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公開番号2025071792
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-08
出願番号2024184066
出願日2024-10-18
発明の名称水硬性組成物
出願人花王株式会社
代理人個人,個人
主分類C04B 28/02 20060101AFI20250428BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】流動性が向上された水硬性組成物を提供する。
【解決手段】下記(A)成分、(B)成分、(C)成分及び(D)ポリカルボン酸系分散剤を含有する、水硬性組成物。
(A)成分:セメントクリンカー又はセメント粉体
(B)成分:鉄を酸化鉄換算で2.0質量%未満含み、モース硬度が1以上5以下の鉱物、スラグ及びアッシュから選ばれる1種類以上
(C)成分:下記一般式(1c)で表される特定の化合物
【化1】
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【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項１】
下記（Ａ）成分、（Ｂ）成分、（Ｃ）成分及び（Ｄ）ポリカルボン酸系分散剤を含有する、水硬性組成物。
（Ａ）成分：セメントクリンカー又はセメント粉体
（Ｂ）成分：鉄を酸化鉄換算で２．０質量％未満含み、且つモース硬度が１以上５以下である、鉱物、スラグ及びアッシュから選ばれる１種類以上
（Ｃ）成分：下記一般式（１ｃ）で表される化合物
JPEG
2025071792000006.jpg
29
153
〔式中、Ｒ
１ｃ
～Ｒ
４ｃ
は、それぞれ独立して水素原子、炭素数１以上２以下のアルキル基、アミド基、又は－Ｃ（＝Ｘ）Ｎ（Ｒ
５ｃ
）Ｒ
６ｃ
基である。Ｒ
５ｃ
、Ｒ
６ｃ
は、それぞれ独立して水素原子、炭素数１以上２以下のアルキル基、アミド基、又は－Ｃ（＝Ｘ）Ｎ（Ｒ
７ｃ
）Ｒ
８ｃ
基である。Ｒ
７ｃ
、Ｒ
８ｃ
は、それぞれ独立して水素原子、炭素数１以上２以下のアルキル基、又はアミド基である。Ｘは、酸素原子、硫黄原子、又はＮＨである。異なるＮに結合するＲ
１ｃ
～Ｒ
４ｃ
は、相互に結合して環を形成してもよい。一分子中に複数のＸを含む場合、Ｘは同一でも異なっていてもよい。また、一分子中に複数のＲ
５ｃ
～Ｒ
８ｃ
を含む場合、Ｒ
５ｃ
～Ｒ
８ｃ
はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。〕
続きを表示（約 2,100 文字）【請求項２】
（Ａ）成分に対する（Ｃ）成分の吸着量（ａＡ）と（Ｂ）成分に対する（Ｃ）成分の吸着量（ａＢ）の質量比（ａＢ）／（ａＡ）が１．５以上である、請求項１に記載の水硬性組成物。
【請求項３】
（Ｃ）成分は、尿素及びその誘導体から選ばれる１種以上である、請求項１又は２に記載の水硬性組成物。
【請求項４】
（Ａ）成分、（Ｂ）成分及び（Ｃ）成分を含む混合粉砕物、（Ｄ）ポリカルボン酸系分散剤並びに（Ｅ）水を含む、請求項１又は２に記載の水硬性組成物。
【請求項５】
下記（Ａ）成分、（Ｂ）成分、（Ｃ）成分及び（Ｄ）ポリカルボン酸系分散剤を配合してなる、水硬性組成物。
（Ａ）成分：セメントクリンカー又はセメント粉体
（Ｂ）成分：鉄を酸化鉄換算で２．０質量％未満含み、且つモース硬度が１以上５以下である、鉱物、スラグ及びアッシュから選ばれる１種類以上
（Ｃ）成分：下記一般式（１ｃ）で表される化合物
JPEG
2025071792000007.jpg
29
153
〔式中、Ｒ
１ｃ
～Ｒ
４ｃ
は、それぞれ独立して水素原子、炭素数１以上２以下のアルキル基、アミド基、又は－Ｃ（＝Ｘ）Ｎ（Ｒ
５ｃ
）Ｒ
６ｃ
基である。Ｒ
５ｃ
、Ｒ
６ｃ
は、それぞれ独立して水素原子、炭素数１以上２以下のアルキル基、アミド基、又は－Ｃ（＝Ｘ）Ｎ（Ｒ
７ｃ
）Ｒ
８ｃ
基である。Ｒ
７ｃ
、Ｒ
８ｃ
は、それぞれ独立して水素原子、炭素数１以上２以下のアルキル基、又はアミド基である。Ｘは、酸素原子、硫黄原子、又はＮＨである。異なるＮに結合するＲ
１ｃ
～Ｒ
４ｃ
は、相互に結合して環を形成してもよい。一分子中に複数のＸを含む場合、Ｘは同一でも異なっていてもよい。また、一分子中に複数のＲ
５ｃ
～Ｒ
８ｃ
を含む場合、Ｒ
５ｃ
～Ｒ
８ｃ
はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。〕
【請求項６】
下記（Ａ）成分、（Ｂ）成分、（Ｃ）成分、（Ｄ）ポリカルボン酸系分散剤〔以下、（Ｄ）成分という〕、及び（Ｅ）水〔以下、（Ｅ）成分という〕を混合する、水硬性組成物の製造方法。
（Ａ）成分：セメントクリンカー又はセメント粉体
（Ｂ）成分：鉄を酸化鉄換算で２．０質量％未満含み、且つモース硬度が１以上５以下である、鉱物、スラグ及びアッシュから選ばれる１種類以上
（Ｃ）成分：下記一般式（１ｃ）で表される化合物
JPEG
2025071792000008.jpg
29
153
〔式中、Ｒ
１ｃ
～Ｒ
４ｃ
は、それぞれ独立して水素原子、炭素数１以上２以下のアルキル基、アミド基、又は－Ｃ（＝Ｘ）Ｎ（Ｒ
５ｃ
）Ｒ
６ｃ
基である。Ｒ
５ｃ
、Ｒ
６ｃ
