外の結晶構造を有していてもよい。Ｏ２型構造以外の結晶構造としては、例えば、Ｏ２型構造からＬｉを脱挿入した際に形成されるＴ♯２型構造（空間群Ｃｍｃａに属する）やＯ６型構造（空間群Ｒ－３ｍに属し、ｃ軸長が２．５ｎｍ以上３．５ｎｍ以下、典型的には２．９ｎｍ以上３．０ｎｍ以下であって、同じく空間群Ｒ－３ｍに属するＯ３型構造とは異なる）等が挙げられる。一実施形態に係る正極活物質は、主相としてＯ２型構造を有するものであってもよい。一実施形態に係る正極活物質は、Ｏ２型構造とともに、Ｔ♯２型構造及びＯ６型構造のうちの一方又は両方を有するものであってもよい。一実施形態に係る正極活物質は、その充放電状態によって、主相となる結晶構造が変化し得る。
（【００１１】以降は省略されています）

関連特許