は、それぞれ独立して水素原子、炭素数１以上２以下のアルキル基、アミド基、又は－Ｃ（＝Ｘ）Ｎ（Ｒ
７ｃ
）Ｒ
８ｃ
基である。Ｒ
７ｃ
、Ｒ
８ｃ
は、それぞれ独立して水素原子、炭素数１以上２以下のアルキル基、又はアミド基である。Ｘは、酸素原子、硫黄原子、又はＮＨである。異なるＮに結合するＲ
１ｃ
～Ｒ
４ｃ
は、相互に結合して環を形成してもよい。一分子中に複数のＸを含む場合、Ｘは同一でも異なっていてもよい。また、一分子中に複数のＲ
５ｃ
～Ｒ
８ｃ
を含む場合、Ｒ
５ｃ
～Ｒ
８ｃ
はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。〕
【請求項７】
（Ａ）成分と（Ｃ）成分の混合物と（Ｂ）成分とを混合して得られた混合物、又は（Ｂ）成分と（Ｃ）成分の混合物と（Ａ）成分とを混合して得られた混合物を粉砕して得られた混合粉砕物と、（Ｄ）成分と、（Ｅ）成分とを混合する、請求項６に記載の水硬性組成物の製造方法。
【請求項８】
（Ｃ）成分は、尿素及びその誘導体から選ばれる１種以上である、請求項６又は７に記載の水硬性組成物の製造方法。
【請求項９】
（Ｃ）成分を、（Ａ）成分と（Ｂ）成分の合計１００質量部に対して、０．００１質量部以上０．５質量部以下混合する、請求項６又は７に記載の水硬性組成物の製造方法。
【請求項１０】
（Ｄ）成分を、（Ａ）成分と（Ｂ）成分の合計１００質量部に対して、０．０１質量部以上５質量部以下混合する、請求項６又は７に記載の水硬性組成物の製造方法。
（【請求項１１】以降は省略されています）
発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、水硬性組成物及び水硬性組成物の製造方法に関する。
続きを表示（約 1,500 文字）【背景技術】
【０００２】
セメントコンクリートは、主にポルトランドセメント、水、細骨材及び粗骨材を混合し成形、硬化させることによって製造される、人類の発展に欠くことのできない建設資材である。
【０００３】
ポルトランドセメントは、石灰石、粘土、珪石及び鉄原料等を乾燥し、混合、焼成して得られるセメントクリンカーを主原料として製造されるが、焼成工程においては石灰石の脱炭酸により大量のＣＯ
２
が排出される。近年、セメント産業におけるＣＯ
２
排出量削減に向けた取り組みの一環として、セメントクリンカーの代わりに（潜在）水硬性を示す鉱物、スラグ、又はアッシュ等を混合した、混合セメントの普及促進が検討されている。
【０００４】
混合セメントに混合される混合材；（潜在）水硬性を示す鉱物、スラグ又はアッシュ等としては、例えば、ポゾラン作用のあるもの（例えばフライアッシュ、シリカフューム、火山灰、珪酸白土、か焼粘土）や、潜在水硬性のあるもの（例えば高炉スラグ）、Ｃ３Ａ（アルミン酸三カルシウム）又はＣ４ＡＦ（鉄アルミン酸四カルシウム）と反応するもの（例えば石灰石）などが挙げられる。
【０００５】
特許文献１には、尿素等特定の化合物の酸塩と、粉砕助剤の存在下で、水硬性化合物を粉砕する工程を有する、水硬性粉体の製造方法であって、水硬性化合物の粉砕効率が良いこと、及び得られる水硬性組成物の硬化時の圧縮強度を向上させるセメント等の水硬性粉体が得られることを両立する水硬性粉体の製造方法が開示されている。
また、特許文献２には、セメント及びクレイに対する吸着量が一定条件を満たすポリマーによって、品質の高くない骨材を含む水硬性組成物に対して、微粒成分の含有量に関係なく、流動性、保持性及びコンクリート等の状態を改善し、コンクリート等の水硬性組成物に優れた性状を与えることができる水硬性組成物用添加剤が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００６】
特開２０１３－７９１８４号公報
特開２０１４－１８１１７１号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
しかしながら、混合セメントを製造する際に、原料であるセメントクリンカー等と混合材とを一括で粉砕・混合すると、セメントクリンカー等に比して軟らかい混合材が過度に微粒化し、得られた混合セメントによって製造される水硬性組成物スラリーの流動性（加工性）が低下するおそれがあった。
【０００８】
上記課題の解決策としては、セメントクリンカー等と混合材とを別々に粉砕し、後工程で混合する、といった対応が取られることが多いが、セメントクリンカー等と混合材とを混合する設備や混合材をストックするための設備などが新たに必要となり、投資がかさむなどの課題が生じる。
【０００９】
本発明は、流動性が向上された水硬性組成物及び水硬性組成物の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
本発明は、一つの実施形態において、下記（Ａ）成分、（Ｂ）成分、（Ｃ）成分、及び（Ｄ）ポリカルボン酸系分散剤〔以下、（Ｄ）成分という〕を含有する、水硬性組成物を提供する。
（Ａ）成分：セメントクリンカー又はセメント粉体
（Ｂ）成分：鉄を酸化鉄換算で２．０質量％未満含み、且つモース硬度が１以上５以下である、鉱物、スラグ及びアッシュから選ばれる１種類以上
（Ｃ）成分：下記一般式（１ｃ）で表される化合物
（【００１１】以降は省略されています）

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